議決権行使助言 ISS 社の賛否推奨レポートに対する反論 コーポレート

2015 年 3 月 16 日
報道各位
大塚勝久事務局
議決権行使助言 ISS 社の賛否推奨レポートに対する反論
このたび大塚勝久事務局(以下、「当事務局」)では、本年 3 月 27 日に開催予定の株式会社
大 塚 家 具 第 44 回 定 時 株 主 総 会 に お い て 、 米 国 の 議 決 権 行 使 助 言 会 社 Institutional
Shareholder Services, Inc.(以下、「ISS」)が、会社提案(第 2 号議案、第3議案)に賛成
推奨、株主提案(第 5 号議案、第 6 号議案)に反対推奨を行っているとの情報を入手いたしました。
当事務局では、ISS の推奨内容を詳細に分析しましたが、ISS の主張には、事実誤認や合理的根
拠を欠く恣意的分析が多数確認されたことから、株主の皆様に正しい情報を提供させて頂くとともに、改
めて株主提案へのご理解を賜りたくお願いする次第です。
コーポレート・ガバナンス評価における重大な事実誤認
ISS の分析内容:
「(ISS レポート抄訳)取締役会の独立性は会社提案が株主提案を上回っている。会社提案にお
ける独立社外取締役比率は 60%である一方、株主提案側は 50%に留まる。」
「現在の状況は、双方が株主価値の創造を口実として経営計画をぶつけあっているだけで、真の目的
は社内の主導権争いに勝つ部分にあるという印象は拭えない。実際、大塚久美子社長は ISS に対して、
最優先課題は、上場会社としての強固なコーポレート・ガバナンス体制を確立し、創業者の庇護を離れ
ることにあり、経営計画自体は今回のプロキシーファイトにおける副次的問題であると説明している。」
「大塚久美子社長は ISS 社に対して、今回の社外役員候補者(6 人の社外取締役候補者と3名
の社外監査役候補者)を、自分自身でリクルートしてきたと発言している。その際、①大塚家具のコーポ
レート・ガバナンスをどのように改善すべきか、②各候補者のスキルや経験をもとにして、大塚家具のビジネ
スモデルをいかに変更すべきか、を基準にしたと発言している」
「(ISS レポート原文)The board independence of the management slate is also
higher than that of the dissident slate. The management slate is 60 percent
independent, while the dissident slate is 50 percent.」
「Kumiko Otsuka told ISS that she herself recruited these candidates, based on
criteria including (1) how the company can improve governance, and (2) how the
1
company can make the transition of its business model, with consideration of each
nominee's skills, qualifications and experiences factored in.」
「Therefore, it is difficult to escape an impression that both parties only presented
business plans under the pretext of shareholder value creation, when their real
intention was to win the internal struggle. In fact, in an ISS interview Kumiko Otsuka
frankly admitted that her primary focus is to establish good governance as a public
company, so that the company can strive without the aegis of the founding family in
the years to come, and that the business plan itself – though the board is committed
to delivering it – is secondary to this concern in the current proxy contest.」
当事務局の反論:
会社提案の社外取締役候補者6名について、ISS は「独立性あり(Independent Outside
Director)」と分析しているものの、これらの候補者は全て大塚久美子社長が「自ら採用」した候補者
