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平成27年3月26日
生 活 文 化 局
「ダイエットできる。痩せる。」などとうそを言って、高額な
整水器を販売していた事業者に業務停止命令(12か月)
本日、東京都は、「体に良い水を配っています。」、「水を配ってアンケートを書いてもらって
います。協力していただけますか。
」等と言って消費者宅を訪問し、
「生活習慣病の予防になる。」、
「ダイエットできる。痩せる。
」等とうそを言って整水器等を販売していた事業者に対し、特定
商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第8条に基づき業務の一部停止(12か
月)を命じました。
本件は、千葉県と合同で調査を行い、同時に処分を行ったものです。
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この整水器の水を
飲むと痩せますよ!
事業者の概要
事 業 者 名 株式会社リレーションズ
(平成26年8月、株式会社 Bluetech(ブルーテック)か
ら社名変更)
代 表 者 名 代表取締役 高倉 典之※
本 店 住 所 東京都大田区東蒲田一丁目1番20号
設
立 平成26年2月18日
業 務 内 容 整水器等の販売(訪問販売)
従 業 員 数 3名(平成27年1月23日時点)
資 本 金 200万円
売 上 高 6,121万円(平成26年3月~平成26年12月)
主 な 商 品 アルカリイオン整水器、お風呂用軟水器
※当該事業者代表者は、東京都が平成26年2月に業務停止命令(3か月)を行った株式会
社ヤスト(整水器の訪問販売業者。平成26年5月解散)の代表者でした。
2 勧誘行為等の特徴
(1)「皆さんに体に良い水を配っています。」、「水を配ってアンケートを書いてもらっています。
協力していただけますか。」等と告げて、看護師寮などの集合住宅を訪問する。
(2)整水器で作った水に試薬を入れて色が変わる様子を見せ、
「肩こりがよくなります。」、
「生活
習慣病の予防になる。」、「ダイエットできる。痩せる。」などと事実と異なることを告げる。
(3)消費者が契約を断っているのに勧誘を続けたり、長時間又は深夜に及ぶ勧誘を行う。
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業務の一部停止命令の内容
平成27年3月27日(命令の日の翌日)から平成28年3月26日までの間(12か月)、
特定商取引法第2条第1項に規定する訪問販売に係る次の行為を停止すること。
(1) 契約の締結について勧誘すること。
(2) 契約の申込みを受けること。
(3) 契約を締結すること。
【問合せ先】
担
当 生活文化局消費生活部取引指導課
電
話 03-5388-3073
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業務の一部停止命令等の対象となる主な不適正な取引行為
不 適 正 な 取 引 行 為
特定商取引法の条項
集合住宅を訪問し、
「皆さんに体に良い水を配っているので、取りに来
て下さい。」、
「水を配ってアンケートを書いてもらっています。協力し
ていただけますか。
」などと告げ、勧誘に先立って、整水器等の売買契
約の締結について勧誘をする目的であることを明らかにしていなかっ
た。
第3条
勧誘目的等不明示
購入者に対し、契約を締結したときに交付する書面に、商品名又は型
式について、事実と異なる記載をしていた。
第5条
契約書面記載不備
整水器で生成される飲用アルカリ性電解水の効能について、
「肩こりが
よくなります。」、
「糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病の予防
になる。」、「ダイエットできる。痩せる。」などと不実のことを告げて
いた。
第6条第1項
不実告知
契約を断った消費者に対して勧誘を継続したり、長時間又は深夜に及
ぶ勧誘を行う等、迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をしていた。
第7条第4号
省令第7条第1号
迷惑勧誘
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今後の対応
