日本カウンセリング学会第 48 回大会 研修会のご案内

2015 年 3 月発行
日本カウンセリング学会「認定カウンセラー養成カリキュラム」準拠
日本カウンセリング学会第 48 回大会
研修会のご案内
〔日 程〕 2015年8月28日(金) 13:00~18:00(修了認定試験を含む)
〔会 場〕 IPU・環太平洋大学 第1キャンパス (〒709-0863 岡山市東区瀬戸町観音寺 721)
*JR 山陽本線 東岡山駅(岡山駅から 3 駅)より車で 5 分
東岡山駅北口からシャトルバス運行予定。詳細はホームページでご案内します。
Ⅰ.研修プログラム
◆定員 各講座50名 (先着順)
研修タイトル
コース
A
講
実感の概念化によるカウンセリング
-人間性心理学的アプローチ-
師
松本 剛(兵庫教育大学)
(A.カウンセリング心理学)
B
グループアプローチの実際
-グループアプローチをクラスづくりに生かす際のポイント-
住本 克彦(環太平洋大学)
(C.カウンセリング演 習 )
C
D
不登校問題の未然防止と登校支援の方法
(E.カウンセリング諸領域)
ブリーフ・カウンセリングの理論と事例演習
- 時間制限カウンセリングを中心に -
(A.カウンセリング心理学)
E
F
G
認知行動カウンセリングの基礎と実践
(A.カウンセリング心理学)
いじめ対応におけるカウンセラーの役割
(E.カウンセリング諸領域)
“人間関係づくりプログラム”の理論と実際
- 対人関係ゲーム入門 -
小林 正幸(東京学芸大学)
上地 安昭
(神戸カウンセリング教育研究所)
沢宮 容子(筑波大学)
新井 肇 (兵庫教育大学)
田上 不二夫(東京福祉大学)
(C.カウンセリング演 習 )
H
I
J
K
発達障害児・者の支援に活かすウェクスラー式知能検査結果
(B.カウンセリング・アセスメント)
質的研究を学ぶ — グラウンデッドセオリーに焦点を当てて
描画を用いたカウンセリングの実際
(A.カウンセリング心理学)
マイクロカウンセリグ入門
(A.カウンセリング心理学)
隈元 みちる(兵庫教育大学)
岩壁 茂(お茶の水女子大学)
相馬 誠一(東京家政大学)
玉瀬 耕治(帝塚山大学)
※各コース先着順となります。定員になり次第締め切りとなりますのでご了承ください。
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Ⅱ.参加申込について
1.
参加費用
(1)日本カウンセリング学会会員
(2)非会員
2.
①一般、院生 7,000 円
6,000 円
②学部学生 3,000 円
申込み手続き : 当大会では当日の混乱を避けるため、インターネットによる事前登録を行います。簡単な入力で
お支払い手続きまで完了しますので、是非ご利用ください。手続きはインターネット申込みが優先されます。
① 大会ホームページの「研修会ご案内」ページの「参加申込み」ボタンより登録システムにお入りください。
② 個人情報 →参加コース選択→支払方法選択 の順で登録いただきますと、登録いただいたメールアドレス宛
に受付番号が送付されます。
※インターネット環境がない場合は、大会 1 号通信の「事前参加申込書」にて、FAXでお申込みください。
※手続きには会員番号が必要となりますので、あらかじめご用意の上、お手続きください。
※定員に達しないコースは締め切り後でも受付いたしますので、事務局までお問い合わせください。
申込受付期限:2015 年 6 月 30 日(火) 18:00 まで
3.
お支払い方法 : 以下のいずれかにてお支払いが可能です。
①クレジット払い : インターネット申込みにて、そのまま WEB 上で決済ができます。
②銀行振込み : ご請求額を確認の上、下記の大会口座にお振込みください。(伝票の発行はございません)
複数名一括や、登録者以外の名義でのご入金の場合は、必ず大会準備事務局までご連絡ください。
やしろ
みなと銀行 社 支店(店番号 325) (普通)3932411
「日本カウンセリング学会第 48 回大会準備委員長 新井肇」
(ニホンカウンセリングガツカイダイヨンジユウハチカイタイカイジユンビイインチヨウアライハジメ)
諸費用をお支払いされた方には、メールまたはFAXにて「参加申込受付票」が送付されますので、大会当日にご持
参ください。振込明細は念のため保管してください。
4.
