ハトシェプストの黄金時代

ハトシェプストの
黄金時代
プントの富
ハトシェプストは そ の 治 世 の 初
期に、アフリカの紅海沿岸にあ
ったと考えられるプントに交易船
団を派遣した。船団が戻ってく
ると、カルナク神殿の神官は目
もくらむばかりの品々を王に献
上した。王はそのすべてを自分
の守護神アメンに捧げた。
新王国時代の初期の王たちは、盛んに軍
事遠征を敢行した。その後に支配権を握っ
たハトシェプストは、国土を復興し、平和の
時代を築こうとした。戦乱で傷んだ神殿を
聖蛇ウラエウスのつい
た、ネメスと呼ばれる
頭巾をかぶっている。
改修し、新しい建築物を造営し、アスワン
産の花崗岩でオベリスクを建てた。周辺国
との交易を再開し、レバノンから杉材、シ
ナイ半島からトルコ石、そしてプントからぜ
いたく品の数々を、エジプトに運ばせた。
アメン大司祭
は、特徴的な
ヒョウの 毛 皮
を身にまとう。
地 地中 中海 海
供物の上で、セケ
ムと呼ばれる王笏
(しゃく)を振るう。
アレクサン
アレクサン
ドリア
ドリア
下 下エ エジ ジプ プ
トト
カイロ
カイロ
ミト・
ミラ
ト・
ヒーナ
ラヒーナ
(メ(メ
ンフンフ
ィス)
ィス)
シシ
ナナ
イ半
イ島
半島
湾
ズ 湾
エ
ズ
ス
エ
ス
肥沃な土地
肥沃な土地
エル=ファイユーム
エル=ファイユーム
・ ・
オアシス
オアシス
セラビ
セラビ
ト・ト・
エル=カディ
エル=カディ
ムム
ベニ
ベニ
・ハッサン
・ハッサン
スペオス
・アルテミ
・アルテミ
ドス
ドス
エル=アシ
エル=アシ
ュムネイ
ュムネイ
ン ンスペオス
ハトヌブの
ハトヌブの
アラバスター採石場
アラバスター採石場
川
ル
イ
ナ ル川
イ
ナ
キス
キス
上 上エ エジ ジプ プ
トト
西西
部部
砂砂
漠漠
紅 紅海 海
カルナク
カルナク
(右の再現図)
王家の谷
王家の谷(右の再現図)
デイ
デイ
ル・ル
エル=バハリ
・エル=バハリ
テーベ
テーベ
メディ
メディ
ネトネ
・ト
ハブ
・ハブ (ルクソール)
(ルクソール)
アルマン
アルマン
トト
エル=カブ
エル=カブ
コム
コム
・エル=アハマル
・エル=アハマル
ジャバル
・エル=
・エル=
エドフ
エドフ ジャバル
シルシラの砂岩採石場
シルシラの砂岩採石場
拡大図の
拡大図の
範囲
範囲
コム
コム
・オンボ
・オンボ
アスワン
アスワン
テーベ
テーベエレファ
エレファ
ンティ
ンティ
ネ島
ネ島 アスワンの
アスワンの
花崗岩採石場
花崗岩採石場
アフリカ
アフリカ
下 ヌビ
下 ヌビ
アア
エル=ダ
エル=ダ
ッカ
ッカクバーン
クバーン
スーダンが
スーダンが
主張する国境
主張する国境
エ ジプト
エ ジプト
ファラス
ファラス
カスル
カスル
・イブリ
・イブリ
ーム
ーム
スーダ
スーダ
ン ンブーヘン
ブーヘン
セムナ
セムナ
サイ
サイ
ヌヌ
ビビ
アア
砂砂
漠漠
ハト
ハト
シェプス
シェプス
トの
トの
建造物がある場所
建造物がある場所
海岸線と川は当時の状
海岸線と川は当時の状
態。現在の国境と地名
態。現在の国境と地名
は灰色で表示した。
は灰色で表示した。
50 50
0 km0 km
石造りの遺産
ハトシェプストは、ナ
イル川流域とシナイ
半島に多くの建造物
を造営した。特に、
カルナク神殿などが
ある都、テーベでの
事業は多い。
王 家の書 記が、
王に献上される
貢ぎ物の数々を
記録する。
プントから運ばれ
たのは、輪型の金
塊(右)
、香辛料、
象 牙、コクタン、
乳香をとるための
ミルラの 木、ヒョ
ウの毛皮、生きた
ヒヒなど。
FERNANDO G. BAPTISTA AND
AMANDA HOBBS, NG STAFF
SOURCE: W. RAYMOND JOHNSON,
ORIENTAL INSTITUTE OF THE
UNIVERSITY OF CHICAGO
MAP: CHARLES BERRY
付け 髭もファラ
オのスタイルに
欠かせなかった。
トトメス 3 世 は、公 式
の 祭 儀 で は、共 同 統
治者としてハトシェプ
ストと並んで立った。