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千曲市新庁舎等建設基本設計業務
プロポーザル選考審査結果報告書
平成27年3月
千曲市新庁舎等建設基本設計業務プロポーザル選考審査委員会
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設計者の特定(審査結果)
最優秀者
株式会社 久米設計
(最適候補者)
次 点 者
2
株式会社 石本建築事務所
特定までの概要
(1)選考方法
公募型プロポーザル方式を採用し、審査は二段階方式で行いました。
設計者の特定に当たっては、学識経験者、行政機関職員等で構成する「千曲市新庁舎等
建設基本設計業務プロポーザル選考審査委員会」を設置し、審査委員会による客観評価
(第一次審査)と主観評価(第二次審査)により選定しました。
なお、評価に当たっては、公平かつ公正な審議とするため、プロポーザル参加者の名称
は伏せて選考審査委員会(ヒアリングを含む。)を実施しました。
(2)第一次審査
4者から参加表明書等の提出があり、プロポーザル審査要領に基づき、事務所及び配置
技術者の実績等について審査を行いました。
その結果、第二次審査の技術提案書等の提出、プレゼンテーション及びヒアリング要請者
として全4者が相応しいことを確認し、選定しました。
なお、第一次審査の評価点については第二次審査には反映しないことを確認しました。
(3)第二次審査
第一次審査で選定された4者から提出された業務実施方針と技術提案書についてのプレ
ゼンテーション及びヒアリングを実施したうえで、プロポーザル審査要領に基づき審査を行い
ました。
審査委員会にて、業務実施方針、特定テーマに対する技術提案及びヒアリングの内容に
ついて厳正かつ慎重な審議を行った結果、最優秀者(最適候補者)及び次点者を特定しま
した。
なお、提案書の書き過ぎとなるような表現の指摘やプレゼンテーション及びヒアリングの際
にあらかじめ市が示した留意事項から逸脱したと思われる事案の指摘がありましたが、評価
を決定付ける要因となっていないものと判断し、当該議論を踏まえたうえで総合的な評価を
することとしました。
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3
選考審査委員会
(1)委員
委員長
髙木直樹
信州大学 工学部 教授
副委員長
藤居良夫
信州大学 工学部 准教授
委
員
池杉文昭
国土交通省 関東地方整備局 長野営繕事務所長
委
員
唐澤栄一
長野県 長野地方事務所 建築課長
委
員
山本高明
千曲市 副市長
委
員
小林好武
千曲市 総務部長
委
員
竹内
千曲市 企画政策部長
茂
(2)開催経過
日
時
議
題
第1回
平成 27 年 1 月 13 日(火)
・選定スケジュール
・プロポーザル実施要領、審査要領
第2回
平成 27 年 1 月 30 日(金)
・第一次審査
・第二次審査の進め方
第3回
平成 27 年 3 月 18 日(水)
・第二次審査
・最優秀者、次点者の特定
(3)審査講評
選考審査委員会は、「提案内容(設計案)」ではなく「設計者(人)」を選ぶプロポーザル方
式であることを念頭に、千曲市新庁舎等建設基本設計を行うにあたり、柔軟かつ高度な発想
力や設計能力、豊富な経験を有する設計者を選定するため、第一次審査を経て、業務実施
方針及び次の4つの特定テーマについて提案書の提出を求め、プレゼンテーション及びヒア
リングを踏まえて評価を行いました。
◇特定テーマ
◇特定テーマ
◇特定テーマ
◇特定テーマ
地域特性・周辺環境等に配慮した土地利用計画及び建築計画について
イ: 防災拠点施設としての建築、構造、設備計画等について
ウ: 環境負荷とライフサイクルコストの低減について
エ: その他の提案(これまでの実績・経験等を踏まえ、本事業で有効なテーマ)
ア:
【総評】
市庁舎と体育館の併設という今回のプロポーザルの特徴的な与条件に対し、良く検討され、
具体的な内容を提案された業者とコンセプト重視の業者に二分されたが、各者ともより良いもの
にしたいという積極的かつ質の高い提案でした。
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特に、共用スペースについては、各者とも明確なコンセプトのもとに独創性に富んだ提案が
されていましたが、基本計画に示されている事業規模、建設コスト等を考慮すると少々過大な
提案であったと思われます。
また、立体駐車場の建設与条件を十分に理解されていない者があったことが残念でした。
【最優秀者(最適候補者)】 株式会社 久米設計
市庁舎と体育館のバランス、国道沿線の緑地帯を配した沿道景観、南側の駐車場等の配置
計画が、千曲市の自然環境等を踏まえて考えられていたことと、体育館の継続使用についても
良く検討され、工程に反映されていたことが高く評価されました。
車の動線計画について今後詳細な検討が必要との指摘がありましたが、すべての選考審査
委員が他の3者を上回る、最優秀者として相応しい評価となりました。
しかし、コンセプト重視の提案であり、当事業が、かなり厳しいスケジュールであることから業
務工程の進行管理には十分に注意が必要と思われます。
【次点者】 株式会社 石本建築事務所
簡素であり、建設コストを抑えることが可能な提案で、市庁舎と体育館が併設される意義、課
題、対応策が良く整理されていましたが、配置計画について有効活用に対する説得性が弱い
等の課題が指摘されました。
(以下、ヒアリング順に記載)
【A 者】
共有スペースの考え方に独特な着眼点をもって提案するとともに、プレゼンテーションからは
社内の協力体制が整っていることが予想されるものであったが、与条件に照らして駐車場の提
案に対する実現性が低く、駐車場の計画を変更すると提案そのものが成立しなくなるとの指摘
がありました。
【B 者】
防災対策は、地区の特性をよく検討されていましたが、100年に一度の災害時に市庁舎の全
ての機能を維持する考え方はオーバースペックであり、ピロティー形式は日常時に市民への負
担があり、冬期の環境面及びコスト面が懸念されるとの意見がありました。また屋根デザインな
どは熟考されていましたが、具体的過ぎており、与条件を十分に理解されていないとの指摘が
ありました。
結びに、本プロポーザルに参加いただいた各者におかれましては、貴重な時間を費やし真
摯に努力頂いたことに、心から敬意を表するとともに感謝を申し上げ、講評として報告します。
千曲市新庁舎等建設基本設計業務
プロポーザル選考審査委員会
委員長 髙木 直樹
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