次世代エネルギーパーク計画書;pdf

次世代エネルギーパーク計画書
1.計画名称
静岡市次世代エネルギーパーク
2.所在地
静岡市内
3.計画策定主体
【地方自治体、第三セクター等】
【担当部署名、担当者の役職、氏名、連絡先等についても記載下さい。
】
静岡市環境局環境創造部環境総務課
〒420-8602 静岡市葵区追手町 5 番 1 号
TEL:054-221-1077
FAX:054-221-1492
E-mail:[email protected]
4.実施運営主体
【地方自治体、第三セクター、民間企業等】
【協議会等を組織する場合は、その参画主体及びその組織設置スケジュー
ルについても記載してください】
静岡市
5.計画概要
(1)計画のコンセプト
【地域特性等の特色や創意工夫について、具体的に記載してください。
】
○ 静岡市は静岡県のほぼ中央に位置し、東は富士市に接し、西は高草山山系によって焼津市、藤枝市な
どに、北は山梨県及び長野県、南は駿河湾に面しています。市の総面積は約 1,411 平方キロメートルで
全国第5位の広さとなっており、葵区、駿河区、清水区の 3 区から構成されています。
○ 標高 3,000m級の山々が連なる南アルプスから、最大深度約 2,500mの駿河湾まで約 5,500mの標高差
があり、世界的にも極めて珍しい地域となっています。平野部は市域南部の市街地周辺に限られ、市域
の約 76%が主に山間地に広がる森林となっています。主な河川としては、安倍川や藁科川、興津川、巴
川などがあり、駿河湾に注いでいます。また、駿河湾に突き出た三保半島は砂嘴地形、市街地の中央に
位置する丘陵地の有度山は、海底隆起による山地形成という、周辺環境とは異なるメカニズムで形成さ
れた地形となっています。
○ 本市には、河川、森林等の再生可能エネルギー資源が多く存在するほか、日照環境についても、平成
25 年が 2,297.6 時間、平成 24 年が 2,268.8 時間と全国でも有数の日照時間となっています。
○ 本市では、市有施設の中でも有数の集客力のある日本平動物園に太陽光発電設備や小型風力発電施設
を導入し、
「動物と環境について学べる環境教育施設」として整備を進めてきました。今後は、これらの
施設を活用し、子供から高齢者までの各層に対し再生可能エネルギーに関する普及啓発に努めていくこ
とから、当該施設を計画の中心施設とします。
○ 日本平動物園のほか、市民が環境と再生可能エネルギーについて考えるためのランドマークとなって
いる風力発電施設「風電君」や、学校・団体等多くの見学者を受け入れ、廃棄物発電や余熱利用に取り
組んでいる清掃工場等の市有施設も本計画の関連施設とします。
1
○ 本計画では、市が所有する再生可能エネルギー導入施設だけでなく、市内で民間により先行的・先進
的に整備されている新エネルギー関連施設を盛り込み次世代エネルギーパークを構成します。
○ 多彩なエネルギーを含んだ計画となるように、官民が連携し、できる限りの関連施設を盛り込み、計
画の充実を図ります。
○ 世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産である三保松原やユネスコエコパーク
に登録された南アルプス等の観光資産を活用し、市民のみならず観光、行楽客に対しても再生可能エネ
ルギー等に関する広報・普及にも努めます。
【地域住民等国民各層の理解増進を促進するための、立地上の位置づけその他の工夫について記載して下
さい。
】
○ 市内全域を次世代エネルギーパークとして位置づけ、幅広い年齢層と集客力を見込むことができる日
本平動物園を中心施設として、点在する再生可能エネルギー施設等を結び付け、次世代エネルギーに対
する理解増進を図ります。
○ 既に認定を受けている「ふじのくに次世代エネルギーパーク」
(静岡県)とも連携し、普及啓発に取り
組みます。
○ 本市では、
「地域のエネルギーを地域のみんなで創る」をコンセプトに、市民ファンド等を活用し、市
内の公共施設に太陽光発電設備を設置し、民間事業者による発電事業を実施しています。市民ファンド
にはマイクロファンド(1口数万円からの短期償還)を導入し、市民が発電事業に参画しやすい仕組み
を構築しました。
本計画の中心施設となる日本平動物園及び関連施設となるIAIスタジアム日本平(清
水日本平運動公園球技場)に設置された太陽光発電設備が、この事業によるものとなります。
(2)計画の全体像
【計画図があれば、別途添付してください。
】
○ 静岡市次世代エネルギーパーク計画図のとおり
【計画が複数の地区や地域にまたがる場合、中心となる施設と個々の施設との地理的関係を明示するとと
