資料1-2 新戦略推進専門調査会各分科会における地方創生に係る議論について <現状報告(暫定版)> 平成 27 年 3 月 23 日 内閣官房 IT 総合戦略室 1. 経緯 本年 1 月 23 日(金)に開催された IT 総合戦略本部における「地方創生 IT 利活用 推進会議」の開催決定を踏まえ、内閣情報通信政策監(政府 CIO)から、新戦略推 進専門調査会の各分科会等に対して、各担当分野での地方創生に向けた取組・課題等 につき、議論を依頼(別紙3) 。 2. 各分科会での検討状況 これまで、下記の分科会等において、各分野における地方創生に向けた課題等につ いて、議論を行ってきたところ。それらにおける主な意見(暫定版:事務局作成) は、別紙1の通り。 分科会等名 検討日 状況 新産業分科会 1 月 27 日 ○ 医療・健康分科会 1 月 30 日 ○ 規制制度改革分科会 2月3日 ○ 道路交通分科会 2月6日 ○ マイナンバー等分科会 2 月 16 日 ○ 農業分科会 2 月 23 日 ○ 電子行政分科会 3 月 18 日 ○ 防災・減災分科会 3 月 25 日 未 4 月予定 未 - - 人材育成分科会 電子行政オープンデータ 実務者会議 備考 現在、意見を整理中。 地方公共団体オープンデータ推進ガイ ドライン策定(2 月 12 日) (別紙2) 3. 今後の予定 まだ議論を行っていない分科会を含め、引き続き分科会等及び事務局において、整 理・検討を進め、以降の親会又は WG に適宜報告し、プラン(仮称)に盛り込んで いく予定。 (以上) 1 (別紙1) 地方創生に係る各分科会での主な意見(概要:暫定版) 平成 27 年 3 月 23 日時点 内閣官房 IT 総合戦略室 1. 全般論 <国の役割・進め方> ・ 国がやるべきこととやらなくてよいことを意識的に整理することも必要。(新産業) ・ ITは道具なので、地域におけるニーズをきちんと考え、国の予算が終了すればプロジェ クトが終了するという事態にならないように留意すべき。 (新産業) ・ 実証事業を展開する場合には、二次医療圏での運用が重要で、自治体が提供する住民サ ービスとして必須のものとして、複数年にわたって継続的に運用できるように実施す るとともに、成果を継続的に運用するためには、国と自治体と住民の適切な費用負担の あり方、運用担当者の育成を適切に設計することが重要である。(医療) ・ 先進的なものばかりを検討しがちだが、すこし高度化するだけでも大きな効果が得ら れることもあるため、小さなことから進めることも必要である。(バスの時刻表の改修 等)(道路交通) <国・地方の連携の必要性> ・ 地方が抱える問題について、地方によって全然違うということもあるが、共通している ところも多い。二重投資とならぬよう、国との連携も含めて、地方同士が連携、協力し、 同じ問題を解決していく方向に国が誘導すべき。(新産業) ・ 自治体は、 (ITを利用した)地方の問題解決(雪の中を走れる車やロボット等のIT機器) を強く望んでいるが、なぜ声をあげないか聞くと、あげる機会がないと言う。自治体の 声をもっと吸い上げやすい仕組み作りも必要。 (道路交通) 2. 人材・産業活性化 <地方中小企業の IT 化の推進> ・ 地方での中小企業におけるIT化が遅れているのは、年配の経営者の方々にIT活用のメリ ットを伝えるのが現実の問題としてかなり難しいこと。次代を担う若い世代に対して、 ITの活用方法を職業訓練的な観点も含めてきちんと教育することも重要。(新産業) <ワークライフバランス> ・ 「ふるさとテレワーク」は極めて重要である。転勤などの企業の都合によって別居状態 になっている女性技術者の多くからは、別居状態で子育てをするのは非常に大変。地方 と女性とITという重要なキーワードをうまく統合して取り組んでほしい。(新産業) <リテラシーの向上> ・ 僻地や離島などの高齢化率が非常に高くて、住民のICTリテラシーというのは相当低い ので、いろいろな環境とかネットワークが準備されても現実的には使えない、そういう 2 住民がほとんどであるという課題もあると感じている。(医療) ・ お年寄りや子ども向けのサービスが多いが、導入しても使えない場合が多い。そのよう な方々にもわかりやすいようなサービスのマシーンインターフェースが必要。(道路交 通) 3. 各分野における地方創生の位置づけと課題 (1) 農業分野 <地方創生における位置づけ> ・ 農業に係る情報連携に関し、国際標準化を進め、国際的に接続可能なものにしていくこ とが、農業の安全保障、競争力強化につながる。