お支払い期限 : 2015 年 6 月 30 日(火)
※期限までに納入が確認できない場合は、登録はキャンセルとなります。
※一度納入された諸費用の返金はできませんので、ご了承ください。
※参加登録を行なわず、納入だけされても登録受付となりません。必ず登録の後、ご入金ください。
5.
修了証について
受講者には、当日講座終了後、日本カウンセリング学会理事長の修了証が発行されます。ただし、規定の5時間
を受講され、各研修会の修了認定試験の合格者に限らせていただきます。修了証は、日本カウンセリング学会・
認定カウンセラーの研修ポイントになります。ポイントの申請については、学会事務局へお問合せください。
また、臨床心理士有資格の更新ポイント、学校心理士資格更新 B 該当単位(申請中)としても認められます。こち
らの詳細は申請先の各学会にお問合せください。
〔お問合せ先〕
日本カウンセリング学会第 48 回大会 大会準備事務局 (㈱プロアクティブ内)
〒650-0033 神戸市中央区江戸町 85-1 ベイ・ウィング神戸ビル 10 階
TEL:078-332-2505(平日 9:30~18:00) FAX:078-332-2506 E-Mail:[email protected]
本大会ではホームページを積極的に活用し、会員の皆様に迅速に最新の情報をお届けいたします。
大会ホームページ
http://www.pac.ne.jp/jacs48/
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研修会プログラム概要
A) 実感の概念化によるカウンセリング -人間性心理学的アプローチ-
松本 剛(兵庫教育大学)
人間性心理学の立場によるカウンセリングでは、「実感の概念化」による「自己一致」や「自分自身の受け容れ」「自分自身との和解」と
いったプロセスがよくみられます。このワークショップでは、実感に目を向け、そこから自分自身が見つけ出す自分自身への気づきにカウ
ンセラーがかかわるという立場のカウンセリングについて、体験を交えて考えてみたいと思います。ロジャーズの自己一致の概念や、フォ
ーカシングなどの理論を捉えなおして、そのような考えが実際のカウンセリングの場でどのように現実化されるのかについて、参加者の
皆さんと一緒に考えられればと思います。また、このような考え方を学校教育に活かす試みとして、児童生徒に「からだで感じることをこと
ばにしてみる」授業の試みとその成果を紹介したいと思います。学校教育の場に、カウンセリングの取り組みを活かす可能性についても
皆さんと一緒に考える時間になればと思っています。
B)グループアプローチの実際
-グループアプローチをクラスづくりに生かす際のポイント-
住本 克彦(環太平洋大学)
「SGE公認リーダー」の立場で、クラスづくりに生かす開発的カウンセリング技法(主にSGE)について解説し、その実際についても紹
介する。骨子は以下のとおりである。
(1)人間関係づくりのためのグループアプローチ:主に教育現場を中心にして。グループアプローチの効果:自己防衛しない援助的人間
関係づくり。
(2)SGEによる「生きる力」の育成:自尊感情の育成、人間関係力の向上で「生きる力」を育成。「心の教育」「命の教育」をベースにしたク
ラスづくり。
(3)クラスづくりに生かす際のポイント:SGEにおけるリーダーの在り方。まずはメンバーに「安心感」の実感を!
(4)SGE活用で不登校対応が変わる:不登校支援に有効なエクササイズ;「リフレーミング」「私の好きなこと」「私のお願い聞いて」「私の
人生の振り返り」等。
(5)リーダーとしてのスキルの向上:自己開示力の向上。よりよいクラスづくりのために。
C)不登校問題の未然防止と登校支援の方法
小林 正幸(東京学芸大学)
不登校の問題は、学校不適応、すなわち、子どもが学校に合わないことで生じます。不登校のきっかけとなることが、不登校が生じる要
因(発生要因)です。その要因の多くは、学校で起きていることです。発生要因にアプローチできれば、不登校は未然に防止できます。初
期対応でも、発生要因へのアプローチが大原則です。このことは学校関係者ができることがあります。否、それどころか、学校関係者にし
かできないことの方が多いのです。学校関係者はどのような意識を高めて、どのような組織を作り、どのように不登校を防いだら良いでし
ょうか?
