施政方針特集号2ページ

施政方針特集号
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○人口減少問題に対応した(仮称)国分寺市まち・
ひと・しごと創生総合戦略を策定
平成20年に始まったとされる国の人口減少は、
今後加速度的に進むことが予想されます。人口減
少の進行は、地域によって異なり、地方から都市
部へ広がっていくとされています。
国は、人口減少問題に関する国民の意識の共有
を目指し、今後の取り組むべき方向性を提示する
(2)」
ため、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン
を策定しました。
本市としましても、国の動きに呼応し、人口減
少問題を真正面から受け止め、住み続けたいまち、
魅力あるまち、夢のあるまちとして、若い世代が
安心して結婚・出産・子育てができるための施策
を推進するため、まち・ひと・しごと創生法を踏
まえた「(仮称)国分寺市まち・ひと・しごと創
生総合戦略」を策定してまいります。
行政運営の重点方針
以上を踏まえ、平成27年度の行政運営において、
重点的に取り組むべき施策につきまして、簡潔に
述べさせていただきます。
○ペンシルロケット発射60周年を機に、まちの魅
力の発信をさらに展開
本年は、東京大学の糸川英夫教授らが、市内に
おいて行ったペンシルロケットの水平発射実験か
ら60年目に当たります。国分寺の地で産声を上げ
た日本の宇宙開発の歴史を振り返り、今後を展望
する「ペンシルロケット発射60周年記念イベント」
を行い、まちの魅力を発信してまいります。また、
「ふるさと納税事業」につきましても、「ペンシル
ロケット発射60周年」を契機として、お礼の品に
「ペンシルロケットレプリカ」を数量限定で追加
することにより、「日本の宇宙開発発祥の地」と
してのまちの魅力を全国に発信するとともに、地
域の活性化を図ってまいります。さらに、
「国分
寺市は日本の宇宙開発発祥の地」をテーマとして、
地域を巻き込んだ事業を展開するとともに、「子
ども体験塾」として宇宙に関するテーマで子ども
達に感動体験を提供してまいります。
あわせて、歴史や自然等の貴重な資源を活かし
た事業や市制施行50周年からの継続事業をより一
層賑わいをもたらすものに発展させます。また、
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
、
観光アプリ等を活用しながら動画を含めた情報発
信を行うことにより観光施策を展開し、観光を通
じた産業、地域の活性化により市外から人を呼び
込み、まちの賑わいを高めてまいります。
○子育て世代に魅力的な子ども・教育施策の充実
子ども・子育て家庭施策につきましては、多く
の市民の皆様の参加を得て策定しております新た
な『国分寺市子育て・子育ちいきいき計画』に基
づき施策を実施し、家庭や地域において育つ喜び、
子育ての喜びが実感でき、すべての子どもたちが
健やかに成長していけるまちを目指します。また、
本年4月に施行される子ども・子育て支援法に基
づき教育・保育、地域の子ども・子育て支援の「量」
と「質」の充実を図ってまいります。
さらに、機構改革により、今年度から始まる子
ども・子育て支援新制度に対応し、子ども、若者
および家庭に関する施策を全般的に推進するた
め、子ども福祉部を発展させ、子ども家庭部とい
たします。
保育施策につきましては、本年4月に定員80名
の「こもれびの森保育園」の開園、来年4月開園
に向けた認可保育園誘致等量的整備を進め、待機
児童の解消に努めてまいります。また、基幹型保
育所システムを活用し、保育園同士の連携強化や
保育士のための研修等の事業内容を充実させ、保
育の質的な向上を図ってまいります。
日吉保育園の民営化につきましては、選定され
た社会福祉法人と丁寧な引継ぎを行い、来年度民