もに、それらに関し、一体的に見学できるような工夫等について記載してください】
○ 本市が「動物と環境について学べる環境教育施設」として整備している日本平動物園を中心施設とし
ます。
○ 「世界文化遺産構成資産 三保松原」周遊ゾーン及び「南アルプスエコパーク」周遊ゾーンを設定し、
観光地と関連施設を巡るモデルコースを提案し、市民のみならず観光、行楽客に対する広報・普及にも
努めます。
○ 中心施設となる日本平動物園の集客力を活用し、来園者に対し次世代エネルギーパークの概要や他の
関連施設を紹介し、各施設を結び付けて広報することとします。
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(3)関連施設
【計画に含まれる個々の再生可能エネルギー等の施設・設備毎に記載下さい。
】
○ 日本平動物園を中心施設とし、
「世界文化遺産構成資産 三保松原」周遊ゾーン及び「南アルプスエコ
パーク」周遊ゾーンを設定します。
○ 各施設の詳細については、別添「静岡市次世代エネルギーパーク計画施設概要書」を参照
ア.中心施設
【中心施設の概要】
日本平は、本市の駿河区と清水区に跨る標高 307mの丘陵地で、山頂からは富士山や伊豆半島が駿河
湾越しに見え、眼下には三保松原や清水港、清水区の街並みが広がる景勝地になっています。
中心施設となる日本平動物園は、日本平の駿河区側に位置しています。昭和 44 年に開園し、現在では、
約 180 種 700 点の飼育動物、面積約 13 ヘクタールと国内有数の動物園となります。先般口コミ紹介サイ
ト「トリップアドバイザー」が発表した「世界の人気観光スポット 2014」の動物園・水族館編では、日
本の動物園人気ベスト 10 で、5 位にランクインしています。
園内に太陽光発電設備や小型風力発電施設を導入し、平成 26 年度には、それらを活用し、動物と環境
について学べる環境教育プログラムを構築しています。
本計画では、同園の集客力を活用し、次世代エネルギーパークの中心施設として他の関連施設を結び
付けて広報することとします。また、同園においては、特に平日の集客力増加を図るため、次世代エネ
ルギーパークのネームバリューを活用し教育旅行を積極的に誘致するなど新たな需要拡大を図ります。
区分
①
中心施設
施設名
新エネの種類
所有者・管理者
静岡市
静岡市立日本平動 太陽光発電
物園
風力発電
※ 太陽光発電設備の所
有者はしずおか未来エ
ネルギー㈱
設置時期
H25.6(太陽光発
電設備)
駿河区池田
H26.3(小型風力
発電施設)
※ 施設の詳細は別添施設概要書のとおり
日本平山頂付近
日本平動物園
3
所在地
イ.
「世界文化遺産構成資産 三保松原」周遊ゾーン
【ゾーン内の概要】
当該エリアは、本市清水区に位置し、清水港は、富士山を仰ぎ、三保松原に囲まれた美しい港で、長
崎、神戸とともに日本三大美港の一つに数えられています。
清水港の港湾エリアには、日照条件も良いことから倉庫の屋根を活用したメガソーラー施設が設置さ
れており、今後も企業の遊休地等を活用したメガソーラー施設の設置が予定されています。
また、三保松原は、駿河湾に突き出た三保半島の海岸線に沿って約 7km にわたる松原で、福井県敦賀
市の気比の松原、佐賀県唐津市の虹ノ松原とならび、日本の三大松原の一つに数えられています。
平成 25 年 6 月に信仰の対象・芸術の源泉である富士山が、世界文化遺産に登録され、富士山から 40km
以上離れた本市の三保松原も 25 の構成資産の一つとして含まれたことから、多くの観光客が訪れるよう
になりました。
本計画では、このエリアを「世界文化遺産構成資産 三保松原」周遊ゾーンとして設定し、三保松原
や清水港等の観光資産も活用し、市民のみならず、観光、行楽客等に対する広報・普及にも努めます。
【関連施設一覧】
区分
②
既設施設
施設名
新エネの種類
所有者・管理者
設置時期
所在地
IAIスタジアム日本
平(清水日本平運動公 太陽光発電
園球技場)
しずおか未来エネ
H25.6(太陽光
ルギー㈱
清水区村松
発電設備)
※ 太陽光発電設備所有者
清水区港湾エ
リア
③
既設施設
清水港メガソーラー
太陽光発電
鈴与商事㈱
H25.2
④
新設施設
折戸駐車場太陽光発電
太陽光発電
所
鈴与商事㈱
H26.11(予定) 清水区折戸
⑤
新設施設
三保ソーラーパワー
太陽光発電
JFEソーラーパ
H26.10(予定) 清水区三保
ワー清水㈱
⑥
新設施設
メガソーラーしみず
太陽光発電
中部電力㈱
H27.2(予定) 清水区三保
※ 施設の詳細は別添施設概要書のとおり
清水港と三保半島
世界文化遺産構成資産 三保松原
4
ウ.