であり、当該独立性には疑義があります。
とりわけ、社外取締役候補者である宮本惠司氏は、株式会社大塚家具の主要取引先(新宿店の
賃貸借契約が存在)である株式会社三越(現 株式会社三越伊勢丹ホールディングス)の常務取
締役を務めた候補者であり、当該取引の存在は、大塚家具の有価証券報告書(2013 年 12 月
期)においても明らかとなっています。
また、同じく社外取締役候補者の渡邊太門氏が取締役を務める株式会社構造計画研究所は、大
塚久美子社長が設立した株式会社クオリア・コンサルティングと共に、共同プロジェクト iに参画するなど、
大塚久美子氏とビジネス上の様々な関係を有しています。
このように、宮本氏、渡邊氏両名とも、ISS が独立性基準に謳う基本方針「会社と社外取締役や社
外監査役の間に、社外取締役や社外監査役として選任される以外に関係がないこと」に反することは明
確です。
以上を踏まえて、会社提案と株主提案のガバナンス体制を比較し直すと、会社側の独立社外取締
役比率は 40%、株主提案側は 50%と、株主提案側が上回ります。また、株主提案側の候補者には、
百貨店での経営経験者、富裕層向けビジネスの造詣の深い候補者を擁するなど、独立性基準の形式
的な充足のみならず、大塚家具の企業価値創造に貢献する専門性を有した候補者が揃っています。
ISS が、会社側の説明だけで判断し、公表資料から把握可能な独立性分析を行わなかったこと iiは
明らかです。更には、このような事実誤認に基づくコーポレート・ガバナンス体制の評価に立脚し、会社側
の今後の戦略を「期待が持てそう(looks promising)」(後述)と分析していることも、その前提が
崩れることとなります。当事務局としては、かかるレポート内容の訂正を強く求めます。
2
合理的根拠を欠いた ROE 基準の適用
ISS の分析内容:
「(ISS レポート抄訳)ISS は、通常であれば、大塚久美子社長の再任に反対を推奨する。これは、
大塚家具の ROE(5 年平均 ROE1.1%)が、ISS の定める ROE 基準(事務局注:過去 5 期の
平均の自己資本利益率(ROE)が 5%を下回る企業の経営トップに反対を推奨)を満たさないためであ
る。しかしながら、会長・社長が対立し、株主の支持を競い合う状況下では、ROE 基準に基づいて大塚
久美子社長に反対推奨をすることは意味を為さず、ケースバイケースの判断が求められよう。別項目で詳
述する通り、大塚勝久会長の復帰により、株主が利益を得ると保証することは困難であり、大塚久美子
社長ならびに会社側の取締役候補者に賛成を推奨する」
「(ISS レポート原文)In ordinary circumstances, ISS would have recommended that
shareholders oppose the reappointment of President Kumiko Otsuka, as the
company fails to meet ISS guidelines on ROE (See below). However, given the
unusual circumstances where the company's two top executives are standing in
direct opposition, competing for shareholder support for taking control of the firm,
application of our standard ROE policy to oppose President Kumiko Otsuka's
reappointment does not make sense. A case-by-case analysis will be called for. For
the reasons detailed in Item 5.1, it is difficult to assume that independent
shareholders would benefit from Chairman Katsuhisa Otsuka's return to power, so a
vote for Kumiko Otsuka and the director candidates sponsored by management is
warranted.」
当事務局の反論:
ISS は、2014 年 11 月 6 日に公表した 2015 年向けの議決権行使ポリシー「ISS 議決権行使助
言方針改定の正式決定について iii」において、「過去 5 期の平均の自己資本利益率(ROE)が 5%を下
回る企業の経営トップに反対を推奨」することを表明しています。また、その例外として、「この基準に満た
ない場合でも ROE が改善傾向にある場合(ISS は改善傾向を「過去 5 期の平均 ROE が 5%未満
