次世代エネルギーパーク計画書 1.計画名称 札幌市次世代エネルギーパーク 2.所在地 札幌市中央区宮ヶ丘 3 番地1円山動物園 3.計画策定主体 札幌市 担当部署:環境局環境都市推進部エネルギー対策課 (現在は、エコエネルギー普及推進課) 電話:011-211-2872 4.実施運営主体 実施運営主体:札幌市 ○平成 20 年度、札幌市内部において(円山動物園、建築設備建 設部門、環境局)内部委員会を設置し、今後の実施計画を検討 する。 ○札幌市が実施運営主体として事業を推進するが、より普及啓 発効果を高めるため、民間や NPO 法人、大学等の参画機会を 創出する。 5.計画概要 (1)計画のコンセプト 【コンセプト】 地球のいのちとエネルギーにふれる さっぽろスタイル次世代エネルギーパーク 円山エコ ZOO 次世代エネルギーパークを円山動物園内に展開し、生命持続の危機にある世界の動物たちの 「いのち」と「エネルギー」の関わりを展示し、今地球が抱える環境問題と札幌が目指す次世代エ ネルギー利用をあわせてわかりやすく解説し、次世代エネルギーへの国民理解の増進を図るも のとする。 【コンセプトの背景となる地域特性】 ○札幌市の地域特性 ・民生部門のエネルギー消費量が多く、一般家庭をターゲットとした新エネルギーの普及啓発 が求められている。 ○円山動物園の特性 ・年間約 90 万人の来園者があり、普及啓発の場としてのポテンシャルを有している。 ・札幌市の環境教育の拠点として位置づけられており、エネルギー教育も含めた総合的な環 境教育の実施が可能な環境である。 ・動物獣舎の暖房、園内の交通機関、売店、管理施設等、エネルギー供給が必要な複数の施 設が立地することから、多様な新エネルギーの導入、展示が可能である。 (2)計画の全体像 ① 3 つの目的による新エネルギー等設備の導入・普及啓発の実施 ・「動物園内のエネルギー消費量の削減」に寄与する冬季暖房熱源となる技術の導入。 (天然ガスコージェネレーション) ・「家庭への普及啓発」が期待される、家庭で実現性のある新エネルギー技術、および省エネ ルギー技術の導入。(燃料電池、太陽熱、太陽光、バイオマス、省エネルギー技術) ・「幅広い環境教育」を目的とした、北海道地域の特性を生かした雪氷等を活用した技術の導 入。(雪冷房、小型風力) ② 一般家庭をターゲットとし、動物展示とエネルギー展示を連携したわかりやすい展示の展開 展示メインテーマ: いのちいきいきエネルギー -いのちを育む環境とエネルギー- 展示小テーマ:イントロダクション いのちの星の環境とエネルギー ・環境問題がひきおこす動物の生命の危機とエネルギーのかかわりを解説 テーマ1 いのちを守る暖のエネルギー ・北国の厳しい寒さからいのちを守る暖のエネルギーについて考える テーマ2 北国の涼のエネルギー ・北国の短い夏を涼しくすごすための涼のエネルギーを考える テーマ3 エコなくらしのエネルギー ・北国での豊かなくらしを支えるこれからのエネルギー利用を考える ③ 既存動物園施設、将来計画と連携した展示施設計画 動物園内の既存施設、また動物園の整備基本計画に基づき、将来的に導入が計画されている 施設を踏まえ、以下の展示施設による展示を展開する。 ○ビジターハウス:展示全体のイントロダクションを行う拠点施設(既存動物科学館に導入) ○エコハウス:各展示テーマに応じたエネルギーの解説・展示を行う施設 (既存および将来整備予定の休憩・飲食施設に導入) ○エコオブジェ:新エネルギー等を体験できるオブジェ形態の展示装置(園内各所に導入) ○各動物展示のサイン:動物とエネルギーについて解説 ④ 継続する普及啓発のためのソフト事業の充実 継続的な普及啓発を実施するため、体験し・学べる以下のような展示メニューを展開する。 ○学習的なメニュー セルフガイド学習、ライブラリ利用による学習、解説員を通じた学習、ワークショップ 等 ○サービス・多目的な利用でのメニュー 憩い、遊びでのメニュー(新エネルギーゲーム体験 等) ○団体見学者・視察者に対する、エネルギーパーク解説、施設案内 (3)関連施設 1.中心となる施設 1) ビジターハウス(パーク全体の構成を解説する展示施設) ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置時期:平成 23 年 ・場所:円山動物園内 動物科学館(既存施設の改修利用) ②見学等に係る取り組み、体制 ・エネルギーパーク全体のイントロダクションとして、園内展示の背景に ついてグラフィックや体験型の展示解説コーナーにより解説する。 ・職員による対応および解説員(非常勤 2~3 名程度)により、解説、イベ ント等を実施する。 ③その他 ・既存施設を当面活用し、将来的に下記増築を行う。 ・規模: 230 ㎡程度の規模を想定(展示、レクチャー室等) 2.