(新産業) <制度面での課題> ・ 農業経営の大規模化やIT化等に伴う各種の関連施設の整備を進めようとすると、既存の 法令との関係で問題になる場合が多い。(例えば大型園芸施設が建築基準法の適用とな ることで設備投資が高コストになる、農地法における転用許可が必要で設備計画に支障 をきたす、など。)また、それらの判断が自治体によって異なることもあり、一律の対応 ができない。 (農業) <今後の取組の方向(検討事項も含む)> ・ 例えば、クックパッドは、地方のスーパーマーケットとのネットワークを構築し、必要 な食材がどのスーパーで売られているか分かるようになっている。農業の生産サイドに おいても、ネットワークと連携することにより、市場の拡大と適切な生産管理を進める ことができるのではないか。(農業) ・ また、生産現場から店頭への物流・流通過程にて、例えば共通コンテナを作り、積み下 ろし・積み替えの工程を省力化し、ITを活用して生産・物流・流通それぞれが情報をシ ェアすれば、効率的になるのではないか。(輸出までをも見据えた対応)(農業) (2) 医療・介護分野 <地方創生における位置づけ> ・ 地域社会の健康、医療、介護サービスを充実させるためには、医療、地域保健に関連し たシームレスな情報をその地域の公的な組織で共有することが有用。特に、種々の理由 により、過疎部・僻地・離島などから離れられない方々に対しては、距離と時間の制約 を取り払う IT を活用した効率的かつ安定的なサービス提供は必須であり、利便性の向 上が望まれる。(医療) ・ 医療情報ネットワークには、ある程度規模が必要であり、二次医療圏単位、あるいは都 道府県単位などに広げ、メリットを示していくことが必要。(医療) <制度面での課題> ・ 成果を社会実装していくためにも、特区での検証事業は有効。(医療) 3 ・ 最低限の情報に関して、国なり自治体等が関与していかないとなかなか進んでいかない。 そのためには、やはりIDは必須だと思うので、医療分野で使えるようなIDの整備という のは大前提になる。(医療) ・ 有益な情報の一元管理のサービス提供において、行政機関のほか、医療機関や介護機関 などからの利用も視野に入れたルールの在り方を検討する必要がある。閲覧可能になれ ば必然と多職種間の連携が図られる。(医療) <今後の取組の方向(検討事項も含む)> ・ 過疎部等における医療提供はもちろん、今後爆発的に見込まれる都市部の高齢者に在宅 医療を提供することを考えると、例えば遠隔医療において、直接医師と患者さんが話す というよりは、間に看護師さんとかそれ以外の職種が入るなどして、限られた資源を有 効に使いながら、仕事を分担していく仕組みが必要。(医療) ・ また、コンビニ、ガス、電気等を含め、既に社会として高齢者との接点を持っている方 たちがコミュニティ全体として、高齢者に対する見守りを行い、最終的には一つのデー タベースで管理できるようにすることが必要。 (医療) (3) 教育面(遠隔教育) <地方創生における位置づけ> ・ 高校における遠隔教育は、これ以上過疎化が進むと高校が維持できないようなところで、 それを維持するために有効。(規制改革) <今後の取組の方向(検討事項も含む)> ・ 遠隔教育も含め、教育情報化を進めていると、現場の先生方や保護者の皆様に理解をし てもらうことと、サポート、特に支援スタッフの充実が重要。IT利用が定着するまでの 過渡期の措置として、現時点では手厚くすべき。(規制改革) ・ 国家資格へのe-ラーニングというレベルでは実現できていることは多いが、一方、e -エグザミネーション、いわゆる試験に関しては、本人確認の問題があり、一般的には、 かなりハードルが高い。ただし、それぞれの地方の拠点で受講させ、そこで出席を管理 してというような形だとできるので、場合にもよる。(規制改革) (4) 交通面 <地方創生における位置づけ> ・ 地方創生のポイントは、核となる地方都市とその周辺の町の交流と連携である。モビリ ティの観点では、その交流と連携を支援する交通ネットワークと交通機関と情報ネット ワークの整備にある。(道路交通) <制度面での課題> ・ ICTを活用したサービスを導入すると、利害関係者が導入を反対する等の事例がある。 例えば、デマンドバス導入の際にタクシー業界が反対するという事例があり、その場合、 4 導入の際にICT等による事業者間の情報交流を可能とする仕組みの構築まで検討する ことで、ハードルが低くなるように思える。