でも、直近の会計年度の ROE が 5%以上ある場合」と定義)は、反対を推奨しません」との姿勢を明ら
かにしています。更に、2015 年 3 月 6 日の日本経済新聞の記事 ivにおいて、ISS は「例外扱いは一切
しない」と発言したばかりです。すなわち、ISS は、5 年にもわたって ROE を回復できない経営者に対して
は、例外なく「経営者失格」と見なすことを明確に基準として掲げており、当該基準に抵触した時点で、
大塚久美子社長の再任は認められるべきではありません。
大塚家具の ROE 推移は、ISS も分析している通り、2014 年 12 月期までの 5 年平均値が 1.1%
3
と ISS 基準を大きく下回ります。また、仮に大塚久美子社長が 2014 年 7 月に解任されていなかったと
仮定して、大塚久美子社長の在任期間中の最後の業績予想値(2014 年度第 1 四半期の決算短
信における当期利益予想 8 億円)に基づいて ROE を算出した場合においても、2014 年通期の ROE
は 2%台前半に留まり、ISS が定める例外規定をまったくクリアしておりません。
以上のように、ISS の推奨は合理的な根拠を欠いており、当事務局としては、ISS の分析に強く抗議
するとともに、当該推奨内容の速やかな訂正を求めます。
幹部社員流出リスクに対する安易な分析
ISS の分析内容:
「(ISS レポート抄訳)株主提案者側は、幹部社員の8割以上が大塚勝久会長の提案を支持し
ていることを強調している。株主はこの点に懸念を抱くであろう。しかし米国や欧州と違って、日本の労働
市場の流動性は極めて低く、仮に勝久会長側が敗北した場合でも幹部社員の 8 割が会社を去るという
事態は起きないと想定される。したがって、本件は深刻な問題ではない」
「(ISS レポート原文)The dissident asserts that more than 80 percent of the
company's executives support Katsuhisa Otsuka's proposal. That argument may
concern some shareholders. However, unlike the US or other Western markets, labor
mobility is very low in Japan, so it is unlikely that those 80 percent of executives
would leave the company if Katsuhisa Otsuka's proposals are defeated. Therefore,
that should not bring about any serious operational issues」
当事務局の反論:
当事務局から発送した委任状勧誘書類(新経営体制による企業価値向上策と株主提案へのご支
援のお願い)でも明らかにしている通り、今回、8割を超える幹部社員(全国 16 店舗の全店長を含
みます)が、大塚久美子社長の速やかな退任と大塚勝久会長の社長復帰を強く求め、連判状へ署名
を行っています。大塚久美子社長は、この動きを「父の演出」と評していますが、幹部社員・従業員の決
死の覚悟を理解しようとしない久美子社長のこのような姿勢が、従業員の離反を一層招いている状況で
す。また、一部報道で明らかな通り、大塚久美子社長は、取締役選任議案へ匿名での自主投票で臨
むことを決定した従業員持株会に対して、事実上、賛成を強要する行動に出る vなど、従業員の信頼を
さらに失う行動に出ています。
大塚家具は本社および全国 16 店舗に 1,700 名超の社員を擁する会社であり、対面販売を通じ
て総合的にお客様にインテリアのご提案をするところに企業価値の源泉があります。ISS が本件を「深刻
な問題ではない」と結論づけていることは、仮に株主提案が否決された場合の幹部および主要な社員の
4
離反を招くという最大のリスクを考慮していない安易な分析と言わざるを得ません。
中期経営計画に関する分析の未実施
ISS の分析内容:
「(抜粋)大塚勝久会長の企業価値向上策は論理的根拠がない。一方、会社側の中期経営計画
については、①家具業界の経営環境の変化に大塚久美子社長は気付いている、②会社側の社外取
締 役 候 補 者 に は 小 売 業 界 へ の 知 見 あ る 候 補 者 が 存 在 す る た め 「 期 待 が 持 て そ う ( looks
promising)」という点に言及(会社側の中期経営計画に論理的根拠があるのかどうかについては言
及していない)」
当事務局の反論:
会社側が中期経営計画で定めた目標数値は、以下の点で論理的に説明がつかないにも関わらず、
ISS はこの点の分析を全く行っておりません。
(会社側の中期経営計画の分析上における留意点)

