救急救命士の行う処置範囲が拡がりました。

救急救命士とは
従来、救急隊員には人工呼吸や止血などの応急処置以外の医療行為は認められていませんでしたが、1991
年 4 月の「救急救命士法」の成立により、さらに高度な救命処置、いわゆる特定行為を行うことが可能と
なりました。
救急救命士になるには、養成所等において、救急に関する専門的な教育を受け、さらには国家試験に合格す
ることが必要で、当消防組合では、33 名の救急救命士が活躍しています。
特定行為とは
救急救命士が行える特定行為には、次のものがあります。
■ 心肺停止時の乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液
■ 食道閉鎖式エアウェイ、ラリンゲアルマスクまたは気管内チューブによる気道確保
■ アドレナリンを用いた薬剤の投与
特定行為は、個々の特定行為の教育や実習を行った後、認定された救急救命士でなければ行え
ません。
追加された特定行為とは
これまでの特定行為は、心肺機能停止状態の傷病者に対してのみ行えましたが、この度、心肺
機能停止前の重度傷病者に対しても、次の処置が行えるようになりました。
■ 心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路確保及び輸液
血圧が低下して、心臓が停止する危険性があるショック症状の傷病者や、身体が重い物や機
械などに長時間挟まれていた傷病者に対して点滴を行います。
■ 血糖測定並びに低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与
意識障害がある傷病者に対して血糖の測定を行い、低血糖が確認された場合、ブドウ糖溶液
を点滴から投与します。
救える命を救うために
これまでの特定行為は、心肺機能停止後の傷病者に対する処置に限られていましたが、追加さ
れた特定行為は、心肺機能停止前の重度傷病者に対しても処置が可能となります。
こうした特定行為を行うことができる救急救命士育成のため、定期的に病院等において実習
や講習を行い、知識及び技能の習得に努めています。
また、特定行為は本人または家族から同意を得た上で、医師の具体的な指示を受けて行いま
す。
後遺症の軽減や救命率向上のためにも、引き続き、救急救命士の活動にご理解とご協力をお願
いします。