第6章 後期目標期間における施策(PDF:857.1KB)

第6章 後期目標期間における施策
第1章
熊取町水道事業ビジョンの概要
↓
第
2
章
PI
算
定
結
果
↓
第3章
前期目標施策の進捗・評価
↓
第4章
更新需要予測・財政収支見通し
↓
第5章
新水道ビジョンに示される新しい施策
↓
第第6章 後期目標期間における施策
6章 後期目標期間における施策
76
第6章
第6章 後期目標期間における施策
6.1 施策の一覧
5.3 新旧施策の対比で抽出した後期目標を一覧に整理し示します。
基本方針1
安全でおいしい水の供給
施策目標1−1
水質管理の強化
① 検査体制の強化・充実
② 水質連続監視装置の整備
③ 水安全計画の策定
施策目標1−2
給水水質の向上
① 老朽化管路の布設替え等による水質向上
② 鉛製給水管の解消
③ 給水形態の見直し(直結給水の推進)
④ 小規模貯水槽水道の水質維持
基本方針2
いつでもどこでも安定した水の供給
施策目標2−1
安定水源の確保
① 浄水受水の的確な水運用
② 水道事業の広域化への対応
施策目標2−2
水道施設の機能強化
① 老朽化施設の更新改良
② 水道施設の耐震化対策
③ 非常時の水融通機能の充実
④ 最適な配水区域に見直し
⑤ 配水管網の充実
施策目標2−3
災害対策の充実・強化
① 危機管理対策マニュアルの整備
② 災害対策の実施体制と実施訓練
③ 応急給水・復旧体制の確立
④ 重要給水施設および応急給水拠点の設定
⑤ 応急給水設備の整備
⑥ 停電を想定したエネルギー確保対策
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第6章 後期目標期間における施策
基本方針3
効率的で安定した事業運営
施策目標3−1
効率的な事業運営
① 維持管理業務の効率化
② 効率的な組織体制と職員定数の適正化
③ 業務委託の在り方の検討
④ 水道技術の継承及び向上
⑤ マッピングシステムの有効利用
施策目標3−2
経営基盤の安定化
① 経営の合理化・効率化
② 収益確保への取組み
③ 将来にわたり持続可能な水道料金設定の検討
④ 資産管理(アセットマネジメント)の活用
施策目標3−3
質の高いサービスの提供
① お客様サービスの向上対策
② 広報活動の充実
基本方針4
環境に配慮した水道事業
施策目標4−1
省エネルギーの推進
① 環境負荷への低減化対策
② 再生可能エネルギーの利用
③ 資源の有効利用の推進
施策目標4−2
有効率の向上対策
① 漏水対策の推進
基本方針5
国際貢献
施策目標5−1
国際的な人材交流の推進
① 海外からの視察受け入れ
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第6章 後期目標期間における施策
6.2 施策の内容
6.1で示した後期目標に対して、具体的な取り組み内容を以下に示します。
基本方針1
安全でおいしい水の供給
施策目標1−1
水質管理の強化
① 検査体制の強化・充実
・ 水道法第20条の2で登録を受けている検査機関及び大阪府市町村水道水質共同検査機関に
て全ての水質項目を検査し結果を公表しており、今後も継続します。
・ 残留塩素濃度は安全に関わる重要な項目ですが、おいしさに関わる項目でもあるため、適
正な濃度であるか日々の検査において確認しており、今後も継続します。
・ 将来的には基準強化にも対応できる広域的な検査体制の確立に努めます。
② 水質連続監視装置の整備
・ 給水水質の安全性とおいしさを正確かつ迅速に把握するために、各配水区域に監視装置の
設置を検討します。
③ 水安全計画の策定
・ 国が示す「水安全計画策定ガイドライン」では危機管理の徹底が求められています。
供給する水道水の全てが企業団からの受水100%ですが、当該計画は水源から給水栓に至
る全ての段階が対象であるため、企業団とも水安全計画に関する情報交換、協議を行い総
体として安全な水道水供給の確保策を検討し公表します。
施策目標1−2
給水水質の向上
① 老朽化管路の布設替え等による水質向上
・ 配水管の老朽劣化により濁水や赤水などの発生が懸念されます。
・ 老朽化管路の布設替えや必要に応じて管の洗浄を行い、清浄な水質の保持に努めます。
② 鉛製給水管の解消
・ 鉛溶出により給水水質への影響が懸念される鉛製給水管の解消が必要です。
・ 鉛製給水管を配水管の布設替え工事に伴い、順次解消していきます。
・ 鉛製給水管の解消促進のための具体的な方策を検討します。
79
第6章 後期目標期間における施策
③ 給水形態の見直し(直結給水の推進)
