詳細マニュアル 協力:ベネッセ 1 1. はじめに ■「紅白まんじゅうを分類しようゲーム!」とは 現代、小学生が大人になった時に求められる力として「未知の問題を解決する思考力」「新たな価値を創造する 力」「多様な人と交渉し協調できるコミュニケーション力」というものがあります。これらは「数学的思考力」 を基礎としています。その「数学的思考力」を育てるために、その基本的な力を「9つの力」として定義とし、 その中の「分類力」にスポットをあてたワークショップです。 対象学年:小学校 3 年生~6 年生 人数:4~30 名程度 時間:45 分 (ベネッセホールディングス, ”GLOBAL MATH” http://globalmath.info/lp/about/) 2.「紅白まんじゅうを分類しようゲーム!」を遊ぶにあたって ■2-1 人数について このゲームは相手とコミュニケーションをとりながら問題制作をするため、主に「2 人 1 組」でおこなう。児童 が 16 名の場合を例にすると、2 人 1 組が 8 つでき、4 人 1 グループが 4 つ出来る。指導者は児童の数を確認後、 チームを組ませること。人数が奇数の場合、チーム数が偶数にならない場合は「3 人 1 組」でも構わない。しか し、後にチーム同士(2 人 1 組×2)で問題の出し合いをさせるため、ペア数は偶数とする。グループ番号をつ けると分かりやすい。 ※事前に何グループ出来るか確認しておくこと 2 例) 児童数 16 名の場合→2 人 1 組×8 4 グループ作成 生徒数 32 名の場合→2 人 1 組×16 8 グループ作成 生徒数 30 名の場合→3 人 1 組×10 5 グループ作成 もしくは→2 人 1 組×12 3 人 1 組×2 7 グル―プ作成 生徒数 35 名の場合→2 人 1 組×13 3 人 1 組×3 8 グループ作成 ■2-2 前準備(用意する物) 紐 1 本、赤大2白大2赤小 1 白小3の板(丸の形)/1 グループ 赤大2白大2赤小 1 白小3のマグネット、ホワイトボード、ペン(問題制作用グッズ) ・板のサイズ(写真は大サイズ直径 20cm 小サイズ直径 14.5cm ) ・このゲームは道具が何でも分類出来るため、何を用意しても良い。(紅白まんじゅうに限らずアレンジを加え てもいい) 3.紅白まんじゅうを分類しようゲーム! ■3-1 全体の流れ ①2 人 1 組(3 人 1 組)のチームを作る/1~2 分 ②ルール説明 赤小1白大2白小1の 4 枚(お手本の 4 枚)で、子どもたちに分類の練習をしてもらう/2 分 →ノーヒントで子供達にどう分類できるか考えてもらう(2チームずつに分かれて考えさせる) →答え合わせ/2 分 ③問題作り(マグネットで Thinking time)/(赤白板 8 枚):10 分 ④先攻決め・問題配置/1 分~2 分 ⑤解答/答え合わせ・どうしてこの分類になったのか説明する(振り返り)/2 分 予備:10 分 合計 45 分 3 ■3-2 ワークショップの進行 流れ 時間 内容 指導上の留意点 子供達の反応 (質問・指示・説明・評価) 2分 ①2 人 1 組(3 人 1 組)の ・事前にこちらが指定したチームでも、生徒たちに組 席がある場合は隣同士 チームを作る/1~2 分 ませるのでも良い。だがあまり時間はかけずにタイム でペアにする 導 キープすること。 入 ・チームが出来たら、チーム番号とグループ(チーム ( 7 ×2)番号を付ける。 ・グループごと 2 列で座らせる 分) ・指導者はその間に黒板やホワイトボードに得点表を 書いておくこと 2 ~ 3 ②ルール説明(練習) 分 1:白大1白小1赤小1の板と紐をそれぞれのグループ 1:白大1白小1赤小1の板 に配る。 と紐をそれぞれのグループ 「ここに大きさの違う赤白のおまんじゅうがありま に配る。 す」 2: このまんじゅうを直線 「このおまんじゅうを直線でふたつに分けてみましょ で分ける/2 分 う。どのような分け方で、何種類出来るでしょうか」 (タイマーを使って必ずタ イムキープすること) 2: このまんじゅうを直線で分ける ・紐を使って取りあえ ※ノーヒントで子供達(グループごと)にどう分類で ず分けてみようとする きるか考えてもらう。 →さりげなくヒント ※実際に赤白板と紐を使って考えてもらうこと。 (おまんじゅうは何色 ・考えている最中、チームを見て回る がある?など) ・悩んでいるチームがあったらさり気なくヒントを与 える 2分 3-1:答え合わせ 「どのような分け方が出来たでしょうか?」 「分かる人います 生徒たちにどのように分類 ・手を挙げさせる か?」に対して手を遠 したか発表させる。 ・実際に分類してもらう 慮ながらも挙げる ・生徒が発表したら、「正解です」と言う 3-2:答え合わせ 「赤い線は白と赤、色で分けられています。青 どのように分類できるか図 い線は大きいものが 2 つと小さいものが 2 つ、 を使ってもう一度説明す という大きさで分かれており、3 つ目のオレン る。 ジの線は大きいのと小さいものの組み合わせ で分けられます」 ※生徒が理解できているのか何度も確認すること。確 認する際に手を挙げさせるのも良い。 ゲーム本番 「では、この分け方を使って分類ゲーム本番です」 リプレイ 5分 1-1 問題制作(配置) 「ルール1.