原子力発電所の安全確保等に関する意見書 原子力規制委員会は関西電力高浜発電所3・4号機について、新規制基準に適合する として、去る2月 12 日に原子炉設置変更許可を行い、これを受けて、事業者においては、 再稼働に向けた準備が進められるとともに、1・2号機についても運転期間延長に向け た特別点検が実施されている。 原子力発電所の再稼働については、国のエネルギー政策に深く関わることから、国が 責任をもって判断し、その説明責任を果たすべきである。 高浜発電所については、京都府は立地県以外で唯一府域に発電所から概ね5㎞圏内に あたる予防的防護措置を準備する区域(PAZ)を含んでおり、事故発生時には立地県 と同様の対応を行う必要がある。 このため、立地県においても、原子力発電所の定期点検後の再稼働に関する協定がな い中で、京都府においては、去る2月 27 日、事業者と立地県に準じた内容の「高浜発電 所に係る京都府域の安全確保等に関する協定書」を締結するとともに、京都府と緊急時 防護措置を準備する区域(UPZ)を含む関係7市町が「高浜発電所に係る地域協議会」 を設置し、事業者や原子力規制庁から安全対策や審査内容等について説明を受ける場と されたところである。 ついては、国におかれては、こうした状況を踏まえ、審査内容等について十分な説明 を行うとともに、広域避難対策の検討について積極的に関与することが求められるとこ ろであり、次の事項について適切な措置を講じるよう要望する。 1 国が高浜発電所3・4号機再稼働の判断を行うにあたっては、関係自治体に対して その安全性等について説明責任を果たし、理解を得ること。 2 国の責任において、原子力災害時の広域避難対策について、実効性ある計画が早期 に策定できるよう支援、調整を行うこと。 3 関係自治体の原子力防災体制の整備に関し、必要十分な財政措置を講じること。 4 原子力発電所の再稼働等に伴う自治体の権限と範囲等につき、速やかに法律による 定めを行うこと。 5 高浜発電所1・2号機の運転期間延長認可申請がなされた場合、老朽化した施設で あることを踏まえ、原子炉等規制法の原則に基づき、慎重かつ厳格な審査を行うこと。 特別点検を行っている事業者を適切に指導するとともに、審査内容等について、関係 自治体に対して、十分な説明を行い、理解を得ること。 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。 平成 27 年3月 13 日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 経済産業大臣 内閣官房長官 内閣府特命担当大臣(原子力防災) 資源エネルギー庁長官 原子力規制委員会委員長 町村 山崎 安倍 宮沢 菅 望月 上田 田中 信孝 正昭 晋三 洋一 義偉 義夫 隆之 俊一 殿 殿 殿 殿 殿 殿 殿 殿 京都府議会議長 多賀 久雄
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