(MEMS)の新機械特性試験法を開発(米国) - 新エネルギー・産業技術

NEDO海外レポート
NO.1019,
2008.3.19
【産業技術】 情報技術
微小電気機械システム(MEMS)の新機械特性試験法を開発(米国)
新しい微小電気機械システム(MEMS)を、設計、構築するエンジニアや研究者は、MEMS
の重要な機械的性質である弾性値を測定するために、米国標準技術研究所(NIST)で開発さ
れた新しい試験法で恩恵を受けることができる。
この新しい試験方法は、MEMS デバイスだけでなく集積回路中の半導体素子の薄膜の
「ヤング率」を決定する。1727 年以来、科学者とエンジニアは、与えられた材料の剛性の
基準としてヤング率を使用している。歪み(梁が圧縮した量)に対する応力(梁の両端を押す
時の単位面積当りの力)の比として定義される、ヤング率は、材料の負荷の下での挙動を計
算することを可能にする。
ヤング率は、ワイヤーが引張力の下で伸びる長さ、あるいは薄膜を座屈させる圧縮力を
予測できる。異なった場所で測定されたヤング率が同一であることを保証するのに必要で
あり、この重要なパラメーターを決定する標準的方法は、特に半導体産業での MEMS デ
バイスの設計、製造ならびに試験をする人々の手に入りにくかった。
NIST チームは、最近、米半導体製造装置材料協会(SEMI:Semiconductor Equipment
and Materials International)標準 MS4-1107「梁の共振周波数に基づいた薄い反射フィル
ムのヤング率測定の試験方法」の開発に取り組みを結集した。
この新しい標準は、MEMS 材料で使われるような薄膜に適用され、その表面の運動を非
接触測定のために光学振動計あるいは同等の計測器を使用して画像化する。特に、測定は、
振動中の薄膜層で構成される共振中の片持ち梁で行われる。振動が最大振幅(あるいは最大
速度)に達する周波数が共振周波数であり、その周波数が薄膜層のヤング率を計算するため
に使用される。
グループは、さらに光学的な干渉計で得られたデータから、特定の薄膜特性を決定する
ために使用可能な、特別のウェブ基盤「MEMS 計算機」(http://www.eeel.nist.gov/812/teststructures/MEMSCalculator.htm)を開発している。
薄膜層に対する、ヤング率の値および残留歪(ASTM 国際標準 E 2245 を使用)のデータ
は、残留応力の計算に導く。それは次に、半導体メーカーが回路設計戦略、製造システム、
および後加工方法の開発を可能にし、エレクトロマイグレーション、応力移動および層間
剥離からの故障の頻度を低下させることによって製造歩留まりを増加させる。
(出典:http://www.nist.gov/public_affairs/techbeat/tb2008_0108.htm#test )
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