設民営化への準備を進めます。また、ほんだ保育
園の民営化につきましては、民営化ガイドライン
に基づき法人募集を行い、優良な法人を選定して
まいります。
学童保育事業につきましては、ますます高まる
市民ニーズに対応するため、さまざまな手法を検
討するとともに、民間の力を活用した学童保育所
を誘致することにより、子どもたちが安心して、
いきいきと過ごせる放課後の居場所づくりを進め
てまいります。
障害児支援につきましては、こどもの発達セン
ターつくしんぼの通園教室を児童福祉法に基づく
児童発達支援事業に移行し、専門職増員による質
の高い療育を充実してまいります。また、新たに
相談支援事業所を開設し、対象年齢を18歳未満ま
で拡大することにより、切れ目のない支援を行う
とともに、障害児保育を実施している幼稚園や保
育園等への訪問支援や特別支援教育との連携を充
実してまいります。
いじめ・虐待防止対策につきましては、昨年度
に「国分寺市子どもいじめ虐待防止条例」を施行
し、行政、学校、保護者および地域が一体となっ
て、その未然防止に努めてまいりました。今年度
も継続して、小学5年生と中学1年生を対象に全
学級での「弁護士によるいじめ防止授業」や「臨
床心理士による全員面接」を実施するとともに、
関係機関が一丸となっての組織的対応を徹底して
まいります。
また、在宅で子育てをしている方々には、親子
ひろば事業を通じ、市民および市民活動団体等と
の地域ネットワークを強化し、育児の不安感や孤
立感が解消できる環境づくりを進めてまいりま
す。
特別支援教育の充実につきましては、保護者や
子どもの教育ニーズに応じた適切な教育の場とし
て、第二中学校に固定学級の「自閉症・情緒障害
学級」を開設いたします。小・中学校ともに、自
閉症・情緒障害のある児童・生徒が、一人ひとり
に応じた適切な教育を受けられるよう、更なる充
実に努めてまいります。
学校施設につきましては、教育環境の向上を図
り、児童・生徒が安全で快適な学校生活が送れる
よう整備してまいります。今年度は、第二・第六
小学校のトイレの洋式化を中心とした改修工事を
行うとともに、来年度以降の改修工事に向けて、
ほかの小学校の設計を行います。また、老朽化に
伴う第五小学校校舎と第一中学校体育館の大規模
改造工事を実施してまいります。
さらに、児童の安全安心を守るため、地域の見
守り活動と合わせ、通学路に各小学校5台の防犯
カメラを設置してまいります。
学校給食につきましては、引き続き給食食材の
放射性物質検査に取り組み、学校給食の安全確保
に努めるとともに、市立小学校給食調理業務委託
を新たに2校で開始し、全校の2分の1に当たる
5校で実施してまいります。
公民館につきましては、これからの公民館のあ
り方や運営の方向について、市全体の課題を調査・
審議するために、公民館運営審議会を一つに統合
してまいります。また、地域の特性を活かした公
民館事業の企画実施や運営を進めるために、各公
民館に運営サポート会議を設置してまいります。
図書館につきましては、国立市・府中市および
小平市に続いて立川市とも図書館の相互利用を開
始いたします。
また、光図書館においては、窓口業務の一部委
託を開始し、現在は水曜日のみ行っている夜間開
館サービスを、火曜日から金曜日までに拡大する
とともに、月曜日の祝日開館を本格実施してまい
ります。
教育委員会につきましては、教育委員会制度の
改正を踏まえ、市長と教育委員会が協議・調整を
行う場として総合教育会議を開催し、十分な意思
疎通を図るとともに、教育施策の根本となる方針
として、教育に関する「大綱」を定めてまいりま
す。
○だれもが安心して生活できる福祉施策の充実
地域福祉につきましては、新たに「国分寺市地
域福祉計画」を策定し、だれもが住み慣れた地域
で安心して幸せに暮らし続けられる地域社会の実
現を目指し、行政による福祉サービスのみならず、
地域の支え合いによる問題解決に取り組んでまい