(道路交通) <今後の取組の方向(検討事項も含む)> ・ 小中学校の統廃合が進む中、市が、路線バスとスクールバスの両方を運営することで、 小中学生の通勤のサポートと高齢者の支援をしている事例があり、注目に値する。(道 路交通) ・ 高齢者の足を確保するための、近隣のスーパーなどの商業施設、病院などの医療・福祉 施設と連携してそれらの施設への送迎バスと路線バス(あるいはディマンドバス)との 連携もITによる地方創生になりえるのではないか。また、EVや小型バスなど、運用費 用の小さな車両開発も考えられる。 (道路交通) (5) マイナンバー等 <地方創生における位置づけ> ・ マイポータル/マイガバメント(仮称)(情報提供等記録開示システム/同システムと 連携する官民オンラインサービスの提供に係るシステム) 、個人番号カードは、地域に おける住みやすさの向上に資するもの。(マイナンバー等) ・ それらの活用や対面書面原則の見直しを進めることで、行政サービスのオンライン化 につながり、従来の証明書等取得に関する窓口業務の負担軽減、業務処理スピードの 向上が図られ、また、住民からの要望に応える業務への重点化・サービスの向上、不 正受給の防止や支給の効率化といったサービス品質の向上を目指すことができる。(マ イナンバー等) ・ 地方ではより高齢化が進むことを踏まえると、高齢者固有の手続(年金や介護の手続 など)において、マイナンバーを活用することで往来を減らすなどの、簡素化を図れ るのではないか。(マイナンバー等) (以上) 5 地域経済の活性化 地⽅創⽣ 地域課題 : 「⼈⼝減少、少⼦⾼齢化」、「防災、災害計画」、「まちづくり、産業雇⽤ 創出」 住⺠の関⼼:「医療、福祉」、「税⾦、くらし」、「防災」、「交通情報」 地⽅公共団体においては 地域の課題を解決する という視点が重要 ○ 他の地⽅公共団体のデータとの組み合わせが容易になれば、相乗的な利⽤価値の向上が期待できる。 優先的に 取り組むテーマ 1.経済の活性化、新事業の創出 2.官⺠協働による公共サービス(防災・減災を含む。)の実現 3.⾏政の透明性・信頼性の向上 国が掲げるオープンデータ取組の意義 1.地⽅公共団体におけるオープンデータ推進の意義 ○ 先進的にオープンデータに取り組んでいる地⽅公共団体はあるものの、全体としてはまだ⼀部である。 ○ 本ガイドラインは、地⽅公共団体がオープンデータの取り組むにあたっての参考となるよう策定したもの。 地域住⺠へのサービス向上 地⽅公共団体が保有する公共データが、利⽤しやすい形で公開されることが求められている 1 (別紙2) スマートフォン、タブレット端末、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及等を背景に、多種多様な情 報を相互に連携させて新たな価値を⽣み出すことが期待されている。 0.ガイドラインの位置付け 地⽅公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要 ○ 各地⽅公共団体で取組⽅針を策定する。⼯程表(ロードマップ)、進捗チェックリストを作成し、定期的に フォローアップを⾏う。 (5)取組⽅針の策定等 ○ 住⺠や⺠間企業のニーズ把握、技術の活⽤、雇⽤の創出、⼈材育成が期待できる。アイデアソン、ハッカソ ン等のイベントを通じて連携する等、オープンデータの利活⽤を官⺠で連携して促進する関係を作っていく。 (4)⺠間団体、NPO、⺠間企業、教育機関との連携 ○ データ公開に係る業務の効率化、複数の地域を横断したデータの利活⽤の促進、⾏政サービスの向上に ついて連携し、成果を共有する。 ○ 都道府県が域内の市区町村と⼀体で取り組むことで、取組効果を⾼める。 (3)地⽅公共団体間の連携 ○ 国のデータカタログサイト DATA.GO.JP の活⽤、ニーズ調査、利活⽤のアイデア、推進する上での課題、 実証実験の実施等、密接に連携する。 (2)国との連携 ○ 部署横断的な企画・政策の担当部署がオープンデータ推進を担当する体制整備を検討する。もしくは、まず 情報通信技術(IT)に知⾒のある情報担当課がオープンデータ推進を兼務することから始める。 (1)オープンデータ推進に関する取組体制 2.取組体制等 地⽅公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要 2 既存Webサイト 府省や⺠間のデータサイト オープンデータサイト(新設) データ形式や分類⽅法を整える。