平成27年度 西部地区五大学共同開講授業科目 「博多学」シラバス 授業科目名 博多学 開講年度 2015 開講学期 前期 対象学部等 全学部 対象学年 1~4 必修選択 選択 単位数 1 単位(現地見学 + 集中講義) 【九州大学】 坂上康俊 九州大学大学院 人文科学研究院 田北雅裕 九州大学大学院 人間環境学研究院 【西南学院大学】宮崎克則 磯 望 西南学院大学 国際文化学部 西南学院大学 人間科学部 教授 講師 国際文化学科 児童教育学科 教授 教授 担当教員 【中村学園大学】松隈美紀 中村学園大学短期大学部 【福岡大学】 渡辺亮一 【福岡歯科大学】永井 履修条件 福岡大学 工学部 食物栄養学科 准教授 社会デザイン工学科 准教授 淳 福岡歯科大学 地域連携センター 教授 履修希望者数によっては、人数制限をする場合がある。 「博多学」を通じて、みなさんが今まさに学んでいる土地が、どのような場であるのかを 学んでいきましょう。地域に関する知識(歴史、文化など)や、地域で行われていること(習 授業の目的 教育目標 慣など)を知ることで、地域に対する誇りを再確認することにつなげ、更にその誇りをグロ ーバルに生きる「国際人」の自信として欲しいと願っています。 以上のようなことから、みなさんの学習目標は大きく二つを考えています。 ひとつは「博多」の魅力を自分の言葉で伝えることができるようになること。もうひとつ は、地域を見つめる際にいろいろな視点が存在することを知ることです。 授業概要 授業の進め方 博多を博多湾や水事情および災害などの「自然」、対外交流、文化普及などの「歴史」、食 文化、外来文化などの「文化」の面から考察します。 現地見学(4/25、5/9、16、23 のいずれか1日に参加すること。) 集中講義(8/17、18、19 の3日間) 90 分×3 コマ / 1 日 【授業計画:現地見学】 4/25(土) 福博の歴史と文化探訪 5/9(土) 永井 淳 福岡歯科大学 地域連携センター 教授 5/16(土) 5/23(土) テーマ:現地見学を通して、神社・仏閣・記念館・遺跡などの歴史的・文化的背景を (いずれか 1 日) 理解する。 我々が現在生活しているこの福岡・博多の地域について考え、知ることを目的とし た実地見学です。座学ではなくて、地元に密着した歴史・文化を「歩いて、見て、聞 いて、触れてもらう」ことを目的にします。この現地見学で学んだことを通じて、現 在から将来にわたって自分を取り巻く地域や社会とどのように関わり、貢献出来るの かについて考えます。 下記スケジュールから1回を選び、現地見学(土曜、10~12 時頃から約 4 時間)に 参加してください。 4 月 25 日 ~中央区・城内~ 鴻臚館、福岡市博物館 5 月 9 日 ~博多区・上川端、冷泉、博多駅前~博多町家ふるさと館、はかた伝統工芸 館、東林寺 5 月 16 日 ~東区・馬出、箱崎~ 博多の食と文化の博物館、筥崎宮 5 月 23 日 ~早良区・西新、高取~ 西南学院大学博物館(ドージャー記念館)、元寇防 塁跡、紅葉八幡宮、高取焼窯元(希望者は茶室で点出し) 【授業計画:集中講義】8月17日(月)九州大学 旧工学部本館 第1会議室(箱崎キャンパス) 9:50~10:20 オリエンテーション 10:30~12:00 「博多湾の環境変動と福岡・博多の地形・土地利用の変遷」 (90 分) 九州大学 磯 望 西南学院大学 人間科学部 児童教育学科 教授 博多駅からサンセルコに向かう大博通りを歩くと、意外に起伏があります。これらの 起伏は縄文海進から現在にかけて、海水準などの地球環境変動に人の営みが加わって形 成されてきたものです。発掘調査の成果などから、最近の約 2 万年間に生じた地球環境 変動で、福岡・博多で生じた地形・土地利用の変遷について検討した成果について紹介 します。 13:00~14:30 博多の郷土料理と食文化① (90 分) 松隈美紀 中村学園大学短期大学部 食物栄養学科 准教授 本授業では広い意味で、福岡市内で食べられている四季のふるさとの味、郷土料理な どの歴史や、言葉の意味、作り方と分量などを説明することで、自分の住んでいる町の 歴史を理解し、地元の食材の知識や大切さを知ることができ、自分の言葉で博多の歴史 や食文化について、人に説明する事ができるようになる事を目的とし、以下の講義を行 います。 