継続的品質チェック SAP CQC Technical Performance Optimization サービス実施の情報シート ソリューションランドスケープは、コアビジネスプロセスの運用に関する基準となります。ランドスケープの 設定および管理の効率性は、ビジネスに直接影響を及ぼします。適切な管理および技術設定によっての み、最適なスループットでの円滑なソリューション運用が可能になります。SAP CQC Technical Performance Optimization サービスは、データベースのスループットを最適化することに重点を置いてい ます。 概要 主要な機能およびお客様にとっての価値 SAP CQC Technical Performance Optimization サービスは、お客様がシステムを最適に設定できるように支援す ることで、SAP ソリューションを向上させます。コストのかかるパフォーマンスボトルネックを特定して排除することに より、SAP ソリューションの応答時間およびスループットが最適化されます。 SAP CQC Technical Performance Optimization サービスでは、お客様に以下の利点を提供します。 業務量が増大しても、新たな投資を行わずに既存のハードウェアを使用して処理可能 生産性および安定性の向上 エンドユーザー満足度の向上 ハードウェアリソースの最適な使用による投資の最大限の活用 コストのかかるシステムダウンタイムのリスクの軽減 SAP からお客様側のテクニカルエキスパートへのナレッジトランスファー クリティカルな状態の早期検出およびエラー処理や問題の未然回避 計画外ダウンタイムの回避 SAP CQC Technical Performance Optimization サービスの基本コンセプトは、効率的な改善方法により技術的な 問題を解決して、SAP ソリューションを可能な限り最適な状態で運用できるようにすることです。 実施時期 以下に示す問題が 1 つ以上当てはまる場合、SAP CQC Technical Performance Optimization が役立ちます。 発生する可能性のある技術的な問題(パフォーマンスボトルネックや安定性の問題など)からソリューションを保 護する必要がある システム運用を阻害している既存の技術的な問題を特定し、それに対処する必要がある システムのデータベース応答時間が非常に遅い プログラムが実行時の要件を満たしていない、またはデータベース負荷を許容できないほど高めている 次回の変更(パフォーマンスクリティカルなプロジェクトの本稼働、新しいデータベース機能、ボリュームの増加、 ハードウェアの変更など)にプロアクティブに対策を講じる必要がある SAP CQC Technical Performance Optimization サービスは、本稼働システムおよび開発/品質保証システムを対 象とします。お客様と SAP にとって適切な実施を実現する大きな要因は、実施に先立って、要件または制約、目標、 スケジュール、および範囲について、可能な限り詳細に情報共有することです。明確化のために、お客様は別の日 程で事前分析を予約し、この分析に基づいて次のステップを検討した上で合意することができます。これは、最適化 サービスがどの領域に重点を置くか明確でない場合、特に有用です。 サービス実施の詳細 通常、SAP CQC Technical Performance Optimization サービスは、SAP のサポートコンサルタントによって、リモ ート接続を使用して提供されます。SAP Solution Manager はデリバリーツールとして使用されます。分析対象のシ ステムに ABAP スタックがない場合は、DBACockpit (ST04) から他のシステムをリモート監視する設定を行うため に、監視対象とは別のシステムを用意する必要があります。これには、SAP ベーシスリリース 700 以上(サポートパ ッケージ 18 以上を適用することが望ましい)のシステムが必要です。設定によっては、ABAP スタックシステムの分 析と比較した結果に制約が存在する場合があります。 SAP CQC Technical Performance Optimization サービスは、システムのパフォーマンスおよび安定性に大きな影 響を及ぼす問題に焦点を合わせています。デリバリーが対象とするのは一般の技術的な問題です。または、デリバ リーに先立って懸念される領域が特定された場合は、以下のいずれかです。 データベースパフォーマンス データベース時間に重点を置いた個別のプログラムの分析 準備 SAP のサポートコンサルタントがお客様に連絡し、SAP ソリューションに関するデータを収集し、お客様の期待事項 について検討します。ここでは、実施要件を明確にし、実施にあたっての準備全般を行います。これはリモート接続を 使用して実施され、初期のシステム分析が行われる場合があります。 注記: システム環境が適切に設定されていないことが初期の分析中に検出される可能性があります。また、最善の結果を 得るため、およびお客様の期待事項を満たすために、別の専門家または専門家の増員が必要になる可能性もあり ます。このような場合は、次のステップを明確にするために、お客様にご連絡させていただきます。 システム環境が適切に設定されたことが確認されると、実施がスケジュールされます。 サービスの実施 SAP CQC Technical Performance Optimization サービスの実施の 1 日目は、SAP のサポートコンサルタントが 事前分析の結果についてお客様側のテクニカルエキスパートと意見交換を行います。この初回の会議はデリバリー の対象について最終確認をするために開催され、ここで以降のスケジュールが設定されます。 