27・4・1 市役所☎
(042)
325−0111
ります。そのため、地域福祉に取り組んでいる市
民や各種団体で構成する「(仮称)地域福祉推進
協議会」および新たな庁内委員会を設置し、連携・
協力により地域福祉を推進してまいります。
国民健康保険につきましては、高齢者や低所得
者の占める割合が多いという構造的な課題に加
え、更なる高齢化等により保険給付費が増加して
おり、厳しい財政運営となっております。全国的
にも同様の傾向であり、引き続きレセプトデータ
を用いた医療費適正化を進め、健全な財政運営に
努めてまいります。
また、現在、国において、国民健康保険の将来
にわたる安定的な制度運営が可能となるよう、都
道府県と市区町村との適切な役割分担等について
検討が進められていることを踏まえ、国民健康保
険を取り巻く環境を慎重に見極めてまいります。
後期高齢者医療制度につきましては、高齢者が
健康を維持し、また、安心して医療が受けられる
よう、東京都後期高齢者医療広域連合と密接に連
携し、対応を図ってまいります。
高齢者施策につきましては、高齢者がいきいき
と充実した生活を送ることができるよう、国が目
指す「住まい・医療・介護・予防・生活支援」が
一体的に提供できる地域包括ケアシステム構築の
視点を踏まえて『国分寺市高齢者保健福祉計画』
を策定しております。この計画の確実な推進を目
指し、新たに評価委員会を設置するなど、高齢者
施策の向上に努めてまいります。
地域包括ケアシステムは、医療・介護の連携体
制を推進させるとともに、社会参加を通じた介護
予防や認知症の早期発見等による市民一人ひとり
が主役となって地域を支える仕組みです。このた
め、関係機関の協力を得ながら、市直営の基幹型
地域包括支援センターと市内6箇所の地域包括支
援センターが連携し、その構築に取り組んでまい
ります。
介護保険につきましては、『国分寺市高齢者保
健福祉計画』と同時に『第6期国分寺市介護保険
事業計画』を策定しております。『第5期介護保
険事業計画』に位置付けられた市内で5施設目と
なる特別養護老人ホームが6月に開設する予定で
す。また、
『第6期介護保険事業計画』では、平
成29年度に、介護老人保健施設、小規模多機能型
居宅介護サービス事業所および認知症対応型共同
生活介護サービス事業所がそれぞれ1施設ずつ開
所することを位置付けております。
今年度に介護保険制度の改正が行われ、団塊の
世代が後期高齢者となる平成37年を見据えた対策
が求められています。特に計画の中で重点的に取
り組む課題として4項目が位置付けられておりま
す。1つ目は、在宅医療・介護の連携の推進、2
つ目は、認知症施策の推進、3つ目は、地域ケア
会議の推進、そして4つ目は、生活支援サービス
の充実・強化であります。これらは、本市にとっ
ても将来にわたる大きな課題であり、的確に進め
てまいります。さらに、内容・利用方法等が変更
になるサービスについても、市民の皆様が混乱す
ることのないよう十分に説明を行うなど丁寧に対
応してまいります。
健康施策につきましては、35歳以上の方に行わ
れている妊婦健診超音波検査費の助成について年
齢制限を撤廃し、すべての妊婦および胎児の健康
管理を充実させ、安心して出産を迎えられるよう
取り組んでまいります。さらに、妊娠期や乳幼児
期の育児不安の解消や虐待の予防および早期発見
を行うため、専門家による個別相談の充実を図っ
てまいります。
また、がん検診・歯科健診の40歳個別勧奨事業
を引き続き実施するとともに、『国分寺市健康増
進計画』に基づき、市民の健康づくりに取り組ん
でまいります。
障害者施策につきましては、近年、障害者を取
り巻くさまざまな法律が改正され、それに対応す
るため『国分寺市障害者計画・第3次』および『第
4期国分寺市障害福祉計画』を策定しております。
この計画に基づき、障害者福祉の更なる充実を
図ってまいります。