2015 年 3 月 19 日 報道関係各位 がんと診断された時からの緩和ケアの実現を目指して がん患者さまの抱える「4 つのつらさ」に耳を傾け、緩和ケアに活かす シオノギ「つらさ軽減プロジェクト」を本格展開 日本人の 2 人に 1 人が、がんになるといわれる時代。2012 年のがん対策推進基本計画では社会 全体でがん患者さまやご家族を支える取り組みを通じて、がんになっても安心して暮らせる社会の 構築が目標とされ、「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が重点的に取り組む課題に位置 づけられています。 緩和ケアの対象は、がんや治療に伴う痛みや苦痛などの「身体的なつらさ」だけでなく、不安や いらだち、うつ状態といった「精神・心理的なつらさ」、経済的な問題や仕事や家庭の悩みといった 「社会的なつらさ」、そして、死への恐怖や自責の念などの「スピリチュアルなつらさ」が含まれます。 塩野義製薬が、2014 年 7 月にがん患者さま 293 名 1を対象に実施した「がん患者さまがつらさとど う向き合っているかの実態調査」では、抗がん剤治療期間中に、患者さまの 7 割が「疲れ・だるさ」を、 5 割が「髪の毛が抜ける」「吐き気やおう吐」「皮膚や爪の異常」「便秘」「味覚異常」などの身体的つら さを経験しています。また、「不安がある」「精神的につらい」などの精神・心理的なつらさを 6 割が、 「経済的につらい」という社会的なつらさを 6 割の患者さまが経験していることが分かりました。 Q.抗がん剤による治療期間中に、以下にあげる状態を経験したことがありますか? 経験したそれぞれの項目で最も当てはまるものを、3 つの選択肢から 1 つずつお選びください(SA) おおいに経験した 疲れる・だるい 44% 不安がある 味覚がおかしい 10% 57% 28% 22% 0% 55% 26% 13% しびれがある 48% 31% 17% むくみが出る 48% 32% 14% 身体に痛みがある 48% 25% 20% よく眠れない 47% 36% 27% 便秘がある 47% 15% 16% 皮膚や爪に異常が出る 42% 25% 38% 吐き気やおう吐がある 37% 36% 28% 髪の毛が抜ける 34% 29% 22% 58% 19% 20% 30% (n=293) 25% 39% 34% 経済的につらい まったく経験しなかった 31% 27% 精神的につらい 1 少しは経験した 59% 40% 50% 60% 70% 2011 年以後に抗がん剤治療を 1 ヵ月以上経験しているがん患者さまを対象に実施 80% 90% 100% では、患者さまは、このような様々な「つらさ」を治療中の医師や看護師に伝えたのでしょうか?「吐 き気やおう吐」「便秘」などの身体的なつらさについては 6 割が「我慢せずに伝えた」ようですが、「精 神的につらい」「不安がある」といった精神的なつらさについては 3 割、経済的なつらさに至っては 「我慢せずに伝えた」人は 2 割に満たないという結果となり、患者さまが、つらさを伝えにくい、我慢し てしまうという現状が垣間見えました。 Q.以下にあげるつらさをつらかったと回答した方にお伺いしました。 つらさを感じていたことを、治療中の病院の医師や看護師にあなたから伝えましたか?(SA) 伝えずに我慢した 吐き気やおう吐がある(n=128) 便秘がある(n=105) しばらく我慢した後に伝えた 12% 26% 7% しびれがある(n=90) 47% 30% 47% 精神的につらい(n=158) 47% 31% 32% 不安がある(n=148) 50% 24% 23% よく眠れない(n=98) 51% 28% 29% 疲れる・だるい(n=172) 56% 23% 23% むくみが出る(n=70) 56% 31% 25% 味覚がおかしい(n=115) 58% 21% 13% 髪の毛が抜ける(n=115) 60% 27% 23% 身体に痛みがある(n=100) 63% 33% 16% 皮膚や爪に異常が出る(n=82) 我慢せずにすぐ伝えた 24% 53% 経済的につらい(n=132) 39% 20% 72% 0% 20% 30% 40% 27% 12% 60% 80% 16% 100% 医療が進歩し、長期間にわたって治療する患者さまも少なくない現在、患者さまのつらさをくみ 取り、ご家族や医療従事者がそのつらさを理解して軽減に取り組むことが、患者さまの治療への モチベーションの向上や、患者さまの生活の質(QOL)維持と向上のためにますます必要とされてい ます。 このような現状を受け、塩野義製薬では、がん患者さまの「つらさ」をトータルで捉え、つらさの 撲滅を目指して、患者さまのご家族や医療従事者が連携しながら患者さまをサポートする緩和ケア プログラム「つらさ軽減プロジェクト」を 2015 年度より本格的に展開いたします。 東京支店に創設したがん疼痛克服推進室・疼痛治療推進グループにおいて、啓発資材(つらさを 伝えるアプリなど)の開発などを通して、患者さまには 「つらさをすべて伝えて下さい」、ご家族には 「患者さまのつらさを理解し、ご家族からも伝えるサポートをして下さい」、医療従事者の方には 「つ らさが起こりうることを事前説明して下さい。そして、そのつらさに対処できることを患者さまに伝えて 下さい。」というメッセージを発信してまいります。 さらに疼痛治療推進グループ内に新たな専門チーム・SWAT を創設し、これまで 25 年にわたり 取り組んできた「がんの痛みからの解放」を目指した活動を進化させます。SWAT は東京都を中心と したがん診療連携拠点病院を担当し、がんと診断された時からの疼痛治療の推進を目指し、緩和 ケアチームを中心とした情報提供活動を展開してまいります。 [お問合せ先] 塩野義製薬株式会社 広報部 大阪 TEL:06-6209-7885、 東京 TEL:03-3406-8164 『患者のつらさ実態調査』結果は、弊社ホームページ上で公開しております。 URL http://www.shionogi.co.jp/static/tsurasa1503.pdf □「つらさ軽減プロジェクト」概要 ●実施時期 2015 年 4 月よりスタート ●実施内容 1.映像コンテスト実施 世界 94 ヵ国 29 万人のクリエーターを対象に、「がん患者さまが医師や愛する人たちに 痛みを訴え、より良い治療を受けられるように働きかけましょう」をテーマにした啓発映像 (ビデオまたはアニメーション)のコンテストを開催。 入賞作品は・・・・当社HPおよび YouTube などで公開予定。 ○募集期間 2015 年 2 月 4 日~3 月 25 日 ○審査・発表 4 月中旬予定 2.啓発ポスターの製作・掲示 2015 年 4 月~9 月の 6 ヵ月間にわたり、全国の拠点病院を中心に各施設で掲示を提案 3.つたえるアプリ、つたえるノート 患者さま・ご家族・医療従事者のコミュニケーションを活性化させるためのツールとして活用 ○つたえるアプリ(PC、スマートフォン対応) 配信 2015 年 7 月中旬より配信予定 ○つたえるノート 2015 年 8 月より配信予定 配信 4.疼痛治療推進グループ 専門チームの配置 SWAT (Special Working team to Activate Therapy of cancer pain relief) がん患者さまを苦痛から解放するために創設された専門チームであり、がんと診断された 時からの疼痛治療をトータルに提案し、最終的には除痛指標の作成・合意・改善を目指す。 ※現在、東京・神奈川のがん診療連携拠点病院において 5 名で活動を展開中
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