卒業式 校長式辞

砺波市⽴般若中学校
厳しい冬を乗り越えた中庭の梅が、旅⽴
ちの日を祝福するかのように咲き始めまし
た。四十三名の卒業生の皆さん、ご卒業お
めでとうございます。
本日は、砺波市⻑夏野修様をはじめ、多
数の来賓の皆様のご臨席の下、第六十⼋回
卒業証書授与式を挙⾏できますことに、⼼
より感謝申し上げます。
さて、卒業生の皆さん。この三年間は、
学習はもちろん、生徒会活動やボランティ
ア活動、部活動に、中味の濃い日々が続い
たことでしょう。特に今年度は、男⼦バス
ケットボール部が北信越⼤会の準々決勝ま
で進出し、吹奏楽部も富山県吹奏楽コンク
ールで⾦賞を受賞するなど、地域全体を元
気付ける活躍がありました。
私が特に印象に残っていることを、一つ
お話しします。それは、皆さんの「新たな
ことに挑戦しようとする姿勢」です。
例えば、⼆年生の一⽉に、皆さんが学年
で企画して開催した、五名の演奏家を招い
ての本格的なコンサート。十⼆⽉の進路学
習で聞いた話に感激した皆さんが、数多く
の難題を克服して実現に至りました。その
翌⽉に開催された、放課後のエアロビクス
講座も、野球部の冬場の活動の悩みを基に
部⻑会で企画されたものでした。来校され
た演奏家や講師の⽅々は、中学⼆年生がこ
んなことを企画できるのかと、とても驚い
ていらっしゃいました。自分たちでやりた
いことを⾒付け、前例のないことであって
も、困難を乗り越えて実⾏に移していくと
いう姿勢は、その頃から輝き出しました。
三年生では、その姿勢が花開きました。
運動会の応援合戦では、従来のように音楽
を流さず、自分たちの声と動きだけで新た
な応援を創り上げることを決めました。ま
さに⼤転換です。⼤変な苦労をしていまし
たが、終わったあとの感動もひときわ⼤き
かったことが、閉会式やその後のセレモニ
ーの姿から伺えました。学習発表会では、
一人一人の新たな姿を引き出すことに重点
を置いて企画された、生徒会ステージが印
象的でした。友達の勧めもあって初めてそ
のステージに参加したある人は、作文に「九
年間で一番疲れたと同時に、一番楽しい学
平成26年度卒業式
式辞
習発表会でした。この時間がもっと⻑く続
け ばいい のにと思いました。」 と記してお
り、目指したものが⾒事に具現化し、まさ
に般中生の花が咲き誇ったことが伝わって
きました。
皆さん、「成功」の反対とは何なのでし
ょ うか。「失敗」だと言えば、確かにそう
かもしれません。でも、失敗は次につなが
るものであり、すばらしい成果です。
私は、⼆年間を皆さんとともに過ごし、
今 、「『 成 功 』 の 反 対 は 『 挑 戦 し な い 』 こ
とである」と、自信をもって言えます。新
たなことに挑戦し、困難や失敗を乗り越え
るからこそ、自分を前向きに変えられるの
です。
私たちは、生きていく中で、楽しいこと
やうれしいことはもちろんありますが、苦
しいことやつらいこと、理不尽だと思うよ
うなことのほうが、ずっと多いと思います。
つ まり、「困難や失敗をどう乗り越えられ
る か」「 どんなときもプラス思考ができる
か」が問われるのです。苦しいときにも、
⻑い目で自分を⾒据え、前向きに挑戦して
乗り越えていきましょう。
苦労を重ねた人ほど、それを表に出しま
せん。そして、さりげなく周囲を元気づけ
ます。皆さんには、ぜひそんな人になって
ほしいです。
保護者の皆様、お⼦様のご卒業、おめで
とうございます。ここに至るまで、各ご家
庭には、十五年間にわたる様々な家族のド
ラマがあったことと思います。本日は、そ
んなお⼦様の晴れ姿に、喜びもひとしおの
ことでしょう。
私たちは、皆様と共に⼒を合わせ、生徒
たちの⼒を引き出し⾼められたことを、う
れしく思います。皆様のご理解と温かなご
配慮に、⼼より感謝申し上げます。
卒業生の皆さん。皆さんの笑顔が、地域
を、砺波市を、日本を元気にします。般若
中学校で⾼めた⼒に誇りをもって、胸を張
って歩んでいってください。皆さんのます
ますの活躍を祈念して、式辞といたします。
平成⼆十七年三⽉十六日
砺波市⽴般若中学校
校⻑ ⻄島 健史