審議会資料9 特定疾患者見舞金事業の見直しについて (報 告) 総合的;pdf

審議会資料9
特定疾患者見舞金事業の見直しについて (報 告)
障害者福祉専門分科会
1.特定疾患者見舞金事業の状況整理
特定疾患者見舞金(市単独事業)
○
○
○
○
対象者
支給額
経 緯
目 的
国の医療費助成の受給者で、特定疾患者(現行56疾患)、小児慢性特定疾患者(現行514疾患)
月額5,000円、年間60,000円を支給
昭和48年度から実施(事業開始42年目)
多くの難病患者は、国の定める身体の永続する障害の状態にないため身体障害者手帳の対象と
ならず、利用できる福祉サービスがないことから、見舞金を支給し、生活の安定と福祉の増進を図
ることが目的
検討事項
1.受給者の状況変化
平成25年4月 障害者総合支援法の施行により難病患者が障害者として認められ、
障害福祉サービスが利用可能
平成27年1月 難病の患者に対する医療等に関する法律の施行により
2.対象者数の増加
対象疾患及び受給者の拡大 (国の試算)
現行(H23) 改正後(H27)
疾患数
56疾患
約300疾患
特定疾患
対象者数 約78万人 約150万人
3.厳しい財政状況
・市税収入が伸び悩む一方、障害者支援費の継続した増加が続いている
・厳しい財政状況の中、現行で約1億7千万の助成額が平成28年度には3億円を越す見込み
4.難病者の状況
・根本的な治療は困難で、継続した治療や自己管理を続ける必要のある方。
・症状に変化があり、特にストレス・疲労により症状が悪化する場合がある。
・手帳を取得している方は症状が進行してしまっている方ではないか。
⇒ 市の財政が厳しいからと言って、支援を打ち切ってしまう訳にはいかない。
総合的に勘案し、現行制度を見直ししつつ金銭給付を継続すべき
2.見直検討にあたっての受給者の状況の整理 ①
1.【所得制限について】
○ なぜ所得制限をしていなかったのか、所得の高い方がいるので、所得制限が必要ではないか。
2.【他手当の重複受給制限について】
○ 症状が一定ではなく、身体障害者手帳が取りづらいが、一部の方は手帳を取得し手当を受給
○ 一人の方へ手当を何重にも支給していくより1つに絞っていく方が公平なサービスが行き届くのでは。
見舞金受給者の所得状況
【アンケート調査より】
対象者本人の
年収
「0~100万」
47.7%
「約500万」以上
10.9%
対象者世帯の
年収
「0~100万」
5.8%
「約500万」以上
36.2%
他手当の重複受給状況
特別障害者手当
(月26,000円)
96人
重度障害者福祉手当
(月 7,000円)
98人
障害児福祉手当
(月14,140円)
32人
心身障害児福祉手当
(月 8,000円)
41人
「所得制限」と「他手当重複受給制限」の導入を検討すべき
3.所得制限と他手当重複受給制限の試算
○所得制限対象者
○他手当重複受給制限対象者
350,000
15%
10%
300,000
250,000
対象者 約1.6倍増
200,000
制限
制限
制限
超過
超過
超過
150,000
100,000
50,000
0
単位:千円
H26度
H27度
現行
H28度
所・手制限案
H29度
持続可能な事業運営のため、さらなる見直しが必要
4.見直し検討にあたっての受給者の状況の整理 ②
症状が一定以上進行し手帳を取得して他の福祉手当を受給している方は、全体の10%程度
⇒ 多くの方は、重度というほどではないが、継続した治療が必要
【受診状況】
「主に通院している 87.9%」
【通院頻度】
「1ヶ月1日 54.8%」
【新制度による1ヶ月あたりの自己負担額】 平均 3,200 円
(アンケート調査より)
(アンケート調査より)
(国資料より)
・対象者が拡大しつつ金額の据え置きは財政面での影響が大きい。
・市予算全体で考えると、予算を手当にまわすよりも、必要とされるサービスに充てた方が良いのでは。
・新たな医療費助成制度での自己負担額を下回ることのないように配慮が必要。
医療費自己負担額に配慮しつつ、減額の方向性が必要
5.持続可能な制度への見直しについて (まとめ)
1.【所得制限】
所得の高い方がいるため、所得制限を導入すべき。
2.【他手当重複受給制限】
ほかの手当との重複受給者は一つに絞った方がより公平である。
3.【支給額の減額】
上記以外の方に対しては、医療費の自己負担額に配慮しつつ
減額の方向性が必要。
○その他の付帯事項
1.【経過措置について】
支給額の減額については、激変緩和のため、1~2年程度の余裕を持った期間を設けることが望ましい。
2.【次回の見直しについて】
減額の影響を考慮し、何年後等ではなく、国で大きな制度改正があったときに行うことが望ましい。
3.【名称について】
福祉サービスが利用できるようになったことや、他の手当と同じように所得制限を導入したことなどから
見舞金という名称の変更が望ましい。
4.【難病の方へのサービスの拡大】
難病の方へ障害福祉サービスの利用拡大を図るとともに、症状が周期的に変化する特性に対応する
ため、必要な介護を受けた際の費用の一部を助成する「一時介護料助成」を 利用できるように要望する。