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過労死を助長する「残業代ゼロ」制度導入に反対し,残業時間の
規制強化を求める意見書
安倍政権は「高度プロフェッショナル制度」と称して,どれだけ働いても
残業代を払わなくてよい制度を導入しようとしている。
「高収入の人に限定」とされているが,対象が拡大していく危険性は否定
できない。「残業代ゼロ」制度を盛り込んだ労働基準法改悪について労働政
策 審 議 会 が 厚 生 労 働 相 に 建 議 し た と き の 額 は 「 1,075 万 円 」 で , そ れ に 基 づ
く法案要綱には,年間平均給与額の3倍を相当程度上回る労働者がその対象
となることが明記されている。しかし,厚労省のホームページに出された
「 要 綱 の ポ イ ン ト 」 で は , 「 少 な く と も 1,000万 円 以 上 」 を 満 た す 労 働 者 と
説 明 さ れ , 早 く も 対 象 者 が 拡 大 さ れ て い る 。 経 団 連 は 「 年 収 400万 円 以 上 」
を提言しており,一旦導入されれば法令を変えるだけで,対象はどんどん広
がることになる。
首 相 は 年 「 104日 以 上 の 休 日 」 で 「 健 康 管 理 」 す る と 述 べ て い る が ,
「 104日 」 で 休 め る の は 週 2 日 分 だ け で , お 盆 も 正 月 も ゴ ー ル デ ン ウ イ ー ク
も な い 。 残 り の 「 261日 」 は 無 制 限 の 長 時 間 労 働 を 強 い ら れ る こ と に な る 。
今でも,日本の残業時間はヨーロッパに比べて異常に長いものとなってい
る 。 「 過 労 死 ・ 過 労 自 殺 」 は , 15年 で 4 倍 に ふ え て い る 。 E U の 「 労 働 時 間
指 令 」 で 「 時 間 外 を 含 め 週 48時 間 」 と 厳 密 に 規 制 さ れ る ヨ ー ロ ッ パ に 対 し て ,
日本では労使が「三六協定」を結べば,自由に残業時間が決められるという
抜け穴があり,むしろ,規制を強化することこそ求められている。
よって調布市議会は,政府に対して以下の点について求めるものである。
1
「 残 業 は 月 45 時 間 ま で 」 と す る 大 臣 告 示 を 法 律 と し , 法 的 拘 束 力 を 持 た
せること。
2
残業代ゼロの「高度プロフェッショナル制度」の導入を断念すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年 3 月
日
調布市議会議長
林
明
提出先
内閣総理大臣
参議院議長
厚生労働大臣
経済産業大臣
衆議院議長
裕