コモディティ マンスリーレポート(2015年3月4日発行分)

情報提供用資料
C o m m o d i t y
コモディティ・マンスリーレポート
2015.3.4
原油
原油市場は、世界的な供給超過状態が年末まで続くと予想される中、足元の高水
準の在庫は一段と積み上がる見通しであり、上値の重い展開になると予想する。
米国では石油リグ(掘削装置)稼働数が減少傾向にあるものの、産油量は依然と
して増加しており、需給ギャップの縮小には時間を要そう。
金
金市場は、欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和策の導入を背景とした一段の
金利低下などを受けて、安全資産としての相対的な投資魅力が高まると予想され、
MONTHLY REPORT
底堅い動きになると予想する。ただ、中国では実質金利の上昇などを背景に現物
需要が減退しており、価格の上値は抑えられよう。
トウモロコシ
トウモロコシ市場は、昨年の米国の記録的豊作により生産者が潤沢な在庫を抱え
ており、上値の重い展開になると予想する。ただ、今年の米国の作付面積は前年
から縮小する見通しであるほか、期末在庫見通しも中期的に緩やかな低下傾向を
辿るとみられ、下値余地は小さいと考える。
原油
高水準の在庫を背景に上値の重い展開
NYMEX原油先物価格の推移
(2014/3/3~2015/2/27
OECD加盟国の原油在庫の推移
日次)
(2010/1~2016/12
(ドル/バレル)
月次)
(日分)
EIA予想
65.0
110
2010-2014年のレンジ
100
62.5
OECD原油在庫
90
60.0
80
70
57.5
60
55.0
50
40
2014/3/3
(年/月/日)
2014/6/25
2014/10/17
2015/2/12
(年/月/日)
52.5
2010/1
2012/1
2014/1
2016/1
(年/月)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
(出所)米エネルギー情報局(EIA)データより岡三アセットマネジメント作成
一旦反発もその後はもみ合い
バッケン地区のリグ稼働数とリグ当たり産油量
(2007/1~2015/2
2月の原油市場は、上旬は米国の製油所など
石油関連施設で大規模なストライキが発生した
ことを受けて、石油製品の供給不安が高まった
ほか、国際石油資本などが相次いで設備投資計
画の削減を発表したことも相場の支援材料にな
り、堅調に推移した。中旬以降は、米国内の石
油リグ(掘削装置)稼働数の減少を受けて、同
国の産油量の伸びの鈍化観測が強まる一方、世
界的な原油在庫の増加などが上値を抑える要因
となり、もみ合う動きとなった。
過剰在庫が上値を抑えよう
米国の原油在庫をみると、今年に入って7週
連続で増加し、足元で4億3,407万バレル(前年
比+19.8%)と過去最高を更新している。米エ
ネルギー省は、世界原油需給のギャップが今年
4-6月期に日量121万バレルへ拡大し、その後も
供給過剰が年末まで続くと予想している。これ
に伴って経済協力開発機構(OECD)加盟国の在庫
は増加傾向を辿り、5月には消費量の63.2日分
と過去最高を記録するとみられる。当面は、世
界的な過剰在庫が原油価格の上値を抑えよう。
1
月次)
(バレル/日)
(基)
300
250
600
リグあたり産油量(右軸)
石油リグ稼働数(左軸)
500
200
400
150
300
100
200
50
100
0
2007/1
2009/1
2011/1
2013/1
0
2015/1
(年)
(年/月)
(出所)米エネルギー情報局(EIA)データより岡三アセットマネジメント作成
石油リグ稼働数は減少傾向も
米国の石油リグ稼働数をみると、2月末時点
で986基と昨年10月から約4割減少している。こ
の水準は2011年6月以来となるが、1基当たりの
産油量をみるとバッケン地区(主要なシェール
オイル産出地)で平均563バレル/ブッシェルと
2011年6月から約2.5倍に増加している。石油リ
グ稼働数は減少しているものの、掘削技術の向
上により1リグ当たりの産油量は大幅に増加傾
向にあり、米国の産油量の伸びの鈍化には更な
る稼働数減少が必要になると考える。
■本資料は、投資環境に関する情報提供を目的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したもの
ではありません。■本資料に掲載されている市況見通し等は、本資料作成時点での当社の見解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、将来の運用成
果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■
投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、投資判断はお客様ご自身で行っていただきます
ようお願いします。
金
欧州の需要増加観測から底堅い動き
COMEX金先物価格の推移
(2014/3/3~2015/2/27
金ETFの月次残高増減と金価格の推移
日次)
月次)
(2008/1~2015/2
(ドル/トロイオンス)
(トン)
(ドル/トロイオンス)
250
1,500
SPDRゴールド・シェア(左軸)
2,000
金価格(右軸)
200
1,800
150
1,600
100
1,400
1,300
50
1,200
0
1,000
1,200
-50
800
-100
600
1,400
1,100
2014/3/3
2014/6/25
2014/10/17
2015/2/12
-150
2008/1
400
2010/1
2012/1
2014/1
(年/月/日)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
主要国・地域の第4四半期の金需要
堅調な米雇用指標を受けて下落
2月の金市場は、上旬は米国の雇用統計にお
いて非農業部門雇用者数が市場予想を上回る増
加となったほか、平均時給が前月から上昇した
ことを受けて、早期利上げ観測が台頭し、軟調
に推移した。中旬は、欧州連合(EU)などによ
るギリシャへの金融支援が延長されるとの観測