久美子氏は記者会見において、本中計では DOE を重視して増配(40 円⇒80 円)に踏み切る
ものの、2018 年以降は配当水準を引き下げると発言

売上・利益計画について、今中計では株主提案者をはるかに下回る水準を提示。次期中計では
売上・利益計画をそもそも公表せず

また、次期中計では、①資本効率を重視(2020 年度に ROE 8~10%を標榜)、②配当性
向を重視(定量目標は開示せず)、③適正な自己資本水準を確保、の三点を同時に標榜

特に、自己資本比率については、今中計では「現行水準維持」、次期中計では「資本効率も意識
し適正な自己資本水準を確保」と表現を変更
(上記内容から伺える会社計画の意味するもの)
仮に、大塚家具の現在の自己資本を所与とした場合、2020 年度の ROE10%達成に必要となる
理論上の当期利益は約 36 億円です。当該目標は、今期の業績予想値が営業利益で 1.1 億円、当
期利益 9 千万円の大塚家具にとって非常に高いハードルであり、本来、高い ROE 目標を掲げる以上は、
それに見合った売上・利益目標の提示が不可欠です。
しかし、会社側の中期経営計画では、次期中計での売上・利益について言及はなく、その一方で、自
己資本比率に対する考え方が、今中計の「現行維持」から、次期中計では「適正な水準を確保」へと変
わっています(次期中計では自己資本比率を「低下」させると読みとれます。)。
すなわち、会社側の中期経営計画は、「ROE の向上を、売上・利益の拡大によってではなく、自己資
5
本を棄損しながら実現すると読めること」、さらに「ROE と配当性向と自己資本水準を、同時に配慮する
という論理的に矛盾した内容となっていること」などの点においてまったく合理性がありません。
ISS は会社提案の中期経営計画における上述のような矛盾を取り上げることなく、漠然と大塚勝久
氏の企業価値向上策には論理的根拠がないと断じ、その一方で、大塚久美子社長の事業戦略につい
ては、根拠なく「期待がもてそう」と言及しています。ISS のこのような合理性に欠ける分析について、当事
務局は強く抗議いたします。
株主提案
(大塚勝久体制)
会社提案
(大塚久美子社長体制)
企業価値向上策
経営計画の名称
中期経営計画
2015 年 3 月 6 日
公表日
2015 年 2 月 25 日
2015 年度
売上高 565 億円
営業利益 5.6 億円
⇓
2017 年度
売上高 660 億円
営業利益 26.4 憶円
2020 年度
売上高 760 億円
営業利益 64.6 憶円
ROE 10.2%
1 株あたり 120 円
配当性向 75%を継続
業績目標
(2015~2017)
業績目標
(2018 年以降)
配当政策
(2015~2017)
配当政策
(2018 年以降)
自己資本比率
自己資本比率 70%台を
維持し財務健全性を確保
(2015~2017)
自己資本比率
(2018 年以降)
6
2015 年度
売上高 554 億円
営業利益 1.1 億円
⇓
2017 年度
売上高 594 億円
営業利益 19 億円
2020 年度
ROE 8~10%
※売上高などの数値は非開示
2017 年度までは DOE 重視
1 株あたり 80 円
不明
配当性向を重視
※記者会見では元の金額に戻すと発言
自己資本は現行水準維持
資本効率も意識し
適正な自己資本水準を確保
事業環境変化への適応能力に関する恣意的な分析
ISS の分析内容:
「(ISS レポート抄訳)ニトリやイケアは、大塚家具よりも廉価な商品を展開することで知られており、
デフレ環境の下では大塚家具のハイエンド型の商品よりも競争力を有する。(中略)今日、インターネッ
トやモバイルなどコミュニケーションスタイルが変化する時代にあって、かつての広告宣伝戦略は通用しない
かもしれない」
「今日の大塚家具は、勝久会長なくしては存立しえないが、勝久氏の経営スタイルは、少なくとも久美
子氏の戦略と対比した場合、既に通用しないかもしれない」
「会社提案の取締役候補の方が、期待が持てそう(looks promising)であり、会社の経営方針
の転換に貢献することが期待される」
「大塚久美子社長はこのような環境変化に敏感である」
「(ISS レポート原文)Nitori and IKEA deal in products which are perceived to be
cheaper than those handled by Otsuka Kagu, so some may feel that the
competitors are strong under a deflationary environment, as opposed to Otsuka
Kagu which is known for high-end products<中略>in an age when communication
styles have been changing constantly with the advent of internet and mobile devices,
an advertising strategy that worked in a previous media environment may be
unlikely to work in this one.」
「Without him, Otsuka Kagu would not exist today. However, it appears that his
style may not work as well in today's market environment, at least by contrast with
Kumiko Otsuka's.」
「 it appears that the new board setup proposed by the management looks
promising, as its management lineup is expected to contribute to the company's
transition.」
「Kumiko Otsuka's apparent sensitivity to changing market conditions」
当事務局の反論:
ISS の指摘する通り、ニトリやイケアの台頭や新しいマーケティングツールの普及など、大塚家具の経営
環境は急激に変化しています。しかし、このような環境変化に対応できず、5 年間の在任期間にわたって
業績・ROE を回復できなかったのは、他でもない大塚久美子社長であり、ISS が「久美子社長は環境
変化に敏感である」という分析は、事実を捉えたものではありません。さらに、勝久会長の戦略が「既に通
用しないかもしれない」という分析も、単なる ISS の推測であり一切根拠がありません。
7
ISS がむしろ株主に対して問題提起すべきは、会社側の中期経営計画に掲げられた「気軽に入れる・
見られる」戦略が、すでに青山店・目黒店などの小型店が撤退するなど、久美子社長の時代に頓挫して
いる事実です。こうした事実に言及せずに、「久美子社長は環境変化に敏感である」「会社提案の取締
役候補者には期待が持てそう(looks promising)」など、分析を行うことは、客観性に欠いていると
言わざるを得ません。
根拠薄弱な結論
ISS レポートにおける結論:
(ISS レポート抜粋)

