南相木村道路ストック総合点検結果

今年度、南相木村では、村道2路線について道路
舗装および道路付帯物(道路標識、道路情報版、道
路照明、のり面)などのいわゆる「道路ストック」
について総点検を実施しました。道路インフラの維
持・点検は、道路を利用する方々の安全・安心を確
保するために非常に重要な業務と位置付けられるも
のです。
以下は、今回の総点検結果の概要をまとめたもの
です。
1. 点検対象路線
(1)
村道小沢線;∼小沢しなのトンネルに至る
3km 区間
(2)
村道三川線、一本木線、奥三川線;滝見の
湯から南相木ダム近傍に至る8.5km
2. 点検項目ならびに点検方法
(1)
道路舗装の路面計測;移動計測車(*)に
よる路面のひび割れ、わだち掘れ、縦断凹凸
等
(2)
道路標識(7 基)、情報版(1 基)、照明施
設(11 基)
;高所作業車による近接目視と打音
点検
(3)
のり面(合計延長 5km);地上からの目視
点検ならびに打音点検
*路面計測は、作業の効率性・安全性の確保や今後の維持
管理計画で継続的かつ定量的にデータの蓄積が図れるこ
とから、高度な GPS、レーザー計測機、高解像度3次元カ
メラ等を備えた移動計測車による測量システム(Mobile
Mapping System、以下「MMS」という)を用いて実施しま
した。
写真
写真
移動計測車による路面計測状況
高所作業車による標識等の点検状況
3. 点検結果
(1)
路面計測
路面計測の結果について、それぞれの項目別に
損傷度という指標でみると次のようになりました。
2.00km
17.3%
損傷度小 ( 0%∼20%)
2.16km
18.7%
図
7.41km
損傷度中(20%∼
40%)
64.0%
損傷度大(40%∼)
路面ひび割れで見る損傷度
この図から、ひび割れ率 40%以上の「損傷度
(大)」が全体の約 17%、ひび割れ率 20∼40%の
「損傷度(中)」が全体の約 19%、ひび割れ率 10
∼20%の「損傷度(小)」が全体の約 64%を占め
ています。ひび割れからみると、全体の 2km 程度
の箇所で早急な対応が必要と言えます。
0.02km
0.26km
0.1%
2.3%
損傷度小(0mm∼20mm)
損傷度中(20mm∼40mm)
11.29km
97.6%
図
損傷度大( 40mm∼)
わだち掘れで見る損傷度
わだち掘れの判定結果は、概ね 4 ㎝以上の「損
傷度(大)」が全体の約 0%、概ね 2∼4 ㎝の「損
傷度(中)」が全体の約 2%、概ね 2 ㎝以下の「損
傷度(小)」が全体の約 98%を占め、この指標で
も概ね良好な状態と言える結果となりました。
1.32km
11.4%
望ましい管理基準(5以上)
4.06km
6.19km
35.1%
53.5%
修繕が必要である(5未満)
早急に修繕が必要(3以下)
図
供用性評価値(MCI)で見る損傷度
この図から、MCI という供用性の指標による判定
結果は、早急に修繕が必要(3 以下)が全体の約 11%、
修繕が必要である(5 未満)が全体の約 35%、望ま
しい管理基準(5 以上)が全体の約 54%を占め、半
数以上が望ましい管理基準にある結果となりまし
たが、一部区間では、早急な対応が必要である状態
と言えます。
0.10km
1.60km
0.9%
13.8%
損傷度小(0mm∼3mm)
損傷度中(3mm∼8mm)
9.87km
85.3%
図
損傷度大(8mm∼)
平坦性評価指数(IRI)で見る損傷度
最後に、平坦性の観点からの判定結果は、損傷
度大(8mm∼)が 1%、損傷度中(3mm∼8mm)が
全体の約 14%、損傷度小(0mm∼3mm)が全体の
約 85%を占め、この指数でも概ね良好な状態と
言える結果となりました。
以上の結果は、デジタル化された損傷マップと
して整理されており、劣化状況をビジュアル的に
見ることが可能となっています。
(2)
道路標識、情報版、照明施設
道路標識、情報版は、今回の点検では一切の異常
は見られませんでした。照明施設 11 基のうち、1 基
で支柱の傾斜が見られたため、判定結果(Ⅱ)とし
て今後の経過観察を行うことになりました。
1基
9.1%
判定結果(Ⅰ):異常なし
判定結果(Ⅱ):経過観察の必
要あり
10 基
90.9%
判定結果(Ⅲ):倒壊・落下の
おそれあり(緊急対応必要)
判定結果(Ⅲ):倒壊・落下の
おそれあり
図
(3)
道路照明における判定結果
道路のり面
村道小沢線 27 箇所(のり面延長約 1.9km)ならび
に村道三川線-一本木線-奥三川線 49 箇所(のり面延
長約 3.2km)の合計 76 箇所・5.1km の点検結果は、
次のとおりとなりました。
9 箇所
11.8%
67 箇所
88.2%
図
のり面の評価結果(箇所数割合)
1.16km
22.6%
3.96km
77.4%
図
のり面の評価結果(延長割合)
この図より、全体の 9 箇所・1.16km で異常ありと
いう結果となりました。
異常の内容は、吹付け工におけるひび割れやう
き・剥離、ブロック積みにおけるひび割れ、漏水が
多いと言えます。
写真
写真
吹付けのり面における剥離、漏水状況
ブロック積みにおけるひび割れ、漏水状況
4. 今後の予定
今回の点検結果において何らかの変状が確認され
た箇所では、引き続き観察を続け、適宜対処して行
く予定です。