8K SHV のケーブルテレビ伝送技術

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8K SHV のケーブルテレビ伝送技術
超高精細映像
1. ケーブルテレビの位置づ
け
ンネルに分割しています。各
チ ャ ン ネ ル で は 64-QAM
日本のケーブルテレビは、
テレビ放送開始2年後の 1955
年に群馬県伊香保温泉で難
視聴解消のためのテレビ共
同受信設備として誕生しまし
た。その後、多チャンネル化
が進み、再送信(現在の呼称
は再放送で、共同受信を言う)
だけでなく自主放送として独
自番組も提供するように発展
しました。
(Quadrature Amplitude Modulation:
2000 年からは BS や CS の
デジタル放送の再放送を行う
ようになりました。さらに、イン
ターネットや電話などの双方
向サービスも提供するように
なり、重要な情報インフラの1
つになっています。2014 年6
月末時点で自主放送を行うケ
ーブルテレビへの加入世帯数
は 2,874 万世帯、普及率は
51.4% で す 。 衛 星 放 送 で 8K
SHV サービスが始まれば、ケ
ーブルテレビでも同サービス
の提供が望まれます。
2. 現行のデジタル伝送方式
ケーブルテレビは 90~770
MHz の帯域を 6 MHz 毎のチャ
電気の振幅と位相で 64 種類
のシンボルのいずれかを順
次送信するデジタル変調方式)
あるいは 256-QAM を用いて
デジタル信号を伝送していま
す。各チャンネルの伝送容量
は、実質約 29~38Mbit です。
3. 8K SHV のケーブル伝送
現段階の最新の映像圧縮
技術でも、8K SHV ケーブルを
テレビの1チャンネルで伝送
することは困難です。そこで
複数のチャンネルを利用して
8K SHV をケーブル伝送する
技術(以下、複数搬送波伝送
方式と呼ぶ)を開発しました。
伝送量が、衛星放送を1つの
中継器で伝送する場合に想
定されている 100Mbit/s 程度
であれば、ケーブルテレビの
3チャンネル程度を束ねて使
えば伝送できます。
この方式の特徴は3つです。
まず、伝送容量の異なるチャ
ンネルを組み合わせても使用
することができます。次に現
行の各チャンネルで余ってい
る容量を束ねて利用すること
ケーブルテレビ局
変調
SHV
(MPEG-2 TS またはTLV)
既存の放送
MPEG-2 TS
ケーブルテレビ
伝送路
256QAM
分割
多重
さらに、映像などのデータ
を PC やタブレットで再生する
ためには、ファイル形式にし
て配信する必要があります。
8K SHV のケーブル伝送方式
は、ファイルを格納できる IP
パケットの伝送にも対応して
います。この IP パケットは、可
変長形式のため、従来の TS
パケットと同じ固定長(188 バ
イト)に収容して分割伝送する
ことができます。
4.規格・標準化の状況
この複数搬送波伝送方式
は、総務省情報通信審議会
から「ケーブルテレビにおける
超高精細度テレビジョン放送
の導入に関する技術的条件」
として、2014 年 12 月に一部答
申されました。
魅力ある 8K SHV の放送を
実現し、広くあまねく伝えてい
くために衛星放送だけでなく
ケーブルテレビでもサービス
をお届けすることができる技
術の研究開発と標準化を進
めていきます。
受信側
復調
256QAM
256QAM
256QAM
64QAM
64QAM
256QAM
が可能で、現行サービスは従
来の受信機でもそのまま受信
可能です。
64QAM
周波数
複数搬送波伝送方式のイメージ図
SHV
合成
既存の放送