Vol. 21 理事より ワーカビリティ・アジア副代表からのメッセージ 目 次 : 理事より 1 アベダのサクセス・ス トーリー(BPFより) 4 WAsia 会議 2015 6 事務局より 7 能力―香港の優れた雇用宣言 デボラ・ワン 斎藤なを子 / 藤井克徳 / デボラ・ワン / 佐藤ふき 私がワーカビリティ・アジアのニュースレターに寄稿してから2年が経ち、2013年からの香 港における雇用促進について発表したいと思い、「能力―香港の優れた雇用宣言」のこのト ピックを選びました。このスキームは、貧困削減の手法の一つとして、2013年9月に始まりま した。設立団体は、労働福祉局、リハビリテーション諮問委員会、香港障害者ジョイントカ ウンシィル、そして香港社会サービス協議会です。リハビリテーション諮問委員会のメン バーと、雇用小委員会の議長、そしてまたジョイントカウンシルの副代表の経歴により、私 は議長を務め、「能力―香港の優れた雇用宣言」のワーキンググループを開催しました。 1 理 事 よ り ... cont. 宣言の目的: 宣言は、すべての業界や部門の雇用主が障害のある人に、より多くの雇用機会を提供する ことを求めています。それによって、彼らの能力を引出し、彼らの自立を可能にし、社会 的な統合を促進し、すべての人にとっての思いやりと支援がある社会の構築を目指してい ます。 宣言の内容: 宣言は、障害者雇用を促進するために役割を果たしたいと願っている団体によって、任意 で署名されることになっています。宣言への署名によって、団体は宣言の目的を果たすこ とを約束し、宣言の実行と障害者雇用の促進に、ベストを尽くすことを断言します。私た ちは、「能力―香港の優れた雇用宣言」実行の好事例と方法をリスト化しています。 1.障害者雇用に関する方針と方法を紹介すること 2.障害のある人を雇用すること 3.障害者雇用に関する企業の出版物/広報記事を定期的に出版すること 4.障害のある従業員の仕事のパフォーマンスを上げるために、バリアフリーな職場環境 と支援機器の設置を促進すること 5.障害のある従業員の特別なニーズに対して、仕事の工程を合理的に適切に調整するこ と 6.障害のある人に訓練と仕事の機会を提供するために、関連する政府機関によって運営 されている様々なOJT・支援プログラム に参加すること、または実習プログラ ムや似通った方法を紹介すること 7.障害のある人に対する知識を広めるた めに、指導プログラムまたは同様の対 策を立ち上げること 8.リハビリテーション社会的企業とワー クショップ、障害者の雇用事業者、そ して障害のある自営業者によって提供 された製品やサービスを利用すること 9.障害者雇用のために非営利の社会的企 業を設立すること 10.障害のある人に初任者研修を提供する ために、非営利団体との連携で、訓練 用の職場を設立すること 2 理 事 よ り ... cont. 11.ビジネスを営む、または商品を売るために、社会的企業または障害のある自営業者 のための店舗または売店を確保すること 12.障害のある人の労働能力を適切に考慮した新しい仕事を作り出し、彼らの雇用機会 を拡大すること 13.障害のある人の一般雇用を促進するために、広報活動や公的な教育活動に参加する こと 14.雇用を確保する際に障害のある人 を支援するその他の対策を実行す ること 2015年1月現在、すべての政府局/ 省、公的団体、非営利団体、中小企 業、民間企業と商工会議所を含む380 以上の団体が、宣言スキームに参加し ています。スキーム促進の第2ラウン ドは、このスキームに参加するために より多くの団体を巻き込んで、2015年 に開始します。 宣言スキームは、1回限りではなく、 障害のある人の雇用機会を促進するため、継続的に行なわれるでしょう。それぞれの団 体には、スキームに参加した後ロゴが渡され、参加団体はその業績が評価されます。 2014年9月、指針スキーム開始の1年後、表彰式が障害のある人の能力を示すドラマ付 で行われました。それは、テレビでも放映され、一般の人から高い評価を受けました。 より多くの団体の参加を促すために、簡易な登録フォームが2015年2月に導入され、更 なる広報が間もなく始まります。 宣言スキームのより詳しいことは、ウェブサイト(www.lwb.gov.hk)を参照してくださ い。 ワーカビリティ・アジアのすべての理事会に参加し、2014年4月に東京で開催された ワーカビリティ・インターナショナル理事会にも参加するなど、私にとってとても活動 的な2年間でした。東京理事会の写真と宣言スキームの承認セレモニーの写真をみなさ んにもお届けします。 