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化学物質等の適正管理と環境リスクの低減
(1) 有害化学物質の適正管理等
♦適正管理化学物質の使用量等の届出 (環境課) 都民の健康と安全を確保する環境に
関する条例 (環境確保条例) では、 6価クロム、
㎏以上取り扱う事業者に対し、 使用量等の報告を義務づけし、 自主的な適正管理や安
全の高い代替物質への転換を促進するとともに有害化学物質の排出抑制を図ります。
環境施策とその進捗状況
PCB、 トリクロロエチレン等 58 種類の化学物質 (適正管理化学物質) を1年間に 100
①適正管理化学物質使用量報告書届出件数
平成 22 年度
平成 23 年度
件 数
86
82
平成 24 年度
平成 25 年度
96
86
平成 26 年度
80
②区における化学物資ごとの環境への排出量
区における化学物質ごとの環境への排出量 は、最も多い化学物質がトリクロロエチレン、次い
でトルエン、メチルイソブチルケトン、テトラクロロエチレンとなっています。
トリクロロエチレン
84980
トルエン
11963
テトラクロロエチレン
3500
メチルエチルケトン
2776
メチルイソブチルケトン
3570.5
酢酸エチル
2529.1
キシレン
1924.5
ヘキサン
1765.6
酢酸ブチル
2103.7
ジクロロメタン
416
イソプロピルアルコール
852.8
メタノール
265
アセトン
107.7
ベンゼン
168.8
クロロホルム
30.7
0
20000
40000
60000
80000
100000
単位:kg
122
人づくり
年 度
♦化学物質管理方法書の作成 ・ 提出 (環境課)
環境確保条例では、 適正管理化学物質1年間に 100 ㎏以上取り扱う事業者に対し、
化学物質を適正に管理するための方法書の作成を義務づけています。 その中でも、 従
業員数 21 名以上の事業場においては、 化学物質の排出防止設備等の内容と保守管理
や、 排出削減等に関する取り組み方法などを管理方法書として、 初年度及び内容に変
更があった場合にはその都度の提出を求めています。
適正管理化学物質管理方法書届出数
年 度
平成 22 年度
平成 23 年度
件 数
6
平成 24 年度
1
1
平成 25 年度
0
平成 26 年度
16
(2) VOC *1 (揮発性有機化合物) 排出量削減対策の促進
♦VOC排出量削減のための啓発 ・ 指導 (環境課)
都内では、 工場等に対するばい煙規制やディーゼル車排出ガス規制等の実施により、
多くの大気汚染物質の濃度が低下傾向にあります。 しかし、 光化学オキシダントはいまだ
に環境基準が達成できず、 近年増加傾向にある。 光化学オキシダントの増加傾向の原
因は、 自動車対策の進展などにより窒素酸化物の排出削減が進んだことに比べ、 VOC
の削減が追い付いていないことが要因の一つとされており、 VOC 排出量のさらなる削減
が課題となっています。
VOC*1 : Volatile Organic Compounds (揮発性有機化合物) の頭文字をとったもの。 大気中で気体となる有機化合物の総称で、
代表的な物質はトルエン、 キシレン、 酢酸エチルなどがあります。 VOC は窒素酸化物とともに太陽の紫外線を受けて、
有害な光化学オキシダントを生成します。
《東京都が進めている次の VOC 排出削減対策事業等を化学物質取扱事業者へ周知》
①低 VOC 塗装事例紹介、 セミナー開催
② VOC 対策技術ガイドの配布
③ VOC 対策アドバイザーの派遣制度
《次の機会などに化学物質取扱事業者に対し、 VOC の排出抑制 ・ 有害性の少ない
代替物質への転換を啓発》
①工場認可、 指定作業場届出に伴う現場実査時
②化学物質使用量等の報告受付時
③工場等の公害防止担当者を対象に毎年実施している公害防止講習会
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(3) 土壌 ・ 地下汚染水などの防止の推進
♦工場、 指定作業場の廃止、 建物除却時の措置 (環境課) 土壌汚染による人の健康被
害を防止するため、 有害物質を取り扱う工場、 指定作業場
に対して当該工場、 指定作業場の廃止時又は全部若しくは主要な部分の除却時に土壌
の汚染状況の調査及び基準を超える汚染があった場合は汚染土壌の拡散防止措置を義
土壌汚染状況調査報告書の届出件数
年度
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
件数(件)
12
6
6
17
5
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
2
5
6
汚染拡散防止措置完了届出書の届出件数
年度
平成 21 年度
平成 22 年度
件数(件)
2
5
(4) 水質汚濁などの防止の推進
「工場立入検査」 P115
「指定作業場の立入検査」 P116 に掲載
などで実施
(5) 化学物質等の情報整備と相互理解
♦化学物質等の適正管理に関する普及 ・ 啓発 (環境課) 化学物質は便利な生活を送る
のに欠かせない一方、 その性状や毒性、 使用状況から
みて、 人や生態系に悪影響を与えるものがあり、 これら有害化学物質による環境汚染が
強く懸念されています。
このため、 有害化学物質を取扱う事業場に、 自主的な適正管理や安全性の高い代替
物質の転換を促すなど、 環境リスク*1 をより低減していくことが必要です。
環境リスク*1 : 化学物質が環境を経由して人の健康や生態系に悪い影響を及ぼすおそれのある可能性のこと。 「化学物 質の環
境リスク=有害性×暴露量」 で表されます。
① 東京都と連携し、 化学物質取扱事業者へ VOC 排出削減対策事業等を周知
② リーフレット 「化学物質の適正管理について」 を作成し、 事業者へ配布
③ 公害防止講習会による啓発 (23年度は有害物質対策をテーマに開催)
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環境施策とその進捗状況
務付けています。