平成26年度「教職実践演習」実施報告書;pdf

平成26年度「教職実践演習」実施報告書
平成27年3月
東北大学教職実践演習運営委員会
目次
Ⅰ はじめに ·········································································································································· 1
Ⅱ 平成26年度教職実践演習について ······················································································· 2
Ⅲ 平成26年度教職実践演習 概要 ···························································································· 3
表1 教職に関する演習Ⅱでの各班の授業評価集計 ················································· 10
表2 教職に関する演習Ⅱのグループ ············································································· 11
表3 フィールドワークでの各班の授業評価集計 ·························································· 12
Ⅳ 「教職に関する演習」で学生がつくった授業(概略) ·························································· 13
Ⅴ 平成26年度教職実践演習 学生の感想及び評価 ··························································· 29
Ⅵ 平成26年度教職実践演習オリエンテーション資料 ······························································ 39
資料1 「教職実践演習」について ··················································································· 41
資料2 平成 26 年度「教職実践演習」実施スケジュール予定表 ····························· 42
資料3 教職に関する演習及びフィールドワークについて ········································· 44
資料4 教職に関する演習授業例(昨年度受講生がつくった授業の概要) ··········· 45
資料5 昨年度授業例(英語、国語) ················································································ 49
資料6 教職に関する演習で組み立てた授業の評価アンケート(例) ····················· 52
資料7 平成 26 年度教職実践演習レポート課題 ························································ 53
資料8 教職実践演習チェック表 ······················································································ 54
資料9 履修カルテ②(様式見本) ···················································································· 55
Ⅰ
はじめに
本報告書は、平成26年度に本学で実施された「教職実践演習」に関する記録・資料等
をまとめたものである。基本的には、初めて実施した昨年と同様のプログラムであったが、
ほぼ手探り状態であった昨年度と異なり、より安定した形で実施することができたと思う。
今年度の実施において大きく変更した点は2つある。1つは説明会を4月当初に実施し、
演習のグルーピングを行ったことである。これにより、教職課程4年次の大きなイベント
として教育実習と同様の位置づけを行うとともに、1年かけて実践演習に取り組む意識を
学生に持たせることができた。これが演習の円滑な実施につながったものと考えている。
教育実習にむけて、学生たちが演習のグループ単位で模擬授業を自発的に実施するといっ
た、思わぬ「副産物」も得られた。もう1つは、教職に関する演習に4年生以外の参加が
あったことである。演習で作成した「授業」のお披露目を公開にしたわけであるが、他学
年の学生、高校生、高校の先生方の参加が得られたことは、今後の教職実践演習の展開に
とって大きい意義を持つのではないかと考えている。
今年度の成果については、それを端的に表している「受講学生の感想および評価」をご
参照いただきたいが、昨年以上に学生から肯定的な評価が得られたと感じている。特に、
教職課程の授業としての評価のみならず、授業を共同で作り上げるグループワークや高校
でのフィールドワーク、違う学部生との意見交換・議論から多くのことを学んだという感
想が多かった。本学の教職実践演習のプログラムが持つPBL”
(Project-Based Learning)
的側面が学生から評価されたと言えよう。今後も、東北大学の教職課程の独自性を示すも
のとして、「教職実践演習」が発展していくことを願ってやまない。
最後に、講義をご担当いただいた宮城県教育庁教職員課
宮城県教育庁高校教育課
た黒川高等学校校長
長島勝彦先生、遠藤浩先生、
岡達三先生、青山純先生、教職に関する演習をご指導いただい
金和宏先生、東松島高等学校校長
吉川邦彦先生、フィールドワー
クでご協力いただいた尚絅学院高等学校および宮城広瀬高等学校の先生方、プログラムに
ご協力いただいた理学研究科、文学研究科、教育学研究科及び高度教養教育・学生支援機
構の先生方に心より感謝申し上げる。
平成27年3月
東北大学教職実践演習運営委員会
委員長
1
工藤与志文
Ⅱ
平成26年度教職実践演習について
教職実践演習は昨年度初めて開講された授業で、今年度は2回目の実施となった。この
授業は第4学年の後期、すなわち10月からの開講であるが、教職実践演習を受講する学
生のほとんどが教育実習も行うので、4月の時点で「教育実習」と「教職実践演習」受講
者への説明会を実施した。この説明会の目的は4点あった。最初に「教育実習」と「教職
実践演習」を関連させながら、1年間かけて教職のまとめを行うという意識を、学生に持
たせることである。また、これらの授業の相乗効果も期待した。2点目は、1年間の授業
日程を早めに周知し、卒論関係の研究や調査との日程調整をさせることである。さらに、
教職実践演習の課題である「各班で高校生の学習意欲を向上させる授業をつくる」を予め
示すことで、教育実習や班活動に目的意識を持たせ教育活動を活性化することである。最
後に、教育実習に対する学生の不安を少しでも解消することである。
これらの目的を達成するため、同じ教科専門の学生で班を編制し、ほぼ1年間継続的な
活動をさせた。ほとんどの班が、教育実習前に授業練習を行った。授業に対して互いに講
評したり改善したりすることで、授業実施への自信を持てるようになったと考える。教育
実習後は、班員それぞれの実習校について話し合い、各学校の教育課程や教員の職務、生
徒理解等を深める活動を行った。これらの活動が「教職実践演習」を円滑で実りあるもの
にするための基盤となった。
教職実践演習は「講義」「教職に関する演習」「教科に関する演習」「フィールドワーク」
の4部で構成されている。今年度は特に、講義内容と学生の班活動の成果が、教職に関す
る演習と教科に関する演習に反映されていた。教職に関する演習では、前述した課題であ
る授業内容が10月のオリエンテーションの頃には、各班ほぼ決定していた。そのため、
10月25日に実施した教職に関する演習Ⅰで他の班への授業を行うことができた。昨年
度は演習Ⅰで、どのような授業をつくるか班内で試行錯誤をしている段階であったことを
鑑みれば、今年度新たに実施した、教育実習後の班活動が大きな意味を持っていたと思わ
れる。
このような演習にとっては、学生の参加態度が重要である。特に、教職に関する演習Ⅱ
では生徒役の学生が、授業の感想や評価を積極的に発言していた。授業を行った班の学生
もそれらの意見を真摯に受け止め、取り入れるべきものは取り入れようとするなど、自分
たちの授業を少しでもよいものにしようとする意欲を感じた。4年生や院生達がそれぞれ
の専門を背景に意見を述べ合い、議論が少しずつ深まっていくのを感じるのもこの授業の
醍醐味である。特に専門が異なる学生達が互いに教え合う活動には、大きな意味があると
感じる。昨年度もこのような活動は見られたが、今年度は演習Ⅰと演習Ⅱの両方でこのよ
うな活動がより顕著に見られた。
「はじめに」にも記載されているが、今年度初めて「教職に関する演習Ⅱ」を公開授業
とした。外部からの参加者数は10名程度と少なかったが、この授業の存在と意味を学内
へ広め、さらには宮城県の高校へ広める第一歩を踏み出したのが、今年度の教職実践演習
と考える。
平成27年3月
東北大学教職実践演習運営委員会
教職実践演習コーディネーター
特任教授
2
小野康直
Ⅲ
平成26年度教職実践演習
1
教職実践演習の全体像
概要
(1)オリエンテーション(1コマ) (2)教師として必要な資質能力に関する講義(4コマ)
(3)教職に関する演習 (4コマ) (4)教科に関する演習 (2コマ)
(5)フィールドワーク (3コマ) (6)全体まとめ最終レポート作成(1コマ)
2
オリエンテーション
10月4日(土)1 講時
2講時
A200
内容:教職実践演習の概要説明、教科に関する演習説明、教職に関する演習の班活動
3
教師として必要な資質能力に関する講義
(1)「教員に求められているもの」
宮城県教育庁教職員課
県立学校人事専門監
10月11日(土)1講時
長島勝彦
内容:使命感、責任感、教育的愛情に関する事項
(教育委員会のしくみと仕事、社会人とは(働くということは)、教師としての使命と役割、
学校教育に求められているもの、教員に求められる資質と能力等)
(2)「学校教員の役割と意義」
宮城県教育庁教職員課
課長補佐
10月11日(土)2講時
遠藤
浩
内容:社会性、対人関係能力に関する事項
(採用試験は何のために行われるか、改めて生きる力について考える、21 世紀型能力、
保護者は何を期待しているか、気配を感じる、コミュニケーションスキルを高める等)
(3)「生徒指導と学級経営について」
宮城県教育庁高校教育課
課長補佐
10月18日(土)1講時
(生徒指導とは、
学校経営・生徒指導班長
岡
達三
内容:生徒理解・学級経営に関する事項
特別活動について、
生徒指導の進め方、
生徒理解について、
自立を促す生徒指導の手法等)
(4)「思考力・判断力・表現力を育む授業を目指して」
~「分かる授業」から「考えさせる」授業へ~
宮城県教育庁高校教育課
10月18日(土)2講時
課長補佐
教育指導班長
青山
純
内容:教科内容の指導力に関する事項
(学習の現状等、スマホや携帯使用の影響、言語活動の充実、授業改善の方向、思考力・判
断力・表現力を育む学習活動、盛岡三高の授業例、学習評価等)
3
4
教職に関する演習
演習Ⅰ
10月25日(土)1 講時
教育学研究科
2講時、 演習Ⅱ
11月15日(土)1 講時
教授
柴山
直
教育学研究科
宮城県黒川高等学校
校長
金和宏
宮城県東松島高等学校
特任教授
准教授
2講時
後藤武俊
校長
吉川邦彦
小野康直
演習Ⅰ:同じ専門の学生 3 名から 5 名の班で、生徒の学習意欲を向上させるような授業をつ
くる。同じ教科の他の班に対して授業を実施し、互いに評価し合う。
演習Ⅱ:教科が異なる 3 班でグループを構成し、グループ内でそれぞれの班が他の班に対し
て授業を実施し、互いに評価し合う。
5
教科に関する演習
(1)英語
11月15日(土)3講時
文学研究科教授
4講時
大河内昌
・英語教育の目標と方法論について、さまざまな識者の意見を参考にしながら、学生同士で
ディスカッションすることで理解を深める。
(2)国語
10月25日(土)3講時
文学研究科教授
4講時
齋藤倫明
・教材研究に関わる演習を行う。言語(日本語)関係の教材を取り上げる。
(3)社会
11月1日(土)3講時
文学研究科教授
4講時
戸島貴代志
・教材研究に関わる演習を行う。
(4)数学
11月8日(土)又は
理学研究科准教授
清水
11月29日(土)3講時
4講時
悟
・教育実習体験に基づく数学教育についての所見発表
・教材研究の一環として試験問題の作成
(5)理科
10、11 月の火、木、金の3講時
理学研究科教授
須藤彰三
4講時
高度教養教育・学生支援機構教授
・「自然科学総合実験」における理科実験指導演習
4
関根
勉
6
フィールドワーク
(1)理科
10、11 月の火、木、金の3講時
理学研究科教授
須藤彰三
4講時
高度教養教育・学生支援機構教授
関根
勉
・「自然科学総合実験」における理科実験指導の観察実習
(2)英語
国語
社会
数学
11月21日(金)尚絅学院高等学校
12月 3 日(水)宮城広瀬高等学校
12月10日(水)宮城広瀬高等学校
・各高等学校で班ごとに、授業及び生徒との話し合いを実施
7
教職に関する演習とフィールドワークについて
教職に関する演習では、同じ専門教科の学生3名から5名で班を編制し、班内で協議しながら