を背景に安全資産としての投資需要が減退し、
一段安となった。月末にかけては、米国の金融
当局高官が早期の利上げに対して慎重な見方を
示したことなどから、下げ渋る動きとなった。
(年/月)
(トン)
300
2013年4Q
2014年4Q
250
200
150
100
50
0
中国
インド
欧州
米国
中東
(出所)World Gold Councilデータより岡三アセットマネジメント作成
欧州の投資需要は高まろう
アジアの需要増加観測は後退
最 大 の 金 ETF ( 上場投 資 信 託 )で あ る SPDR
ゴールド・シェアの残高をみると、2013年は約
550 ト ン の減 少 、 2014年 も 約 90 トン の 減少 と
なったが、2015年に入って約60トン増加してい
る。欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和策
の導入により欧州主要国の金利が低下している
ことに加え、ウクライナ問題を巡って欧米とロ
シアの対立が深まっており、欧州を中心に金の
投資需要が高まると予想されることは、相場の
強気材料と考える。
アジアの需要をみると、中国では昨年10-12
月期の現物需要が183.5トンと前年同期比-28%
となった。中国の消費者物価指数(CPI)は、
2013 年 の 前 年 比 +2.6 % に 対 し て 2015 年 1 月 は
+0.8%と低下傾向を辿っており、実質金利の上
昇を背景に金への投資魅力が後退していると考
えられる。また、インドでは2015年度予算案に
おいて金の輸入関税の引き下げを見送っており、
関税引き下げによる需要増加観測が後退してい
ることも、価格の上値を抑える要因となろう。
2
■本資料は、投資環境に関する情報提供を目的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したもの
ではありません。■本資料に掲載されている市況見通し等は、本資料作成時点での当社の見解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、将来の運用成
果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■
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トウモロコシ
潤沢な在庫と減産観測からもみ合い
米国のエタノール生産量の推移
CBOTトウモロコシ先物価格の推移
(2014/3/3~2015/2/27
日次)
(2010/9/3~2015/2/20
(セント/ブッシェル)
(セント/ブッシェル)
週次)
(千バレル/日)
1,050
550
2011年度-2014年度のレンジ
2015年度
1,000
500
950
450
900
400
850
800
350
750
300
2014/3/3
2014/6/25
2014/10/17
2015/2/12
700
9月
(年/月/日)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
強弱材料が交錯し一進一退
2月のトウモロコシ市場は、上旬は原油価格
の反発を受けて、エタノール需要の増加期待が
高まったほか、米農務省が期末在庫見通しを引
き下げたことも相場の支援材料となり、堅調に
推移した。中旬は、相場材料に乏しいなか、狭
いレンジでもみ合う動きとなった。下旬は、南
米の豊作観測を背景に一旦は下落したものの、
その後は米国中西部地域の寒波による作柄悪化
懸念を背景に、飼料として競合する小麦の価格
が上昇したことから、連れ高する展開となった。
12月
3月
6月
(年)
(出所)米エネルギー情報局(EIA)データより岡三アセットマネジメント作成
米国の生産高・消費量・期末在庫率の見通し
(2008~2020年
年次)
(百万ブッシェル)
(%)
15,000
25
USDA予想
生産高(左軸)
消費量(左軸)
14,000
20
期末在庫率(右軸)
13,000
15
12,000
10
11,000
5
10,000
0
2008
2012
2016
2020
(年)
(出所)米農務省(USDA)データより岡三アセットマネジメント作成
潤沢な在庫が上値を抑えよう
作付面積の縮小観測が下支え
米農務省は、足元の好調な需要を背景にエタ
ノール需要見通しを7,500万ブッシェル(前月
比+1.4%)引き上げた。これに伴って今年の期
末在庫率は13.4%と、適正水準とされる15%を
下回る見通しである。ただ、昨年の記録的豊作
により米国内の在庫は潤沢であることに加え、
出荷前の農場内在庫も依然として高水準である。
米国産の生産コストとされる1ブッシェル=4ド
ル程度を上回る水準では、売却圧力が強まると
予想され、価格の上値を抑えよう。
米農務省は2月の展望会議(アウトルック・
フォーラム)において、今年のトウモロコシ作
付面積を8,900万エーカーとし、昨年から1.8%
縮小するとの見通しを示した。これに伴って来
年の期末在庫率は12.3%まで低下するとみられ、
需給引き締まり観測が相場の下支え要因となろ
う。また、米農務省は同会議において、中期的
に米国産の消費量が生産高を上回る状況が続き、
期末在庫率は緩やかに低下傾向を辿るとの見方
を示しており、価格の下値は限定的となろう。
3
■本資料は、投資環境に関する情報提供を目的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したもの
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•
•
•
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商
号:岡三アセットマネジメント株式会社
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登
録:金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第370号
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(作成)