3月号 養父市立関宮中学校 関宮中だより H27,2,27 心の危機を乗り越えるには 「2月は逃げる」と言われるように、今月は、駆け足で走り抜けた感がありま す。3年生にとっては、受験の正念場でありました。私立入試、公立推薦入試・ 特色選抜を終えて、見事、春を迎えた生徒がいます。うれしい限りです。しかし、 多くの3年生は、3月12日の公立高校一般入試を控え、努力を積み重ねなくて はなりません。ストレスがたまる中で、「己に克つ」関中生であることを願って います。ご家族の方は、心の支えとなり、最良の応援者としてよろしく頼みます。 去る16日に、各学年ごとに、阿部 昇ス クールカウンセラーに「心の健康講話」の授 業をしていただきました。中学生は、勉強や 部活動などで、ストレスを感じやすい年齢で す。もしも、心の危機が訪れたならば、どう 乗り越えていけばよいのか、具体的な事例を 通して教えていただきました。授業内容を紹 介します。 【心の危機とは】 人生に一度あるかないかの重大な出来事(ラ イフ・イベントと言います)があると、私たちは 心の危機を迎えます。このようなライフ・イベントがいくつも重なるとストレス 障害にかかりやすいと言われています。 2012年に神戸市民1000人対象の調査によりますと、「心の危機ベスト 3」は、 [1位-配偶者や恋人の死] [2位-親族の死] [3位-親しい友人の死] でした。身近な方の大切な命が失われることが、いかに心にダメージを与えるの か、如実の物語っている結果です。家族、周りの方のためにも、自分の命を守る ことを自覚しなければなりません。 【心の危機を乗り越えるとき、心の中に起こること】 起こった出来事やその人によって、現れ方(大きさ・順番・続き方)は少しず つ違いますが、心の危機を迎えたときに次のような変化を体験します。具体的に、 テストを返してもらった場面を例に説明します。 [心の危機を迎えた人] ①ショック 「何というひどい点だ。」 ②認めない 「信じられない。うそだろ。」 ③悲しみや怒りの感情 「このテストを作った人は誰だ。許せん!」 ④何度も思い出す 「何という点を取ったんだ。自分が情けない。 」 ⑤新しい考え方・心の持ち方「もっと勉強時間を増やそう。」 ⑥ありのまま受け入れる 「自分の努力が足りなかったんだ。仕方ない。」 ⑦適応のために工夫する 「ゲームの時間を減らして、3時間は勉強するぞ。」 【スポーツ選手・芸能人のストレス解消方法の紹介】 ・福原 愛 (卓球) -日々の練習を思い出し、自信をもって試合に臨む。 ・米満 達弘(レスリング)-体を動かし、夢中になる。 ・正木 健人(柔道) -大きな目標を持ち、自分を追い込む。 ・ベッキー (タレント) -深呼吸すると心がすっきりして判断できる。 一人一人、ストレス解消法が違うのは、個性があり、独自の体験の中でよりよ い方法を見つけたからに相違ありません。 【心の危機を乗り越えるには】 健康を保つためのストレス対処の方法は、大きく分けると①人とのつながり ② 周りの人に相談する・自分で考える ③気持ちをほぐす の3つです。日頃から心 を許し合える相談相手がいること、また、無心になれる趣味を持つことが大事です。 適度なストレスは、精神力を鍛え成長させます。人は、挑戦し、失敗する中で、 自分のストレス解消法を見つけるのです。これを繰り返し体験する中で、心の危機 を乗り越える対応力が育つのです。関中生も前向きに挑戦し、いろいろな体験を 積み重ねていくことが大事です。そして、ストレスを解消しようとしてもうまく いかないときは、阿部 昇スクールカウンセラーに相談しましょう。 保護者の皆様には、お子様のよき理解者であり、よき支援者です。大切なこと は、日頃よりお子さんを受容し、共感してあげることです。もしも、お子様が悩 み、家で解決できなければ、担任の先生や村上養護教諭へご連絡ください。 