授業をつくりあげることを課題とした。各班でつくる授業は、20分間で高校1年生程度の生徒
の学習意欲を向上させる、あるいは各教科を学習する意味を伝えるということを目標とした。そ
の後、他の班に対して授業を実施したり、他の班の授業に生徒役で参加したりして、相互に授業
を評価し合う活動を行った。また、理科以外の教科では、フィールドワークにおいて実際に高校
で同じ授業を実施し、高校生からも評価や感想を得た。
これら一連の活動を通し、社会性や対人関係能力、使命感や責任感、生徒理解などに関する学
生の資質能力を向上させるのが、この演習の目的である。今年度各班のつくった授業を概観する
と、授業テーマが多様であり授業形態も工夫に富み、内容も優れたものが多かった。これらの授
業のレベルは、間接的に学生の社会性や責任感、生徒理解や専門性の高さを反映していると考え
る。また、ほとんどの学生が、
「この演習が有意義であった」という感想を述べているなど、肯定
的に演習を評価していた。
今年度は、
「教職に関する演習Ⅱ」を公開授業とし、受講生以外の学生や高校生にも参加を呼び
かけた。その結果、約 10 名程度の学生が参加した。また、高校生も数名参加した。参加した 3 年
生が「来年こういうことをするのだなと思って勉強になった」という感想を残している。
8
受講生がつくった授業の概要
各班の授業テーマは、高等学校のカリキュラムに沿ったものが多かった。しかし、宇宙の形を
考えさせる数学6班や量子論を取り上げた理科5班、また、宇宙論と題し膨張する宇宙とドップ
ラー効果を論じた理科6班など、挑戦的な内容もあった。授業評価によると、これらの班の授業
は総じて授業理解度が低かった。しかし、授業への興味は他の授業と比較して極端に低くはなか
った。特に、
「大変興味を持った」と「やや興味を持った」の合計人数を比較すると差異はほとん
どなかった。例えば数学6班の場合は、教職に関する演習Ⅱで大学4年生が生徒役の場合でも、
授業内容が「よく分かった」はいなかったし、宮城広瀬高校の1年生に対する授業でも、授業理
5
解度が他の授業と比較して低かった。しかし、授業への興味は、生徒が大学生の場合でも高校生
の場合でも「興味を持った」生徒の割合は他の授業と同程度だった。高校で授業を実施しなかっ
た理科の場合でも、このような傾向が見られた。例えば、理科2班の授業は青色発光ダイオード
の研究で日本人がノーベル賞を受賞したという直近の話題を取り上げながら、発光ダイオードの
原理を説明する内容であった。この授業を生徒役で受講したのは、文学部の学生が中心の英語3
班と農学部の理科23班であった。文学部の学生は「あまり分からなかった」を、農学部の学生
は「だいたい分かった」を選んでいるようであった。「ほとんど分からなかった」が1名いたが、
「よく分かった」は1人もいなかった。しかし、全員が「大変興味を持った」か、または「やや
興味を持った」を選び、
「興味を持てなかった」を選んだものはいなかった。特に、「ほとんど分
からなかった」を選んだ学生が、授業内容に「とても興味を持てた」を選んでいた。
高等学校のカリキュラムに沿ったテーマ、あるいは日常的な簡易な内容でも、多角的に考えさ
せることで、思考の広がりを促す授業もあった。例えば、社会3班の授業はクリスマスを日本史
的、地理的あるいは世界史的に分析し説明する内容であった。日本史的には、日本へのキリスト
教伝来とクリスマスの定着について、地理的には世界的にクリスマスが祝日でない国々を図解し、
世界史的にはキリスト教の変遷について解説するものであった。生徒役の大学4年生の感想には
「身近なクリスマスの話題から世界史や地理をスムーズな流れで学べて飽きずに聴けた」
「クリス
マスから宗教へ分かり易くつながっていて、楽しく聞くことができた」等があった。またこの授
業には外部から大学1年生と高校2年生が参加していたが、大学1年生は「非常に良く組み立て
られていて、理解しやすかった」、高校2年生は「すごく興味の持てる内容で、終始楽しく学べた」
との感想を残している。
高校生が関心を持ちそうな話題を取り上げ、授業を展開する班もあった。国語1班は、平安時
代の恋愛から結婚までを寸劇で表現しながら、当時の常識をクイズ形式で生徒に考えさせる授業
を行った。古典世界の人々の考え方を知ることで、古典に興味を持たせるのがこの授業のねらい
だが、尚絅学院高校1年生への授業では、
「授業理解度」
「授業への興味」両方の評価が高かった。
同じように恋愛を取り上げたのが理科26班「恋愛生物学~ホルモン編~」で、家庭教師と生徒
の会話を通して恋愛とホルモンの関係を考えていく授業であった。この授業の感想には「ホルモ
ンという生物未履修者にとってもなじみのある話題、興味関心のある内容を選んでいて、かつ恋
愛という身近なところとリンクしていて、楽しんで聴けた」
「スライドもきれいで分かり易かった」
等があった。
英語、国語、社会、数学の授業の多くは、いかに生徒を授業に引き込むか、どのように生徒を
授業の主役にするかについて、さまざまな工夫がされていた。これはフィールドワークにおける
高校生への授業を意識したためと考えられる。具体的には、グループワークを実施し生徒からの
意見を引き出しながら授業を展開したり、実験やゲームなどを通して学びの喜びを感じさせたり
する授業である。数学1班の授業「サイコロを用いた確率」では、最初にサイコロを1回振った
とき「偶数/奇数」
「1~6の目」等が出る確率を予想させた。その後、班ごとに実際サイコロを
何回か振って記録させ、クラス全体の結果を集計した。このようにグループワークと実験を組み
6
合わせた授業を行ったが、生徒の授業理解度や興味について評価が高かった。授業を受けた広瀬
高校1年生は「グループでサイコロを使った実践は面白かった」
「計算で求めた確率とサイコロを
使って出した確率がほとんど当たっていたのですごいと思った」等の感想を残している。また、
演習Ⅱで生徒役で授業を受けた学生の感想に「シンプルな実験なのに、とても感動がありました」
「実際に理論値に近くなり実感がわいた」等があり、この授業に感動した学生も多かった。
英語2班の「日本語アニメの英語翻訳」では、
「クイズ型の授業に積極的に参加する」が授業の
目標の一つになっていて、ワンピースなどの有名な日本アニメの一場面を英訳する課題をグルー
プ全員で考える内容となっている。授業を受けた尚絅学院高校2年生は「自分の知っているもの
や身近なものから問題を出されると興味を持った」
「文化によって訳しかたが違うのだと、とても
考えさせられました」等の感想を残している。
授業方法は教科ごとに特徴があった。数学では、TT(ティーム・ティーチング)が多かった。
生徒をグループに分け、課題をあたえ考えさせる。その間、班員が生徒のグループに分かれて入
り、解決のヒントになるようなことを話しかけて、グループの話し合いを活性化させる方法であ
る。例えば、数学3班「地図の塗り分け問題―宮城県には何色必要-」では、市町村区の境界が
描かれた宮城県地図を生徒に配布し、実際に塗り分けをさせる授業であった。生徒はグループに
分かれて相談しながら、最低何色あれば塗り分けられるか考えた。その時班員が机間巡視を行い、
生徒の考え方を深める活動を行った。
理科の場合フィールドワークは実験指導の観察実習となっていて、高等学校での授業は行わな
かった。そのためか、理科の授業は生徒への働きかけが他の教科と比較すると少なかったが、優
れたストーリーや映像を利用して難解な内容を理解させようとする工夫があった。特に先生と生
徒の会話形式の授業で、先生役の説明に映像を使用する授業が多かった。理科25班「微生物の
力を利用する!-抗生物質を例に-」では、先生と生徒の会話を通してペニシリンの発見や醸造
について説明していく授業だが、生徒役の学生の感想には「ビジュアル資料が非常に見やすく分
かり易い」「微生物の存在がより身近に感じられた」「対話形式で分かり易かった」等があった。
理科21班「免疫劇場~4種の精鋭たちによるバトンリレー~」は免疫システムを劇と映像で
説明する授業だが、生徒参加型の劇を実施した。つまり、授業をする班員だけではなく、生徒に
も授業中その場で役を与え、劇を進行した。この班は理科としては例外的に、広瀬高校で授業を
行った。高校生が B 細胞役などになり、抗原(細菌)役の大学生に抗体(ボール)をぶつけるよ
うな劇を行った。その後、映像で詳細な説明を行ったが、役を演じた高校生にとっては忘れられ
ない授業になったと思う。
理科11班「行列のできる地学相談所」はラジオ番組で司会者とゲストが噴火予測について話
をするという授業だが、生徒役がメールで自分たちの考えや質問を投稿し、それらを取り上げな
がら番組を進めていく方法である。この授業評価の項目に「手を挙げて質問するのと、今回のよう
にメールで投稿するのとでは、どちらが発言しやすいか」というのがあり、
「手を挙げて発言」が
3名、
「メール投稿」が3名と同数であった。この授業はグループワークのほか、山体膨張や噴火
のメカニズム説明に炭酸のペットボトルを使用した実験を行うなど、様々な要素が含まれていた。
7
「積極的な授業参加を促す授業になっていたか」という質問に対しても「なっていた」5名、
「な
っていない」1名と評価が高かった。
授業評価の質問内容に工夫が見られた班として、前述した理科6班「宇宙論」がある。この班
のアンケートでは、受講した生徒自身が授業を理解したかどうかを尋ねるのではなく、どの程度
の学習レベルの生徒が理解できるかを判断させる内容となっている。その結果は、理科6班の授
業を「高校で物理を勉強していたが、大学では専攻していない人」が理解できるが6名、
「中学校
で理科を勉強して以来、物理を勉強していない人」が理解できるが3名となっている。
「大学で物
理を専攻している人でなければ理解できない」と「知識のない人でも理解できる」を選んだ者は
いなかった。このことは、受講した学生の判断では、高校で物理を学習した者でなければ、理科
6班の授業は理解しにくいということであった。
高校生の評価が高かった授業として、英語3班、社会2班、社会6班、数学4班などがあった。
英語 3 班「いろんな I love you を考えよう」は、「様々な場面で使用される“I love you”
を適切な日本語に翻訳しなさい」という課題をグループに与え、グループ内の話し合いの後、ク
ラス全体に発表するという授業形態であった。英語ばかりではなく日本語の表現力、延いては言
語そのものを考えさせる内容で、生徒は簡単でありふれた表現の持つ深さと限界を感じたであろ
う。高校生の感想には「I love you にこんなに沢山の意味があるのを初めて知った」「同じ表現
でも、場面や気持ちの違いでこんなに違うのだと驚いた」等があった。
社会2班「有罪か無罪か?日本史偉人裁判」は、徳川綱吉を被告とした模擬裁判を生徒に視聴
させる授業であった。検事役と被告役の言い分を聞き、グループで検討し判決を下すことで、様々
な角度から歴史上の人物を理解する重要性や面白さを知ることが、この授業の目的であった。生
徒の感想には「裁判形式でとても分かり易かった」
「様々な見方から物事を見ることで広い視野で
見られる」
「歴史の深みに触れることができた」等があり、歴史の面白さを感じた様子がうかがえ
る。
社会6班「作品をもっと面白く見るために」は、宮崎駿監督の「もののけ姫」の舞台や時代を
考えさせる授業で、まずグループで検討し発表させることで、クラス全体を巻き込んでいく手法
であった。授業評価は非常に高く、高校生の感想にも「もののけ姫はよく理解できないでいまし
たが、今回の授業で理解できたし楽しかった」
「同じ時代なのに文化が違うことが分かった」など
があった。
数学4班「素数は無限個あるのだろうか?」は、他の班と比較すると一見地味な話題で、背理
法による証明という内容も高校生の興味をひかないように思われた。しかし、授業評価によると
「授業にたいへん興味がもてた」と回答する生徒が非常に多かった。この授業は尚絅学院高校の
2年生に対して行われたが、受講生徒のクラス担任の教師から「生徒達の目が、みんな黒板に向
いていて、とてもイキイキ授業を受けていました。とても素晴らしいことだと思います。授業は
中身と同様、話すテンポが生徒の関心を引く上でとても重要です。その点でも実に立派な授業で
した」という感想をいただいた。また生徒の感想には「数学には苦手意識を持っていましたが、
今回の授業で面白さを見いだせたと思う」「嫌いな数学に興味を持てた」等があった。
8
9
学生がつくった授業の評価について
教職に関する演習Ⅱとフィールドワークでは、各班の授業後に質問紙による授業評価を実施し
た。質問紙は班毎に作成するため、質問内容はそれぞれ異なっていた。しかし「授業の理解度」
「授業内容への興味」「授業後の学習意欲の変化」等は、ほとんどの班で共通する質問であった。
そこで共通項目の結果を集計して、全体的な傾向を把握することとした。表1は 11 月 15 日に実
施した「教職に関する演習Ⅱ」の集計結果で回答者は生徒役になった学生である。表2は当日の
グループを示す表で、例えばグループ1の場合、数学1班が授業をし、理科 11 班と社会 1 班が生
徒役で授業を受けて授業評価を行う。次に、理科 11 班が授業を行い、数学 1 班と社会 1 班が生徒
役になるというように、教師役と生徒役を交代しながら進行し、生徒役が授業評価を行った。理
科の班が多かったので、1つのグループに理科が2班入る場合もあった。そのような場合でも、
物理関係と生物関係のように異なる科目を組み合わせてグループを編成した。
表3は、尚絅学院高校と宮城広瀬高校で実施したフィールドワークでの授業評価集計である。
回答者は授業を受けた高校生である。高校のそれぞれのクラスに異なる教科の2班が入り授業を
行った。クラスの生徒数は約40名であった。