「南アルプスユネスコエコパーク」周遊ゾーン
【ゾーン内の概要】
南アルプスは 3000m 級の山々が 13 座連なる日本を代表する山岳地帯です。また、南アルプスを源とする
大井川をはじめ深遠な渓谷は豊かな森林を育み、多種多様な動植物たちが生息、生育する環境を醸成して
います。平成 26 年 6 月には、南アルプスの豊かな自然環境と、その自然を守り、共生してきた地域の歴史・
文化が世界に認められ、ユネスコエコパーク登録が決定しました。
南アルプスの玄関口となる井川地区にある静岡市南アルプス赤石温泉 「白樺荘」は、本市の公共施設と
して初めて木材チップを燃料とするバイオマスボイラー導入し、温泉浴槽水の給湯、加温に活用していま
す。また、同地区には、水力発電施設及び水力発電の仕組みや自然と電気との関係等について学べる中部
電力井川展示館が設置されています。
井川地区周辺は、南アルプス登山の玄関口として、また紅葉の名所として多くの登山者や行楽客が訪れ
ます。さらにユネスコエコパーク登録によって、今後登山者や行楽客の増加が期待されます。
本計画では、このエリアを「南アルプスユネスコエコパーク」周遊ゾーンとして設定し、南アルプスの
自然や観光資産も活用し、市民のみならず、登山者、行楽客等に対する広報・普及にも努めます。
【関連施設一覧】
区分
施設名
新エネの種類
所有者・管理者
設置時期
所在地
⑦ 既設施設
静岡市南アルプス赤石 バイオマス熱
静岡市
温泉 「白樺荘」
利用
⑧ 既設施設
中部電力井川展示館
水力発電
中部電力㈱
H元
葵区井川
⑨ 既設施設
井川発電所(井川ダム) 水力発電
中部電力㈱
S32
葵区井川
⑩ 既設施設
畑薙第一発電所
(畑薙第一ダム)
中部電力㈱
S37
葵区田代
水力発電
H23.12(ボイ
葵区田代
ラー設置)
※ 施設の詳細は別添施設概要書のとおり
南アルプスの主峰「赤石岳」
南アルプス井川オートキャンプ場
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エ.その他の関連施設
【その他関連施設の概要】
「世界文化遺産構成資産 三保松原」周遊ゾーン及び「南アルプスユネスコエコパーク」周遊ゾーンを
以外にも、本市が設置する風力発電施設や清掃工場による廃棄物発電や熱利用、民間事業者によるメガソ
ーラー施設、中山間地域に設置された小水力発電施設等の多彩なエネルギー関連施設が設置されています。
中でも静岡ガス本社ビルは、太陽、風、地熱など自然エネルギーを最大限に利用し、天然ガスコージェ
ネレーションと組み合わせ、同規模の標準的な建物と比較して約 35%の省エネ率を達成しており、先進的
で効率的なエネルギーの使い方が評価され、CASBEE 静岡(静岡県の地域特性や関連する諸制度の取り組み
を考慮した静岡県版の CASBEE)で最高 S ランクに認定されています。
これらの関連施設は、主に学校や各種団体等の社会見学として活用し、次世代エネルギーや省エネルギ
ーの普及・啓発に努めます。
【関連施設一覧】
区分
施設名
新エネの種類
⑪
既設施設
静岡市風力発電施設
「風電君」
⑫
既設施設
静岡市沼上清掃工場
⑬
既設施設
静岡市西ケ谷清掃工場
⑭
既設施設
静岡ガス株式会社
本社ビル
⑮
既設施設
ソフトバンク静岡葵ソ
太陽光発電
ーラーパーク
⑯
既設施設
大川発電所
⑰
既設施設
清沢発電所
風力発電
所有者・管理者
静岡市
設置時期
所在地
H16.2
駿河区中島
H7.7
葵区南沼上
H22.3
葵区西ケ谷
H25.3
駿河区八幡一丁
目
SBエナジー㈱
H26.6
葵区中ノ郷
小水力発電
中部電力㈱
T9
葵区坂ノ上
小水力発電
中部電力㈱
S3
葵区寺島
廃棄物発電、熱利
静岡市
用
廃棄物発電、熱利
静岡市
用
太陽光発電、太陽
熱利用、地中熱利 静岡ガス㈱
用、コジェネ
※ 施設の詳細は別添施設概要書のとおり
6.全体スケジュール
○ 本計画を広く市内外に情報発信し、市民の次世代エネルギーに対する理解増進を図るとともに、観光
資産を活用し、観光、行楽客に対しても次世代エネルギーを広報します。