・ 水質の安全性が高くエネルギーの有効利用にもなりうる直結給水の推進を図ります。
・ 管路の更新などに伴い、直結給水に配慮した施設のレベルアップを検討します。
④ 小規模貯水槽水道の水質維持
・ 容量10m3以下の小規模貯水槽水道は水道事業者の管理外で、設置者による定期的な清掃
など適切な管理が必要です。
・ 管理状況の把握と供給規定に基づく設置者への助言・指導を行い、安全な給水水質の保持
に努めます。
基本方針2
いつでもどこでも安定した水の供給
施策目標2−1
安定水源の確保
① 浄水受水の的確な水運用
・ 永楽浄水場の休止により、供給する水道水の全てが企業団からの受水となります。企業団
の受水圧力を有効利用した水運用方法を継続していきます。
② 水道事業の広域化への対応
・ 企業団との連携による広域化構想や施設の広域共同管理への対応方法の検討を進めます。
・ 施設の更新、収益の減少、料金格差、技術の継承等の水道事業における今日的な課題を克
服すべく、企業団を中心とした広域化検討に参画します。
施策目標2−2
水道施設の機能強化
① 老朽化施設の更新改良
・ 今後20年間で法定耐用年数を超える経年化施設は増加傾向にありますが、本町独自に定め
る更新基準を迎えた老朽化施設が長期に残存しないよう更新計画を策定します。
※ 健全施設 :法定耐用年数を超過していない施設
経年化施設:法定耐用年数を超過しているが更新基準未満の施設
老朽化施設:更新基準を超過している(速やかに更新すべき)施設
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第6章 後期目標期間における施策
② 水道施設の耐震化対策
・ 施設耐震化率のさらなる向上を目指します。
・ 南海受水・配水池および事務所棟等の基幹施設の耐震化を検討・実施します。
・ 重要な給水施設への供給ラインを優先して早期の耐震化を実施します。
③ 非常時の水融通機能の充実
・ 基幹管路のバイパス管を整備し、複線化による水供給の安定化を図ります。
・ 町内各配水区域間の連絡管の整備により、非常時の水融通能力の増大化を進めます。
・ 隣接市(泉佐野市、貝塚市)と協議を進め、緊急連絡管による相互水融通を検討します。
④ 最適な配水区域に見直し
・ 適正水圧の確保及び施設管理の効率性の観点から、第1、第3、第4及び南海の4配水区域
への統廃合を推進します。
※P.82∼P.84 配水区域図・水位高低図参照
⑤ 配水管網の充実
・ 配水管の末端区域において使用者への供給能力(水圧、水質等)向上のため、配水管網の
充実を図ります。
熊取町マスコットキャラクター(左:ジャンプ君 、 右:メジーナちゃん)
81
第6章 後期目標期間における施策
現状の配水区域
統廃合完了後の配水区域
図6.1 配水区域図(施策目標2−2−④)
82
図6.2 水位高低図(現状)(施策目標2−2−④)
第6章 後期目標期間における施策
pdf縦化のために、適当な文章を打ち込んでいます。消さないで下さい。
83
図6.3 水位高低図(配水区域統廃合完了後)(施策目標2−2−④)
第6章 後期目標期間における施策
pdf縦化のために、適当な文章を打ち込んでいます。消さないで下さい。
84
第6章 後期目標期間における施策
施策目標2−3
災害対策の充実・強化
① 危機管理対策マニュアルの整備
・ 災害や事故時の迅速な初動活動、情報連絡と円滑な対策の実施方法を周知する方策を検討
します。
・ 地震、水質汚染、事故、渇水時等の危機管理対策マニュアルを策定します。
② 災害対策の実施体制と実施訓練
・ 災害時の動員体制、応急給水体制、復旧体制の組織体制を職員に事前周知し、迅速に実動
できる備えとします。
・ 災害発生に備え、マニュアルに基づき参集、情報連絡、応急給水等の訓練を実施します。
③ 応急給水・復旧体制の確立
・ 被害状況に応じた応急復旧計画を策定し、大阪府水道震災対策相互応援協定に基づき組織
的に実施します。
・ 配水池等において、町全体の応急給水目標水量を確保します。
・ 地震等災害時においても住民との連携が発揮できる体制の構築に努めます。
④ 重要給水施設および応急給水拠点の設定
・ 災害時に重要な拠点となる基幹病院や避難所など、給水優先度の高い施設や、被災者に応
急給水を行う拠点を熊取町地域防災計画等に基づき設定します。
⑤ 応急給水設備の整備
・ 応急貯水設備や、給水袋等の充実を図ります。
・ 災害時に消火栓等から水を取り出せる仮設給水口の充実を図ります。
⑥ 停電を想定したエネルギー確保対策