表1と表3の結果は、どちらも同じような傾向を示している。東北大学の学生の方が「授業理
解度」が低い傾向があるが、集計に理科が入ったためとも考えられる。
「授業で新しい考え方を知
った」において高校生の「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計が約90%であっ
た。同じ項目で東北大学の学生は84%であった。高校1年生向けの授業を受けての結果として
は意外であった。また「授業後の学習意欲の変化」でも東北大学の学生の傾向は高校生とほぼ同
じであった。このようなことから学生が互いの授業を視聴し合うことで、相互に知的な刺激を受
け合ったと推察される。
9
表1
平成26年度 教職に関する演習Ⅱでの各班の授業評価集計(11月15日実施)
教職に関する演習Ⅱ
授業方法
10
授業理解度
授業への興
味
授業で新し
い考え方を
知った
授業後の学
習意欲の変
化
班 1
英
語
を
学
習
す
る
意
義
国語
社会
理科
数学
2 3 4 1 2 3 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
こ
ア
れ
ニ
で
メ
も
の
伝
英
語 を わ
翻 邦 る
略 略
I LOVE YOU
各班の授業内容テーマ等
英語
教科
平
安
時
代
の
恋
愛
無
名
抄
・
和
歌
の
創
作
日
本
語
の
表
現
の
豊
か
さ
総
選
挙
と
は
日
本
史
偉
人
裁
判
ク
リ
ス
マ
ス
か
ら
学
ぶ
S
N
S
か
ら
学
ぶ
暦
の
歴
史
寸劇・ドラマ等
○ ○ ○
○ ○
○
グループワーク・発表
○ ○ ○
○ ○ ○
○
クイズ・ゲーム・実験等
○
○ ○
○
視聴覚機器・視覚教材の使用 ○ ○ ○ ○
○
○
身近な(興味を引く)話題
○
○
○
○ ○ ○
よく分かった
2 8 10 7 3 6
9 4 5 1
だいたい分かった
7 2 0 0 3 3
5 3 2 8
どちらともいえない
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0
あまり分からなかった
0 1 0 0 0 0
0 1 0 1
ほとんど分からなかった
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0
たいへん興味を持った
0 7 10 6 5 5 7
9 5 5 2
やや興味を持った
8 4 0 1 1 4 1
5 2 2 4
どちらともいえない
0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0
あまり興味を持てなかった
1 0 0 0 0 0 0
0 1 0 4
ほとんど興味を持てなかった
0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0
そう思う
2 5 2
4 0
8 6 2
どちらかといえばそう思う
6 5 5
3 6
3 1 1
どちらともいえない
1 0 0
2 2
2 1 3
あまりそうは思えない
2 0 0
0 0
0 0 1
そうは思わない
0 0 0
0 0
1 0 0
もっと学習したい
3 3 4 2 1 2
5 0 1 3
どちらかといえば学習したい
5 5 3 4 7 4
8 8 4 4
どちらともいえない
1 2 0 0 1 2
0 0 2 0
あまり学習したいと思わない
2 0 0 0 0 0
0 0 0 3
学習したいと思わない
0 0 0 0 0 0
1 0 0 0
回答者数(N)
9 11 10 7 6 9 8
14 8 7 10
も
の
の
け
姫
か
ら
学
ぶ
国
と
は
何
だ
ろ
う
情
報
社
会
と
の
付
き
あ
い
サ
イ
コ
ロ
と
確
率
ア
キ
レ
ス
と
亀
地
図
の
塗
り
分
け
問
題
素
数
は
無
限
個
あ
る
か
確
率
と
期
待
値
輪
ゴ
ム
か
ら
宇
宙
の
形
ス
ポ
l
ツ
と
三
角
比
足
し
算
を
図
形
的
に
黄
金
比
と
フ
ィ
ボ
ナ
ッ
チ
数
列
光 L も 大 量 宇 日 周 身 水 地 地 復 単
電 E し 気 子 宙 常 期 近 の 学 球 興 細
効 D 過 の 効 論 現 表 に 不 相 史 と 胞
去 物 果
象 と あ 思 談 を 生 生
果
に 理 と
を 新 る 議 所 一 物 物
・
・ 年
多
戻 光 日
方 元 科
多 細
噴 で
れ の 常
程 素 学
火 表 様 胞
た 散 世
式 発
予 す 性 生
ら 乱 界
に 見
測
物
寿
命
に
つ
い
て
進
化
論
の
諸
学
説
発
電
や
変
電
送
電
の
技
術
生
活
と
イ
オ
ン
pH
を
理
解
し
よ
う
生
物
多
様
性
免
疫
に
つ
い
て
毒
を
科
学
す
る
私
達
は
何
を
見
て
い
る
の
か
進
化
と
生
物
多
様
性
微
生
物
を
利
用
す
る
恋
愛
生
物
学
○
○
○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 寸劇・ドラマ等
グループワーク・発表
○ ○ ○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○
クイズ・ゲーム・実験等
○
○
○ ○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○ ○
○
○
○
○ ○ ○
○
○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 視聴覚機器等の使用
○
○
○
○
○
○
○ ○
○
○
○ ○ 興味を引く話題
8 5 2 5 0 6 1 4 0 8
4 0 0 3 2 0
2 1 1 1
4 4 2 0 2
6 5 5
4 5 4 1 4 154 44.9
3 1 7 1 7 3 4 2 3 1
5 6 4 3 3 3
5 5 5 3
4 3 6 5 1
3 0 1
4 1 3 6 2 146 42.6
授業理解
0 0 1 0 0 0 0 0 3 0
0 0 0 1 3 2
1 2 1 5
0 0 1 1 0
0 2 0
0 1 0 0 0 24 7.0
度
0 0 0 0 0 0 2 0 1 1
0 1 4 0 0 1
1 1 0 0
0 0 0 1 0
0 1 1
0 0 0 0 0 18 5.2
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 1 0 0 0
0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0
0 0 0 0 0
1 0.3
7 6 7 5 2 8 4 2 2 5
5 0 3 6 4 3
1 1 3
5
8 4
7 4 6
6 6 4 4 4 193 58.1
4 0 3 1 3 1 3 2 4 4
4 6 6 1 3 2
6 6 3
3
1 3
1 4 1
2 1 3 2 2 117 35.2
授業への
0 0 0 0 0 0 0 2 1 0
0 0 0 0 0 0
1 1 0
0
0 0
1 0 0
0 0 0 1 0
7 2.1
興味
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
0 1 0 0 1 1
1 1 1
0
0 0
0 0 0
0 0 0 0 0 14 4.2
0 0 0 0 1 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0
0 0 0
0
0 0
0 0 0
0 0 0 0 0
1 0.3
6 4
2 4 2 3 0 3 5
2
2 2
4 2 3
73 39.2
4 1
3 4 4 6 3 6 1
5
5 1
3 5 2
83 44.6 授業で新し
0 1
1 1 0 0 4 0 1
2
0 0
0 0 2
23 12.4 い考え方を
1 0
1 1 0 0 0 0 0
0
0 0
0 0 0
6 3.2 知った
0 0
0 0 0 0 0 0 0
0
0 0
0 0 0
1 0.5
5 1
2 2 6 2 1 1 3
2 0 3 4
0
2
3
3 3
4 2
4
3 5 1 3 2 91 32.5
4 4
1 2 0 5 3 4 5
6 2 4 1
5
3
2
4 3
2 1
4
5 2 2 2 4 132 47.1 授業後の
0 1
3 0 3 0 0 1 2
0 2 1 2
1
1
1
1 0
1 0
0
0 0 3 0 0 31 11.1 学習意欲
1 0
0 2 0 0 2 1 0
1 2 1 0
0
2
1
0 0
0 0
0
0 0 0 0 0 18 6.4 の変化
1 0
0 1 0 0 0 0 0
0 1 0 0
0
1
0
0 1
0 0
0
0 0 0 2 0
8 2.9
11 6 10 6 7 9 7 6 7 10
9 7 9 7 8 6
9 9 7 9
8 7 9 7 3
9 8 7
8 9 7 7 6 合計 %
表2
教職に関する演習Ⅱのグループ
グループ
教科
班
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
数学
理科
社会
社会
理科
理科
社会
理科
数学
英語
数学
理科
英語
理科
理科
社会
数学
理科
数学
英語
理科
国語
数学
理科
理科
国語
理科
英語
理科
理科
1
11
1
6
7
25
3
14
7
1
2
9
4
4
21
4
8
15
4
2
10
3
3
8
1
2
20
3
2
23
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
教室
グループ
教科
班
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
国語
理科
理科
社会
数学
理科
数学
理科
理科
社会
理科
理科
理科
理科
社会
理科
数学
社会
理科
理科
1
3
26
5
9
18
6
6
24
7
5
22
19
12
8
13
5
2
16
17
A101
11
A102
12
A103
13
A104
14
A105
15
A106
16
A202
(11月15日)
17
A203
A204
A205
11
教室
A303
A304
A305
A306
A404
A403
A402
表3
平成26年度 フィールドワークでの各班の授業評価集計
フィールドワーク
教科
班 1
授業方法
12
高校
授業理解度
授業への興
味
授業で新し
い考え方を
知った
授業後の学
習意欲の変
化
寸劇・ドラマ等
グループワーク・発表
クイズ・ゲーム・実験等
視聴覚機器・視覚教材の使用
身近な(興味を引く)話題
実習高校
高校学年
よく分かった
だいたい分かった
どちらともいえない
あまり分からなかった
ほとんど分からなかった
たいへん興味が持てた
やや興味を持った
どちらともいえない
あまり興味を持てなかった
ほとんど興味を持てなかった
そう思う
どちらかといえばそう思う
どちらともいえない
あまりそうは思えない
そうは思わない
もっと学習したい
どちらかといえば学習したい
どちらともいえない
あまり学習したいと思わない
学習したいと思わない
回答者数(N)
国語
ア
こ
ニ
れ
メ
で
の
も
英
伝
語 を わ
翻 邦 る
略 略
I LOVE YOU
各班の授業テーマ等
英
語
を
学
習
す
る
意
義
英語
社会
数学
2 3 4 1 2 3 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 9
平
安
時
代
の
恋
愛
無
名
抄
・
和
歌
の
創
作
○ ○ ○
○ ○ ○
○
○
○ ○ ○ ○
○
尚 尚 広 広
1 2 1 1
18 20 32 28
14 11 2 8
0 0 0 3
0 1 0 0
0 0 0 0
14 15 25 16
18 17 8 20
0 0 1 2
0 0 0 1
0 0 0 0
14 28 19
15 7 15
3 0 2
0 0 3
0 0 0
16 13 11
11 14 18
5 4 9
0 0 0
0 2 1
32 32 34 39
○
○
尚
1
28
4
0
0
0
20
11
1
0
0
18
10
4
0
0
11
16
3
1
1
32
広
1
16
17
4
0
0
10
19
8
0
0
13
15
9
0
0
6
17
13
1
0
37
日
本
語
の
表
現
の
豊
か
さ
総
選
挙
と
は
日
本
史
偉
人
裁
判
○ ○
○ ○ ○
○
○
○
尚 尚 尚
1 1 1
24
8
0
0
0
21
24
10
8
0
0
0
0
0
0
16
22
13
10
2
0
0
0
0
0
17
21
10
11
3
0
1
0
0
0
31
32
ク
リ
ス
マ
ス
か
ら
学
ぶ
○
○
尚
2
16
16
3
1
1
14
16
4
1
1
12
17
6
1
0
15
12
6
3
0
37
S
N
S
か
ら
学
ぶ
暦
の
歴
史
○
○
○ ○ ○
○
○ ○
○ ○
広 広 広
1 1 1
19 34
19 7
0 0
1 0
0 0
19 37 25
19 3 14
0 0 0
1 1 0
0 0 0
31
10
0
0
0
21 22
18 16
0 0
3 2
0 1
42 41 39
○
広
1
24
16
0
0
0
19
16
3
1
0
8
22
0
0
2
40
も
の
の
け
姫
か
ら
学
ぶ
国
と
は
何
だ
ろ
う
情
報
社
会
と
の
付
き
あ
い
サ
イ
コ
ロ
と
確
率
ア
キ
レ
ス
と
亀
地
図
の
塗
り
分
け
問
題
素
数
は
無
限
個
あ
る
か
確
率
と
期
待
値
輪
ゴ
ム
