サル前頭葉における LFP 周波数掃引

サル前頭葉における LFP 周波数掃引
東北大電気通信研 A, 東北大医 B, CRESTC
坂本一寛 A, 川口典彦 B, 八木耕平 B, 虫明 元 B,C
LFP frequency sweep in the frontal lobe of monkeys
AR.I.E.C. Tohoku Univ., BDept. Physiol. Tohoku Univ. School of Medicine, CCREST.
K. SakamotoA, N. KawaguchiB, K. YagiB and H. MushiakeB,C
脳波や LFP(local field potential)の研究が,非線形振動の観点で盛んになってきた.脳波/LFP で
は δ, θ, α, β, γ 等の異なる周波数帯が区別されており,それぞれ個別に発生機構や機能が議論され
てきた.しかしながら,優勢な周波数帯が変化する現象やその意義についてはほとんど議論が
ない.ここでは,サル前頭葉における LFP の周波数掃引現象と思われる予備的な実験結果につ
いて報告する.
ニホンザル 1 頭に新奇・形操作課題を訓練した.課題では,最初に提示したサンプル図形の
サイズ/向きに合致するよう,後から提示されるテスト図形をマニピュランダムによって操作
することを要求する.1 回の Go 信号で 2 倍拡大・2 分の 1 縮小,ないしは左右 45°回転が許さ
れ,最短で 2 手でテスト図形をサンプル図形に合致させることができる.本課題遂行中のサル
1頭,左半球の前頭前野および背側運動前野よ
り LFP を記録した.記録には 200μm 間隔で 15
個の記録点が並ぶ多重電極(U-probe; Plexon)を
用い、記録した信号を 1-475Hz のフィルタをか
け LFP を得た.LFP 信号に対しウェーブレット
解析を行い,運動準備期間(課題開始期,サン
プル図形提示期,遅延期,テスト図形提示期)
における LFP の周波数成分の時間変化を得,こ
Ventral Prefrontal Cortex
60
Hz
P=0.01
P=0.05
40
20
1
Rostral Dorsal Premotor Cortex
の解析区間全体の時間平均からの差を評価した.
60
Hz
解析の結果、前頭前野においてはサンプル図
40
形提示直前の数百ミリ秒に α→θ→δ という周波
数降下が,背側運動前野においては,課題開始
期から遅延期の数秒にわたるγ→θというゆっく
りかつ簡潔的な周波数降下が,特徴的に見られ
た.このような現象の意義について考察する.
20
1
-1
1s
1 -1
Test On
Sample On
図:運動準備期間の前頭前野(上)及び背側
運動前野の LFP ウェーブレットスペクトル