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株式会社 サンエース
【 卸・小売業 】/兵庫県
「会社の繁栄と社員の幸せの一致」
顧客の喜びを我が喜びとする精神
創業以来の考え方を社員で共有する
「サンエース物語」
明確な評価基準を社員自らが設定
評価基準の可視化を図る
1949年、株式会社サンエースは兵庫県神戸市で創
同社では、採用面接は6∼8回行う。合否は、お互いが
業、
自動車補修用塗料を中心に、板金塗装の修理業者
合うかどうかを確認するため、中山社長を含む幅広いメ
に材料を卸す専門商社である。社員は121名、
メインのオ
ンバーが関わる。社長が複数回会うため、必ず1度は「サ
ートサプライヤー事業は、業界シェアトップクラス。関西・中
ンエース物語」の話を行う。採用の決め手は、
「サンエー
国地方を中心に8拠点を有し、岡山県エリアはシェア80
ス物語」に合っているかであり、
「なぜ働くか」
「誰と働き
%、兵庫県の神戸・加古川エリアでは40%のシェアを誇
たいのか」、
を徹底的に話し合うため、面接から「新入社
る。顧客毎に技術面での指導と経営面での提案を行うコ
員の育成の場」
となっている。
その結果、2014年における
ンサルティングセールスも行っている。
同社の内定辞退者はなく、8名が入社している。学生から
また住宅のリフォームを手がけるリファイン事業と外壁
の評判も良く、2015年卒業の学生を対象とした「関西地
塗り替えも行っている。
区の就職希望企業ランキング」では、大手企業と肩を並
同社は、
「お客さま第一」
「会社の繁栄=社員の幸せ」
べ 、中 小 企 業 の 中 で はトップクラスに 入って いる。
「事業は人なり」を経営理念に掲げている。みんなが揃っ
育成面では、同社の技術や業務全般に必要な情報
て幸せになれるよう、
「 人」中心の事業計画を推進するこ
をまとめた「サンエーステキスト」を用い、全社員の技術
とで企業基盤を築いてきた。その考えが「サンエース物
力の向上、統一化を図り、業務効率の向上に努めてい
語」
という冊子に表れている。
る。営業全員がテキストに沿ったテストを行い、全員が
「サンエース物語」が出来た背景には、1995年に発生
満点を取るまで何度も実施される。評価には反映されな
した阪神淡路大震災がある。
この時、同じ考え、同じ方向
いが、
テスト結果は毎回全員の点数が全店舗に公開さ
にみんなで進んでいくためには、想いを成文化する必要
れる。成績の見える化を図り、技術力の底上げを狙った
性を感じたと代表取締役社長の中山勇人氏は言う。
取り組みだ。
毎朝の朝礼、
月2回の幹部会議、年4回の全社ミーティ
またモチベーションを上げる仕組み・評価方法として特
ングでは必ず活用するほど経営理念の浸透に「サンエー
徴的なのが、
月報ポイント制度だ。
これは「総売上目標累
ス物語」は欠く事の出来ないものとなっている。
計達成率」、
「担当顧客のベースアップ高」、
「新規塗料
セットの販売先の塗装工の人数の増減」、
「重点商品コ
催している。
ンテスト」の4項目の結果を、2:2:2:1の割合で振り分けてポ
それだけにとどまらず、仕入の共有として同社がマー
イント化され、全店で個人の順位を発表する。年3回の賞
ジン等を一切取らずに、仕入れを他グループと共有化し
与の内、3回目は成果配分としての評価を行い、経常利
たことで、信頼関係を強固なものとしたことが特徴的だ。
益の10%を、
このポイントに応じて分配することで社員の
現在、160品種ものPB
(プライベートブランド)商品を有し、
モチベーションを上げている。
高品質・低価格を実現している。
メーカーと一緒に改良を
明確な評価基準に基づき評価の可視化を図ることで、
重ねているため、ニーズに合った高付加価値商品を開
社員の納得感が高まり、
たとえ成績が振るわなかったとし
発・提供でき、売上げにも貢献している。
ても、社員は前向きに、業務の改善や見直しに取り組むこ
また、同社のオートサプライヤー事業部には「AR研修
とができる。
また他者の評価を見て、切磋琢磨し、お互い
センター」
と呼ばれる、商品チェックや商品比較、技術力
に良い刺激を与え合っている。同じ店舗で成績が振わな
向上のための研修施設がある。同施設では、様々なメー
い社員がいれば、全員でサポートする意識も根付いてい
カーの商品を扱っており、
メーカーを越えた比較検証がで
るという。
き、顧客の悩みに即座に対応し、提案を行えるのである。
こうした取り組みは、他社との差別化ともなり、競争力の源
同社の社員は経営理念のもと、一致団結となっている。
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泉となっている。
メーカーを越えた連携で
顧客への高付加価値化を実現
同社では、
「皆揃って幸せになりたい」
という基本精神
を実現するため、2010年からインターンシップも行ってい
る。働くことの楽しさを感じてもらうことが狙いで、毎年300
同社は、1996年より北海道、東北、関東、九州を代表
名以上の学生を受け入れている。
するオートサプライヤーのネットワークの拠点として、
「トッ
また、同社では新卒採用で困っている他の中小企業に
プネット」
という団体を設立した。教育の場として、業界動
対して情報提供等の支援を行ったり、地元の経営者向
向や商品開発等について話し合う定例会や、選抜メンバ
け講演会等で取り組みの公開を行ったりするなど、業界
ーを全国から一堂に集めて学び合う全国大会を毎年開
のPRにも力を入れている。
会社
概要
サンエース物語やサンエーステキストには同社の経営理念がつまっている。
AR研修センターでは塗料の色合わせや塗装を始めとした
作業を行うことができ、多くの企業が勉強のために訪れる。
トップネットグループでは160種類以上のPB商品が生み出されている。
・法人名:株式会社サンエース
・代表者:中山 勇人 代表取締役社長
・所在地:神戸市東灘区御影中町2-1-4
・設立年月:1971年2月
・資本金:48,000,000円
・ホームページ:http://www.sunace-net.com/
・社員数:正規120名、パート・アルバイトなど3名
・事業内容:オートサプライヤー事業、リファイン事業、
ライフ用品事業、保険事業
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