「有機機能材料のリソグラフィ加工コンソーシアム」設立趣意書

「有機機能材料のリソグラフィ加工コンソーシアム」設立趣意書
京都大学大学院工学研究科
2014 年 12 月吉日
教授 田畑 修
1980 年代から注目されるようになった MEMS 技術は、材料の多様化、加工の微細化、応用分野の多様化を伴
いながら深化し、産業の基盤技術としての地位を固めてまいりました。MEMS の深化を支える基幹技術の中でリ
ソグラフィ技術は常に最も重要な技術として位置付けられてきました。レジスト技術は厚膜化のみならず MEMS
の構造材料および機能材料として発展を続けています。レジスト塗布方法は、オーソドックスなスピンコートに
加えてスプレーコートや電解コートなど 3 次元加工を施した基板上への各種塗布方法が提案されています。また
露光技術は光源の多様化、短波長化のみならず移動マスク露光、マスクレス露光などの多様な方式が提案されて
おります。これらの新規な要素技術を応用した製品もセンサ・アクチュエータから iPS 細胞培養基板など物理、
化学、バイオ、医療と多様な分野に展開しています。
MEMS 分野に関わる材料メーカー、装置メーカー、応用製品開発メーカーはいずれも自社技術の競争力を高め、
他社との差別化をするために、研究開発における選択と集中が求められており、特化した製品分野における高い
技術開発が必要とされています。しかし一方で、例えばリソグラフィを例にとると、レジストを基板塗布して露
光、現像するという一連のリソグラフィプロセスの中の個別要素技術の開発には、一連のリソグラフィプロセス
全体、さらにはエッチングなどの後工程も含めた全体工程の中で自社技術を評価することも必要です。しかし要
素技術の多様化に伴って、個々の材料メーカーや装置メーカーが一連の工程を実施しながら技術課題を見つけて
製品開発に反映させる、あるいは一連の工程に関連する技術の研究開発動向を見極めて自社の新しい研究開発方
向を定めることは加速度的に困難になりつつあります。
かねてよりこのような状況は、リソグラフィプロセスに関わる複数企業と大学が協力し、調査・情報交換を行
うことで次世代の研究開発動向を見極めると共に、共同で基礎技術の研究開発を行い、その成果を共有するコン
ソーシアムを設立する事で打開できると考えておりました。幸い、2011 年春に京都大学に設置された京都大学ナ
ノテクノロジーハブ拠点は最先端の高価な微細加工機器を揃え、企業や大学が必要に応じてハブに設置された複
数の機器を組み合わせて利用できる体制を整えています。様々なレジストコータ、露光機、エッチング装置がそ
ろっており、一連のリソグラフィプロセス全体やエッチングなどの後工程も含めた一連のプロセスを 6 インチウ
エハで実施することができます。そこで、このナノテクノロジーハブ拠点の設置を契機として、このたび「有機
機能材料のリソグラフィ加工コンソーシアム」を設立します。このコンソーシアムは、MEMS 分野に関わる企業、
特にリソグラフィに関連するプロセス技術開発に関心を有するレジスト、感光性材料、露光機、MEMS 製品の各
メーカーをメンバー企業とするコンソーシアムで、以下の活動を行います。
(1)
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年 4 回(3・6・9・12 月)の定例会議
MEMS に関連する研究者の講演
BReeD FUTURE(未来を育む Business・Research・Development の最前線について議論)
MEMS/ナノ・マイクロ加工技術に関連する国際会議での発表内容紹介
要素技術研究成果の発表
コンソーシアムメンバーからの情報発信、メンバー間での情報交換
意見交換会(懇親会)
(2) ナノテクノロジーハブ拠点を利用した要素技術研究
・ 会員メンバーの希望に基づく研究テーマ設定と会員企業からの寄附金を活用した研究開発の実施。会員メ
ンバーには得られた研究成果を全て開示します。
コンソーシアムの主旨にご理解・ご賛同をいただきまして、是非とも「有機機能材料のリソグラフィ加工コン
ソーシアム」にご参加下さいますようお願い申し上げます。なお、コンソーシアム会員企業には、会費として寄附
(年間 1 口 40 万円)をお願いいたします。
申し込み、お問合せ先
「有機機能材料のリソグラフィ加工コンソーシアム」事務局
Tel: 075-383-3693、Fax:075-383-3738
Email:[email protected]
HP:http://www.nms.me.kyoto-u.ac.jp/labintro/litho-conso/main.htm
Ver. 4 (Dec. 2014)