大塚久美子氏は、経営環境の変化に敏感である

社外役員候補者に求められる資質

コーポレート・ガバナンス体制の改善

大塚勝久氏の経営戦略には論理的根拠がない
以上の観点から、株主は大塚久美子氏の経営体制を支持することを推奨する。
「(ISS レポート原文)Given Kumiko Otsuka's apparent sensitivity to changing market
conditions, the qualifications of the outside director candidates on management's
slate, the improved governance profile of the new management slate, and the lack
of a convincing rationale from Katsuhisa Otsuka for his business plan, independent
shareholders are advised to support current management under the leadership of
incumbent President Kumiko Otsuka.」
当事務局の反論:

大塚久美子社長は、過去 5 年間にわたって経営環境の変化に対応できず業績・ROE は低迷した。
中期経営計画で掲げている戦略も既に失敗した戦略の焼き直しである

株主提案者側の社外役員候補者には、小売ビジネス、富裕層向けビジネスなどにおいて、高い専
門性を有する候補者が存在する(ことさら会社提案の候補者のみを擁護する ISS の姿勢には疑
問を呈さざるを得ない)

会社提案の社外役員候補者は、全て久美子氏が自ら採用(Kumiko Otsuka told ISS that
she herself recruited these candidates)した久美子氏と密接な関係を有する候補者ばか
りであり、その独立性には疑義がある。ISS の独立性基準に明確に抵触する候補者も2名含まれ
ており、独立社外取締役比率 60%という ISS の分析は明白な誤りである
8

ISS は、大塚勝久会長の経営戦略には論理性がないと分析するものの、当該分析にこそ根拠がな
く、むしろ久美子氏の中期経営計画の定量目標の方が論理的に矛盾している
以上のことから、ISS 社の推奨内容は正確な事実を捉えておらず、客観性を欠いています。
最後に(株主の皆様へ)
上述の通り、ISS のレポート内容には、数多くの事実誤認、恣意的判断が含まれております。とりわけ、
ISS が、経済界全体が注目し、自らも「例外なき適用」を標榜した ROE 基準の適用において、自ら合理
的根拠を欠いた運用をしている事実、また、経営戦略以上に重要性が高いと評したコーポレート・ガバナ
ンス体制の分析において会社側の説明だけで判断を下し、独立性判断を誤っている事実は看過せざる
問題であり、当事務局としては ISS に対してレポート内容の早急な修正を強く求めます。
株主の皆様におかれましては、正しい事実に基づいたご判断とともに、改めて株主提案へのご理解を賜り
ますよう心よりお願い申し上げます。
9
添付資料(対比表)
ISS レポートの
ポイント
■会社提案の社外取締役候
補者は 6 名すべて独立性あり
■独立社外取締役比率
・会社側 60%
・株主提案側 50%
■ROE が 5 年平均 5%未満の
経営トップには反対推奨
(例外なく適用すると言明)
大塚勝久事務局からの
反論ポイント
コーポレート・
ガバナンス
ROE 基準
■今回は例外扱いとして会社
提案に賛成推奨
■会社側の社外取締役候補
者のうち2名は、独立性なし
■独立社外取締役比率
・会社側 40%
・株主提案側 50%
■久美子氏の在任 5 年平均
ROE は 1.1%(基準抵触)
■なぜ例外としたのか、合理性
を欠く
■勝久会長側が敗北しても幹
部社員は流出しないと想定
幹部社員の
流出リスク
■連判状に署名し、不退転の
決意で社長に反旗を翻した
■定量分析は皆無(にも関わ
らず会社提案を「期待できそう」
と言及)
中期経営計画
の分析
■会社側の中期経営計画は、
利益なき株主還元。かつ論理
的にも矛盾
■久美子社長は、環境変化に
敏感である
事業環境変化
への対応
■直近 5 年間、環境変化に適
応できず業績低迷を招いたのは
久美子社長本人
以上
i
http://release.vfactory.jp/release/38184.html
ii
ISS は平時の株主総会から、招集通知以外に入手可能な資料があれば、その情報に基づいて独立性分析を行っています。
iii
https://www.issgovernance.com/file/policy/iss-policy-update-announcement_japanese.pdf
iv
2015 年3月6日 日本経済新聞 「駆け込みの自社株買い、米助言会社が促す変革姿勢」より
v
久美子氏は、2015 年 3 月 12 日に従業員を集め、「勝久氏の提案に賛成するよう、社内で勧誘することはコンプライアンス上問題で、
就業規則にも反する」などと書かれた文書を配布し、その場で会社提案への賛成を求める活動を行っています。
10