一方、不登校が本格化すると、問題を深刻化させる要因(維持・悪化要因)が新しく生じます。深刻化させないために何をしたら良いの
でしょうか。また、再登校に向かわせるときに、どう働きかけたらよいのでしょうか。時間が限られますが、簡単な事例を元に、短時間で徹
底的に事例に寄り添うマッピング法と、100程度の支援策を見出す付箋法を体験していただきたいと思います。
D)ブリーフ・カウンセリングの理論と事例演習 -時間制限カウンセリングを中心に-
上地 安昭(神戸カウンセリング教育研究所)
時代のニーズに応え、クライエントの時間的・経済的負担の軽減と、クライエント自身の自己成長力(回復力)を活かす目的から、欧米
はじめわが国においてブリーフ・カウンセリングへの専門家の関心が年々高まってきています。本研修では、時間制限カウンセリングを
中心に、「ブリーフ・カウンセリングとは何か」「何故ブリーフ・カウンセリングか」「ブリーフ・カウンセリングの基本理論は」「ブリーフ・カウン
セリングの実践技法は」「ブリーフ・カウンセリングの効果は」、等について学習します。
さらに、時間制限カウンセリングの実践事例を通して、その具体的な実践技法について学び、実際に自らブリーフ・カウンセリング事例
へ取り組むための基本的実践技法を修得します。
(テキスト:上地安昭著「時間制限カウンセリング」 金子書房 2014)
E)認知行動カウンセリングの基礎と実践
沢宮 容子(筑波大学)
人間の認知、行動、情動、生理にかかわる問題の解決をめざす援助方法を総称して、認知行動カウンセリングといいます。認知行動
療法の基礎から実践までを、実習や事例を交えながら具体的に紹介いたします。今回の研修会では、クライエントの変化への動機づけ
を、クライエントの中から引き出し強めるためのコミュニケーションについても、お伝えしていきたいと思います。
認知行動カウンセリングには関心があったけれど、今まで学ぶ機会がなかった。本は読んだことがあるけれど、自分のカウンセリング
に生かすのはなかなか難しいと感じていた。そんな方々のご参加をお待ちしています。ぜひ一緒に学んでいきましょう。
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F)いじめ対応におけるカウンセラーの役割
新井 肇 (兵庫教育大学)
「いじめ防止対策推進法」が平成 25 年 9 月から施行され、地方自治体や学校は各々いじめ防止のための「基本方針」を策定し、平成
26 年 4 月から学校における運用が始まっています。いじめ被害の深刻な増幅がみられるなかで、社会総がかりでいじめと向き合おうとい
う決意が示されたものと考えることができますが、同時に、法制化は、本来私的責任領域の事柄であるいじめの制御のために公的介入
が行われるに至ったという点において、学校や教員、スクールカウンセラーのいじめ対応に質的転換を迫るものと捉えることができます。
今回の法制定の意義や社会的背景、また国の基本方針が求める学校やスクールカウンセラーの役割や課題等について検討することを
通して、いじめ問題に関する心理学的理解を深めるとともに、事例検討も交えながら対応の実際(いじめの未然防止や重大事態への対
処におけるカウンセラーの役割等)について考えてみたいと思っています。
G)“人間関係づくりプログラム”の理論と実際 -対人関係ゲーム入門-
田上 不二夫(東京福祉大学)
最近は、人間関係がさまざまな問題に関係していることが明らかになっている。そのようななかで、対人関係ゲームが一部の人に注目さ
れている。対人関係ゲームは、これまで発達障害、不登校など、いろいろな事例に適用され、その効果が確認されてきた。
人間関係の困難さは、ソーシャルスキル不足や高い評価懸念などによると考えられている。しかし、対人関係ゲームのオリジナリティは、
逆から考えるところにある。つまり、よい人間関係を実現できれば、ソーシャルスキルは容易に学習され、評価懸念は低下し、人間関係
の自己効力感は高くなり、対人不安は低減して、豊かな人間関係がうまれる。
