記事全文

九州地方整備局の平成27年度新規事業候補箇所に「阿久根川内道路」
社会資本整備審議会九州小委員会で了承、総事業費約1,050億円
阿久根川内道路の平成27年度新規事業採択時評価について審議した九州小委員会(福岡市にて)
九州地方整備局の平成26年度第4回社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会
(委員長:溝上章志熊本大学大学院教授)は3日、福岡市の東福第2ビルで開き、一般国道
3号(南九州西回り自動車道)阿久根川内道路(鹿児島県)の新規事業採択時評価として事
業概要や地域課題、整備効果、ルート案、政策目標などについて審議し、計画案を了承した。
南九州西回り自動車道の唯一の未事業化区間の新規事業化が前進
平成27年度新規事業候補箇所の選定は、高規格幹線道路のうち、未事業化区間の中から
計画確定が済み、都市計画決定、環境影響評価実施済み等の実施環境が整った区間を選定す
ることになっており、阿久根川内道路が平成27年度新規事業候補箇所に選定された。なお、
管内では未事業化区間に、九州横断自動車道(熊本県矢部~宮崎県蔵田)
、東九州自動車道(宮
崎県日南~鹿児島県志布志)があり、今後、新規事業化が予定されている。南九州西回り自
動車道は熊本県八代市を起点に水俣市、鹿児島県阿久根市、薩摩川内市等を径由し、鹿児島
市に至る延長約140kmの自動車専用道路。そのうち、鹿児島県阿久根市~薩摩川内水引
間約22kmが唯一の未事業化区間で、鹿児島県などからも早期事業化が望まれていた。
計画概要によると、車線数は4車線、計画交通量が1日当たり約19,400台の自動車
専用道路で、全体事業費が約1,050億円。都市計画決定及び環境影響評価書縦覧を阿久
根IC~西目IC間(仮称)が平成17年12月、西目IC(仮称)~薩摩川内水引ICが
平成26年7月に完了。整備効果として①災害時の避難路、緊急輸送道路の確保など防災機
能の強化、②医療アクセス負担の軽減、③九州縦貫自動車道と周遊ネットワークが形成され、
交流人口の拡大などを期待されている。
整備区間のルートは、鹿児島県阿久根市の阿久根ICから~西目IC(仮称)
、大川IC(仮
称)
、湯田西方IC(仮称)を経て、薩摩川内水引ICを繋ぐ約22.4km。阿久根ICか
ら西目IC間に橋長50m~14mの橋梁4本、西目IC~大川IC間に橋長76m~21
7mの橋梁4本、大川ICから湯田西方IC間に橋長59m~313mの橋梁11本、湯田
西方ICから薩摩川内水引IC間に延長約1,204mと約515mのトンネル2か所、橋
長56m~240mの橋梁3本が計画されている。
事業費約1,050億円の内訳は、工事費が約818億8,100万円で、①改良費約2
73億円(土工187億円、法面工22億円、排水工20億円、函渠工16億円など)、②橋
梁費約335億円(100m以上24橋約289億8千万円,100m未満24橋約45億
6千万円)、③トンネル費約99億円(NATM4本、延長計3,437m)、④IC・JC
T費約56億円(平面Y型4か所、集約ダイヤモンド1箇所)、⑤舗装費約41億円、⑥付帯
施設費約15億円(標識工、立入防護柵工、照明工等)のほか、用地・補償費約81億円に
間接経費約149億円(地質調査、測量、設計、予備費等)を見込んでいる。