次世代エネルギーパーク計画書;pdf

次世代エネルギーパーク計画書
1.計画名称
にかほエネルギーパーク
2.所在地
秋田県にかほ市
3.計画策定主体
にかほ市
担当:総務部 企画課
TEL:0184-43-7510
4.実施運営主体
FAX:0184-62-9013
E-mail: [email protected]
にかほ市
5.計画概要
(1)計画のコンセプト
「鳥海山と日本海の自然環境を活用したクリーンエネルギー供給のまち にかほ」
仁賀保高原に吹く風と海岸部に吹く浜風を活用した「風力発電」、鳥海山の斜面と豊富な雪解け水を活用した
「小水力発電」、広大な遊休土地を活用し、秋田県内で最も積雪の少ない温暖な気候により積雪地帯でも十分な
発電量を産み出す「太陽光発電」、市内から自噴する天然ガスを活用した「コージェネレーション発電」など、市
内のあらゆる再生可能エネルギーを地形や環境に合わせてフル活用し、市全体でクリーンエネルギーを産み
出すまち
市内に有する風力、太陽光、小水力などにより、年間約1億1,100万kWhの発電量(約30,000世帯分)があり、
市内約 10,000 世帯の3倍の消費電力量を市内で発電している。今後、稼働を予定している風力発電やメガソー
ラーによる発電見込みを加えると、およそ 68,000 世帯分の電力を供給するまちとなる
(2)計画の全体像
市内全体で風力、太陽光、小水力、マイクロコージェネレーションなどあらゆるエネルギーを有効活用し、市
民や観光客の生活に欠かせない電力がにかほ市でどのように発電され、市民には、にかほ市内で発電された
電力で自給自足できているということの理解と、観光客にはにかほ市で発電された電力が市外の自宅に届けら
れていることが理解できるような模型や映像による展示を行う。
また、発電に限らず、市が取り組む環境保全の取り組みとして、食用油の廃油から精製した BDF を利用した
ゴミ収集車の代替燃料の使用や平成28年度に稼働予定のごみ焼却による熱回収施設の排熱利用なども紹介
するなど、ひばり荘には再生可能エネルギーによる発電に関するものと市が取り組む環境保全に関するものを
PR した施設とする。
発電に関しては、本市の発電の中心は風力発電で、市内で18基稼働するうち15基が仁賀保高原で稼働し
ている。今後、さらに同所で24基が新規で建設され、合計39基(総出力81,150kW)となることから、今後も仁
賀保高原での風力発電が PR の中心地となる。その一角にある市有施設「ひばり荘」の展望台からは、鳥海山と
風力発電の景色が一望でき、再生可能エネルギーの PR 施設として展示物の内容を充実させ、観光客の誘導
や市内の小中学生の学習の場として活用する。また、ひばり荘に近接する土地には、南極の気象条件と類似し
ているという理由から、国立極地研究所が南極昭和基地設置用の風力発電機の実証実験を行うなど、風力発
電の適地であることを展示内容の目玉のひとつとする。現在は、ひばり荘に風力発電に関する資料を展示して
はいるが、説明員は常駐しておらず、今後は、再生可能エネルギーを PR する施設として、風力発電だけではな
く、メガソーラー、小水力、マイクロコージェネレーションなど市内のあらゆる再生可能エネルギーの展示物や体
験コーナーを設け、常駐した説明員を設置し、観光客や児童・生徒の学習の場として活用する。
施設内での展示物の見学や体験だけではなく、風力発電が集中する仁賀保高原は、土田牧場と隣接し、目
の前で風力発電施設を見ることができ、また、沿岸部に設置された風力発電施設も国道7号線から近い場所に
位置している。メガソーラー発電施設も国道から近い場所にあり、小水力発電を計画している砂防ダムについ