博多の郷土料理と食文化①(90 分) 博多の正月料理 博多の春の料理 博多の夏の料理 博多のまつりと料理 14:50~16:20 博多の郷土料理と食文化② (90 分) 松隈美紀 中村学園大学短期大学部 食物栄養学科 准教授 本授業では広い意味で、福岡市内で食べられている四季のふるさとの味、郷土料理な どの歴史や、言葉の意味、作り方と分量などを説明することで、自分の住んでいる町の 歴史を理解し、地元の食材の知識や大切さを知ることができ、自分の言葉で博多の歴史 や食文化について、人に説明する事ができるようになる事を目的とし、以下の講義を行 います。 博多の郷土料理と食文化②(90 分) 博多の秋の料理 博多の冬の料理 博多の朝ご飯 昔ながらのおやつ 【授業計画:集中講義】8月18日(火)九州大学 旧工学部本館 第1会議室(箱崎キャンパス) 10:30~12:00 (90 分) 「1800 年ころ 古地図のなかの福岡・博多」 宮崎克則 西南学院大学 国際文化学部 国際文化学科 教授 福岡藩家老の三奈木黒田家に伝来した「福岡城下町・博多・近隣古図」は、縦 223 ㎝ ×横 226 ㎝の大きさであり、江戸時代後半の福岡・博多の様子を描いています。これに は、和歌なども書き込まれ、福岡・博多の歴史や文化に関する豊富な記述があり、侍屋 敷には武士の名前、さらに一部には石高や家紋まで書き込まれています。 博多は中世期より中国や朝鮮との貿易を通して栄え、島井宗室や神屋宗湛など多くの 商人を生み出す貿易都市として繁栄していました。福岡は、慶長5年(1600)の関ヶ原 戦の後、豊前中津から移ってきた黒田長政によって建設された新都市です。絵図を読み 解き、併せて福岡・博多の変遷を考えていきます。 13:00~14:30 博多(福岡市内)で何故、都市型水害が頻発するのか?その解決方法は? (90 分) 渡辺亮一 福岡大学 社会デザイン工学科 准教授 この 1 限目の講義では、福岡市内の水事情について考察し、福岡市内で毎年のように 発生している都市型水害の発生メカニズムとその抑制方法を水資源の観点から見ていき ます。また、新たに考案した雨水利用実験住宅について、どの程度の効果を発揮するか について詳しく説明します。 14:50~16:20 博多湾の水質環境について、「豊かな博多湾の再生を目指して」 (90 分) 渡辺亮一 福岡大学 社会デザイン工学科 准教授 この 2 限目の講義では、博多を流れる川がすべて流れ込む博多湾に関して、現状の問 題点とその解決策について解説を行い、豊かな博多湾の再生のために何が必要かをお話 しします。 【授業計画:集中講義】8月19日(水)九州大学 旧工学部本館 第1会議室(箱崎キャンパス) 10:30~12:00 奈良平安時代福岡平野の村落景観 (90 分) 坂上康俊 九州大学大学院 人文科学研究院 教授 福岡平野とその周辺には、特に弥生時代以降、多くの人々が暮らし、村落を営んでい ました。しかし、福岡市教育委員会がこれまでに発掘調査した成果をまとめた千数百冊 にのぼる報告書を通覧してみると、村落には消長があったことがわかります。特に顕著 なのは9世紀における集落遺跡の激減です。実は、こういった現象は、1世紀ほどの差 はあるものの全国的に見られることです。発掘によって明らかにされたこの現象をどの ように解釈したら良いのか、さまざまな考え方を紹介しながら、特に人口変動の可能性 について、文献と照らし合わせながら検討します。 13:00~14:30 博多のまちづくり~あらたな実践~ (90 分) 田北雅裕 九州大学大学院 人間環境学研究院 講師 2011 年に博多駅ビルがリニューアルし、さらに周辺の再開発や地下鉄延伸の話題もあ り、注目度の高いエリアとなってきた博多。本講義では「まちづくり」とは何か、その 基本的認識を共有した上で、博多部でのあらたなまちづくりの実践を概観し、その取り 組みを改めて評価してみます。 14:50~16:20 グループ・ディスカッション 九州大学 (90 分) 成績・成績評価 の方法 等 在籍する大学の担任教員が、出席状況及び次のような課題により総合的に評価します。 ○「博多」の魅力を自分の言葉で伝えることができるようになるために、現地見学・講 義毎に振り返りシートとしてまとめます。 ○グループ・ディスカッションの結果をレポートにまとめます。 ○現地見学・集中講義・グループ・ディスカッション終了後、学んだ知識を総括し、最 終課題(レポート)を作成します。
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