か
ら
宇
宙
の
形
ス
ポ
l
ツ
と
三
角
比
足
し
算
を
図
形
的
に
尚絅学院高校 11/21実施
宮城広瀬高校 12/3実施
黄
金
比
と
フ
ィ
ボ
ナ
ッ
チ
数
列
○
○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○ ○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
広 広 尚 尚 尚 広 広 尚 広 広
1 1 2 1 2 1 1 2 1 1 合計
26 36 14 26 30 13 8 13
23 448
9 4 15 4 8 24 19 15
15 235
5 0 5 0 0 2 11 3
1 37
5
0 0 1 0 0 0 1 0
0
4
0 0 1 0 0 1 0 1
0
29 25 20 20 32 15 18 4
14 417
10 14 13 7 5 17 15 17
21 282
2 1 2 2 0 8 4 7
4 46
0 0 0 1 1 0 1 4
0 11
3
0 0 1 0 0 0 1 0
0
20 9 24 19 264
16 14 12 17 187
2 7 3 3 44
7
0 1 1 0
2
1 1 0 0
15 11 10 17 12 8 4 15 7 260
15 16 12 19 19 15 6 12 22 301
7 6 6 0 8 11 14 12 9 116
2 1 2 2 1 3 3 0 0 25
1 1 0 0 0 2 5 1 0 17
41 40 36 30 38 40 39 32 40 39 843
%
61.5
32.2
5.1
0.7
0.5
54.9
37.2
6.1
1.4
0.4
52.4
37.1
8.7
1.4
0.4
36.2
41.9
16.1
3.5
2.4
1
96
30
授業理解度
0
0
0
99
54
授業への興味
3
1
0
56
33
授業で新しい考え
6
方を知った
0
0
59
49
授業後の学習意
12
欲の変化
4
1
尚絅学院高校
%
2 合計
93 189 62.8
31.6
65 95
3.7
11 11
3
1.0
3
3
1.0
3
85 184 55.6
68 122 36.9
4.8
13 16
7
2.1
6
2
0.6
2
46.7
35 91
40.5
46 79
11.3
16 22
2
1.0
2
1
0.5
1
63 122 40.9
64 113 37.9
14.4
31 43
4.4
9 13
7
2.3
6
331
広瀬高校
1
%
259 60.5
140 32.7
26
6.1
2
0.5
1
0.2
233 54.4
160 37.4
30
7.0
4
0.9
1
0.2
173 56.0
108 35.0
22
7.1
5
1.6
1
0.3
138 32.8
188 44.7
17.3
73
12
2.9
2.4
10
428
Ⅳ
「教職に関する演習」で学生がつくった授業(概略)
注:(TT)はティーム・ティーチング(Team Teaching)を表す。
英語1班
テーマ なぜ日本人は「英語」を学ぶのか?(TT グループワーク)
概要
・世界中には数多くの言語が存在する中で、日本の学生は必ず英語を学習する(小・中学校・高校にお
いて)。なぜ第一外国語として英語が選択されているのかという疑問を生徒たちに投げかけ、生徒た
ちでいくつかのグループをつくり、その理由を話し合いながら考えさせる。
・話し合いの後、グループごとの考えを発表し合う。次にスライドなどを用いて世界で話されている言
語に関するデータを示しながら(英語話者の数が多いこと、またその背景として、他言語に比べて英
語習得が容易であることなど)、英語が世界共通のコミュニケーションツールとして優れていること
を紹介する。
・異文化理解に英語が欠かせないことを再認識し、英語学習の意義を伝える。
英語2班
テーマ 日本語アニメの英語翻訳 ~いつ考えるの?今でしょ!~(TT クイズ形式)
概要
・現在、日本の文化が世界で愛されている。本時はその中から日本のアニメを取り上げ、作品中のセリ
フがどのように英訳されているのかをクイズ形式で学ぶ。クイズはグループ参加の形式をとる。
本時の狙いは…
・生徒がセリフの英訳に触れることで、英語に対する新しい解釈を学ぶ
・設定の文化間の違いから、海外の考え方を楽しむ
の 2 点である。
英語3班
テーマ 原文の翻訳を通して言葉の奥深さを味わう いろんな I love you を考えよう
(寸劇、グループワーク)
概要
・地域や文化が異なると表現の仕方も変わる
・挿話:夏目漱石は “I love you” を「月がきれいですね」と翻訳した
・題材提示:高校 1 年生になじみ深い内容の英文を提示
・グループワーク:英文を翻訳
・グループごとに発表
・まとめ
13
英語4班
テーマ これでも伝わる(寸劇)
概要
現在、日本の学生が触れる英語はアメリカやイギリスなどのネイティブ・スピーカーの話すものが圧
倒的に多い。しかし、世界ではあらゆる国の人が英語を駆使し生活に役立てている。
・英語を母語としない人々の英語は多くの場合、独特の癖や間違い、拙さなどがあり、決して流暢とは
いえないものも多い。しかし、それらの人々は臆することなく、英語をコミュニケーションの道具と
して当たり前のように使用している。英語を第 2 言語として扱っている。
・「授業を英語で行うこと」が基本となった高校英語のコミュニケーション活動において、多くの高校
生は現実的な話者モデルの不在から、具体的イメージを持てず、教科書やCDなどでのネイティブの
正しい英語と自分自身を比べてしまい、それと自身の乖離の度合いから話す意欲をなかなか持てない
でいる恐れがある。
・授業では前半 10 分で様々な国籍のノンネイティブの英語をパワーポイントと動画を使って高校生に
紹介していき、英語の多様性 に触れさせる。そのことでコミュニケーションの意欲を喚起する。後
半でクラスを何列かに分け、「伝言ゲーム」を行い、生徒がコミュニケーションをとる実践の場とす
る。
国語1班
テーマ 古典世界の常識を知ろう 「平安時代のとある恋愛」(寸劇)
概要
古典作品の常識は、現在の常識とはかけ離れているものもあり、それを知っているのと知らないのと
では、作品を味わうことに差が生じてくる。当時の恋愛について歌のやりとり、髪型や服装など、古典
作品を読む上で、知っておくと作品の世界により興味を持てるような知識をきっかけにして、生徒たち
が古典作品への興味関心を持つ、あるいは高めることを目的としたい。
古典世界の常識について、私たちが当時の人々になりきって、その場面ごとに私たちがどういう行動
を取るのが正しいのかをクイズ形式で生徒たちに考えてもらう。クイズの後には、それぞれの解答につ
いて解説や補足などを加え、まとめをする。
国語2班
テーマ 和歌の創作裏話 ~無名抄~ (寸劇)
概要
・ 無名抄「出で映えすべき歌のこと」を題材とした寸劇。
・盗作疑惑、責任の押し付けと、意外と生々しい和歌の発表までの裏話を、劇を通して生徒に知っても
らう。
・和歌に取っ付きにくさを感じている生徒に、意外と現代と変わらない感覚で昔の人も悩んでいたこと
を知ってもらい、和歌に親しみを持ってほしい。
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国語3班
テーマ 日本語の表現の豊かさを知る(グループワーク)
概要
①生徒を六グループ(赤二グループ、青二グループ、黄色二グループ)に分け、それぞれ色の呼び方にど
のような種類があるか話し合わせる。(グループワーク)
②各グループはそれぞれ出し合った色の種類を発表する。
⇒日本語には数多くの色を表す言葉があることを理解し、様々な表現の仕方を知ることでこれまでの
世界とは違う新たな世界を見ることができるようになるということに気が付く。
③私たちが模造紙を用いて、他言語における色の表し方を紹介する。(三カ国程度)
⇒多言語との比較により、日本語のもつ表現の豊かさを理解する。
このような活動をすることで、言語文化の特質や日本と外国の文化の違い等に気付かせ、生徒の言語
文化への興味・関心を広げるとともに、生徒がなぜ国語を学ぶのかを考える契機とする。
社会1班
テーマ 「総選挙ってなんだろう?」(対話形式)
概要
昨今、国内外問わずブームとなっているアイドルグループ AKB48。一年に一度、ファンがお気に入り
のアイドルに「投票」し人気のある順にランク付けするイベントが行われている。このイベントは「AKB
総選挙」と呼称されているが、本来「総選挙」と呼ばれる選挙はどのような性質をもち、どのような目
的をもつものか?その具体的な方法は?選挙権・被選挙権を有する資格は?という問いをきっかけとし
て、選挙の起源からその種類、さらに現在の日本や多くの国で行われている民主主義下の選挙を学ぶこ
とを主眼とする。
社会2班
テーマ 有罪か無罪か!?日本史偉人裁判(寸劇)
概要
一般的に悪名高いとされる日本史上の有名人物である徳川綱吉を裁判にかける。
班員3名を裁判官、検事、被告人に分け、模擬裁判を演じる。被告人は、自らの身の潔白を自己弁護
し、検事は被告人の罪を問い詰める。数分間、被告人と検事による議論を演じ、裁判官は議論のファシ
リテーションを行う。最後に、聴講している高校生に判決を求める。
社会3班
テーマ クリスマスから見る世界(TT)
概要
クリスマスを題材に世界史、日本史、地理それぞれの視点からクリスマスやキリスト教についての話
をする。3 つの分野がそれぞれに関わりあっていることを通して、社会科を学ぶことの面白さと意義を
伝える。加えて、宗教の多様性を理解することをねらいとする。
・日本におけるクリスマスの歴史。1900 年代のクリスマスの新聞広告を資料として提示する。キリスト
教の伝来から始まり、クリスマスが日本に定着するまでを説明する。
・クリスマスの定着の話題から、クリスマスが祝日ではない国の話題へと展開し視点を日本から世界へ
と移す。クリスマスが祝日ではない国の分布と世界の宗教分布を比較する。その後、ヨーロッパにお
けるキリスト教の宗派の分布に触れる。
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・キリスト教の宗派の話を受けて、キリスト教の誕生と変遷について説明する。ユダヤ教の成立からキ
リスト教の成立、キリスト教会の東西分裂と西欧社会におけるキリスト教について絵や図を提示しな
がら解説する。最後に宗教改革について説明する。
まとめに宗教の多様性とそれを背景とする習慣や文化の多様性を伝える。
社会4班
テーマ プライバシーの権利と現代ネット社会(寸劇)
概要
現代社会において、ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)をはじめとしたインターネ
ットにおいて他者とつながるサービスやツールが大変速いスピードで普及している。しかしながらそう
した SNS には、他者を攻撃したり、あるいは他者の人権を侵害したりするような事件などもあり、場合
によっては悲惨な結果を招きかねない。さらにこうしたサービスは中高生にも大変利用者が多く、そう
した事件の被害者あるいは加害者になってしまう場合もある。
こうした事態の予防のために、高校の科目内の「現代社会」で取り扱う、「新しい人権」特に「プラ
イバシーの権利」を中心とした寸劇、生徒とのディスカッション、板書などを行なうことで、生徒に正
しい人権や、その歴史的要請・成立を理解させ、ひいてはインターネットにおける適切な自身の身の振
り方などを考える契機を持たせる。
社会5班
テーマ 暦の成り立ちについて(TT)
概要
・暦や身近な行事が成立した経緯について、歴史的に理解させる。
・暦がなかった時代の時間感覚や人々の行動基準について考察させる。
・上記の点を把握させ、さらに生徒に現在の生活との比較を行わせる。
・身近な年中行事が成立した経緯を解説し、歴史を身近に感じさせる。
・生活・文化の特色に目を向けさせ、社会科への関心・意欲を高める。
社会6班
テーマ 作品をもっと面白く観るために(グループワーク)
概要
・「もののけ姫」の時代やその舞台について
・同じ時代でも特定の地域においては旧文化が根強く残存することを知る。
・地理や歴史の知識を持つことで、作品を一層面白く観ることができることを知る。
社会7班
テーマ 「国」ってなんだろう?(グループワーク)
概要
・私たちはみな「国」という概念を何気なく理解し使っている。しかし、ふと考えてみると、「国」と
いう言葉の定義は何なのか、どういった条件を満たせば「国」といえるのか、といった問題は難しく、
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曖昧な部分がある。今回の授業ではそのことを生徒に気づかせ、「国」という概念について考えを深
めさせることをねらいとする。
・この授業では、たとえば「バチカン市国」
「シーランド公国」
「イスラム国」
「ディズニーランド」
「仙
台市」「この中学校」などといった存在が、それぞれ「国」と呼べるのかを分類させ、またそれはな
ぜかを、生徒同士の話し合いも交えて考えさせる。この際、どれに関しても大学生側が「国である」
という主張をプレゼンテーションし、揺さぶりをかける。
・最後にまとめとして、国の形態の多様さ,各国の歴史の複雑さなどを想起させるために,今後学習し
ていくことに、今日考えた「国」というものをつなげさせる
社会8班
テーマ 情報社会との付き合い方(グループワーク)
概要
・クラスの連絡手段に LINE が使われる等、高校生の間で SNS の使用は爆発的に広がっている。また、
その使われ方はコミュニケーションの主要ツールとして使う、グループのやり取りだけに使う、発信