ても公園の一角にある。マイクロコージェネレーション発電は、温水プールや温泉施設で利用しているなど、発
電を行っている施設までのアクセスが非常に良いため、ひばり荘で、本市の再生可能エネルギーによる発電や
環境保全の取り組みを学習した後に、市内で実際発電している施設を見学できるようにガイドマップやパンフレ
ットを作成し、見学モデルコースによる見学の誘導を図る。
(3)関連施設
1.中心となる施設
①施設名 : ひばり荘 (所有者および管理者:にかほ市、 場所:仁賀保高原)
【計画に含まれ
る個々の再生可
建築年:平成元年
②見学等に係る取り組み、体制
能エネルギー等
・施設内に市内全体の再生可能エネルギーによる発電施設に関する資料や機材を
の施設・設備毎
展示し、各家庭までどのように電気が届いているかが分かる模型や映像の提供
に記載下さい。】
・市が取り組む環境保全に対する取り組み(食用油の廃油から精製した BDF の利用や
ごみ処理施設の熱回収など)についての展示や映像の提供
・小学生を対象に夏休みの課題学習として、発電の仕組みを学びながら、製作を主とし
た体験型学習会の開催
・常駐した説明員の設置とマップ、パンフを利用した市内の見学モデルコースの案内
2.既設施設
<施設の名称>
① 有者・管理者、設置時期、場所
施設
風力
場所
基
仁賀保高原
15
大須郷
1
飛
1
芹田
1
計
18
総出力
発電量(H24)
24,750kW
38,000,000kWh
所有者および管理者
設置時期
電源開発㈱
H13.12
1,500kW ㈱風力エネルギー開 H15.3
2,160,000kWh 発
1,990kW
3,600,000kWh
1,990kW
4,820,000kWh
30,230kW
ワタミ㈱
㈱市民風力発電
H24.3
H24.3
48,580,000kWh
小水力
市内
5
1
太陽光
計
6
仁賀保中学校
自転車置場屋根
1
観音潟公園
1
象潟庁舎
1
リチウムイオン
ソーラー街路灯
住宅用ソーラー
発電
計
ハイブリッド
(風力+
太陽光)
マイクロ
コージェネ
レーション
LED街路灯
40,235,000kWh
4,100kW
78
85
12
12
象潟B&G海洋
センター
2
温泉保養センタ
ーはまなす
1
計
3
124
東北電力㈱
東星興業㈱
H8.5
にかほ市
H22.11
にかほ市
H16.3
にかほ市
H23.3
380W にかほ市
H25.3
21,530,100kWh
12,450kW
61,765,100kWh
5kW
2,500kWh
2.88kW
1,811kWh
14.58kW
13,687kWh
4
計
合計
8,350kW
314.73kW
各家庭
(累計)
337.57klW
17,989kWh
風力
太陽光
風力
太陽光
600W
にかほ市
2.4kW
600W
2.4kW
50kW
438,000kWh
にかほ市
25kW にかほ市観光開発
120,474kWh ㈱
H25.3
H21.12
H23.3
75kW
658,474kWh
43,095.57kW
111,021,563kWh
※街路灯は、発電=消費のため、発電量の計測は不可。
②再生可能エネルギー等の内容及び規模、実績等
・風力発電については、総出力で県内2位(30,230kW)、基数では県内1位(18基)の規模
を誇り、自然環境や景観、市民の快適な住環境の維持と建設促進との両立を図るた
め、県内でもいち早く、「風力発電施設建設に関するガイドライン」を作成した。また、平
成22年度に作成した「にかほ市地域新エネルギービジョン」において行った市民への
アンケートでは、知っている新エネルギーとして95.7%の回答者が風力発電を、90.
