次世代エネルギーパーク計画書 1.計画名称 尾花沢市次世代エネルギーパーク (大正ロマン再生可能エネルギーパーク) 2.所在地 山形県尾花沢市 3.計画策定主体 尾花沢市 問合先:尾花沢市役所環境整備課 雪対策・新エネルギー推進室 0237-22-1111(内線 265・266) 見学等:各施設管理者 4.実施運営主体 尾花沢市 5.計画概要 (1)計画のコンセプト 「市民 尾花沢市では、平成 17 年新エネルギービジョンや平成 18 年省エネルギービジョンにおいて、 発意による新エネルギーの利用」や「市民と事業者が協働で省エネルギーを進め、尾花沢市を訪れる人々 にも省エネルギーを勧めていく」ことが定められ、地域に存在する雪氷熱などの再生可能な次世代エネ ルギーの導入を官民協働で取り組んできた。 当市は冬期間の積雪が市街地でも 2mを超す豪雪地帯であり、この雪の有効的な活用方法を研究する ため、平成 15 年に尾花沢市民雪研究会が設立された。また、豊富な雪氷熱を活用した取り組みとして、 市庁舎での雪冷房等の実証試験や、雪の中に「玄そば」を保存し翌年 7 月に「雪蔵そば」として提供す るなど、雪国に昔から伝わる雪室・雪蔵文化を現代の技術を応用しながら利活用の推進を図っている。 また、当市の代表的温泉地「銀山温泉」へのレトロな定期観光ボンネットバスが経由する、花笠踊り の発祥地「徳良湖」 (大正 10 年築堤完成)周辺には、徳良湖温泉施設への太陽光発電設備の設置や、湖 水を利用したサイフォン取水式マイクロ水力発電設備の設置を行ない、近隣にある花の育苗ハウスには 木質バイオマス熱利用暖房設備の設置を行なっている。 さらに、尾花沢市文化体育施設サルナートへの地中熱利用融雪設備の導入や山形県企業局による新鶴 子ダム(農業用水利)での水力発電、宝栄牧場でのJ-POWERと尾花沢市共同による風況調査など、 市行政はもとより市民や関係各機関をあげて次世代(再生可能・新)エネルギーの活用と普及に努めてい る。 本計画は、雪蔵やレトロな定期観光ボンネットバスなどを利用して、当市の代表的温泉地「大正ロマ ン漂う湯の街『銀山温泉』 」にちなみ、代表的な観光地を巡りながら、大正時代に遡ったような感覚を 覚える再生可能エネルギーを体験することにより、次世代(再生可能、新)エネルギーについて、市民は もとより広く国民の理解を促進する、新エネルギーの啓蒙・啓発のための計画である。 1 (2)計画の全体像 尾花沢市役所や徳良湖周辺施設を中核として、地域の再生可能・新エネルギーを中心に当市のエネル ギー問題への理解を深め、エネルギー政策の促進に寄与するため、各施設の利用を通じて啓蒙啓発を実 施する。 (3)関連施設 1.中心となる施設 ○尾花沢式雪山簡便冷房システム:尾花沢市 尾花沢市若葉町地内 【計画に含まれ 雪氷冷熱:除雪により形成される雪山を利用した、空気循環方式による冷房を H15 る個々の新エネ 年より山形大学工学部横山孝男教授の指導のもと、尾花沢市役所庁舎に活用中。雪山 ル ギ ー 等の 施 内部採熱室と冷房対象室を二重管により連結し、雪山内部の採熱室から冷気を冷房対 設・設備毎に記 象室に小さな送風機で吸引する空気循環方式です。冷房期間の晴天時の室内は、気温 載下さい。】 約 30℃、湿度約 30%の外気温と温度差の少ない快適な空間になっています。 夏 (被覆:雪山保存) (冷房利用) 春 秋 (除雪:雪山構築) (清掃作業) 冬 (詳細添付図参照) 雪氷冷熱活用の基本的概念は、上図のような冬⇒春⇒夏⇒秋の年間循環システムで す。自然にやさしい、スローでソフトな雪氷冷熱エネルギーを、合理的に活用する年 間循環型の雪氷冷熱の簡易活用法の 1 つです。 平成 25 産雪山は、当初の高さ約 8m、体積約 3,350 ㎥規模の雪山を、シート被膜に より保存し、夏季に冷房利用。現在市役所 HP に掲載中、見学は業務に支障の出ない 範囲で、随時対応している。見学随時可能。 尾花沢市環境整備課 雪対策・新エネルギー推進室 ℡0237-22-1111 ○徳良湖温泉「花笠の湯」 雪蔵:尾花沢市 尾花沢市大字二藤袋地内 雪氷冷熱:H18 年雪保存用施設を改良、55 ㎡の面積に約 50tの雪を屋根部分から投 入保存し、冷気自然対流方式の雪蔵。 室内温度約 3℃、湿度約 100%の環境を利用して、近年「尾花沢ゆう遊三味会」が、 玄そばの雪中保存に使用している。毎年 7 月 1 日から会加盟の 12 店舗で「雪蔵そば まつり」のキャンペーンを実施し「美味しいそば」を提供しており、利用客からも好 2 評を得ている。見学随時可能。 尾花沢市ふるさと振興公社 ℡0237-23-3261 花笠の湯 0237-24-1160 ○明友庵 雪蔵:㈱ 明友 尾花沢市五十沢地内 雪氷冷熱:H16 年より実施。面積 21 ㎡の約 2/3 の空間に、屋根を一部取り外し上部 から雪約 18tを投入保存し、自然対流方式で冷気を循環し、残り 1/3 の空間に「玄そ ば」を保存している。