今回は実習もまじえて、対人関係ゲームの理論と実際を学ぶ。
H)発達障害児・者の支援に活かすウェクスラー式知能検査結果
隈元 みちる(兵庫教育大学)
発達障害の有無や個々の特性を知るのに、心理アセスメント、特に知能検査の実施は必須といえる。しかし、実施された知能検査の結
果を日常の生活やの教育活動の中で活用できている例はあまり多くない現状があろう。ウェクスラー式の知能検査結果からは、本人の
得意・苦手が明らかになり、本人が毎日をより過ごしやすくなるヒントが多く詰まっていると考えられる。本研修では、Finn らの「治療的ア
セスメント」からヒントを得た、ウェクスラー式知能検査のフィードバック方法を解説する。さらに、知能検査になじみのない他の教員に対し
ての検査結果の伝え方や、他の教員の持つ本人についての情報とのすりあわせから支援を導くための協議方法について、受講者相互
の実習を行う。
*実際に知能検査を実施または結果を活用する立場にある方の受講をお願いします。
I)質的研究を学ぶ -グラウンデッドセオリーに焦点を当てて-
岩壁 茂(お茶の水女子大学)
質的研究は、日常の生活における人の主観的体験やある事象の流れなどを明らかにする研究です。語りからその個人の価値観や主
観的世界を理解し、様々な心理的現象の意味やプロセスを理解することを目指すカウンセリングの研究に非常に重要な役割をもってい
ます。「特定の心理的問題をもった人がどのような体験をしているのか」「教師は、生徒が不登校になったとき、どのような対応をしている
のか」などといったリサーチクエスチョンは質的研究が力を発揮できる射程にあります。近年では、カウンセリングや臨床心理学領域にお
いて語りをもとにした研究が増えています。本講座では、まず質的研究の基本的な考え方や質的研究方法のバリエーションについて実
際の研究例を挙げながら解説します。そして、インタビューをもとにしたデータ収集法を中心に説明し、グラウンデッドセオリー、テーマ分
析を元にしたデータ分析方法について実習的に学びます。
J)描画を用いたカウンセリングの実際
相馬 誠一(東京家政大学)
私は、この間、描画療法をカウンセリング現場や教育現場に活用できる方法を研究実践してきました。今回は、個別や合同のスクィグ
ル、スクリブル、コラージュなどを実際に経験しながら、日々のカウンセリング活動や教育活動に生かすための描画を用いたカウンセリン
グの実際を学んでいきましょう。
描画療法は、非言語的コミュニケーションとして豊かな関係作りをしていく過程としてとらえています。手軽に行なえて極めて有効な方
法です。子どもたちやクライエントさんらの「良さ」や長所を見つけ、支持と承認を与えることにより、心を開くことができます。キーワードは、
「真摯に、純粋に、まあるく、やわらかく、さりげなく」です。
参加者は、黒サインペン、クレパスかクレヨン、はさみ、スティックのり、いらなくなった雑誌を 3 から 4 点。持参してください。
K)マイクロカウンセリング入門
玉瀬 耕治(帝塚山大学)
カウンセリングの実践では、どのような理論的立場を志向するにしても聴く力が問われることになる。A.アイビイが提唱するマイクロカ
ウンセリングは、カウンセラー訓練プログラムの一つであり、マイクロ技法とよばれるさまざまな傾聴技法を一つずつ練習し、それを積み
上げることによって聴く力をつけていくものである。マイクロ技法階層表にはさまざまな技法が順序よく配列されており、一つの技法ごとに
解説、モデル視聴、練習、振り返りを三人一組で実習する。一組は聴き手、話し手、観察者で構成されている。参加者は一つの技法ごと
に順次三つの役割をとることによって、異なる視点から技法を理解することができる。技法群はより基礎的な基本的かかわり技法とより
高度な積極技法に大別されている。積極技法に進むのには多くの時間を要するが、この研修会では全体の概要を示すとともに、いくつ
かの基本的かかわり技法を実習していただくことにしている。
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