3月の主な行事予定 2日(月)専門委員会 3日(火)3年生を送る会 6日(金)全校集会 お別れ給食(3年) 9日(月)卒業式準備、弁当日(1,2年) 10日(火)卒業式、弁当日(1,2年) 11日(水)そうあんくんの日 12日(木)公立高校一般入試 13日(金)生徒集会 14日(土)男子バスケットボール但馬招待試合(~15日) 16日(月)期末保護者会(1,2年) 17日(火)期末保護者会(1,2年) 19日(木)公立高校入試合格発表 20日(金)給食最終日 22日(日)フレンドリーコンサート(八鹿文化会館) 23日(月)大掃除、校外生徒会、専門部会、弁当日(1,2年) 24日(火)修了式、弁当日(1,2年) 25日(水)PTA新旧引継会(19:30) 命の誕生に感動した「いのちを見つめる講演会」 去る13日に香住病院の助産師 木村弘子 様、香美町役場健康課 森垣令子 様を講師 に迎え、3年生を対象に命を見つめる講演会 を開催しました。助産師さんより、「おなかの 赤ちゃんは羊水を飲むのですか?」「おなかの 赤ちゃんは羊水におしっこを出すのですか?」 の質問に応える中で、場の雰囲気が和みまし た。その後、おなかの赤ちゃんがお母さんの 子宮から誕生するまでを赤ちゃん人形の動き を通して分かりやすく話して頂きました。赤 ちゃんが骨盤の穴の中を通る時、頭が細長く なることや頭、へその緒が圧迫されて苦しいこと、その中で、命がけで赤ちゃん が生まれてくることをみんなは知りました。また、お母さんも陣痛が続き苦しい 中で、「この子だけは生まれてほしい。私はどうなってもいいから」という母の 願いも知りました。命の誕生にこのような秘話があったことに、みんなは驚きと 感動を覚えました。命の大切さを改めて自覚した時間となりました。 養父市立関宮小・中学校 小中連携だより H27,2,27 小中連携の取り組みをお知らせします あと1ヶ月で、本年度が終わります。この一年間の小中連携の取り組みを保護者の皆 様にお伝えし、小中学校が児童生徒の健やかな成長のために連携を推進していることを ご理解ください。 1 ねらい ・中学校に入学すると、生活環境や授業の形態が変わり、学校への不適合が現れる生 徒が増えること(中1ギャップ)を解消する。 ・9年間の期間を見通した継続的な教育を充実させる。 2 テーマ 「自ら学び、こころ豊かでたくましい児童・生徒の育成」 3 取り組みの体制 小中学校の教職員が3つの部会に分かれて、年度当初に年間計画を立て、実践し、年 度末に反省し、次年度への課題を明確にしています。 ・まなび部会-「知」授業研究の推進、発達段階に応じた指導法の研究 ・こころ部会-「徳」道徳教育の推進、好ましい人間関係づくりの研究 ・からだ部会-「体」たくましい心と体づくりの研究 4 取り組みの内容 《まなび部会》 本年度は、体育、音楽、英語、社会の教科において、中学校の教師が小学校に赴き、 5,6年生を対象に乗り入れ授業を行いました。英語の授業後の児童の感想をお知らせ します。 ①「5・6年英語」(12/11)指導者:坂本臨時教諭・Angela Vegega(ALT) 【授業の視点】 ・ALTと教師が話す英語を理解しようとする意欲を育てる。【英語科:理解力】 ・Christmasに関する言葉を通してPhonics(「アルファベット文字」と「音」の関わり)に慣れる。 【英語科:言語知識】 【児童の感想】 ●坂本先生とアンジー先生のしゃべるのが全部英語でビッ クリしました。ちょっとは日本語でしゃべるのかなと思ってい たけど、ほとんど英語でビックリしました。だけど、ほとんど意 味がわかったので、よかったです。中学校ってこうなのかぁ ~と思いました。 ●何かすごい力があって英語があたり前にパッパッと入っ ちゃいます。「はえたたき」はストレス発散もできたと思いま す。でもストレスなんかたまりません。本当に楽しく、おもしろくみんながこんなに笑顔になれる授 業はこれだけかもしれません。 ●おもしろくてたのしかったけど、難しかったです。難しかったのは、先生方が、英語で話をされ ていたことです。でも、わかる単語が聞こえると、話の内容を予想して聞くことができました。 ●文字には「名前」と「音」があると分かりました。それをならった後に、もじたたきゲームではとて も楽しかったです。はやく中学生になって英語の勉強をしたいなと思いました。 ●私は前から「I'm」がなぜ「アイム」なのかが不思議でした。ふつう、「アイエム」でしょ、と思った りしてたけど今日のアルファベッドには、名前と音があるという説明をしてもらって納得しました。 中学校に上がるのが楽しみになりました。 小中連携の目標は、中学校入学前の抵抗感や入学後のギャップを少なくすることにありま す。そこで音楽および体育の乗り入れ授業では、学ぶ楽しさや上達する喜び=達成感を実感 できるよう配慮しました。今年度は、さらに英語を5・6年生で行いました。子ども達の感想からは 中学校の学習への期待感や参加欲求が感じられました。 ②「自学ノート」の推進 小学校 5・6 年で実施 学期ごとに自己評価。中 学校(教科を学期ごとに選ばせる) ③「氷ノ山講座」 (5/29 小学校藤村教頭先生が中学校1年生へ) 《こころ部会》 ①Q-U(学校生活意欲調査)分析検討会(8/21 於:関宮中) 本年度は小6と中1にしぼり、8月に合同で結果分析と情報交換を行いました。小学 校の教職員にとって、小学校6年生時からの変容がよくわかり、積極的に質問や情報交 換がなされました。 ②清掃見学会(1/27 対象:小学校6年生) ③ノーテレビ・ノーゲームデー 「10月の読書週間の水曜日」に1回 ④道徳の公開授業参観 10/24小学校道徳(参観日) 10/29中学校道徳(井上教諭) 《からだ部会》 ①「歯みがき」の取組 今年度、小中連携の新しい取り組みとして、中学生が小学生に歯みがきを教えに行く 「出張歯みがき指導」を実施しました。 (中学校生徒会衛生部9名が2日間、小学校1年生を対象に実施) ②「子どもが作る手作り弁当の日」(12/11) 小中学校一緒に実施することで家庭を巻き込んでの実施となりま す。そこで、「家庭の中での協力」「感謝の気持ち」「家庭の温かさ」 を再認識させることも目標に入れ、取り組みました。 ③口呼吸対策(あいうべ体操) 特に小学校では継続した指導により、本年度は風邪・インフルエン ザの広まりが少なかったです。中学校でも掲示し、啓発しました。 ④かみかみデー 日々の給食時に「よくかもう」という放送で啓発しました。 ⑤合同保健委員会(8/21)(2/19) 9年間を見通した健康づくりを目標に、小中合同で開催して3年目。今年度も「歯の 健康」をテーマにし、取り組みの検証を行うとともに、次年度の課題について協議しま した。 5 まとめ(成果と今後の活動について) 組織立てた系統的・計画的な実践を行うようになってからの一番の成果は、職員間の 連携(交流)が深まった点です。合同研修会や朝の交通安全指導、部会での交流を通し て、両校の敷居が低くなり互いに親近感を持てるようになりました。 また、小中連携を進める以前は、中学校という場が小学生にとって異空間のように見 えていたようですが、乗り入れ授業の実施や参観授業を通して、中学校の職員や生徒の 存在がより身近に感じられるようになっているようでした。これも大きな成果です。 さらに、Q-U調査に係る研修や問題行動等生徒指導に係る情報交換を行うことによ り、子ども理解が深まり、小中の職員全員で子どもを育てていこうという雰囲気が育っ てきました。 小中連携教育は、学校改革のための手段と考えます。その自覚を持ちながら、今後も よりよい小中連携の在り方を模索していきたいと思います。
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