データベースの最善のスループットを達成するために、このサービスは以下の領域を対象とします。 重大な設定の誤りおよびハードウェアボトルネックのチェック パラメーター設定 データベース管理 o CBO 統計 o 索引およびテーブルの記憶域管理 o オンラインログ設定 UNDO 表領域または一時表領域の設定 典型的な待機状態 高負荷 SQL 文 SAP ERP の負荷状況 o 最も高いデータベース負荷の原因となるプログラムの特定 o 最も高い負荷がかかる時間の特定 実施中に得られた情報に基づいて、SAP のサポートコンサルタントは、データベースおよび SAP システムのパフォ ーマンスとスループットを最適化するための推奨事項を提供します。 SAP のサポートコンサルタントは分析の結果を最終レポートにまとめます。最終レポートでは、分析されたトピックの 要約、問題の提示、および推奨事項の提供を行います。この推奨事項を適用することにより、ソリューションランドス ケープでシステムのパフォーマンス、スループット、および安定性が向上します。 サービス実施期間 サービス実施期間は、SAP ソリューションの複雑度によって異なる場合があります。サービスの実施期間は、デリバ リーに先立って、お客様のニーズおよびリクエストに応じてカスタマイズできます。SAP CQC Technical Performance Optimization サービス実施の推奨期間については、以下の表を参照してください。 推奨されるサービス実施期間 対象領域 総日数 準備 サービス の実施 一般的なパフォーマン スの最適化(対象領域 の明確化) 1 日間 1 日間 - データベース 3 ~ 5 日間(レポート作成工数を含む) - 3~5日 間(レポー ト作成工 数を含む) 前提条件 一般 サービスの準備および実施にお客様のメンバーが関与することは、サポートコンサルタントがお客様の技術的なラン ドスケープおよびビジネス運用を正しく理解する上で極めて重要です。お客様のチームメンバーから必要な情報が提 供されない場合、期待どおりの結果でサービスが提供できないか、あるいはサービスの提供が完全に不可能になり ますので、注意してください。 お客様の関連するすべてのシステム(すべての分析対象システム、SAP Solution Manager、またはリモート監 視に使用されるシステム)へのアクセス SAP Solution Manager へのアクセス ABAP スタックシステムでない場合は、実施の前に以下について確認が必要 o SAP ベーシスリリースシステム 700 以上(サポートパッケージ 18 以上を適用することが望ましい)の DBACockpit (ST04) o このシステムから分析対象システムにセットアップされるリモートアクセス o 作業用ツール サービスの利点を十分に活用するには、SAP Solution Manager をインストールし、SAP EarlyWatch Alert を有効 化する必要があります。SAP Solution Manager システムには、最新のアドオンバージョンおよびサポートパッケー ジをインストールする必要があります。詳細については、http://service.sap.com/solutionmanager を参照してくださ い。 実施では、お客様のスタッフ、および影響を受ける外部パートナーの関与が不可欠です。これらの支援により、SAP は、お客様のコアビジネスプロセスやシステムランドスケープの設定を理解し、クリティカルな問題を認識することが でき、ナレッジを共有する機会を提供できます。 以下の人々に短期で参加してもらう必要があります。 プロジェクトリーダー(短期)またはアプリケーションサイトのプロセス責任者 このお客様担当者は、特定のプログラムを分析する必要がある場合に、主に問題や要件の処理を明確にする ために必要です。 データベース管理者、SAP ベーシス管理者、システム管理者 これらのお客様担当者は、現在の設定および手順の処理について意見交換するために必要です。SAP は推奨 事項の検証をより簡単に行えるように、迅速に推奨事項を適用する方針に同意することもあります。 お客様のプロジェクトチームの方には、システムランドスケープ、特別なプログラムの分析、および関連するコアビジ ネスプロセスに関する必要な情報と文書をすべて提供していただく必要があります。 使用ツール トランザクションおよびプログラムのパフォーマンスを分析して最適化するには、お客様の SAP システム環境で SAP のサポートコンサルタントが以下のツールを実行できる必要があります。 データベースモニター(トランザクション ST04) データベースパフォーマンス:テーブルおよび索引(トランザクション DB02) ディクショナリーテーブルの表示 (SE11) プログラムの表示および実行 (SE38) SQL トレース(トランザクション ST05) ABAP トレース(トランザクション SE30 および ST12) アプリケーションモニター(トランザクション ST14) ABAP エディター (SE38) 汎用モジュールビルダー (SE37) メモリー設定モニター(トランザクション ST02) Microsoft SQL Profiler ワークロードモニター(トランザクション ST03N) OS モニター(トランザクション ST06/ST06N) グローバルワークプロセス概要(トランザクション SM66) バックグラウンドジョブ概要(トランザクション SM37) サービスデータコントロールセンター(トランザクション SDCCN) 詳細については、SAP Service Marketplace (http://www.service.sap.com/enterprisesupport) を参照してください。
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