はせず情報を得るためにだけに使うなど、生徒によって全く異なる。一方で、様々な理由から SNS を
一切使わずに生活している生徒もいる。いずれにしても、高校生は「SNS が当たり前に使われる社会」
を生きているのであり、授業を通して、うまく使いこなしていく道を一緒に考える。
・架空の事例を使って、SNS の良い点・悪い点を考える。
・自分自身の SNS の使い方を考え、グループ内で話し合う。
数学1班
テーマ サイコロを用いた確率(TT)
概要
・確率は,降水確率や野球の打率,宝くじなど数学の中でも身近で使われているというイメージをもっ
ている生徒は多いと思う。
・しかしそのイメージとは裏腹に,確率の言葉の使い方はあやふやなことが多く,「サイコロを振って
一回目に 1 の目が出ればあと五回は 1 の目が出ない」と勘違いしてしまっているような生徒も多い。
・そのような実態を踏まえて,実際サイコロを振りデータをまとめるという活動を通して,確率の概念
についてより理解を深めてもらいたいと思う。
・さらに,理論を用いて計算した確率と実際にサイコロを振って求めた確率とを比較することで,確率
を求めることの有用性を感じてもらいたい。
数学2班
テーマ 数学に潜む罠(グループワーク)
概要
・アキレスと亀の問題と、その解答を解説する
・問題文では考えている時間の範囲が無限であるかのように書かれているが、実は有限時間の考察しか
行っていないことを伝える
・なぜそうなるか興味を持ってもらい、数学への関心につなげたい
・図形的な計算処理から、計算が嫌いな生徒にも面白さを伝える
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数学3班
テーマ 地図の塗り分け問題 -宮城県には何色必要?-(TT)
概要
「宮城県地図は、隣り合う市区町村を異なる色で塗るとき、最低何色あれば塗り分けられるか?」と
いう問題に対し、実際に地図を塗りながら取り組んでもらう。
論理的な思考を用いて、塗り分けを考え、普段とは異なる数学に親しむ。
・最低 4 色必要であることを見つけだし、その地図を完成させる
・なぜ 3 色では塗り分け出来ないかを考えさせ、理由を理解させる
数学4班
テーマ 素数は無限個あるのだろうか?(TT)
概要
まず「みんな素数って習ったよね?素数って何か覚えてる?」という風にして定義を確認する。次に
素数は何個あるか?と問いかける。恐らく「たくさん」あると生徒は思うはずである。
その後、素数は実は無限個あることを明かし、その証明が高校の知識(背理法)で解けるということ
から生徒に興味を持ってもらう。その後、証明を発問を交えながら行う。
時間が限られている中、生徒が発問について考える時間を設けたいので、進行役と板書役を分ける。
また、高校までの知識とはいえ証明には難解な部分もあるので、個別に解説できるよう証明中は教室
に班員を配置する。
数学5班
テーマ 確率と期待値について(TT)
概要
・導入…期待値の定義と簡単な計算
・日常生活での期待値に関して計算してみる…具体的な例について予想してもらい、その後実際に計算
してもらう
・まとめ…解説を行い、自分の予想と比べてどうだったか感じてもらう
数学6班
テーマ 輪ゴムから考える宇宙の形(TT)
概要
・距離や角度にとらわれない、柔らかい幾何学であるトポロジーに触れ、今までとは一味違った空間の
認識をし、数学の面白さを感じることを目的とする。
・輪ゴムで作れない形は何かを生徒に考えてもらうことで同相の感覚を伝え、トポロジーの導入をする。
・地球の形、ドーナツの形などを考えることで2次元多様体である閉曲面について話をする。地球を一
周して戻ってきたからといって球面とは限らないという話や上下、左右がつながっているゲームの画
面はトーラス型であるという話をする。
・地球の形から発展して宇宙の形(宇宙のトポロジー)について考えてみる。地球は球面であるので地球
の果て(境界)はないが、宇宙に果ては あるのか、もしないとしたらどのような構造が考えられるの
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かを考える。3次元球面 S^3 や 3 次元トーラス T^3 について説明する。時間があればポアンカレ予想に
ついても触れる。
数学7班
テーマ スポーツと三角比(グループワーク)
概要
野球やサッカー、バドミントン等のスポーツにおける問題を三角比を用いて計算し解決する。それに
より身近なスポーツと数学の結びつきを感じてもらい、また三角比の計算も習得する。
例として、
「野球で投手がストライクを投げるにはどの範囲の角度でボールを投げなければならないか」
を考えさせる。
数学8班
テーマ 足し算を図形的に考えよう(グループワーク)
概要
・1+2+3+・・・+n
や 12+22+32+・・・+n2 という和の求め方を図を用いて導
く。
・複雑で理解しにくいことでも、視覚的にとらえると理解しやすくなることを感じてもらえるようにす
る。
数学9班
テーマ 黄金比とフィボナッチ数列(TT、グループワーク)
概要
1、黄金比の紹介
・図形をいくつか見せて美しいと思ったものを答えさせる。→それが黄金比の図形
・黄金比 1:(1+√5)/2 の紹介、大体 1:1.618003...となることも説明。
2、白銀比の説明
・黄金比の他に、このような比があることを説明。
・日本のものに白銀比が多く使われている。(コピー用紙、日本の建築物、アニメキャラ etc.)
※時間があれば青銅比の説明も
3、フィボナッチ数列
・フィボナッチ数を、ウサギの子産み問題を使って生徒に導いてもらう。
・フィボナッチ数を並べる。(1.1.2.3.5.8.13....)
4、フィボナッチ数列と黄金比の関連付け
・フィボナッチ数列は次の数字に行くときに何倍になっているかを計算で生徒に導いてもらう(例:5→8
なら 8÷5 で 1.6 倍)。数が多ければ電卓の使用も認める。
・1.618...倍に近づくことを気づかせる→黄金比との関連付け
・フィボナッチ数列を図形的に書くと最初に示した黄金比の図形(長方形)の形に近づく
5、まとめ
・実は黄金比とフィボナッチ数列は自然界や美術作品、最近では企業のロゴや iPhone の比にも使われ
ていることを説明 → 普段から見慣れているからこそ、最初に選んだ図形(黄金比の図形)がきれい
に見えるし、その企業の商品を知らずして気にいっているという面白さを伝える
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理科1班
テーマ アインシュタインが何故ノーベル賞を受賞出来たか 「光電効果について」
(教師と生徒の会話)
概略
現在一般的に、相対性理論について有名であるアインシュタインであるが、それによってノーベル賞
を受賞した訳ではなく、実は光電効果という現象の解明によって受賞している。この現象がどんなもの
で、どのように応用され、何故そこまで価値があるのかを知ってもらい、生徒たちに物理の面白さに気
づいてもらう。
理科2班
テーマ 発光ダイオード(LED)の仕組み(教師と生徒の会話)
概要
・我々の日常生活に LED が利用されている例を示す。
・現在ノーベル物理学賞受賞で話題の青色 LED だが、発光ダイオードとはそもそもどういう仕組みなの
かの簡単な説明を行う(具体的には発光原理・特性などについて)。
・説明していく過程において、人間が光を見るにあたって、絵の具などとは異なる色の見え方や、三原
色、補色の関係などについて説明を行う。教師と生徒のやり取りを通して、その違いを教授していく。
理科3班
テーマ 「もしも過去に戻れたら~パラドックスから考える科学哲学~」(寸劇)
概要
とあるクラスで先生が中間テストの答案を返している。テストを返された生徒のうちの一人が、過去
に戻ってテストを受け直せばもっと良い点数を取れるのではないかと言う。他の生徒も賛同して、変え
たい過去を変えられればいいのにと言い出す。
しかしそこで先生が、過去に戻れたとしてそこで過去を変えたら過去に戻る必要がなくなるのではな
いかと問いかける。
そこから話は展開し、このパラドックスに関する科学や哲学の様々な解釈や考え方の議論を行う。そ
の議論を通して、一つの問題も色々な方向から考えていけるということを話の中から見出す。
理科4班
テーマ 大気の物理(授業形式)
概要
身近な現象を物理で説明することによって、生徒たちに物理がより身近でおもしろいものであると気
づいてもらう。
具体的には、夕焼けはなぜ赤いのかという題材を通して大気の物理を中心に授業を進行する。
最後にまとめとして、現象を説明するために物理を使うことは役に立つということを示す。
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理科5班
テーマ 量子効果が日常に現れていたら?(寸劇と解説)
概要
・量子効果がマクロな日常生活で現れた場合、どのようなことが起こるか寸劇を見せる。
・トンネル効果、電子の干渉縞、不確定性原理など
・その都度、現象の解説をする。
・日常世界(マクロな世界)とミクロな世界のギャップを感じてもらい、量子力学の直観的な理解を促
す。
理科6班
テーマ 宇宙論(教師と生徒の会話)
概要
人類が太古より持つ疑問、「宇宙はどのように始まったのか?」この問いはかつて哲学の範疇であっ
たが、20 世紀における相対論と量子論の発展により、物理学として答えを得られるようになってきた。
現在までに解明されている宇宙像を物理学の様々な視点から言及し、高校生に公式を覚え計算するだけ
の無味乾燥した学問だと思われがちな物理学のイメージを払拭し、物理学の可能性を伝え興味を引き出
す。
理科 7 班
テーマ 日常の現象を方程式に置き換えて未来を予測しよう(TT)
概要
高校生の中にはなぜ物理に数学が出て来るのかと苦々しく思っている生徒もたくさんいる。この授業
では、物理に数学を持ち込むことによって汎用性が広がり、しいては方程式を解くことで未来が予測で
きるということを高校生に確認してもらう。さらに、物理を記述するのは数学なのだ、物理の言語は数
学だ、ということを実感してほしい。
具体的には、ふりこの実験でのエネルギー保存則を通して、現象を方程式にあてはめることにより最
高点の高さを予測し、もう一度実験を行いその予測が正確であることを確認する。また様々な方程式を
例に、式から過去や未来を予測できることを高校生に体験してもらう。
まとめ
(1)生徒に伝えたいこと
・物理は数学をもって記述できる。
・数式を解くことで過去の事象から未来を予測できる。
・数式を解いた結果通り運動が行われる。
(2)我々の働きかけ
・実験の観察の技能:着目すべき点を明確にする。
・数式の意味を分かりやすく説明し、理解させる。
・物理の面白さを簡潔に伝える。
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理科8班
テーマ 周期表の成り立ちと元素の性質(教師と生徒の会話)
概要
周期表は化学者をはじめ多くの研究者による知の集大成であり、元素の性質を簡潔かつ明快に示した
周期表は「化学のバイブル」ともいえる。現在、周期表は化学のあらゆる分野にて、反応の分類や体系
化および比較を行うための枠組みを与えるものとして、汎用的に用いられている。そして、化学だけで
なく物理学、生物学、化学工学など幅広い分野において、多くの法則を説明する表として用いられてい
る。以上の理由から、テーマとして周期表を取り上げることにした。
1.原子の構造
・陽子の周りを電子が周回している
・電子には軌道(電子殻)が存在する
・原子番号が増えるにつれて電子が規則的に電子殻を占める
・最外殻電子の数(価電子数)が周期的に変化する
・価電子数で決まる元素の性質に周期性が見られる
2.周期表の成り立ち
・元素を原子番号の順に周期的に並べたものが周期表
・同じ族の元素は化学的性質が似ている
・1869 年にロシア人化学者メンデレーエフが考案した
・当時未発見であった元素の存在を予言した
3.周期表から考察する化学法則
・金属/半導体/非金属
・金属結合/イオン結合/共有結合
・電気陰性度
4.新元素の発見
・東北大学総長を務めた小川正孝によるニッポニウムの発見
・理研による 113 番元素の発見
理科9班
テーマ 身近にある化学(教師と生徒の会話)
概要
・生徒にそれぞれ「身近にある化学」というテーマで調べ学習をさせ、それをクイズ形式にして発表す
るスライドを作る。
生徒 A:酸、塩基
生徒 B:アルコール について調べる。
生徒 A:身の回りにあるものの pH は?それはなぜ?等
生徒 B:大人が飲むアルコールってどんなもの?等)
・スライドを用い、「導入、出題」「解答」「解説」という 3 段階でそれぞれ発表させ、その発表に対し
教師が補足して、化学についての知識を深める。
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理科10班
テーマ
水の不思議に迫る(教師と生徒の会話)
概要
・水の状態が温度によって 3 種類(氷、水、水蒸気)に変化することを理解させ、その現象が身近である
ことに気づかせる。
・水の沸騰、凝固などの状態変化が熱エネルギーのやりとりと密接に関連することを理解させる。
・水の状態変化において熱エネルギーがどんな役割をもっているのか生徒に考えさせる。
・水の入ったコップに氷が浮くことを例にして、水と氷の密度の大小関係を理解させる。さらに、その
原因を水の構造式と水分子間の水素結合を踏まえて考える。
理科11班
タイトル 行列のできる地学相談所(ラジオ番組形式)
テーマ 地学に関する素朴な疑問に答える…「災害ってどうして予測できないの?」
概要(導入 2 分→本題 16 分→まとめ 2 分)
・本授業の目的は,生徒が災害予測の現状を知り,災害に関する学習の必要性を感じることである.