室内温度約 3℃湿度約 100%の環境に保存した蕎麦の味は絶品 で、これを目当てに再来店するお客さんも多い。 施設見学は、随時可能である。 ㈱ 明友 新規事業部 ℡0237-22-1819 2.既設施設 <施設の名称> ○徳良湖温泉「花笠の湯」 太陽光発電:尾花沢市 尾花沢市大字二藤袋地内 太陽光発電:H22 年に約 5kwの太陽光発電パネルを設置し、施設に活用。ロビー に、モニターを設置し啓蒙している。見学は、随時可能である。 尾花沢市ふるさと振興公社 ℡0237-23-3261 花笠の湯 0237-24-1160 ○徳良湖畔・手づくりのお花畑「はながさの丘」 木質バイオマス:押切園芸 尾花沢市大 字尾花沢地内 木質バイオマス熱を利用して花の苗を育てている、徳良湖湖畔にある手づくりのお 花畑「はながさの丘」 。季節ごとの花の様子をブログ発信しており、花の手入れや摘 みとり、ドライフラワーアレンジなどが体験できる。 手づくりのお花畑は、毎年 5 月上旬から開園され、10 月末頃まで月替りで各種の花 が見頃となっている。アイリスやシャクヤクなどの販売の他、 「花や野菜を育てて、 みんなで幸せになろう」と、地域に暮らす人たちが、同じ立場で参加し、植物を栽培 する楽しみや喜びを共有する園芸福祉活動の取り組みも行われている。見学随時可 能。 手づくりのお花畑「はながさの丘」お花畑 直通℡090-2360-4304 ○新鶴子ダム・鶴子発電所 水力発電:山形県企業局 尾花沢市大字鶴子地内 最上川水系丹生川の尾花沢市鶴子地内にある新鶴子ダムを貯水池としたダム式発 電所で、平成 5 年に運転を開始。最大使用水量 5 ㎥/S、最大有効落差 88.9mを経て 3 最大出力 3,700kW の発電を行う施設である。見学可能。 山形県企業局 最上電気水道事務所 ℡0233-52-3809 3.新設施設(増設含む) ○尾花沢式雪山簡便冷房システム:尾花沢市 尾花沢市議会棟(増設) 雪氷冷熱:これまで市庁舎の一部の冷房を賄っていた雪山冷房システムを、議会棟 の議場と 6 つの委員会室(合計約 300 ㎡)に冷房範囲を拡大。 ○徳良湖マイクロ水力発電設備:尾花沢市 尾花沢市大字二藤袋地内 マイクロ水力発電:H25 年に発電出力約 3kwの発電機と蓄電容量 5kwhの蓄電池 を設置。花笠踊りの発祥地である徳良湖の水資源を有効活用した、徳良湖湖面と排水 面の高低差によるサイフォン取水型のマイクロ水力発電設備。見学随時可能。 尾花沢市環境整備課 雪対策・新エネルギー推進室 ℡0237-22-1111 ○尾花沢市文化体育施設大地熱利用融雪設備:尾花沢市 尾花沢市若葉町地内 地中熱:H25 年に出力約 40kwの融雪設備を設置。10~30m程度の浅井戸(地下水) から熱だけを採り、ヒートポンプで加温した不凍液循環により融雪を図る「無揚水型 地下水熱利用融雪システム」 。見学随時可能。 尾花沢市環境整備課 雪対策・新エネルギー推進室 ℡0237-22-1111 ○その他計画施設 現在、銀山温泉周辺地域に、地下水熱やバイオマス熱等を中心とした再生可能エネ ルギー体験施設が、民間にて検討されている。 さらに、今後も、本市の有望な再生可能エネルギー(雪氷熱、水力、地下水熱、バ イオマス、風力、太陽光など)を活用する施設を、市内一円への導入に向け、官民挙 げて努力する予定である。 (参考) 近隣の新エネルギー関連施設 ‐ 6.全体スケジュール 其々の施設を利用体験し、地域の新エネルギーを中心に市民のエネルギー問題への理解増進を深める ことをつうじて、本市のエネルギー政策の促進に寄与する。 4 7.運営費 ○各施設は、管理者等が管理運営し、負担する。 ・尾花沢市役所雪冷房 尾花沢市 ・花笠の湯施設点検等委託費 尾花沢市 ・明友庵雪蔵運営経費 ㈱ 明友 ・はながさの丘:木質バイオマス熱利用 押切園芸 ・徳良湖マイクロ水力発電設備 尾花沢市 ・文化体育施設大地熱利用融雪設備 尾花沢市 ・その他新設予定施設 原則設置者 ○パーク全体の情報発信(パンフレット・HP 等)は尾花沢市が取りまとめるが、施設の見学など詳細 対応は、各施設の管理運営主体が行う。 ○全体来場予想人数:年間約 15 万人 (尾花沢市来訪者約 150 万人×10%) 8.関連する新エネルギービジョン等 ○H16 年度 新エネルギービジョン策定 雪氷冷熱、廃棄物熱、太陽光発電、太陽熱、木質バイオマス、温泉熱、中小水力発電など、尾花 沢市の特色ある再生可能エネルギーの積極的な利活用が謳われている。 ○H17 年度 省エネルギービジョン策定 地域の再生可能なエネルギー資源を活用した「資源循環社会」の形成や「化石燃料の削減」への 寄与が、謳われている。 ○添付資料 1.計画図:別添のとおり 2.添付資料:尾花沢式雪山簡便冷房システム概要図 3.その他参考資料:尾花沢市観光パンフレット 5
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