2015 年度 早稲田大学 政治経済学部 (英語) 解答解説

2015 年度 早稲田大学 政治経済学部 (英語) 解答解説
Ⅰ
解答
1.b-d-g
2.d
3.e
4.a
5.c-a-d-b
6.b
7.c
解説
「ヒトの独自性」についての文章。
今年度に限らず、また、この大問に限らず、本学部の内容一致問題は「本文に言及なし」で誤りになるものが多
い。思いこみや一人合点をできる限り排除して挑みたい。
1.that 節が導くSVは nothing could be で決まり、空欄の直後の truth の前には the を置く。すると further
が補語になるとわかり、文末が from the truth の副詞句と決まる。正解は nothing could be further from the
で、
「真実よりこれほど遠いものはない」という最上級に相当する意味になる。
参照:
「これほど馬鹿げたことはない」=Nothing could be more absurd.
2.設問リード文の has revealed は本文第3段落第1文の publish の言い換えである。記述内容を照合させる「具
体例一致」の設問。第2文に「遺伝子の数について、人間は 20,000 を持ち、C. elegans という roundworm でも
18,500 を持つ」とあるから、
「サイズと遺伝子数は関係ない」という意味の d を選ぶ。
3.
リード文の hands down は第4段落第4文の pass on の言い換えである。
e の establishment of ~ institutions
が、第7文の created ~ institutions に一致して正解。リード文の culture の具体例が institution と考える
方法もある。
4.空欄を含む部分が、making (V) the boundaries (O) less (
) (C)の第 5 文型になっている。空欄の次の
文で「人間に独特と思われるものの多くは種類(種族)ではなくて程度にある」とあり、生物学的な種族の分類に
よって、人間と他の動物を区別できない、つまり、人間と他の生物との境界が曖昧であると読めるので、a を選
ぶ。空欄直前の less を見落として e の vague にしないように注意。
5.空欄直前に birds とあること、選択肢に鳥を表す jay という語が見えることから、抽象→具体の流れである
ことが想像できる。選択肢 c のセミコロン以下=it has ~ of view が、選択肢 a で具体的に説明されているの
で、c→a の順が決まる。選択肢 d の What is more が a を追加説明したもの、選択肢 b の In other words がこれ
までを言い換えたものと考え、c→a→d→b と答える。
6.同一話者の一連の発言なので、空欄の後ろの them は birds(=animals の例)を指している。鳥が私たち人
間の質問に答えることができないのは、鳥が言葉を持たないからなので、
「ない」という意味の absence を選ぶ。
absence を「欠席」ではなく「不在」と覚えているかどうかを問う語彙問題。
7.リード文の「Goswami 氏によれば」だけを根拠にして第8段落だけで c と決めるのは難しい。第9段落冒頭
の That が彼女の見解を指している。第3文末尾の「他の種に見られるそれをはるかに超えた程度まで」の部分が
選択肢 c の more complex than に対応しているので、これを選ぶ。
Ⅱ
解答
1.d
2.d-e-f
3.a
4.d
5.a
6.d
7.b-a-c-d
解説
「宇宙ゴミ対策」についての文章。
本文から選択肢への言い換えが巧妙で、照合に時間がかかってしまう可能性があるので注意する。設問が並んで
いる順番と本文の記述の順が一致している。
1.第2段落第2文前半に d が一致。
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2.動詞要素は figure out と clean up。残りの how to は必ず後ろに不定詞を導き名詞句を作るので、figure out
の目的語になる。正解は figure out how to clean up。空欄の直前の better は副詞。
3.リード文の important because より、一致箇所は第3段落第3文の because 以下と第4文であると特定でき
る。この部分より a を選ぶ。
4.リード文の increasingly は第5段落第1文の grow に対応している。第5段落最終文から d を選ぶ。
5.The Kessler Syndrome が出るのは第6段落の第4文。直前の That prediction と as で同格の関係になって
いるから、a は正解しやすい。同最終文がその prediction の具体例なので、そちらを根拠箇所としても良い。
6.リード文の solution は第7段落第2文「solutions を追い求めるチャンス」の部分に該当する。その第7段
落第2文の具体例が直後の such as 以下、take down ~ debris であり、続く第3文では select those most likely
to contribute to debris とあるので、
「ターゲットを絞り、取り除く」という意味の d が正解。
7.直前の段落が Kessler の発言で終わっていることから、選択肢 b を先頭に置く。選択肢 a の内容が選択肢 b
の take action の具体例と考え、b→a を決める。選択肢 a の最後にある not the solution itself を受けて、
「そ
うであっても(=解決にはなっていなくても)
、議論を続ける」という意味の選択肢 c が次にくると考えて、b→a
→c→d の順が決まる。
Ⅲ
解答
1.b
2.c
3.a-c-b
4.b-a-d-c
5.e
6.c
7.d
8.d
解説
「地球に負荷をかけているのは人口増加ではなく消費過剰」という主旨の文章。
頻出のテーマで読みやすかったと思われるが、一致箇所の特定に時間をロスする可能性が高い。Ⅱと同様に「設
問と本文が同じ順番」と用意していきたい。
1.空欄直後で本文第1段落第3文を否定しているため、逆接の But を含む選択肢 b を選ぶ。
2. リード文は第2段落第5文に該当する。続く第6文の内容から、女性が産む子供の数が減少したのは、global
な理由ではなく、個人の理由であるということがわかるので、選択肢 c を選ぶ。
3.バングラデシュにおける、現在の女性とその母親(=昔の女性)が比較の対象。
「現在の女性が出産する子供
の数が、昔の半分以下になっている」という意味になるように並べかえる。ただし half は冠詞に先行することに
注意する必要がある。正解は than half the number their mothers。
4.選択肢から Africa と Middle East の対比関係が読み取れる。まず選択肢 b で生まれる子供の数が多い例を提
示し、選択肢 a の But でその流れを変える(この But が空欄直前の of course とセットで譲歩構文を作る)
。次に
生まれる子供の数が少ない Iran を例示する選択肢 d を置き、
その内容を具体的に説明する選択肢 c が次にくると
考えると、b→a→d→c の順が決まる。
5.第8段落の第5文の generation は「
(およそ)30 年」なので e に決まる。時間の幅を表す名詞は他に decade
(10 年)/score(20 年)/century(100 年)がある。
6.リード文の「人口が増え続けている国」は、第9段落第2文の while 以下、most of the remaining population
growth だとわかる。この部分に、a very small impact on the planet とあるので、選択肢 c を選ぶ。
7.