・ 計画停電や不慮の停電において、商用電源が一時的に停止しても、非常用自家発電設備や
代替エネルギーの確保等による水道水供給の継続を図ります。
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第6章 後期目標期間における施策
基本方針3
効率的で安定した事業運営
施策目標3−1
効率的な事業運営
① 維持管理業務の効率化
・ 維持管理水準の向上と効率化に必要な体制を整えます。
・ 日本水道協会等、各種機関の実使用年数に基づく施設事故率等の調査結果及び本町の実情
を踏まえ、施設毎の更新基準の設定を行います。
・ 現有施設について予防保全が重要と考え、健全度を保持したまま施設の長寿命化を図るた
めの、適切な点検・保守の方針検討及び実施に努めます。
・ これまでの拡張とは異なり、人口減少社会の到来による水需要の減少を考慮し、ダウンサ
イジングを踏まえた施設の更新を検討します。
② 効率的な組織体制と職員定数の適正化
・ 経営状況やその他の事情等を考慮しながら、組織体制と職員定数の適正化に努めます。
③ 業務委託の在り方の検討
・ 将来にわたり持続可能な水道事業とするため、技術力の確保と人材育成を考慮し、必要な
業務委託の在り方を検討します。
④ 水道技術の継承及び向上
・ 将来にわたり持続可能な水道事業とするため、水質検査、電気機械、土木の技術力や公営
企業会計の知識などを有する専門的な職員を確保します。
・ 水道事業を担うための人材育成や専門能力向上を図るため、さらなる研修の充実を図りま
す。
⑤ マッピングシステムの有効利用
・ 水道施設情報を集約し整理することで、情報検索の迅速化を図ります。
・ 集約した情報を有効利用し、水道施設の現況を正確かつ迅速に把握します。
・ 料金システムの水量データ等を用い、各種維持管理業務に有効活用します。
※ マッピングシステム : 地図上に各種情報を表示するシステムの総称であり、本件で
は水道施設情報管理機能や水理解析機能等を備えるシステム
を指す。
86
第6章 後期目標期間における施策
施策目標3−2
経営基盤の安定化
① 経営の合理化・効率化
・ 中長期的な施設の更新改良、耐震化等を見据え、行政運営アクションプログラムに基づき、
効率的な事業運営と経営健全化に努めます。
② 収益確保への取組み
・ 水道料金収納対策の強化に努めるとともに、手数料、負担金等の適正化及び保有資産の有
効活用等(遊休地の貸付、資金運用等)で更なる増収を目指します。
・ 国庫補助等の活用により、継続的な資金確保について検討します。
③ 将来にわたり持続可能な水道料金設定の検討
・ 経営努力によりコスト縮減、経費削減に努めていますが、給水収益の動向や施設整備の状
況、また、企業団の用水供給料金改定の動き等を勘案し、水道料金の見直しの検討を継続
します。
・ 中長期的見通しに立った分析を行い、将来を見据えた水道料金の水準と体系を利用者への
影響も考慮し、検討します。
④ 資産管理(アセットマネジメント)の活用
・
アセットマネジメントの実践により中長期的な更新需要と財政見通しを把握し、持続可能
な経営体制の確立を目指します。
施策目標3−3
質の高いサービスの提供
① お客様サービスの向上対策
・ お客様の視点に立ち、さらなるサービス向上に資する具体的な方策について検討します。
・ 給水の質・量・圧の不具合箇所を順次、計画的に改善します。
② 広報活動の充実
・ 積極的な情報提供により水道事業に対する関心と理解を深め、安全でおいしい水道水につ
いてのPR等にも努めます。
・ 施設更新の必要性と更新しない場合の将来の問題点、水道事業の財政状況や災害時の危機
管理などについて、分かりやすく正確に説明し、正しい理解を得ることに努めます。
87
第6章 後期目標期間における施策
基本方針4
環境に配慮した水道事業
施策目標4−1
省エネルギーの推進
① 環境負荷への低減化対策
・ 本町の第3次総合計画では、自然環境への負荷の少ない循環型社会の形成を目指します。
・ 節電型機器採用や効率的な水運用で電力消費量を削減化し、CO2排出削減に努めます。
・ 水圧の有効利用が可能な直結給水を推進することにより、省エネルギー化を図ります。
② 再生可能エネルギーの利用
・ 環境に優しいクリーンエネルギーの採用を、南海受水・配水池および事務所棟等の基幹施
設更新時に合わせ技術面、費用対効果から検討します。
③ 資源の有効利用の推進
・ 建設副産物(アスファルト等)の100%リサイクルと再生材の使用を継続します。
施策目標4−2
有効率の向上対策
① 漏水対策の推進