・リスナーからの地学に関する素朴な疑問(お便り)に答えるラジオ番組.
・番組内の各種疑問・問いかけに対する回答は事前にこちらで用意しておく.
・はじめに紹介する疑問(お便り)は先週の放送で募集した体(今回はこちらで用意しておく).上記テー
マの通り.
・番組側が答えるだけでなく,番組からリスナーへの選択クイズおよび問いかけへの回答(理由や意見
も添えてもらう?)を受け付けることによって,その場でリスナーの意見・質問も集め,様々な人の
考え方をみんなでシェアし解説していく(ミニットペーパーの紹介のイメージ).
・選択式クイズなどへの回答とは別に,番組と同時進行でリアルタイムの自由な投稿(コメント)も受け
付けることで,生徒が「何かしら」考えていることを気軽にアウトプットできる環境づくりにより,
生徒の考えの効果的抽出が実現できるのではないか(生徒は一般に,せっかく何か少しでも考え感じ
ていても「面倒」や「やりづらさ」によってアウトプットしなくなってしまうことが多い).ここが
ラジオ形式の利点である.
・番組前半では,クイズや問いかけを挟みいくつかの投稿をその場で紹介・解説しながら回答へ導いた
り,適宜投稿されたコメントに反応したりしながら,各種災害のメカニズムとその予測方法を簡単に
説明していく(ここは本質ではないので長引かせない).番組とリスナー個人との間で意見のキャッチ
ボール(議論)をしていくイメージ.
・但し,個人でクイズに挑むと,ラジオという形式上議論が一方通行にならざるを得ない.それを避け
るため,後半ではグループ単位で本テーマ「災害はなぜ現状では予測できないか」をディスカッショ
ンし意見をまとめてもらう形式を考えている.更に,実際の授業としては,グループ内に TA として
巡視に入り,生徒(リスナー)どうしの議論をかき混ぜ,意見のやり取りが何度も続いていくよう配慮
する.ここで前半と違う点は,まずはじめにリスナー(生徒)どうしのキャッチボール(議論)がある点
である.
・最後に各グループの投稿を紹介して様々な意見を紹介しながら,地学を専門としている番組側からリ
スナーへ,現状を紹介し,一つの事項だけでも印象付けて確実に頭に残してもらう(身になる授業).
・リアルタイムの投稿を実現するため,実際のメール投稿の方法を考えている(挙手よりは「考えられ
た」意見が気軽に出やすい).もちろん,気軽に投稿できる雰囲気づくりが必要であろうが,生徒の
リアクションを受けて随時授業構成を変えていくことは一般的授業形態と何ら変わりないとも言え
よう.
・もしメールアドレス・個人情報などの問題がある場合は,(メールを使用せずに)書き込んだミニット
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ペーパーを教壇に適宜投げ入れていくような方法を考えている.
・生徒からの積極的な参加(発言に限らず「『聴く』態度」も積極的参加になるだろう)を促すような,
従前の授業形態にはない雰囲気を目指した授業を想定している.
・生徒のやる気,興味を引き出し,普段考えもしない「地学的話題」に対して「考えなきゃいけない」
「考えてみたい」と思わせる授業を目指す.
理科12班
テーマ 地球史を一年で表すと(寸劇)
概要
地球はおおよそ 46 億年前に誕生したといわれている。現在に至るまでに生物の繁栄や絶滅、大陸の
分裂や合体、巨大隕石の衝突などの様々な大きなイベントがあった。それらのイベントが起こった年代
はもちろん、46 億年という期間が長すぎて生徒はそのタイムスケールを把握できていないと考えられる。
地学は非常に大きなタイムスケールで議論するので、スケールの感覚を身に着けることは大切である。
そこで 46 億年の地球の歴史を 1 年のカレンダーで表し、地球史におけるイベントを年行事や高校行
事と対応させた寸劇を披露することによって、地球史に興味を持ってもらうとともに地球史のタイムス
ケールのおおよそのイメージを掴んでもらう。
理科13班
テーマ 復興と生物多様性(寸劇)
概要
舞台は津波で被災した沿岸部の復興に関する会議の場。役所の人間、市民、大学教授が、それぞれの
立場から沿岸部復興についての議論を交わす。
ストーリーは、生物多様性を保全するような復興のありかたを、大学教授が役所の人間と市民に説明す
るというもの。
実際に被災した沿岸部の状況を調べ、生物多様性を保全すべき意義を気付かせる。
理科14班
テーマ 多機能な単細胞(教師と生徒の会話)
概要
・適当な会話の中で、ある生徒 A が生徒 B に『この単細胞がッ!!!!』という悪口を言う。
・B が、『それは、逆に褒め言葉にもとれるぞ?』的な事を返す。
・ここで先生登場。多機能な単細胞の存在を、A や B との質疑応答を交えながら伝えていく。
(動ける単細胞や光合成を行う単細胞など、いくつか例をあげて単細胞について説明する。)
・生徒 A、生徒 B が単細胞を見直して、褒め言葉として用いて寸劇は終了。
狙い : 単細胞が、実は多くの機能を有している事を理解させ、生物学に興味を抱かせる。
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理科15班
テーマ 『寿命』とは何か 〜細胞死について〜(寸劇)
概要
身近にある寿命という現象について知ることで、生物学的な考えを育むことを目的とする。
死とは何かという疑問から発展させ、細胞死についての解説を行う。寸劇により死に瀕している人物
を登場させ、死について考えていく。
解説者を登場させ、生物の寿命について解説を行う。生物学においては生物にとっての死とは細胞死
によって起こる現象である。細胞分裂を行うごとに染色体に含まれるテロメアが短くなっていき、やが
て細胞分裂が停止する。細胞分裂がおこらなくなることで、生物は死を迎えるのである(寿命)。
生物の寿命について理解したことで、その人物は日々死の過程にいることを悟る。そこで、もう一人
の解説者を登場させ、無限に増殖が可能である万能細胞について説明を行う。
その人物はいずれ訪れる寿命に絶望する。しかし、その後、知り、寿命が延ばせるかもしれないという
希望を抱くようになる。
理科16班
テーマ 「生物の進化 ~キリンの首はなぜ長いのか?~」(生徒達の会話)
概要
・進化論の主流学説の変遷について、それぞれの説を唱えた学者を交えた討論からストーリー仕立てで
解説する。
・生徒同士がキリンの首はなぜ長いのか?という疑問について話し合っている。そこに進化について研
究している科学者であるラマルクが現れ、持論である用不用説でキリンの首の進化を説明する。生徒
たちはそれに納得しかけるが、同じく進化研究者であるダーウィンがその説に異論を唱え、自らの自
然選択説を紹介する。
・二人の学者の説について、生徒たちが質問を投げかけながら理解を深めていく。
・ただそれぞれの学説の内容を説明するだけではなく、それを唱えた学者たちがどのような論拠からそ
の説を創りだしたかなども重点的に解説する。
理科17班
テーマ 電気がコンセントにくるまで(TT)
概略
発電から変電、送電といった、コンセントにくるまでの電気の流れを、生徒の持っている知識と関連
させながら説明する。例えば、電気をつくることの大変さ、電気の損失をどう防ぐかなど、レンツの法
則、状態変化といった物理や化学で習った内容を用いて紹介する。
技術には学校で学んでいる内容が必要不可欠である ということを、生徒たちに気づかせることを目
的とする。
理科18班
テーマ 身近な生活とイオン(教師と生徒の会話)
授業の目的 今まで学んできた「イオン」と身近な生活とのかかわりについて考え、イオンに関する理解
を深めるとともに、化学に対する生徒の学習意欲を高める。
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概要
①生徒たち自身で身近な生活と「イオン」の関わりを考えてもらう。(ドライヤーから出るマイナスイ
オン、制汗剤に含まれる銀イオンなどの答えが予想される)
②先生が司会進行役として、生徒の意見を上手に引き出しながら、パワーポイントを使い、イオンと身
近な生活との関わりについて紹介する。とりわけ、飲料水に含まれているミネラル分に注目し、これ
らが金属イオンであることを紹介する。
③含まれているイオンによる違いを紹介し、実際に、市販されている硬水と軟水と石鹸を用いて実験を
行う。硬水と軟水によって泡立ちが違うことを確認してもらう。
④まとめとしてイオンとの関わりが身近な生活のなかにもあふれていることを認識させる。
理科19班
テーマ pH を楽しく理解しよう ―酸性が塩基性になる?― (先生と生徒の対話)
概要
・先生が pH の定義について説明し、身近な物質について、生徒に pH が大きいか小さいかを予測させる。
・身の回りの pH の違いを利用した製品、pH にかかわる現象をいくつか取り上げ、興味を持たせる。
・先生が pH と水素イオンの量のかかわりについて説明する。
・生徒から酸性の水溶液を薄めたら何性になるのかという質問が飛び出し、いくつかの意見が出る。
・水溶液が薄まったとき何が起きるのかを説明し、結果を覚えるだけでなく、その裏で何が起きている
のかを考えることが重要だと気づかせる。
理科20班
テーマ みんな一緒に生きている(教師と生徒の会話)
概要
森林が専門の教師と 3 人の生徒が東北大学川渡フィールドセンターでホタル観賞会を行っている。ホ
タル、その主食のカワニナ、きれいな水の関係を話し合うなかで、人間にとっての水や、水源に関する
発問を教師が投げかけていく。生徒の『水源は山にあり』という気づきを受けて、山、森の水質浄化機
能などの話題を教師が展開し、森の植物群集が多様であることと水質浄化機能の関連について話してい
く。
そこから、生物多様性が人や生き物にどのような恩恵をもたらしてくれるだろうかということを生徒
に考えさせ、生物多様性を守っていこうという認識を持たせる。
理科21班
テーマ 免疫劇場 ~4種の精鋭たちによるバトンリレー~ (寸劇)
概要
『なんで今回の病気はすぐ治ったのだろう?』今まで様々な病気を患ってきた大学生Aは疑問に駆ら
れていた。Aは探究心の強い学生だったので、一人のスペシャリストのもとを訪問した。
この物語はスペシャリストによって語られる免疫の連携プレーに関する物語である。
展開
・一人の学生がスペシャリストのもとを訪ねる
・スペシャリストが語る内容を演じる(獲得免疫)
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理科22班
テーマ 毒を科学する(大学生と高校生の会話)
概要
・毒に焦点をあてて様々な角度から解説する。
・分子レベルで物質をとらえる視野を育てる。
・身近な毒(魚介類の毒)について具体的にとりあげることで、興味を引き出す。
・さらに社会問題へ話を繋げ、視野を広く持つ意識を高める。
理科23班
テーマ 私たちが見ているものとは何か(教師と生徒の会話)
概要
高校生物の授業では、外界からの刺激を受容する器官(受容器)の一つとして、(視覚器)眼につい
て学ぶ。ここでは、網膜、盲斑、視細胞など、高校で習った知識を使って、「自分たちが見ている世界」
について考える。
・目の錯覚はなぜ起こるのか
・目には盲斑という部分があり、そこは光が感知できないので、本来私たちの視界には死角が存在する。
そのことに私たちが普段気づかない理由とは何か
・私たちが見ている世界とは、本当に「見ている通りに」存在しているのか。
私の見ている赤と、あなたの見ている赤は同じ色か?
理科24班
テーマ 「ラブストーリーは突然に」-生物多様性について- (寸劇)
概要
地球上には多種多様な生物が存在するが、元を辿ればみな共通の祖先から派生している。
この生物の多様性は、長い年月を経て生じてきた地球環境の変化と、それに伴う生物の進化の結果であ
る。
この授業の中では、魚が水辺に現れた馬に恋をするところから始まる。魚は積極的に自分の思いを伝
えるが、馬には「私とあなたじゃ違いすぎる」と、あっさり断られてしまう。どうして魚と馬ではこん
なにも形態的、生理的に違っているのだろうか、というところに物語は進んでいく。
また地球には進化の結果、環境に適応した多様な特徴を獲得した生物が他にもたくさんおり、人間に
とってもなじみ深いそれらの生き物についても紹介していく。この授業を通じて、生物がどのようにし
て現在の形態的、機能的特徴を獲得していったのかというところを知り、生物多様性について興味を持
ってもらいたい。
理科25班
テーマ 微生物の力を利用する! -抗生物質を例に- (紙芝居)
概要
・抗生物質の発見から現在までの活用について、紙芝居を用いて解説を行う。
・初めて発見された抗生物質はアオカビ由来のペニシリンである。その後さまざまな抗生物質が発見、
合成され、感染症の治療などに大いに役立ってきた。本授業では導入として、どのようにペニシリン
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が発見されたのかを紹介する。その後、抗生物質の発見・合成の歴史、抗生物質の作用する原理を説
明する。また抗生物質に代表されるような微生物の有用な利用についても触れ、中学・高校の理科で
は深く扱われない微生物について、生徒に興味・関心を持ってもらうきっかけとしたい。
理科26班
テーマ 恋愛生物学~ホルモン編~(教師と生徒の会話)
概要
・生物教師と、生物に対して苦手意識を持つ 2 人の生徒が、多くの人が興味を持つ「恋愛」というトピ
ックを生物学的観点から一緒に見ていくことで、一見日常生活と結びつけにくい生物の勉強をより身
近に感じてもらうことが狙いである。
・具体的には、今回は「ホルモン」に着目しながら話を進めていく。まずは簡単にホルモンの説明をし
た後、いくつかの具体的なホルモンの名前を挙げながら、恋愛に関してよく耳にする噂を科学的視点
で解明していく。
例)付き合って 3 年目のカップルは別れやすい?