業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して特定商取引法第70条の2の規定に基づき2
年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを、法人に対しては特定商取
引法第74条の規定に基づき3億円以下の罰金を科する手続きを行う。
(参考)
当該事業者に関する相談の概要(平成25年、26年度)
○平均年齢
22.8歳(都内22.8歳)
○平均契約額 41万8千円(都内32万4千円)
○相談件数
19件(都内4件)
消費者へのアドバイス
◆「水を配っています。」、「アンケートにご協力ください。」などと言って、整水器や浄水器の
販売が目的であることを隠して訪問する事業者がいるので、注意しましょう。
◆勧誘を受けて、「迷惑だ。」、「不要だ。」と思ったら、すぐに「いりません」、「お断りします」
と言って、キッパリ断りましょう。
◆東京都消費生活総合センターや東京都水道局でも、注意を呼びかけています。
(東京くらしWEB)http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/jousuiki.html
(東京都水道局)http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/kurashi/trouble/houmon.html
◆同様の事例でお困りの方は、最寄りの消費生活センターへご相談ください。
〈参考〉
●東京都消費生活総合センター 03-3235-1155(相談専用番号)
●悪質事業者通報サイト http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/tsuho/honnin-form.html
参考資料
【事例1】
平成26年6月午後6時頃、消費者甲の看護師寮の入口のインターホンが鳴った。応答すると、当該
事業者の従業員Aから「寮の皆さんに体に良い水を配っているので、取りに来てください。」と言われ
た。甲はマンションに出入りする業者が来たものと思い、マンション入口に行ってドアを開けた。Aは、
甲にアルカリイオン水入りの1リットルのペットボトルを1本渡し、「皆さんに配っている。順番に部
屋に行って説明します。」と言うので、部屋で待っていたところ、再度インターホンが鳴った。甲は、
水の説明だと思い、Aを部屋へ案内した。
Aは、玄関口でコップ2個を出し、「水道水をコップに入れて比べてみたいと思うので、水道水を1
杯ください。」と言うので、甲は、一つのコップに水道水を入れて渡した。Aは、もう一つのコップに
アルカリイオン水を入れ、床に置いた。Aが二つのコップに、持参した液体を入れたところ、水道水は
ピンク色に、アルカリイオン水は青っぽい色に変わった。Aは、色が変わった水道水とアルカリイオン
水、カバンから取り出したファイルを甲に見せ、
「洗顔やお風呂に使うと肌がきれいになるんですよ。」、
「痩せる効果もあるんですよ。
」、
「アルカリ性だから病気になりにくい。
」と言って、1時間以上、アル
カリイオン水の宣伝を続けた。そして、Aは、「水道の水はよくない。約○○万円の整水器ですが、今
日なら約○○万円割引するし、クレジットなら月々の支払額が少しですよ。」と言った。甲は、この時
初めて、Aが整水器を販売する目的で来たことが分かった。
甲は、「高額だし買えません。」と断ったが、Aは、「分割にすると月々○○○○円だから払えなくな
いですよね。
」と言って勧誘を続けた。
甲は、男性と二人きりの状況の上、Aがなかなか勧誘をやめないため、整水器を買わないと帰ってく
れないのではないかと思い、買うことを承諾した。甲は、契約書を見て初めて、会社名や営業担当者名
が分かった。
Aは午後6時頃に来訪して午後8時頃に帰ったが、甲は、夕食の支度や次の日の仕事の準備をしよう
と思っていた時に2時間に及ぶ勧誘を受け、何もできなくて迷惑だった。
【事例2】
平成26年6月午後8時頃、当該事業者の従業員Bが消費者乙の住む集合住宅を訪問し、インターホ
ンで、「水の販売をしており、サンプルとして水を配っています。とりあえず、水を飲んでもらってい
いですか。今、水を取ってきます。」等と言ったので、乙はドアを開けた。会社名や担当者名は言わず、
整水器を販売するために来たという話もなかった。後から当該事業者の従業員Cが来て、カバンから整