0%が太陽光発電を挙げていることもあり、市民の多くに風力発電をはじめとした再生
可能エネルギーの存在が浸透しているといえる。また、数年後には、新規の建設も予
定していることから、総出力、基数ともに県内1位の規模となる予定である。
・鳥海山の大量の雪解け水と傾斜や落差を利用した小水力発電が、東北電力管理分で 5
カ所、民間事業者管理分で 1 カ所の合計 6 カ所が稼働している。発電量はもっとも多く、
安定した水量とクリーンな発電で約 17,000 世帯分の発電を行っている。
・学校をはじめ、市役所庁舎、公民館などに太陽光発電の導入を行政が積極的に推進す
ることにより、児童生徒や市民の生活の身近で再生可能エネルギーの発電を行い、そ
の電力を消費することにより、市民の再生可能エネルギーに対する関心を高めること
ができている。
・ハイブリッド発電や太陽光を活用した街路灯については、蓄電池も備えていることから、
昼間発電した電力を夜間の誘導灯として使用している。これは、東日本大震災以降に
設置したもので、あらゆるエネルギーを活用して、市民の生活を守るためのものであ
る。
・マイクロコージェネレーション発電については、市内で自噴する天然ガスを活用してプー
ル施設や温泉施設のほとんどの電力を賄い、ガスエンジンの排熱はプールや温泉の
加温や空調などに活用している。
・市役所の各庁舎では、家庭で使用された食用油を無料回収し、市内の民間業者に委託
し BDF の精製を行っている。精製された BDF は、市内のごみ回収車の燃料としてガソ
リンに代わって利用することによって、CO2 の排出を抑制している。
・家庭用太陽光発電については、国・県の補助金に市独自で嵩上げ補助を行っており、
1kW あたり 4 万円(最大出力 4kW まで、上限 16 万円)を補助することにより、初期投資
の負担を軽減し、家庭用太陽光発電の導入を促進している。
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制
・風力発電は、仁賀保高原を中心に高原と沿岸部に存在し、どちらも民間事業者の協力に
より見学が可能となっており、市内の小学生や市外からの視察に対しては、管理会社
の職員からの説明を受けるなど、学習環境が整っている。
・マイクロコージェネレーション発電に関しては、再生可能エネルギーを活用して、プール
施設や温泉施設の電力や暖房を賄っていることを施設内に掲示することで利用者に対
して PR するとともに、小中学生に対して、市内には天然ガスが自噴し、それを活用した
施設を利用していることを学習してもらうことで、本市が他と異なる点について学んでも
らう。
3.新設施設(予定)
<施設の名称>
① 有者・管理者、設置予定時期、場所
施設
風力
場所
所有者および管理者
仁賀保高原
3
7,500kW ㈱ウインドサポート
H28.1
仁賀保高原
3
7,500kW ワタミエコロジー㈱
H28.1
象潟町関
1
1,990kW 三藤エネルギー㈱
芹田
1
1,990kW 三藤エネルギー㈱
金浦小学校
校舎屋上
26
41,400kW 電源開発㈱
設置予定
18
H30.2
60,380kW
1
10kW にかほ市
H25.9
1
5kW にかほ市
H25.9
1
10kW にかほ市
H25.9
1
10kW にかほ市
H25.11
13
1.235kW にかほ市
H25.10
メガソーラー
1
1,500kW 三共建設
H25.9
メガソーラー
1
950kW JINRIKI
H25
メガソーラー
1
12MW グリーンパワーキャピタル
H26.8
メガソーラー
1
金浦中学校
校舎屋上
象潟中学校
校舎屋上
仁賀保公民館
屋上
リチウムイオン
ソーラー街路灯
計
ハイブリッド
(風力+
太陽光)
総出力
仁賀保高原
計
太陽光
基
LED街路灯
計
合計
21
4
4
51
11.4MW サンエジソンジャパン
H26
25,886.235kW
風 力
太陽光
風 力
太陽光
200W
にかほ市
800W
200W
800W
H25.10
86,267.235kW
② 再生可能エネルギー等の内容及び規模、計画等
風力発電やメガソーラーについては民間事業者が行っているため、東北電力への売
