大 会 報 告 - 千葉県民間保育振興会

公益社団法人 全国私立保育園連盟
第43回 関東ブロック保育研究大会
@ Chiba
大会報告
Joy of childcare
〜保育のよろこび〜
開催日 11月27日 ( 木 ) ~28日 ( 金 )
会 場 三井ガーデンホテル千葉 千葉市中央区中央 1-11-1
主 催 公益社団法人 全国私立保育園連盟 関東ブロック会議
主 管 千葉県民間保育振興会 関東ブロック保育研究大会実行委員会
後 援 千葉県
千葉市
公益社団法人 千葉市民間保育園協議会
大会1日目 day 1st
開会式 Opening Ceremoney
これだけ多くの皆様をお迎えすること
ができ、この研修はすでに成功だなと、半
分胸をなでおろしました。
- 千葉県民間保育振興会会長 髙橋 克文 公益社団法人 全国私立保育園連盟 関東ブロック会議 会長 川下勝利からの主催
者代表挨拶からはじまり、ご来賓の皆様からのご挨拶を頂戴し、つつがなく開会
式が執り行われました。
情勢報告 Current Report
子ども・子育て支援新制度のみならず、
社会福祉法人改革という大きな流れにさら
されようとしています。
- 全国私立保育園連盟常務理事 平野 弘和氏 -
子ども・子育て支援新制度について、そして社会福祉法人制度改革に対する保
育3団体協議会の要望提出などの活動について限られた時間の中、わかりやすく
簡潔にご説明いただきました。
全体会 『かすかな光へ』の紹介
Introduction
大切なのは子どもの主体性を保証する事。
大田先生の言葉を借りるならば、
『子ども達の持ち味に出番を』となります。
- 学校法人篠原学園 子ども保育学科 学科長 久保 健太氏 大田堯さんの教育理念を映画化した『かすかな光へ』を鑑賞しました。上映に
先立ち、お弟子さんである久保先生より、大田堯先生の教育理念について、そし
て大田先生の映画に込めたメッセージを伝えて頂きました。
全体会 映画『かすかな光へ』鑑賞 Movie
人が育つ本質とは 『かすかな光へ』から学ぶ Recture
人間が唯一平等に与えられるもの、それ
は命です。その与えられた命をどのように
輝かすのか。
- 東京大学名誉教授 白梅学園大学学長 汐見 稔幸氏 大田先生のお弟子さんである汐見先生から、直々に大田教育学をお聞かせいた
だく大変貴重な講義でした。汐見先生からご了承をいただき、講演内容を千葉県
民間保育園振興会ホームページに公開する予定です。ぜひ御覧ください。
懇親会 お食事と音のゆりかごコンサート
Social Gathering & Concert
プロの声楽家の歌とピアノと共に、参加者同士の交流を深めました。
終盤には次回開催地、
茨城県の水戸黄門のテーマにのせた PR もあり、和やかな雰囲気で懇親会を締めくくりました。
大会2日目 day 2nd
第1分科会
『生きることと学ぶこと』
参加人数48名
ファシリテーター 学校法人篠原学園 子ども保育学科 学科長 久保 健太氏
第 1 分科会は久保健太先生を講師に、1 日目全体会で見た映画「かすかな光へ」制作者である大田堯の人間観、保
育観について学術的な位置づけを明らかにし、その実践について映像を交えながら解説いただきました。
まず「保育は養護と教育が一体的に提供されるもの」ということについて「おもしろくて たのしくて わくわく
する はらはらする・・・おまけにとても かしこくなる」という絵本の中の一節を紹介しながら、子どもは「やり
たいけど、できない」ことに対して「試行錯誤」しながら「葛藤」し、そこから学んでいくのだということを様々な
学習論と絡めて具体的にお話しいただきました。
その後に参加者同士が意見交換する中で、今までの自分がやってきた保育について振り返る良い機会であったし、
これから日々の中で心がけなくてはいけないことが少し見えてきたように思う、というような意見が多数ありました。