○ 平成 27 年度から次の事業を進めていきます。
・ 中心施設となる日本平動物園における環境教育プログラムの実施
・ 次世代エネルギーパーク広報事業
・ 次世代エネルギーパークツアーコースの設定
○ 環境教育への活用を教育委員会及び学校等へ働きかけます。
○ 今後、新設される新エネルギー関連施設についても、順次構成施設への追加を検討し、本計画の充実
を図ります。
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○ 既に認定を受けている「ふじのくに次世代エネルギーパーク」
(静岡県)とも連携し、普及啓発に取り
組みます。
7.運営費
【運営費について収支(費用)予測ならびに費用負担計画について記載してください。
】
○ 次世代エネルギーパークを広報するためのパンフレット作成、本市ホームページ内のサイトの開設等
に要する経費は、市が負担します。
○ 次世代エネルギーパークの広報については、本市のあらゆる媒体を活用します。
○ 中心施設となる日本平動物園の環境教育プログラムの運用に要する経費は、市が負担します。
○ 施設の管理、運営等に係る経費は、各施設管理者が負担します。
○ 入場料等を徴収する施設については、当該施設の運用によるものとします。
【可能な範囲で、来場者数の見込みや波及効果について記載してください。
】
○ 市内に存在する再生可能エネルギー施設や省エネルギー施設等を知ってもらうことで、更なる普及拡
大や省エネ行動の定着等の波及効果が期待できます。
○ 観光資産を活用し、市民のみならず観光客に対しても広報・普及を図ることで、市内外に「環境にや
さしい企業」
、
「環境にやさしいまち」のイメージの情報発信に貢献します。
○ 中心施設となる日本平動物園では、次世代エネルギーパークのネームバリューを活用し、市外からの
教育旅行、遠足、見学等新たな需要拡大が期待できます。
8.関連する新エネルギービジョン等
【NEDOの新エネルギービジョン事業その他の事業により地方自治体がビジョンを策定している場合、
その名称及び作成年度、概要等について記載してください。
】
○ 静岡市総合計画(平成 22 年 3 月策定/計画期間 平成 22 年度~平成 26 年度)
・ 本計画においては、
「世界に輝く『静岡』の創造」をテーマとし各分野別計画を戦略的観点から、総
合的かつ横断的に推進していくため、
「3 つの戦略」を掲げています。
・ 「戦略Ⅱ 『輝く価値』づくり」の「3 低炭素都市創造プロジェクト」では、
「地球温暖化対策に
率先して取り組み、本市の特色を活かした低炭素都市の実現を図る」としています。
○ 静岡市環境基本計画(平成 18 年 3 月策定/計画期間 平成 17 年度~平成 26 年度)
・ 本計画では、
「人々が健やかで豊かに暮らせる、人と環境が共生するまち・静岡」を基本方針として、
5 つの基本目標を設定している。
・ 基本目標の1つに「地球環境保全への積極的参加」を掲げ、その中の環境目標「環境負荷の少ない
都市基盤の整備」の達成に向けた取り組みとして、
「新エネルギーや未利用エネルギーの促進を図る」
としています。
○ 静岡市地球温暖化対策実行計画(平成 23 年 3 月/計画期間 平成 23 年度~平成 27 年度)
・ 本計画では、温室効果ガス削減のため、国・県と連携して行う施策及び市の独自施策を「リーディ
ングプロジェクト」として位置づけ、地球温暖化対策を重点的に展開することとしています。
・ 7つのリーディングプロジェクトの1つの「次世代エネルギープロジェクト」において、
「新エネル
7
ギーの導入や廃棄物系バイオマス利用を推進するための取組を展開」を掲げるとともに、行政の役割
として「市域内の新エネルギー設備を一体的に見学できるような見学ルートの検討」に取組むことと
しています。
○添付資料
1.計画図
静岡市次世代エネルギーパーク計画図
2.その他参考資料
静岡市次世代エネルギーパーク計画施設概要書
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