共通語彙基盤、情報流通連携基盤共通API等の取組も参考にされたい。 ⼈が読むための形式に加え、特定のアプリケーションに依存しない機械判読に適した形式とする。 検索等のため分類情報の付与(タグ付け)を⾏う (⺠間団体・NPOが推進する分類等を参考にされたい) 。 データの信頼性確保や改ざんリスクは、利⽤ルールによる禁⽌、元データの公開継続等で対応する。 ○ オープンデータに類似する制度として情報公開制度があるが、オープンデータを代替するものではない。但し、公 開請求の対象となることが多いデータは、⾏政事務の効率化の観点から、積極的に公開に取り組む。 (4)情報公開制度との関係 ○ ○ ○ ○ (3)オープンデータとしてのデータ作成⽅法 ○ 「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表⽰2.1 ⽇本」(CC-BY)を推奨 ○ 国において、法令等に基づいて整備した台帳等のデータの、公表などの規定の有無や解釈の整理を⾏う。 (2)公開するデータの利⽤ルールの在り⽅ (1)データの公開の⼿法 3.データ公開等に関する基本的な考え⽅ 地⽅公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要 3 ○本ガイドラインは、地⽅公共団体の意⾒・要望、関連技術の発展等を踏まえ、随時、柔軟に⾒直しを⾏う。 5.本ガイドラインの⾒直し OPEN DATA JAPAN シンボルマーク ○ Webサイトや広報誌を活⽤して、オープンデータの取組に関する⼀般市⺠の認知拡⼤を図る。テレビ、新聞等 の公共メディア活⽤も有効。データ活⽤の事例があれば、併せて周知する。 ○ オープンデータのロゴマークの活⽤等、認知向上の取組は国と連携しながら進めることが望ましい。 4.その他オープンデータの利活⽤促進のための環境整備 ア)データ整備の順序:まず公開済みデータをCC BYライセンスにする等、可能なことから順次対応する。 イ)データの鮮度の維持と更新情報の通知:公開データは適時適切に更新し、利⽤者に速やかに通知する。 ウ)インターネット利⽤者以外への配慮:コンピュータ等を⽇常的に使⽤しない等の住⺠へも、公開情報や⼆次 情報が⾏き届くよう配慮する。(役所の窓⼝等での情報提供) (5)データ公開に関するその他の留意事項 地⽅公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要 4 • 各分科会での議論を踏まえて、事務局で考えをとりまとめ、地方創生IT利活用推進会議等に おける議論に反映させるものとする。 (注1)規制制度改革分科会、マイナンバー等分科会においては、上記項目に限らず、地方創生推進の観点から、議論。 (注2)オープンデータについては、2月上旬に決定予定の「自治体オープンデータ推進ガイドライン」(仮称)を活用。 規制改革など阻害要因の除去、相談体制の整備、専門的人材等による支援など 4.推進にあたっての課題は何か 技術面:標準・相互接続可能性、共通プラットフォームの活用、共通ID(マイナンバー等)の活用、 民間クラウドサービスの活用、自治体での共同利用など マネジメント面:リーダーシップを有する人材と、多数の関係者からなる推進・実行体制など 3.技術面・マネジメント面での成功するための要件は何か ①産業:雇用の創出・生産性の向上、②住民:地域の住みやすさの向上、③自治体の効率性の向上、 に分類して記述。 1.当該分野でのIT利活用に係る類型とそれぞれの事例(成功事例等) 2.各類型に係るIT利活用によるメリット・効果は何か • 具体的には、事務局から、例えば、以下に係る項目を提示し、議論を行うものとする。 • これまでの議論・知見を活かしつつ、IT総合戦略本部における地方創生に係るIT利活用推進 の検討に資するため、今後、可能な範囲で、3月半ばまでに開催する会合の議題の一つに地 方創生を取り上げ、整理・議論を行うものとする。 • 各分科会においては、これまで経済再生、課題解決の観点からの各担当分野における戦略の 方向等について議論してきたところ。 【内閣情報通信政策監による検討依頼(平成27年1月23日)】 IT総合戦略本部下の各分科会等に対する検討依頼 (別紙3)
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