・ 漏水を早期発見し修繕を行うため、漏水調査実施方法を費用対効果も含め検討します。
・ 漏水の原因となりうる老朽化管の更新や石綿管、鉛製給水管の早期の解消を図ります。
基本方針5
国際貢献
施策目標5−1
国際的な人材交流の推進
① 海外からの視察受け入れ
・ 関西国際空港に近い立地を活かし、海外からの視察受け入れに対応します。
88
第6章 後期目標期間における施策
6.3 施策の実施時期
設定した施策について、計画期間内における実施予定時期を踏まえて整理します。
後期目標
凡
例
平成32年度(熊取町水道事業ビジョン目標年度)
長期目標
継 続
表6.1 後期目標実施時期一覧(1)
現在まで
後期
長期
∼H26
H27∼32
H33∼42
目標及び実現方策
基本方針1
安全でおいしい水の供給
施策目標1−1
水質管理の強化
実施中
① 検査体制の強化・充実
② 水質連続監視装置の整備
③ 水安全計画の策定
施策目標1−2
給水水質の向上
実施中
① 老朽化管路の布設替え等による水質向上
実施中
老朽化管路更新事業
基本方針2
② 鉛製給水管の解消
実施中
③ 給水形態の見直し(直結給水の推進)
実施中
④ 小規模貯水槽水道の水質維持
実施中
いつでもどこでも安定した水の供給
施策目標2−1
安定水源の確保
① 浄水受水の的確な水運用
実施中
② 水道事業の広域化への対応
実施中
施策目標2−2
水道施設の機能強化
実施中
① 老朽化施設の更新改良
実施中
老朽化管路更新事業
実施中
② 水道施設の耐震化対策
非耐震管路更新事業
実施中
石綿管更新事業
実施中
平成28年度完了予定
実施中
平成28年度完了予定
南海配水池・事務所棟耐震化検討及び実施
重要給水施設への供給ラインの耐震化
③ 非常時の水融通機能の充実
④ 最適な配水区域に見直し
⑤ 配水管網の充実
89
第6章 後期目標期間における施策
表6.2 後期目標実施時期一覧(2)
現在まで
後期
長期
∼H26
H27∼32
H33∼42
目標及び実現方策
基本方針2
いつでもどこでも安定した水の供給
施策目標2−3
災害対策の充実・強化
① 危機管理対策マニュアルの整備
実施中
② 災害対策の実施体制と実施訓練
実施中
③ 応急給水・復旧体制の確立
④ 重要給水施設および応急給水拠点の設定
基本方針3
⑤ 応急給水設備の整備
実施中
⑥ 停電を想定したエネルギー確保対策
実施中
効率的で安定した事業運営
施策目標3−1
効率的な事業運営
実施中
① 維持管理業務の効率化
現有施設長寿命化の具体的な方針検討及び実施
実使用年数に基づく更新基準の設定
水需要減少も考慮した施設の更新検討
② 効率的な組織体制と職員定数の適正化
実施中
③ 業務委託の在り方の検討
実施中
④ 水道技術の継承及び向上
実施中
⑤ マッピングシステムの有効利用
実施中
施策目標3−2
経営基盤の安定化
① 経営の合理化・効率化
実施中
② 収益確保への取組み
実施中
国庫補助等の活用による継続的な資金確保の検討
実施中
実施中
③ 将来にわたり持続可能な水道料金設定の検討
④ 資産管理(アセットマネジメント)の活用
施策目標3−3
基本方針4
質の高いサービスの提供
① お客様サービスの向上対策
実施中
② 広報活動の充実
実施中
安全でおいしい水道水のPR
実施中
現状や課題等に関する情報提供
実施中
環境に配慮した水道事業
施策目標4−1
省エネルギーの推進
実施中
① 環境負荷への低減化対策
② 再生可能エネルギーの利用
実施中
③ 資源の有効利用の推進
施策目標4−2
有効率の向上対策
実施中
① 漏水対策の推進
基本方針5
国際貢献
施策目標5−1
国際的な人材交流の推進
① 海外からの視察受け入れ
90
第6章 後期目標期間における施策
6.4 推進体制
本ビジョンに示される施策が着実に実施され効果を上げていくには、計画性を持って取り組み
可能な限り客観的にその達成状況を把握・評価し、目標達成につながる努力を積み重ねる必要が
あります。今後も、以下に示すフォローアップ手法、体制に基づき、概ね5年後を目途に計画の
策定・見直しを行いますが、本ビジョンが平成32年度の計画目標年度となっていることから、
平成33年度からの10年程度を目標期間として、「信頼を未来につなぐ熊取町の水道」を基本理
念とする次期水道事業ビジョンの策定を平成31年度より行い、将来にわたり持続可能な水道事
業の構築を目指します。
Plan
(次期ビジョン策定)
Act
(改善処置)
熊取町
水道事業ビジョン
(概ね5年に一度見直し)
Check
(確 認)
91
Do
(実 施)