記録者:高橋弘道(明照保育園 園長)
第 2 分科会
「保育」?「教育」? その「真」を考える
参加人数52名
ファシリテーター 大妻女子大学 家政学部児童学科教授 柴崎 正行氏
1部は、柴崎先生による日本の保育の歴史を話して頂きました。平安時代から江戸時代まで子育ては、家族や近隣
の人々と協力しながら大人に身守られながら育てられた。また、遊びは、外遊び(自然遊び)が中心であった。明治
にはいると欧米式のフレーベル流の幼稚園が定着していき、ここでは、読み方・書き方・数え方を教えていた。遊びは、
積木・折り紙・粘土などの活動を行った。第二次世界大戦後の保育内容の中心は、健康・自由遊び・地域や自然に触
れること・話し・歌や踊り・作ったり描くこと・年中行事であった。
2部は、グループ討議が行われました。話し合いの要点は、園生活や身近な自然に触れること、特に外遊びを重視
すること、
集団活動の中でここが尊重されることは、
「保育」の「真」とどうつながっているといえるのだろうか?グルー
プ発表では、外遊びは大切、しかし、保護者対応が大変という意見や、生きる力をつけることができるといった意見
が発表されました。四季を感じる身近な自然に触れる大切さを改めて感じる研修会でした。
記録者:嶋本 賢修(白井保育園 園長)
第 3 分科会
「保育が見えるおたよりづくり」
参加人48名
ファシリテーター 玉川大学教育学部教授 大豆生田 啓友氏
第3分科会は大豆生田啓友先生から『護者の信頼がアップする保育の価値を伝える技術』についてお話していただ
きました。保護者への情報発信の大切さについて、保護者にとって園は Black box(見えない箱)であり、保育者と
同じ目線にはなりえない。だからこそ保育を可視化することが不可欠であると先生ご自身のエピソードを交お話して
いただいたことが印象的でした。また、保護者が園の理解者(ファン)なってもらう情報発信の具体的なポイントと
してカメラマンが撮影したものでなく、保育中に保育者が撮影したものをお便りにのせ、なぜ、その写真をのせたの
か、写真の場面の前後にはどんな文脈があるのかをエピソードとして書くことが上げられました。写真の効果は大き
く、保育の可視化の助けとなり、また保育者のコメントをいれることで、より普段の子ども達の様子、保育への配慮
が伝わるようになる。東松戸保育園、第二勝田保育園の2園から実践発表を聞くことで、実感を持って学ぶことが出
来ました。会場には、様々な園からの発信物が持ち寄られ、各園の工夫を知ることができ有意義な研修となりました。
記録者:小島 基江(つくし保育園 副園長 )
フィールドワーク
『風の谷保育園の見学』
参加人数23名
講師 風の谷保育園 園長川副孝夫氏
今回、関東ブロック大会のフィールドワークに参加し、市川市にある、風の谷保育園を見学させていただきました。
風の谷保育園の園舎は、木造2階建てで檜の良い香りのする、木の温かみを感じられる素敵な園舎でした。
見学時、園児は年齢やクラスを問わず、ほとんどの子が園庭で遊んでいました。園庭には実のなる木がたくさんあ
り、起伏のある自然のままの園庭で、子ども達がのびのびと自由に遊んでいるのが印象的でした。風の谷保育園では、
自由保育を主体とし、子どもの興味 ・ 関心 ・ 好奇心を第一に考えて、見守ることを大切にしているというお話を伺い
ました。私自身、日常の保育の中で、
「だめ」
「○○してはいけない」ということが先走り、本当に子どもの気持ちを
考えてあげられていたのか、と振り返る機会を持てました。
今回のフィールドワークを通して、ひとりひとりの子ども、その子 ( 個 ) を尊重してあげるということの大切さを
改めて考えることが出来ました。これらのことを今後の保育に活かせるよう、日々励んでいきたいと思います。
記録者:今橋美樹(たかね台ベビーホーム 主任保育士)