一度浮気をした人はまた浮気をする?
28
Ⅴ
平成26年度教職実践演習
学生の感想及び評価(学生のレポートからの抜粋)
・仲間と協力したり実際の学校現場に行って生徒や先生方と交流したりできたこの教職実践演習
は、教員を目指す私にとって宝物になった。(文)
・自分たちの授業に対して他の学生から意見をもらうことで、新たな自分の課題に気付くことが
できた。講義では貴重なお話をいただき、大変有意義な時間を過ごすことができた。(文)
・高校生と直接触れ合える機会があってとても嬉しかった。宮城県教育庁の先生方の講義が大変
参考になった。気持ちも引き締まって、教職に就くにあたってよい心構えができた。4 年生は
卒論等で忙しいので、11 月中に講義や実習などがほぼ終了するのは日程的にありがたかった。
(文)
・ある程度の授業の質を達成しつつ、班員同士の結びつきを強めることができたという意味で、
教職実践演習は成功したと見なしてよいと思う。さまざまな価値観を持った見ず知らずの者同
士が集まった班としては、互いに実りある形で終えることができた。少なくても私は、次はも
っと上手く他者と協力して仕事をしたいという動機づけが高まった。
(国文化)
・実際に高校生の前で授業を行う等、実践的な学習であったため、来年度から教員として仕事に
励む上で意義のある時間であった。講義でも教員としての心構え等を再確認することができた。
学部を問わず、教員を目指す人同士意見交換ができたことも刺激になった。(文)
・全体を通して、多忙な時期に大変だったが、その分多くのことを学べたと思うし、高校生との
関わり合いは楽しかった。何より他の教員志望者との繋がりが深められたことが嬉しい。(文)
・教職実践演習は大変貴重な体験となった。私は春から高校で教員になるが、正直分からないこ
とばかりで、不安な気持ちがあった。しかし、教職実践演習の中で教育委員会の方や校長先生
などと話す機会があったり、高校生と関わる場があったりしたことで、抱いていた不安は大部
なくなった。この教職実践演習は来年からの実戦に向けての橋渡しとなった。(文)
・これまでの教職課程では得ることができなかった経験を積むことができたという点で、この講
義は非常に有益でした。教育実習を終えなければ開講できないということがあるのだとは思い
ますが、先生方の講話で採用試験のポイントなどを聞くことができたため、それらのお話を採
用試験前に聞くことができればよかった、というのが正直な感想です。教科に関する演習モデ
ルとして寸劇が挙げられていましたが、生徒が見るだけになる寸劇よりも生徒との会話を重視
する授業をモデルとした方が良いのではないかと思いました。全体を通して、とても良い経験
となりました。(文)
・今までは、教授の講義を聴くだけという受け身の姿勢で授業を受けることが多かったのですが、
今回はいろいろな人とかかわり合いながら積極的に取り組むことができました。今まで不足し
ていた他者と協力するという能力を、今回の教職実践演習で補うことができたのではないかと
思います。(文)
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・教職実践演習は8セメに行われるということもあり、私含め他の班員も忙しく、時間の確保が
大変だった。その限られた時間の中で準備しなくてはいけなかったので、完全な話し合いの末
出来た授業とはいえなかった。しかし、実際に高校で授業を行ってみると、よい生徒が多かっ
たことにも救われて、意外とあっさり授業をすることができた。教育実習中に「授業はライブ
性がある。計画したように行かないこともあるし、上手くいくこともある」とある先生から言
われたが、思いがけずそれを知るところとなった。他にも、他の班の人達との意見交換で新し
い考え方に触れたり、高校生と話す機会があったりと刺激の多い授業だった。(文)
・この4年間の教員免許取得の過程の中では、人と向き合う際に心がけるべき重要な事を数多く
吸収することができた。特に、4年次の教育実習と教職実践演習における経験は、たとえ教育
現場に立たなくても、人と接するときに十分生かされるだろう。(文)
・生徒と直接にやり取りする機会の重要性を痛感した教育実習・教職実践演習であった。生徒の
反応を見ることで自身のふるまい方を変えることができ、より効果的な指導を行えることに気
づけたのは財産である。そのことに気づけたことが今回のフィールドワークの準備を楽しめた
要因であろう。どのように生徒達は反応するか?興味を持ちやすい題材は?とイマジネーショ
ンを働かせる訓練となったし楽しめた。(文)
・4 年の後期という、とても慌ただしい時期に開講され、とても大変だったが、前期の段階でア
ナウンス、オリエンテーションがあったおかげで早い段階で少しずつ準備を進めることができ
たので良かった。また教員を目指す上で改めて自身を見つめ直す良い機会となった。(文)
・班別活動の時間をできるだけ講義時間内で設けるようにして欲しかった。8セメスターという
時期もあり、打合せの時間の捻出に苦労しました。(文)
・講義では、教育委員会の方や現職の先生方など、大学では普段お会いすることのできない方々
からお話を聞くことができて、教職を目指す者として大変参考になりました。フィールドワー
クでは実際に高校生と触れ合うことができたのはもちろん、学生同士で協力して授業をつくる
ことで、ともに学び会うことの良さや難しさを感じることができました。(文)
・授業の内容から、教育実習を行う前にこの授業を受けることができていれば、より有意義であ
ったように思う。7,8セメという時期だと受講している学生も忙しい人が多く、12 月のフィ
ールドワークに対して班で集まるのが時間を取りにくいところもある。6セメなどで行えば、
教育実習などにこの授業の経験を活かすこともでき、授業の内容なども8セメで行うより班で
話し合う時間が増え、よりよい方向で練ることもできるように思う。
(文)
・去年受けた人達から、卒論で忙しい時期に長い時間割くのは結構きつかった、という話を聞い
ていたので覚悟して臨んだが、思っていたほど負担ではなかった。ただ、4 月の段階で一度集
まる必要性は感じなかった。フィールドワークの授業に関しても、2 グループで 2 コマを担当
するというスタイルが直前まで知らされなかったことや「20 分」という限られた時間での授業
展開を苦労して考えたのに、直前で「ペアのグループと相談して時間配分を自由に決める」と
30
いうことを伝えるなど、まだこの授業はしっかり構成されていないと感じた。せめてどのよう
なスタイルでフィールドワークが行われるかぐらいは、しっかりと伝えるべきだと思う。(教)
・教職実践演習は教員になる上で非常に有用な授業であったと考える。教育実習から卒業までの
間、教員採用試験等を除いては教職に関する授業や勉強と触れる機会は、自身で設けない限り
なかなか無い。実践に向けて技術や知識を高めるとともに、教員という仕事に対する意識と責
任感を高めることで順調な滑り出しにつながるだろう。(教)
・フィールドワークの授業実践は非常に面白かった。他の班がどのような授業を行ったのか、授
業実践集、あるいはビデオ等で見ることができたら面白いと思った。
(教)
・宮城広瀬高校での模擬授業とそこに至る過程は、東北大学で開講されているすべての教職課程
の授業の中で、最も有益であり、楽しいものでした。(教)
・今回の教職実践演習は、教育実習とはまた違った観点で教師になるために不足していると思え
る点を補うことができた。今回の経験を活かして、教師として何が求められているのかを見極
めていきたい。(法)
・班で授業を行うというのはとても新鮮で、実りある経験になったと思います。何人程度を相手
に授業をすることになるのか、より早くわかっていると準備しやすかった。(法)
・現在の中学生・高校生を大学に招いて、授業に対しての要望等を聞き、それが自分たちのつく
る授業に活かせるようなスタイルになれば、さらに良くなるのではないかと思った。(文)
・座学の時間で教育委員会の人が来てくださったので、せっかくだから教育委員会についての話
をもっと聞きたかったです。フィールドワークの班は多くても 4 人までのほうが良い。(理)
・教育実習を3週間やってその後に教職実践演習をやる意味が本当にあるのだろうかとはじめは
思いましたが、実際に準備をやってみるとすごく充実していて有意義な時間が過ごせました。
特にグループ授業や他の教科の班と授業を見せ合うのが面白い取り組みだなと思いました。高
校に行く日時などをもう少し早めに伝えて欲しい。(理)
・講義で用いられた講義資料を ISTU にて公開してほしい。4 月にオリエンテーションを実施する
ことで概要を知ることができたため、夏休みを利用して班活動の準備ができて良かったです。
フィールドワークの日程をもっと早く確定して欲しい。与えられた時間内に授業をまとめ上げ
る技能も重要だとは思いますが、もう少し多くの時間があれば、もっと充実した授業を行えた
のではないかとも感じました。準備をする段階で教務係の方と円滑にやりとりができたのはと
ても助かりました。模造紙に印刷する際、用紙の大きさが異なったことには少し戸惑いました。
(理)
・講義では実際に教育の場に立つ様々な先生の話を聞くことができて、教育に対する自分の視野
を広げることができた。土曜日の朝は生協が開いておらず、朝ご飯の確保が難しいので、でき
れば平日か土曜の午後にやって欲しかった。(理)
・今回の教職実践演習は生徒に数学の魅力を知ってもらおうという場であると同時に、教育実習
で得た伸ばすべき点と克服すべき課題を振り返り、意識しながらもう一度授業の場で試す機会
31
という位置づけでもあった。授業をしっかりと組み立て、実際に生徒の前で行う機会はそう多
くはないので、将来の採用試験や実際の授業の前に再確認できる機会が設けられたことは本当
に良かった。
(理)
・教職実践演習では足りない知識や能力を意識しながら補うことができ、大学で学べる最後の教
職関係の授業として相応しいものだと思います。特に、新卒に最も足りないのは経験だと思い
ますが、フィールドワーク等でそういった面もわずかながらカバーすることができるのは、と
ても貴重なことだと思います。座学に関しては教員採用試験のために勉強してきた自分にとっ
てはだいたい知っている内容だったので、講師の方々の独自の話をもう少し聞きたいと思いま
した。教科に関する演習で「教育実習を通して(数学)教育について考えた事」の発表を行い
ましたが、それを他の教科の受講生達と行う機会を設けてはどうかと考えました。(理)
・教育実習の後になぜこのようなことをするのだろうかと思っていました。しかし、再び高校生
達と触れあえたことは楽しかった。特に、授業後の生徒達と話をする時間は良かった。生徒達
の悩みを聞いたり、最近の高校生の様子を聞いたり、他愛もないことまでも話せて楽しかった。
(理)
・フィールドワークは非常に貴重な経験でした。1 回しかなかったのが物足りなく感じました。
講話も実際の現場の声が聞けて良かった。(理)
・難しいとは思いますが、平日の授業時間にこの講義を入れて欲しい。教科に関する演習は川内
キャンパスで行って欲しい。(理)
・教職実践演習を通して教室で学んできたことと実際の現場との結びつきを感じることができた。
これまでは教科書の知識や理論を学んできたが、それと実際の現場の結びつきが今まで実感で
きず、感覚として掴めずにいた。この授業により大学で学んできたことがこれから実際の現場
に出る上での橋渡しになり、教職科目の総まとめになった。(理)
・グループワークが多く、他の学生の意見や考え方を聞くことができたところがとてもよかった。
フィールドワークで実際に高校生達の前で授業できたことも良かったのですが、もっと教科書
の内容を扱う実践的な授業を行いたかったです。教育実習が終わっている学生がほとんどなの
で、実習の経験を他の学生と共有して再び実践するのも面白いと思う。(理)
・教育実習で行った高校以外にもう一つ高校に授業に行けたことは良い経験になった。教員にな
る前にいろいろな高校に行き、いろいろな生徒を観察できたのでフィールドワークは有意義な
時間となりました。できれば他の高校にも行ってみたいと思った。(理)
・私は教員採用試験に向けて、生協の採用試験対策講座を受講して模擬授業や集団討論の練習を
する機会があった。その経験から、他の人の授業の改善点を指摘し合い、同じ教科を目指す友
人と切磋琢磨することの重要性を感じた。教職実践演習の授業を受けている学生は教職への意
識が高いと思うので教員採用試験を受けようと考えている学生同士で連絡先を交換し合い、模
擬授業や集団討論の練習ができる環境を作ることができるとありがたい。(理)
32
・講師が「教師の最初の対応が、親御さんをモンスターペアレントにする」という話をした。あ
る問題に対して最初に対応するのは、もちろん生徒の担任である。その時、最初の対応を適切
なものとするには、予め事例を研究し、どのようにすれば最適なのかをシミュレーションする
必要があると強く感じた。これらを考えることで学級経営や生徒指導などの項目について深く
考察でき、十分ではないかもしれないが、不足を補うことができたと感じた。(理)
・班で授業計画を立てることで、他の人の意見も聞くことができためになった。他学部や他教科
