世界結核デーについて 健康こばなし平成 27 年 3 月 24 日放送予定 今日は 3 月 24 日の「世界結核デー」にちなんで、飾区保健所 保健予防課より結核の現状についてお伝えします。 1882 年 3 月 24 日は、細菌学者のロベルト・コッホが、結核菌を 発見し、学会に発表した日です。結核菌の発見を記念して WHO(世 界保健機構)が「世界結核デー」と定めました。 結核とは、結核菌が体の中に入ることによって起こる病気です。 結核患者さんがせきやくしゃみをするとしぶきと一緒に周りに結核 菌が飛び散ります。それを周りの人が吸い込むことにより感染しま す。 日本においては、昭和 25 年まで結核が死亡原因の第 1 位でした。 昭和 20 年代の特に前半は、食糧事情や衛生状態が悪かったため、 結核にかかる人がたくさんいたのです。 戦後は、健康診断の実施や BCG 予防接種の義務づけ、有効な治 療薬の出現により、徐々に患者さんの数は減少していきました。 現在の日本では、戦後から比べると、患者さんの数は少なくなっ ています。しかし、欧米の先進国と比較すると、日本では今なお年 間 2 万人程度の患者さんが新たに発症し、1 年で 2 千人程度の人が、 結核が原因で亡くなっています。 各都道府県の結核の発生状況は、第 1 位が大阪府、第 2 位が東京 都、第 3 位が沖縄県となっています。 飾区では、平成 26 年の1年間に、新たに結核にかかった方は 101 人です。そのうち結核が原因で亡くなった方は 3 人でした。 年代別に見ると、新たに結核を発症する方の半数は 65 歳以上で す。次いで 40 代から 64 歳までの働き盛りの年代が多くなっていま す。 結核には有効な薬があります。3∼4 種類のお薬を組み合わせて最 低でも半年以上内服します。結核にかかるとすぐ入院というイメー ジを抱く方も多いと思いますが、すべての場合に入院が必要なわけ ではありません。痰の中に結核菌が含まれ、他の人に感染させる可 能性がある場合に入院となります。感染の心配がない場合は、普段 どおりの生活をしながら薬で治します。 結核の治療で一番大切なのは、医師の指示に従い、飲む必要がな くなるまで、毎日欠かさず薬を飲むことです。薬を途中でやめたり、 飲んだり飲まなかったりすると、薬の効かない菌をつくってしまい、 治療期間が長くなることがあります。 結核の初期症状ですが、咳や痰、微熱・体のだるさ・息苦しさ・ 食欲低下・体重減少などがあり、風邪とよく似ています。咳や痰が 2 週間以上続いたら、医療機関を受診しましょう。高齢者の場合、 食欲低下、体重減少がきっかけで、結核が発見されることがありま す。職場の健康診断や区の健康診断などを利用して、年 1 回は必ず 胸部レントゲン検査を受けましょう。 最後に、結核の予防には日ごろからの健康管理がとても重要で す。この機会に、ご自身の生活習慣を見直してみてはいかがでしょ うか。 今日は、「世界結核デー」についてお送りいたしました。
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