与えられた全てのおまんじゅうを使って 4 展 直線で分けられる並べ方を考えましょう」 1-2 問題制作(分類方法) 開 ・スライドと同じようにホワイトボードにマグネット (28 を配置 分) 「マグネットを配置したら、分け方を考えます」 1-3 問題出題、回答 ・スライドと同じようにホワイトボードに分類方法を 書きこむ 「3 つ目は、お隣のペアと並べ方を出し合って、どの ように分けられるか説明しながら答えましょう」 「このおまんじゅう(赤白板を見せながら)を使って 配置します」 必ずルールが理解でき ・赤白板を使って配置する ているか確認すること ※生徒全員に見えるように 「例えばこれは赤と白で分けられます、としっかり説 明しながら答えてください」 ※スライドと同じように紐で分けてみせる 1-4 点数制 「このゲームは点数制です。問題を出す側が思いつい ていた分け方を全部答えることが出来たら 1 点」 「左側が出題側、右側が解答側です」 ・左側、右側の部分を手で示す 「問題を出す側が思いつかなかった分け方を答えるこ とが出来たら 2 点もらえます」 ・点線箇所を手で示す 「4 つ以上の分け方が出来る並べ方の場合は作ったペ アにも 1 点、答えられたペアも 1 点もらえます」 「最終的に多く点を取ったペアの勝ちです。頑張って 並べ方と分け方を見つけましょう」 10 分 ③問題制作/10 分 「皆さん優秀なのでおまんじゅうを追加しました」 何処にマグネットを配 ※まんじゅうの数を伝える 置したらいいか迷って ・マグネットとホワイトボードを配布(ペアごとに 1 いる セット) →マグネットを無差別 ・赤白板と紐も配布(グループごとに 1 セット) に配置してみてはどう 「さっそく並べ方を考えましょう。どのような分け方 だろうかと提案してみ が出来るかしっかり書き込んでください。お隣のチー る ムと問題の出し合いっこをします」 ・タイマーがあればタイマーを画面に表示 とりあえずマグネット ・しっかりと時間を計っておくこと を置いて、分類出来る ・5 分前、3 分前、1 分前に時間を伝えること か確かめてみようとし ・回りながら、ホワイトボードに分類方法を書きこん ている でいるか確認。 (色、大きさで分けられる、のように書 5 1分 ④先攻後攻決め/1 分 き込んでいるか) マグネットを相手チー ・問題が完成しているか確認。作れていない場合は 1 ムに見せないように筆 分追加し、様子を見る 箱を立てるなど工夫し ・一番前に座る生徒 2 人に代表でじゃんけんをさせる ている ※問題を配置する際、解答側は後ろを向くため列で先 攻と後攻を揃えること 1分 ⑤問題配置(先攻)/1 分 ・タイマーを画面に表示 素早く配置 ・問題配置をしっかり配置出来ているか確認して回る こと ※マグネットが崩れて ・後攻のチームと一緒にカウントダウンする 配置が上手に出来ない ・30 秒前には絶対に伝えること ペアが稀にいるため、 そうならないように注 意すること 2分 ⑥回答(後攻)/2 分 「どのような分け方になるか説明しながら紐で分けて 回答したあと、もっと みましょう。正解していたら正解ですと言ってあげま 分類方法があるかもし しょう」 れないと言ってみる ・タイマーを画面に表示 ・回ってしっかり分類方法を伝えているか確認 ・「正解です」と答えているか確認 ・1 分前、30 秒前に時間を伝えること 2分 ●得点 ・点数を聞いてホワイトボードに記入 1分 ⑤問題配置(後攻) ・タイマーを画面に表示 ・問題配置をしっかり配置出来ているか確認して回る こと ・先攻のチームと一緒にカウントダウンする ・30 秒前には絶対に伝えること 2分 ⑥回答(先攻) ・タイマーを画面に表示 ・回ってしっかり分類方法を伝えているか確認 ・「正解です」と答えているか確認 ・1 分前、30 秒前に時間を伝えること 2分 ●得点(先攻) ・点数を聞いてホワイトボードに記入 2分 ●結果発表 ・一番点数の多いペアを発表 ・差が無い場合はグループで勝った方をグループごと に発表 ま ●分類にも沢山ある と ・生徒が理解しているのか、何度も手を挙げさせて確 認 め ●終了 ※時間はあくまで目安のため、進行度によって調節すること。その際、問題制作や問題配置、回答などの時間は変更しない。 (問題 制作が出来ていないペアがいる場合などの時間変更は可) 6 4.その他 ■4-1 指導者の役割 ・「分類」する方法が沢山あることを理解させる。色、形、大きさや組み合わせで「分類」できることをさりげ なく教える。 ・ペア同士での相談の助けをする。 ・点数計算の手助けをする。 ■4-2 ルールについて ・追加ルールを作っても構わない。その際にはしっかりと生徒たちが理解していることを確認すること。 ■4-3 評価基準 ・分類について理解しているか。(色や大きさだけの分類ではなく、大きさの組み合わせや色の組み合わせでも 分類出来ることを理解しているか) 以下評価例 A 評価 ペアとコミュニケーションをとりながら問題制作をしている。何故この答えになったのか理由を説明し ている B 評価 ペアとコミュニケーションをとっている。もしくは何故この答えになったのか理由を説明している C 評価 ペアとコミュニケーションをとらずに問題制作をしている。もしくは何故この答えになったのか理由を 説明せずに回答している D 評価 ペアとコミュニケーションをとっておらず、何故この答えになったのか理由を説明せずに回答している。 7
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