3 アベダのサクセス・ストーリー シャミム・フェドウス博士 バングラデシュ・プロティボンディ財団(BPF) アベダは、16歳の少女です。彼女は、先天性風疹症候群の合併症による視覚・聴覚障 害、話すこととボーダーラインの知的障害をもち、10歳の時にバングラディシュ・プロ ティボンディ財団にやってきました。彼女には重い行動障害もありました。初めの頃、 彼女はとても落ち着きがありませんでした。10歳半の時、彼女は心臓の手術を受けまし た。やがて、彼女は介入プログラムに参加しました。現在、行動スキルの向上により、 彼女はとても社交的で感情豊かです。彼女は、家事全般をこなし、手話を使って他の人 とコミュニケーションすることができます。当初、担任教師は彼女の改善を心配してい ましたが、短期間で彼女の実用的なスキルは著しく改善されました。 実用的で社会的なスキルを発展させるための指導と学習方法 4 アベダのサクセス・ストーリー ... cont. 彼女の母はハウスメイドとして働き、月にわずか1000タカ(約1,560円)を稼いでいまし た。彼女の父が去り、長い間彼らは十分に食べることもできず、うつ病を患っていまし た。今年から、彼女は、オーストラリアのジョブ・プレイスメントの支援による収入創出 プログラムに参加しています。月にたった10,000タカ(約15,600円)が、家族の生活を変 えました。彼女の母は問屋で服を購入し、コミュニティの中それらを訪問販売していま す。アベダもまた、ガラスを使ったオーナメントを作り、服と一緒に売っています。今 や、彼女は月に6500タカを稼ぐようになり、無利子で月に500タカを返しています。アベ ダの父は再び家族のもとに戻ってきました。徐々にメインストリームの社会の中でアベダ がより自立することを可能にした挑戦を、家族は乗り越えました。今や彼女は、家族のお 荷物ではなく財産です。私たちは、彼女の輝かしい未来を願っています。 Patrick Maher 収入創出プログラム 5 ワーカビリティ・アジア会議 2015 2015年7月8日~10日、パタヤ、タイ ■日程 : 2015年7月8日~10日 ■会場 : ヒルトン・ホテル、パタヤ、タイ ■会議テーマ : ともに変化を生み出そう ■プログラム : 7月8日 9:00~16:00(開会式/基調講演/ウェルカム障害者マーク始動 /ASEAN フォーラム) 18:00~20:00(歓迎夕食会) 7月9日 9:00~17:15(パネル・ディスカッション/WAsia総会/ 閉会式) 15:00~16:15(WAsia総会 ※WAsia会員のみ) 7月10日 8:30~14:00(スタディ・ツアー) ⇒ 詳しくは事務局までお問い合わせください。 ■登録 : 早期割引(2015年4月1日~5月15日) 通常登録(2015年5月16日~6月26日) ■お問い合わせ : Ms. Sakulthip Kiratiphantawong, ワーカビリティ・タイ事務局 ■Email: [email protected] ■Facebook: www.facebook.com/workabilityasiaconference ■Website: www.workabilitythailand.com 6 事務局より ワーカビリティ・アジア(WAsia)人材交流プログラム レデンプトリスト障害者財団から、知的障害者の労働・雇用支援について学び、タイと 日本の障害者支援のグッド・プラクティスを交流するために、3人のスタッフが2週間 来日します。 ・日程:2015年4月12日~25日(2週間) ・主催:きょうされん プログラムの最終日には、人材交流プログラム報告会を開催します。プログラムの成果 を報告し、タイの障害のある人の現状を学び、アジアの障害のある人の労働・雇用を促 進するために意見交換します。 ・日程:2015年4月24日 ・会場:戸山サンライズ(東京) ・主催:ワーカビリティ・インターナショナル・ジャパン(WIJ) ワーカビリティ・インターナショナル(WI)世界会議2015 (サンディエゴ、アメリカ) WIの年次会議が、グッドウィル・インダストリーズと共催で、2015年6月20日~22日、ア メリカ、サンディエゴのホテル・デル・コロナドで開催されます。 テーマは、「世界中で地域の力をつけよう-個人そして組織の健全性を焦点に」です。 詳細は、ウェブをご覧ください。 http://workability-international.com/ 2015年3月発行 NEW 住所:169-0074 東京都新宿区北新宿4-8-16 9F Tel: 03 5937 2444 Email: [email protected] 7
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