「野村委員提出資料」(PDF形式:448KB)

総合資源エネルギー調査会
長期エネルギー需給見通し小委員会(第4回会合)
資料6
野村委員提出資料
FIT導入後のPV需要拡大
FIT導入(2012Q3)以降、非住宅用の国内出荷が急拡大。2014年末までに累積で2000万kW。
再エネの導入量は、2011年度末の2000万kWから2014年10月時点で3470万kW(認定容量では7200万
kW)。FIT賦課金総額は1900億円(2012年度)から、6500億円(2014年度)へ拡大。(認定容量ベースでは、
2.7兆円まで拡大する試算)(経産省資料)
⇒①国内生産者の育成に寄与したのか?、②PV価格の低下に寄与したのか?
320
(万kW)
(年間国内出荷量)
2,000
電力用(非住宅-他)
電力用(非住宅-発電事業)
電力用(非住宅-他)
電力用(住宅用)
240
619
電力用(住宅用)
93
508
1,500
200
83
160
41
75 77
425
359
111
66
45
1,000
266
118
120
22 76 63 79 69
80
189
103
73
31
-
(FIT導入後の累積国内出荷量)
電力用(非住宅-発電事業)
280
40
(万kW)
67
56 57 54 59 67 49 53 46
38 45 48
33
33
32
22
2011Q2
2012Q1
2012Q4
2013Q3
2014Q2
115
500
-
7
11
204
2012Q3
29
42
251
69
118
307
181
365
2013Q2
260
419
446
519
622
689
328
477
544
594
2014Q1
646
692
2014Q4
(期間)2011Q2-2014Q4。
(出典)JPEA太陽光発電協会「日本における太陽電池出荷統計」モジュールの用途別国内出荷量より、野村作成(2015年2月)。
1
FIT導入とPV輸入依存度の急上昇
FIT導入後、PVの輸入比率は2013Q2では70%ほどへ急上昇。2014Q2では80%超え。現在でもおおむね7080%は輸入財。国産PVでもシリコンなどの海外調達によって、PVの直接間接な輸入依存度は9割近い。
右図に見るように、FIT導入期が大きな転換点。以前は輸入価格が相対的に安くなる中で15-30%ほどへの
緩やかな輸入比率の拡大が継続していたが、円安により輸入価格が相対的に高くなってもFIT導入後には急
速な輸入拡大。
(輸入比率)
1.2
80.5%
74.0%
70.2%
1.0
68.5%
49.1%
0.6
32.3%
34.0%
25.4%
21.0%
14.6%
0.2
23.8%
15.5%
14.4% 13.0%
70%
70%
60%
60%
50%
50%
40%
40%
30%
30%
20%
20%
10%
10%
0%
2011Q1
(2014Q4)
(2013Q1)
輸入価格/国内生産価格
輸入比率(kWシェア)(右軸)
8.3%
0.0
2010Q1
29.6%
19.0%
(2014Q2)
80%
69.7% 68.8%
0.8
0.4
80%
72.2%
2012Q1
2013Q1
2014Q1
0%
0.70
0.80
0.90
1.00
1.10
(輸入価格/国内生産価格)
(期間)2010Q1-2014Q4.
(出典)野村・吉岡・大澤(2013)「太陽電池の輸入シェア弾性の測定と電力価格上昇によるシミュレーション」において、概念調整した各種データから算定。
2012Q4から2014Q4まで、最新のデータで野村延長(2015年2月)。
2
日本の太陽電池モジュールの輸入相手国別シェア
2014年第4四半期では、中国、台湾、マレーシア、フィリッピンからの輸入で88%。
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
1988Q1
1988Q4
1989Q3
1990Q2
1991Q1
1991Q4
1992Q3
1993Q2
1994Q1
1994Q4
1995Q3
1996Q2
1997Q1
1997Q4
1998Q3
1999Q2
2000Q1
2000Q4
2001Q3
2002Q2
2003Q1
2003Q4
2004Q3
2005Q2
2006Q1
2006Q4
2007Q3
2008Q2
2009Q1
2009Q4
2010Q3
2011Q2
2012Q1
2012Q4
2013Q3
2014Q2
0%
300
250
200
150
100
50
0
中国
台湾
マレーシア
フィリピン
韓国
シンガポール
タイ
ドイツ
米国
インドネシア
ポーランド
その他
(単位:10億円)
(出典)野村・吉岡・大澤(2013)より、野
村更新(2015年2月)。日本の貿易統計
より(財は「光電池(モジュール又はパ
ネルにしてあるかないかを問わな
い。)」(HSコード:854140090)であり、
本来の太陽電池モジュールよりも広
いカバレッジであることに留意された
い)。
3
FIT導入とPV価格変化
FIT導入(2012年Q3)以降、価格下落率は加速するのではなく鈍化し、2013Q1からQ2などではむしろ
上昇。こうした輸入価格上昇は、円安による効果のではなく、契約通貨建てベースでみてもむしろ上昇。
国内生産価格においても、価格下落率は2011-12年と変わらないか、むしろ鈍化。習熟効果は見出さ
れない。
30%
⇒FIT導入(2012Q3より)
価格変化率(年率換算)
20%
10%
0%
-10%
-20%
-30%
-40%
-50%
2010Q1-Q2
2011Q1-Q2
輸入価格(円建てベース)
2012Q1-Q2
2013Q1-Q2
2014Q1-Q2
輸入価格(契約通貨建てベース)
(期間) 2010Q1-2014Q4.
(出典) 日本銀行国内企業物価指数、輸入物価指数より算定。年率換算。野村作成(2015年2月)。
国内生産価格
4