水器のパンフレットを取り出し、商品の説明を始めた。Cは、牛乳パックほどの大きさの容器から、プ
ラスチック製のコップ3個にそれぞれ、水道水、アルカリイオン水、ミネラルウォーターを入れた。C
が、3個のコップに持ってきた試薬を数滴垂らしたところ、水道水は黄色みがかり、アルカリイオン水
は紫色に、ミネラルウォーターは黄緑色っぽい色に変わった。Cは、コップを見せながら、「アルカリ
イオン水は、溶かす力が強い。冷え症、肩こり、便秘にむくみに、すごいよ。毎日飲むことで溜まって
いた老廃物を流してくれる。血液ドロドロが血液サラサラになることにより、疲れにくくなる。基礎代
謝がよくなるのでダイエットできる。痩せますよ。アレルギーも治る。糖尿病、高脂血症、高血圧など
の成人病の予防にもなる。アルカリ性だから病気になりにくい。」等と言い、乙に持参したアルカリイ
オン水を飲むように勧め、整水器は○○万円と言った。乙はこの時初めて、整水器の販売の勧誘である
ことが分かった。
乙は、仕事で疲れていたし、夕食の準備をしようとしていたところに訪問され、早く帰ってもらいた
いことから、「給料はよくないし、実家に仕送りをしている。」と言った。しかし、Cは、「購入した人
の中には、バイトで生活している人もいるけど払っている。高いけど健康のことを考えると安いです
よ。」等と勧誘の話を続けたので、乙は、早く帰ってもらいたくて「時間が遅くなっても帰れるんです
か。」と聞いた。Cは、乙の発言を無視するように勧誘を続けた。乙は、契約しないとこのままでは帰
ってくれないと思い、クレジットで整水器を購入する旨を告げた。
すると、Cは、カバンから契約書を出し、記入を始めた。そこへBが部屋に入ってきて、記入してい
る間に、整水器の取り付け作業を始めた。乙は、Cに契約書の必要事項欄を書くように言われたため、
記入して印鑑を押した。
乙が契約の書類を書き終えた後、BとCは、午前0時30分頃に帰っていった。
【事例3】
平成26年5月午後4時30分頃、消費者丙が住むオートロック式の集合住宅のインターホンが鳴り、
当該事業者の従業員Dから「昨日も来たんですが、ドアを開錠してください。」と言われた。丙は、マ
ンションの出入業者だと思い、オートロックを開錠した。1~2分後、丙宅のインターホンが鳴ったた
め、部屋のドアを開けたところ、Dが「水を配ってアンケートを書いてもらっています。協力していた
だけますか。」と言った。そしてDは、アルカリイオン水の入った500mlのペットボトルを丙に渡し
た。その時、整水器の勧誘に来たという話はなかった。
Dは、「水道水は臭いと感じますか。浄水器、整水器の違いは分かりますか。今、水を買っています
か。」、「よかったら整水器の話だけでも聞いてくれませんか。」と言ったので、丙は、「今日は、買わな
いと思います。」と断った。しかし、Dは「説明担当者と代わりますから、ちょっとお待ちください。」
と言って呼びに行ってしまったため、丙はその間にアンケートを書いた。
Dは、当該事業者の従業員Eを連れてきた。Eは、「水の検査をやりますので玄関のスペースをお借
りしていいですか。さっき渡した水と水道水を比べたいんです。」と丙に言うと、プラスチック製のカ
ップを8個くらい出し、アルカリイオン水と水道水のカップに試薬のような液体などを入れて比較し始
めた。
それが終わると、Eは丙に、新聞記事のコピーを見せ、「うちの職員はアルカリイオン水を飲み痩せ
たんですよ。ダイエットできる。飲むと血流が良くなり、肩こりが良くなります。糖尿病、高脂血症、
高血圧などの生活習慣病の予防になる。この水を飲めば、病気になりにくい。アルカリイオン水を飲め
ば、体がきれいになる。痩せる。」等と言った。
丙は、Eに整水器の代金を繰り返し尋ねたところ、Eはようやく「○○万円です。」と答えた。整水
器の代金が非常に高いことから、丙は断った。しかし、Eは、「いくらだったら買うんですか。半額だ
ったらどうなんですか。」と言うので、丙が「半額なら買えます。」と答えたところ、Eは、「展示品だ
ったら、半額で買えるかもしれないので交渉してみます。」と言った。
時計を見ると、Eの訪問を受けてから2時間以上も経っていて、丙は、早く終わりにして欲しいと思
い、Eに「お腹もすいてきましたね。」と言ったが、Eは聞き入れなかった。そして、丙は、Eが「半
額でオーケーがでました。」と言うので、丙は、仕方なく整水器を買う契約をすることにした。契約書
類を書き終えると、Eは、ようやく午後8時30分頃に帰った。