の授業も聞くことができ、興味深い話もあり面白かったが、教育実習前に実施して欲しかった。
(理)
・他の班の発表が非常に面白かったので、もう少し見学できる班の数が多いと良い。教科が違う
と発想も展開の仕方もさまざまで参考になった。講義については内容が少しかぶっているよう
に感じた。実際に教育実習生を担当した先生の話などを聞く機会があれば良い。
(理)
・レポート課題として履修カルテを参照して教職実践演習で補ったことを書かせるのであれば、
履修カルテはもっと早い段階で返却して欲しい。(理)
・寸劇という形式ではあったが実際に生徒役の前で授業を行ったり、他の班の授業を見て、良い
所悪い所について考えたりすることができ、非常に教職の参考になった。さらに、より実践的
な「模擬授業」をやる時間もあると良いと思う。(理)
・教職実践演習では多くの刺激を受けることができ、有意義だった。班員で授業を構築し完成させ
る過程はやりがいのある楽しい活動だった。教員の方々の講義を聴くことで視野を広げること
にもつながった。自然科学総合実験に参加することで実験授業の運営についても学ぶことがで
きた。研究室の活動と両立させながら土曜日の朝の講義や実験、班活動に参加することは負担
にも感じた。
(理)
・法律で決まっていることとはいえ多くの理系にとって4年生は研究室への配属があり、研究活
動が忙しくなる時期なので班活動は日程調整も大変で正直負担は大きかった。3 年次にこの演
習があれば授業内容もより深く練ることができ、教育実習の前に行うことでよい訓練の場にな
ったのではないかと思う。(理)
・4 年の後期は大変忙しいため、教職の時間があるのは正直つらかったが、内容はとても面白く、
良い経験をさせていただいたとおもう。できるなら教育実習前にこの授業があればもっと良い。
授業づくりは難しかった。高校生がどこまで理解できるかどうかが全く検討もつかず、理解し
て欲しいことの半分も伝える事ができないため、20 分という時間でのゴール設定が曖昧になっ
てしまいそうになった。結果的に文系の学生から少し難しいとの意見をもらってしまい、少し
残念である。
(理)
・これまで学んだ知識や技能、ないし教育実習で学んだ教育マネジメント等について更に実践で
きると充実すると思われる。また、他大学の教職実践演習のカリキュラムが気になる。(理)
・能動的に動くことができ充実した演習となった。教員となる上でのスキルとは何か、またその
ために日頃から何を意識すれば良いかを学ぶことができた。(理)
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・実際に教育現場で働く先生方の講義、模擬授業、フィールドワークどれも自分にとってとても
よいものであった。模擬授業前には他の班の発表を聞いたり他班からアドバイスをもらうこと
で他の班の良いところをまねたり、悪いといわれたところを改善したりできた。実践を多く取
り入れているので、教職の集大成として相応しい。(理)
・11 月上旬に教育実習があり、教職実践演習に参加するのがとても大変でした。講義に出られな
かった日はなかったのですが、地元神奈川県で行った実習が金曜日に終わり、その翌日 1~2
限に講義があるというのが正直きつかった。その講義がグループ発表の日だったので、他の仲
間に迷惑がかかると思い休めませんでした。土曜の午前というのは金曜の実習明けの人にとっ
て大変なので、せめて午後にするなどできないでしょうか。(理)
・教職実践演習では、教員として必要な資質を主に模擬授業の反省をもとに知識として学ぶこと
ができよかった。理科免許取得希望者にも、フィールドワークに加えて実際に中学校や高校で
の模擬授業を行う機会を必修として設ければなおよい。(理)
・教職実践演習は大変だったというのが正直な感想です。土曜日の授業、時間外のグループワー
ク、実験への参加、高校でのフィールドワーク・・・。自身の卒業研究との兼ね合いが非常に
難しかった。しかし、身についた能力は多いので、今はやってよかったと感じています。座学
の内容は、今までの授業を含めて一番ためになる内容だった。授業づくりに関して、寸劇をや
って終わりの班が散見された。勿論分かりづらい内容を寸劇にして教えることは手段の一つと
しては有効であるが、それに終始してしまい、授業の何が重要なのか、何が本質なのかが分か
らない授業もあった。
「子どもに考えさせる授業づくりをする」ということを、もっと強調して
もよいのではないか。補充で参加したフィールドワークは本当に楽しかった。理科の学生にも
積極的な参加をアピールしてよいのではないか。(理)
・教育実習で浮き彫りになった改善点をふまえて実践できるよい機会を与えてくれるすばらしい
授業だった。また、新しい形態の授業を行うということで、班員と充実した日々を送ることが
でき、様々な視点から授業を作り上げることができるようになったと思う。他の班の授業も受
講し、よい点を吸収できた。自分たちが班活動をしやすいように様々なことをしていただいた
ので充実していた。日程等もちょうどよかった。(理)
・土曜日早朝授業というのは思いのほか自分の生活スタイルを立て直すのに役立った。
「(大)人と
してどう生きるか」の観点からとても素敵なことだと思います。本演習は、講義演習供にとて
も自分にとって有意義なものでした。(理)
・大変忙しい時期の開講で会ったので辛くなかったといえば嘘になってしまうが、それでもある
程度配慮されていたので完了することができた。良かったと感じるのは、普通の授業でない、
入念な準備の必要な授業を実際に作り上げる経験ができたということだ。どう考えて作り上げ
れば生徒達に面白いと感じさせながら、且つ効果を高めることができるかに真剣に取り組む経
験は必ず今後に役に立つだろう。教員になってからでは、複数人と相談して一つの大きな授業
にするという経験はできないだろうから、学生のうちだからこそ学べたことだと思う。議論し
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ながら良い授業にしようとしたことで、その効果は何倍にもなったと思う。理科の班も高校生
の前で授業する機会があった方が良いのではないかと思う。(理)
・他教科の人や同じ教科の人に授業を見てもらう機会があと 1 回発表前にあると良かったと思う。
授業を見ることも非常に参考になった。活動自体楽しかった。(理)
・一風変わった授業をつくる機会であったが、果たしてこれと普通の授業作りのどちらが今後役
に立つかは疑問だった。実際に授業を行うとしたら一人であるため一人でもできるような授業
づくりの機会があれば良いのではないか。(理)
・今回のようなグループワークはなかなかできる機会がなく、得られるものは大きいと思ってい
て、充実した演習であったと思う。
(理)
・教職実践演習は教職の授業の中でも、一番実践的で役に立った。正直教職の授業は眠くなって
しまうことが多かったが、この授業はそんなことはなかった。教育実習後に授業を受けたため、
実地での経験を踏まえて聞けたというのも良かった。外部講師による授業は、やはり現場を体
験している方による話ということで、現実味を帯びており、より真剣に聞けた。模擬授業もと
ても勉強になった。どうしたら難しい内容を噛み砕いて、且つ面白いと思ってもらえるかを考
えるのはとても難しかったがやりがいがあった。総じて教職実践演習は教師を目指すにあった
って、とてもためになる授業だと思った。(理)
・本格的な始動が後期からだったので教育実習前だったら良かったのにと思いながら 10 月を迎え
たが、前期だと教育実習期間に重なる人も多いし、逆に教育実習を経験してからの方がお互い
の意見を持って班活動をすることができたのではないかと今は感じています。私の班では理科
の実験を授業に取り入れました。
「生徒参加型の授業」にしたいと提案したところ、班員が実験
を提案してくれたからです。自分一人で授業を組み立てて進めることも大切だと思いますが、
それは教育実習でも経験できますし、他の人の意見を聞くことで、固持してしまいがちな考え
方などを改める機会になると思いました。また、講義の際には、今まで学んできたことと重な
る話も多かったためか聞き易く、理解が深まったように感じます。講義の際に盛岡三高の VTR
を見ましたが、隣で見ていた友人がこういった授業の形式もあるのかと驚いていました。グル
ープワークやペアワークを取り入れ、そこで出た意見を発表する機会が多い授業スタイルでし
た。私は盛岡三高出身なので、このような授業は良く経験していました。教育実習の際もペア
ワークを取り入れてみるようアドバイスをいただきましたし、VTR を見ても大きな違和感はな
かったです。しかし、教員を目指している立場として改めて考えて見ると、面白い授業スタイ
ルなのかもしれないと感じました。このスタイルが絶対的に良いということではないことは分
かっていますが、自分の出身校が取り上げられて喜ばしかったです。
(工)
・演習で授業づくりを行ったことは多いに自分の力になった。高校生を想定した授業づくりという
ことで、高校生の立場で考えたときに、どのような授業だったら興味を持ってくれて、積極的
に参加してくれて、且つ確実に理解してもらえるかを特に意識した。スライドや実験を取り入
れて授業を行ってみたことは、今後の参考になると思う。自分たちでアイデア、意見を出し合
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い授業を一からつくることは教育実習でも経験できなかったことなので、今回教職実践演習を
履修できたことは貴重だと感じた。
(工)
・自然科学総合実験の TA は、はじめの 1 日で実験の流れを覚えて、2日目は一通り説明を行うの
が大変でしたが、一年生や他の TA の方とのやり取りなど大変楽しかった。(工)
・教職実践演習では、実際に高校生を相手に行う講義を考えることができて良かった。自分の班
のメンバーと講義の構成について話し合うことで、他の教育観や講義の構成の仕方を知ること
ができた。他の班の講義を聴講することで自分たちの固定観念や利点欠点を知ることもできた。
初回に受けた口頭や文面での説明だと具体的なイメージがわかないので、映像を見たいと思う。
(工)
・外部講師による講義は、教育行政のシステムを学び直すことができ、意識を高くさせるという
点ではためになる講義だと思いますが、話される内容が似通っていたように感じます。演習で
の授業づくりは大学生らしさは残っていましたが、各々が工夫を凝らした授業を行える機会だ
ったので非常に良かった。しかし、2班分の授業しか見ることができず、他班の発表をもっと
見たかった。また、私は研究室が川渡フィールドセンターなため、班の構成を変更してもらえ
て良かった。スムーズに話し合いができた。自由に富んだ教職実践演習は、私にとって「工夫」
という概念を体験を持って意識することができた授業だった。4年間の教職のまとめとしては
教員を目指すものとして有意義な時間を過ごすことができた。(農)
・前半は講義で後半は実習というスタイルが、授業で学んだことをすぐに実践しやすくて良かっ
た。とても楽しい授業だったので授業のコマ数がもっと多ければ良いと思った。他のグループ
の発表をもっと見てみたいと思った。(農)
・教職に関する演習においてグループで意見を出し合えたことで様々な発見があった。また、他
の教科と交流する機会は今まで全くといっていいほどなく、自分が普段勉強していない分野か
らの意見はとても貴重であった。今までの教職の講義とは違った実習ができ、良い経験になっ
た。(農)
・今回の授業で学んだことは、
「授業構想力」
「授業展開力」
「表現技術」等ではあるが、それより
ためになったと思うのは、「自ら意欲的に学び、努力することを忘れない」ということである。
これまでの授業では、受容的な部分が大半であった。しかし教職実践演習では自ら考え、グル
ープのメンバーと意欲的に話し合うことができ、とても楽しかった。
(農)
・外部講師を招くことで現在の教育現場に近い話を聴けたため、大変勉強になった。内容につい
てもホットなものが多く、今後の教育現場の方向性も見える貴重な授業だと思った。最終授業
を共同授業とすることも賛成です。教職科目では以前から共同で授業を行うことを悪くいえば
「適当」に行っていたように感じます。全体の風潮として「一人でやるのが大変だからみんな
でやる」になってしまってはいないでしょうか。本来は「みんなでやることで大きなシナジー
効果が得られる」からやっているのではないでしょうか。今回の授業ではそれに気付くきっか
けになったように感じます。最後に、発表会でのフィードバックは他科目の受講生と議論する
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機会はありましたが、全体的に理科だけで固まるといったことが多いです。他科目と共同で授
業をするのは確かに難しいとは思いますが現場に出てしまってはそのような機会はさらになく
なってしまうと思われますので、他科目と共同で授業をつくる機会をいただければと思います。
(農)
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