「人口の 7%が二酸化炭素の排出量の(
)を占めている」のとは逆に(=Conversely)
、
「人口の半分が二酸
化炭素の排出量の 7%を占めている」の関係から、選択肢 d の half が正解とわかる。
8.結論を示す第11段落の内容から、選択肢 d が正解とわかる。
Ⅳ
解答
1.c-b-e
2.e
3.a-e-d
4.b
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解説
2つの語句整序が例年よりやや難しかった。残り時間との兼ね合い(この大問に使えるのは最長でも 10 分)もあ
り、考え抜けなかった場合もあるだろう。
1.Ron が horoscope を信じている、ということが Still からわかる。星が1つのはずはないから a star はない
だろうし、right を名詞「権利」で使っても意味が通らない。このことから、star が不要、かつ right が形容詞
であると考える。また、right が修飾する名詞がないので(使うとすれば)叙述用法とする必要がある。getting
を第3文型で使うとうまくいかないため、getting things right の第5文型と気づく。あとは a habit と getting
を同格の of でつなぐだけ。正解は a habit of getting things right(=物事をただす性質)
。
2. これまでの発言から、Harry は horoscope を信じていないことがわかるので、直前の Ron の発言を受けて「君
の言っていることは誰でも当てはまるだろうよ」という意味の選択肢 e を選べばよい。
3.can’t 及び don’t の後ろに動詞の原形(be か write)
、write の目的語は everything だろうから、to が前置詞
で使えない。つまり to 不定詞になるか、いずれかの助動詞(can’t と don’t)が使えないか、それとも to が不要
か、まではわかるはず。言い換えれば trusted は受動態で使うよりなく、お手上げになった人も多いだろう。正
解は can’t be trusted to write everything。trust O to do の受動態というわけだが、難しい。
4.直前で「僕を納得させるには足りない」と言われているから、
「疑うならどうぞご自由に」の b が正解。単純
な feel free to do(自由に~して良い)の熟語問題。
Ⅴ
解答例(賛成)
I agree with this statement. I think people who are 18 are mentally mature enough to vote as those who
are 20. So there seems to be no reason to limit the voting age to 20 or over. Also, lowering the voting
age may be a good incentive for younger people. In a recent TV news program, I have seen many high school
students saying, “yes”, when asked whether they would go and vote if given the right to do so. It is
said the youths are indifferent about politics, which leads to policies mainly considering older
generations, causing further indifference among the youth. It is a vicious circle. However, I think that
lowering the age to vote will also contribute to cutting their indifference.
解答例(反対)
I do not agree with this statement. Many 18 year olds are high school students, and I think it is
inappropriate for them to be involved in politics. It seems to me they are indifferent to politics because
they are not well informed on this topic. So, the education in politics is necessary before they go to
a polling place. I also worry about the desperate attempt of political parties to reach young people.
I do not feel it is desirable that the walls of school buildings are lined with their posters. Lowering
the voting age may well bring about the claim that 18 should be the coming of age as well. This is not
very good because I do not want the same teenagers to start drinking and smoking legally.
解説
「選挙権が与えられる年齢は 18 歳に引き下げられるべきか」について、肯定、否定いずれかの立場で意見を論じ
る問題。2 つ以上理由を挙げて論じる点、時間配分(最大 15 分まで)に指示がある点など、例年通りの出題形式
だった。このテーマは他の大学でも出題されているため、過去問などを使って練習していった受験生は書き易か
ったと思われる。対策は、論述式の問題に数多く当たり、100 語程度で簡潔に意見をまとめる練習をすることで
ある。その際、主張とその理由付けに一貫性があることがポイントになるので、答案は第 3 者に見てもらうこと
が不可欠だろう。
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