平成27年3月17日 一般財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 会場整備局長 福島 七郎 様 一般社団法人 東京建築士会 一般社団法人 東京建築士事務所協会 公益社団法人 会長 日本建築家協会関東甲信越支部 中村 勉 会長 支部長 大内 上浪 達史 寛 (以下 押 印 省 略) 「有明体操競技場」におけるDB一括発注方式への要望書 早春の候、貴職におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 先般は、有明体操競技場の発注方式等につきましてご説明の場を設けていただき、誠にあ りがとうございます。その際貴職より本施設の整備においては、全体工程の短縮が最重要課 題でありそのためには、都発注の二施設と同様のDB一括発注方式を採用する考えである事 をご説明いただきました。それに対しまして私ども東京三会建築会は、東京都と以下のよう な協議を重ねて参りましたため、それにつきまして貴委員会にも是非ご説明の機会をいただ けますことを要望いたしたいと考えております。 今回ご説明いただいたDB一括発注方式においては、基本設計者はその業務完了後はアド バイザーの立場に変わり、DB受注者決定後に別の実施設計者が設計業務を継承するという ことでした。その場合、以下のことを懸念しております。 ① DB受注者決定までの期間は、設計業務が止まることとなる。 ② 設計上の詳細な与条件が正確に伝わらないことによる無駄の発生により、全体工程の 短縮につながらない。 ③ 発注主の要望に対し一貫した対応が取れない。 ④ 基本・実施・工事の各段階での要望や追加・変更に迅速かつ適切に対応できない。 ⑤ 設計者が建築物の設計思想について説明責任を果たし得なくなることに加え、我が国 建築文化の発信の場として東京オリンピック・パラリンピック競技大会を活用する機 会が失われるという残念な結果にもつながりかねない。 これらの懸念事項に対応するために、東京三会建築会といたしましては、東京都のDB一 括発注方式と同様に貴委員会からの発注におきましても、基本設計者が最後まで一貫して実 施設計・工事監理に関わることにより発注者を支える体制となる方式を採用されますことを 要望いたします。 東京三会建築会では、これまでに多様な契約方式に関する蓄積と経験を持っており、貴委 員会には有明体操競技場以外の施設におきましても、是非、それらをお役立ていただきたい と考えております。また、各団体の全国組織にても議論を重ねておりますので、それらを含 めまして東京三会建築会は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功を全面的に 支援させていただく所存でございますので、今後も引き続き協議の機会をいただきたくお願 い申し上げます。
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