電が主な目的であるが、市が小中学校校舎や公民館に設置した太陽光発電について
は、各施設での消費電力の一部を賄うとともに、施設内に発電量のパネルを設置する
ことによって、現在の発電量や発電の仕組みを身近で学習できる環境を整備する。
また、街路灯については、蓄電設備も備えているため、非常時の夜間でも誘導灯とし
ての役割を果たす。
③ 設費、運営・維持費及び費用負担計画
施設
太陽光
ハイブリッド
(風力+太陽光)
場所
金浦小学校
校舎屋上
金浦中学校
校舎屋上
象潟中学校
校舎屋上
仁賀保公民館
屋上
リチウムイオン
ソーラー街路灯
LED街路灯
合計
基
総出力
建設費(千円)
1
10kW
15,792
1
5kW
13,754
1
10kW
16,054
1
10kW
27,573
13
1.235kW
4
風力 200W
太陽光 800W
21
84,867.235kW
23,719
96,892
※民間事業者の計画については、非公表のため、にかほ市が所有するもののみ掲載
④今回の計画に伴う見学等に係る取り組み、体制
・風力発電は、仁賀保高原に集中し、いずれは、39 基の風力発電が稼働することになり、
観光地としての知名度もあがることから、発電事業者との連携を取りながら、ひばり荘
への展示の充実を図り、再生可能エネルギーの学習の場として活用する。具体的に
は、再生可能エネルギーの発電の仕組みや実際使われている機材や模型などを展示
したり、小学生の夏休みの課題学習のための学習会を開催し、発電の仕組みを学び、
製作をしながら再生可能エネルギーへの関心を高めることを狙いとする。
・メガソーラーについては、積雪はあるものの、県内では温暖で積雪期間も短いことから、
広大な未利用地をメガソーラー発電として活用する。高原や沿岸部などの風況が良い
場所では風力発電を推進し、平地の未利用地ではメガソーラーを推進するなど、適材
適所の発電施設を推進し、市全体が電力を供給するまちであることを PR する。
・砂防ダムを活用した 500kW クラスの小水力発電の事業化に向けて、事業者の選定と水
量調査などを進める。砂防ダム周辺には、グラウンドゴルフができる公園が広がってい
るが、小水力発電が事業化になった場合には、河川沿いの桜並木や公園周辺の整備
を進め、小水力発電施設の見学を含め、子どもたちが遊べる空間づくりを進める。
・平成28年度に稼働を予定している熱回収施設では、ゴミを焼却した際に発生する排熱
を施設内の給湯や冷暖房、駐車場の融雪、学習施設も兼ねた温室ハウスの熱源利用
を検討している。この施設に常駐する職員には、熱回収システムによる排熱の有効活
用の仕組みを市内の小中学生を対象に社会科学習を行うなど、市の環境保全への取り
組みを PR する。
6.全体スケジュール
H25.秋
小中学校校舎屋上への太陽光発電の設置
リチウムイオンソーラー街路灯および LED 街路灯の設置
メガソーラーの稼働開始
H26.夏
小学生を対象とした課題学習会(以降、毎年夏に開催)
メガソーラーの稼働開始
H26.冬
にかほ市再生可能エネルギーマップおよびパンフレットの作成
H27.春
ひばり荘への再生可能エネルギーに関する展示物の整備
H28.1
風力発電の稼働開始
H30.2
風力発電の稼働開始
7.関連する新エネルギービジョン等
・にかほ市地域新エネルギービジョン(H23.2 月作成)
地域のエネルギーの使用実態と市民の新エネルギーに対する意向調査から、新エネルギー導入プロジェクト
を検討したもの。経済産業省が、新エネルギーの利用・導入に①エネルギー自給率の向上、②地球環境保全
への寄与、③新たな産業の育成の3つの大きなメリットをあげているが、本市においても同様のことが言え、に
かほ市総合発展計画の基本方針である「自然豊かで住みよいまち」を実現に寄与するものである。
・にかほ市における風力発電施設建設に関するガイドライン(H25.1 月作成)
本市内で風力発電施設等を建設する際に、事業者が遵守すべき事項や調整手順を明らかにし、環境保全と風
力発電施設等の建設促進と両立を図ることを目的としたもの。100kW 以上の風力発電施設を対象とし、近隣自
治会や市に対して定期的に説明を行うものとし、建設する際の調査基準数値を定めている。
○添付資料
1.計画図
2.その他参考資料