消費市場の拡大により更なる経済成長が期待できるアジア

2015年3月18日
楽読
(ラクヨミ) Vol.937
消費市場の拡大により
更なる経済成長が期待できるアジア
高い経済成長を続けるアジア(日本を除く、以下同様)では、全体的な所得水準の向上などに伴ない、中間所得
層や富裕層が拡大しています。アジア主要国*の中間所得層および富裕層の推移を見ると、2000年から2030年
にかけて、中間所得層は約7.7億人から約3.4倍の約25.8億人に、富裕層は約6,700万人から約7.5倍の約5.0億
人に増加すると予想されています。
一般的に、購買力や消費意欲が旺盛とされる中間所得層や富裕層は、電気製品や自動車などの耐久消費財、
衣料、嗜好品に加え、教育、医療、レジャーといったサービスに対して積極的に支出する傾向にあることから、消
費市場の拡大に大きく寄与すると考えられます。なお、アジア主要国*の年間消費支出は、2000年から2030年に
かけて約9.6倍に増加し、米国の消費支出を上回る水準に達すると予想されており、世界経済を牽引する巨大な
消費市場として注目されています。
近年のアジアでは、経済基盤であるインフラ整備などの「投資主導」から、生活関連分野である「消費主導」の経
済構造への転換に向けた取り組みが見られています。例えば、中国では以前から、大規模な公共投資による景
気下支えではなく、個人消費の押し上げにより、安定的で持続可能な経済成長を目指す姿勢が示されており、先
日開催された全国人民代表大会(全人代、国会に相当)でも、同様の方針が示されました。このように、新たな成
長ステージへの移行を受け、消費市場拡大の加速が見込まれることは、民間企業による設備投資の増加、海外
企業進出の促進、新たな雇用機会の創出や都市化の進展など、さまざまな側面から経済の好循環を生み出すと
考えられ 消費市場の拡大を背景とした更なるアジアの経済成長が期待されます。
考えられ、消費市場の拡大を背景とした更なるアジアの経済成長が期待されます。
*アジア主要国:中国、香港、インド、韓国、台湾、ベトナム、ASEAN5(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)
アジア主要国*の中間所得層および富裕層の推移
(億人)
(2000年~2030年、2015年以降は予想)
(兆米ドル) (2000年~2030年、2015年以降は予想)
18
30
中国
25
アジア主要国*の年間消費支出の推移
約3.4倍
20
16
インド
ASEAN5
14
その他
12
約9.6倍
中国
インド
ASEAN5
その他
2030年の
アジアの消費支出は
米国を上回ると
予想されています。
10
15
8
6
10
約7.5倍
4
5
2
0
0
00年
15年
中間所得層
30年
00年
15年
富裕層
30年
※中間所得層:世帯年間可処分所得が
5,000米ドル以上35,000米ドル未満の家計人口
富裕層:世帯年間可処分所得が35,000米ドル以上の家計人口
00年15年30年
00年15年30年
00年15年30年
アジア主要国*
(ご参考)
米国
(ご参考)
日本
Euromonitor Internationalのデータをもとに日興アセットマネジメントが作成、予想はEuromonitor Internationalによるもの
※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
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