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第 36 回データ保護プライバシー・
法執行の協力に関する決議
コミッショナー国際会議
国境を越えたデータ流通がいかに拡大しているかを示す事案が増え、こうした国境を越え
たデータ流通に関して国内及び多国間組織の行為が世界中の多数の個人のプライバシーに
急速にマイナスの影響を与えかねず、それゆえ、国境を越えたデータ流通の増加はプライバ
シー監督機関間の国境を越えた情報の共有と法執行の協力の拡大を伴い、同時に、重要な公
益に資する、当該情報の共有と法執行の協力はプライバシー・データ保護の遵守を確保する
不可欠な要素であることに留意し、
下記の第 29 回、第 33 回、第 34 回及び第 35 回会議の決議並びに第 27 回会議のモントル
ー宣言を想起し、

本国際会議のメンバーは、特に情報交換を拡大し、監督活動の国際的な協力と協調を支
援し、世界中でデータ保護を強化するために国際組織と連携する取組を更に強化する
ことが奨励される。

プライバシーを保護する法律の執行における国際協力に関する経済協力開発機構
( OECD ) 勧 告 ( OECD Recommendation on Cross-Border Cooperation in the
Enforcement of Laws Protection Privacy)の採択が歓迎される。
第 33 回会議が、協力を促進する枠組みを構築し、第 34 回会議に報告するための一時的作
業部会として国際法執行連携作業部会(International Enforcement Coordination Working
Group)を設置したことを想起し、
作業部会が 6 つの連携原則案を含む枠組みを報告したことに着目し、
さらに、第 33 回会議がプライバシー法執行と協調問題に関心を寄せる人々が少なくとも年
1 回、会合する機会を確保することを求めることを決議したことを想起し、また、モントリ
オール、ワシントン DC 及びマンチェスターにおいて継続会合の開催が取り決められたこ
とに着目し、
これらの会合が、会議のメンバーである法執行者が一堂に会し調査と法執行技術における
経験とベストプラクティスを交換し発展させる貴重な機会を提供し、その必要が継続して
いることを認め、
第 35 回会議が、法執行に関係する情報が、その情報の受取人によってどのように扱われる
1
べきであるかを含め、当該情報の共有を記載する多国間枠組みに関する文書に明記される
ように、国際的事案の取扱いと法執行の連携に係る共通したアプローチを他のネットワー
クと協力して策定することを、国際法執行連携作業部会に付託したこと、並びにこの作業が
情報を共有する既存の国内と地域の条件及び仕組みに取って代わったり、他のネットワー
クによる類似の取決めを阻害することを意図していないことを想起し、
第 31 回会議のメンバーが、第 32 回会議で採択された決議によってフォローアップされた、
個人データとプライバシーの保護に係る国際標準に関するマドリッド決議(Madrid
Resolution on International Standards on the Protection of Personal Data and Privacy)
を承認したことを想起し、
近年、APEC、第 29 条作業部会のデータ保護監督機関、OECD、欧州評議会、フランス語
圏当局ネットワーク、イベロアメリカン・ネットワーク、グローバルプライバシー法執行ネ
ットワーク(GPEN)などによる取組を含め、プライバシーを保護する法律の執行における
国際協力のための取決めの拡充が地域レベルと国際レベルで大幅に進展していることを踏
まえ、
とりわけ、GPEN Privacy Sweep といった協調的な国際法執行活動の組織を含め、GPEN
の作業による貢献を認め、また、本国際会議が世界中のデータ保護プライバシー・コミッシ
ョナーが協力して方針と共同行動を策定する、長期にわたり確立され認められているフォ
ーラムであることに着目し、
本国際会議と GPEN が、共にますます多くのメンバーを擁するようになり、世界的レベル
でプライバシーと個人データの保護を強化するという共通目標を共有し、また、法執行の国
際的な協力の拡充に取り組むことが時宜にかなっており、効率による益を得、双方の組織の
いずれかが他のネットワークと法執行に関する将来的な協議の可能性を排除することなく、
双方の組織とメンバーの利益となる作業の重複を回避することができることを認め、
様々な国・地域の個人情報の処理が関係する事案において、法執行の協力の拡充がプライバ
シー法執行機関の効率を高めると判断し、
よって、第 36 回データ保護プライバシー・コミッショナー国際会議は、引き続き、必要に
応じて、国境を越えた調査と法執行における効果的な協力を更に拡充するとともに、下記に
ついてもその取組を奨励することを決議する。
1.
グローバルな越境法執行協力取決め(Global Cross Border Cooperation Arrangement)
2
を、メンバー間の法執行に対する協力を拡充するとともに、全てのプライバシー法執行
機関が協定に参加することを更に促す基盤として認めること。
2.
一時的国際法執行連携作業部会に関し、その全ての作業について、第 33 回及び第 35
回国際会議で出された指令を達成したことを受け、その指令を終了させることを評価
すること。
3.
引き続き確実に、プライバシー・データ保護法執行と協調に関する問題に特に関心を寄
せる人々が毎年会合する機会を得るとともに、同会合がプライバシー法執行機関の法
執行者における経験とベストプラクティスの共有と進展に重点を置くことをデータ保
護プライバシー・コミッショナー国際会議運営委員会に付託すること。
4.
(前述の)取決め第 12~15 条に基づき承認された付託を、取決めへの潜在的参加者か
らの意思表示通知(notices of intent)への対応方法及び第 37 回会議においてこのこ
とを反映させるための会議の手続ルールの改正方法を含め、遂行することをデータ保
護プライバシー・コミッショナー本国際会議運営委員会に付託すること。
5.
法執行協力を拡充するための取組をより適切に連携する実行可能な選択肢と機会を検
討するために、GPEN、その他の関連ネットワークとの協議を始動すること、及び第 37
回会議に対するこれらの選択肢を報告することを運営委員会に追加的に付託すること。
6.
秘密情報を共有し、協調的な法執行措置の始動を促進し、更に国際法執行運営の枠組み
に価値を付加し、他の国際的な法執行連携の仕組みを補完するために、「安全なスペー
ス」を国際会議のメンバーとそのパートナーに提供する安全な国際情報プラットフォ
ームの開発を支援すること。
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