既設施設 1)太陽光発電施設 ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置時期:平成 16 年 ・場所:動物科学館 ②新エネルギー等の内容及び規模等 5kW 動物科学館内で活用 ③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制 ・NPO 法人による市民・企業寄付によるプロジェクトとして実施され、 発電量表示盤を設置し、普及啓発を実施している。 ・今回計画でも現在の取り組みを継承し、増設する太陽光発電装置と あわせ、発電能力等を表示、解説し、普及啓発を図っていく。 2)ソーラーハイブリッド灯 ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置時期:平成 18 年 ・場所:動物園内(レストハウス脇) ②新エネルギー等の内容及び規模等 10W LED 照明灯具として活用 ③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制 ・発電量表示盤を設置し、普及啓発を実施している。 ・屋外の展示施設(エコオブジェ)のひとつとして、活用を図る。 3) ペレットボイラー ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置時期:平成 22 年度 ・場所:動物科学館 ②新エネルギー等の内容及び規模等 熱供給(暖房)に活用 (291kw ) ③見学等に係る取り組み、体制 ・新エネルギー設備を見せながら、その仕組みを解説する。 ・動物展示と連携した「暖かさ」の体験型展示と原料であるペレットの 由来とバイオ利用の有効性を説明して利用啓発を図る。 4) 天然ガスコジェネレーション ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置時期:平成 24 年度 ・場所:熱帯動物館 ②新エネルギー等の内容及び規模等 館内の暖房、給湯(発電容量;5kW,排熱回収:9.6kw) ③見学等に係る取り組み、体制 コジェネレーションのしくみ、利用状況をパネル表示 3.新設施設 1)暖のエコハウス(暖かさをテーマとした展示施設) ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置予定時期:平成 22 年~24 年 ・場所:館爬虫類・両生類館、アジアゾーン熱帯雨林館 ②新エネルギー等の内容及び規模、計画等 ペレットボイラー80kw(爬虫類・両生類館、アジアゾーン熱帯雨林館) を設置予定。 ~ 設置施設への熱供給に活用予定 ③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制 ・新エネルギー設備を見せながら、その仕組みを解説する。 2)涼のエコハウス(涼しさをテーマとした展示施設) ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置予定時期:平成 24 年以降 ・場所:アジアゾーン高山館 ②新エネルギー等の内容及び規模、計画等 雪冷房 550 ㎥貯蔵アジア館内への冷房利用 ③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制 ・新エネルギー設備を見せながら、その仕組みを解説する。 ・動物展示と連携した「冷熱」体験展示によりエネルギーの解説を行う。 ・リアルタイムのエネルギー使用状況(冷風)を体験させる。 3)エコハウス(家庭規模の新エネルギー設備を題材とした展示施設) ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置予定時期:平成 23 年から随時 ・場所:展望レストハウス、レストハウス、オフィシャルステーション等 (以上、既存施設改修) ②新エネルギー等の内容及び規模、計画等 ・太陽熱温風暖房 (レストハウス) ・太陽熱温水器 1 台(こども動物園) ・ペレットストーブ 1 台 (オフィシャルステーション) ・燃料電池(動物園センター) 発生したエネルギーは各施設で利用する。 ③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制 ・新エネルギー設備を見せながら、その仕組みを解説する。 4)エコオブジェ(子供たちが新エネルギーを体験する装置) ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置予定時期:平成 21 年から随時 ・場所:園内各所 ②新エネルギー等の内容及び規模、計画等 ・太陽光、太陽熱等を体験するオブジェ(10 箇所程度) ・小型風力+ソーラー等ハイブリッドによる灯具(5 基程度) 発生したエネルギーは体験型展示、照明に利用する。 ③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制 ・新エネルギーをハンズオンで体感できる展示施設とする。 5)太陽光発電装置 ①所有者:札幌市 管理者:札幌市 ・設置予定時期:平成 23 年から随時 ・場所:園内建築物(エゾシカオオカミ舎、爬虫類。両生類館、アジアゾー ン寒帯館、アフリカゾーン) ②新エネルギー等の内容及び規模、計画等 ・太陽光発電装置 100kW 発生したエネルギーは、園内各施設で利用する。 ③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制 ・園内各建築物において、太陽光発電を導入することにより、その発電 量、利用の様子をパネル等や体験型展示により普及啓発を図る。 6.全体スケジュール 事業内容 平成 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度~ ハード整備(第 1 ステージ) ・ビジターハウス ・暖のエコハウス ・エコハウス(2 箇所) ・エコオブジェ(一部) ・太陽光発電 基本設計 実施設計 整備供用 整備供用 整備供用 整備供用 ハード整備(第 2 ステージ) ・涼のエコハウス ・エコハウス(4 箇所) ・エコオブジェ 実施設計 整備 供用 実施設計 整備供用 ソフト整備 ・展示プログラム実施 ・体制づくり 説明プログラム 実施 実施 実施 ■利用者数見込みの理由 ・円山動物園は、札幌市中心部に近く、アクセス性に富んだ好立地に恵まれ、現在年間 60 万人(平 成 18 年度実績)となっており、安定した利用者数が見込むことができる。 ・平成 18 年度より、札幌市では施設が老朽化した円山動物園の再整備計画を進めており、60 周年 となる平成23年度には、再び利用者を 100 万人にする目標を立て、リニューアルに向けた取り組み を実施している。 ・これらを踏まえると、本次世代エネルギーパークは従来 100 万人近い来園者数を誇った実績があ る円山動物園に立地することから、十分な集客のポテンシャルを有しているといえる。また動物園 本体のリニューアルと同時に進められるものであり、これにより利用者の増加は十分期待できると 考えられる。 ■波及効果 ①市民をターゲットとした着実な普及効果 ・市民への導入が現実的に期待される等身大の新エネルギー等技術を中心に、見て、触れる機会 を創出することにより、次世代エネルギーへの国民理解の増進効果が期待できる。 ②エネルギーを含む幅広い環境教育による幅広い世代への普及効果 ・円山動物園の動物展示との連携により、地球環境問題とエネルギー問題をからめて解説し、わか りやすい環境教育を実践することにより、幅広い世代への理解を促進する。 ③具体的で継続性のある普及啓発効果 ・見学者・視察者に対する、エネルギーパーク説明解説、施設案内と新エネルギー設備機器展示で のNPO法人、民間等の連携により、具体的な活動の広がりや、新エネルギー設備普及の機会を創 出することにより、より具体的で継続性のある普及啓発効果が期待できる。 8.関連する新エネルギービジョン等 【札幌市次世代エネルギーパーク構想策定調査 平成 19 年度】 経済産業省の提唱する「次世代エネルギーパーク」の考え方に基づき、札幌市が抱えるエネルギ ー課題を踏まえ、市民を普及啓発のメインターゲットととらえ、円山動物園の動物展示との連携によ る幅広い環境教育の場の提供により、次世代エネルギーに関するわかりやすい普及啓発を行い、 国民理解の増進に資する次世代エネルギーパーク構想を策定した。 【札幌市新エネルギービジョン 平成 12 年度】 新エネルギーの導入の促進やエネルギー産業の導入・育成を検討するため、エネルギーの需給 構造や新エネルギー賦存状況などの基礎データを収集し、地域特性の把握・分析を実施した。 【札幌市ESCO事業導入可能性調査報告書 平成 15 年度 】 施設の面積や用途などから絞り込んだ 29 の候補施設の省エネルギー診断を行い、事業収支の 試算などをもとに ESCO 事業実施施設の選定を行った。合わせて、ESCO 事業の導入に際し てのさまざまな課題を整理し、積雪寒冷地での事業スケジュールの設定、対象施設が小規模で あっても事業性を高める対策など、本市特有の状況に適合し、ESCO 事業のより一層の普及に つながる事業実施の仕組みを検討し取りまとめた。 ○添付資料 1.計画図 ・・・・・・・・別紙 1 2.その他参考資料 ・展示構成一覧 ・・・・・・・・別紙 2 ・ソフト一覧 ・・・・・・・・別紙 3 ・ソフト展開のイメージ ・・・・・・・・別紙 4 ・札幌市次世代エネルギーパーク構想策定検討委員会名簿 ・・・・・・・・別紙 5
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