京都大学2005年後期第二問

2005 年 京都大学後期 英作文
(2) コンピュータの操作に際しては,まず,調整が可能で体をしっかり支える座
り心地のよい椅子を選んでください。次に,足の裏全体が床につき,太ももと床
が平行になるように,椅子の高さを調整してください。さらに,キーボードの前
に座ったときには,画面の上端が目の位置よりも少し低くなるようにし,目から
画面までの間隔は 50cm 以上の拒離を保つようにしましょう。
a. コンピュータの操作に際しては,まず,調整が可能で体をしっかり支える座り心地のよい椅子を
選んでください。
始めのコンピュータという言葉を聞くだけで非常に専門的な単語を使わなくてはいけな
いように思うかもしれませんが、結局は「何が言いたいのか」に着目すると、あっさり簡
単に書ける。英作文に限ったことではありませんが、何が本質的なのかを見極めることが
重要です。
さて今回は一番困りそうなのは「調節が可能で体をしっかり支える座り心地のよい椅子」
でしょう。このように形容語句が多い場合は少し整理しなくてはいけません。
「調節が可能」
「体をしっかり支える」は関係代名詞で後ろからかかれそうです。また「座り心地のよい」
は comfortable と一語で表現できるので前からかかることができます。このように分散する
とバランスの取れた文が書けるでしょう。
When you manipulate a computer, please use a comfortable chair that you can adjust
and supports you well.
b. 次に,足の裏全体が床につき,太ももと床が平行になるように,椅子の高さを調整してくださ
い。
ここも少し難しいかもしれません。具体的な状況をイメージしてみましょう。「足の裏全
体が床につき」は「足が床にくっついている」ということです。今回は用いていませんが
付帯状況の with が思い浮かべば上出来です。次に「太ももと床が平行になるように」につ
いては run parallel to という熟語を知らないと難しいでしょう。そして全体の構文として
「…となるように…を調節してください」で目的を表す so that が出てくればこの文章を訳
せたことになります。
Next, adjust the height of your chair so that your whole feet are on the floor and your
knees run parallel to the floor.
c. さらに,キーボードの前に座ったときには,画面の上端が目の位置よりも少し低くなるようにし,
目から画面までの間隔は 50cm 以上の拒離を保つようにしましょう。
前文同様具体的な状況をイメージします。まず「キーボードの前に座る」とは「机に座
る」ということで sit at the desk が使えそうです。もちろん in front of the keyboard とし
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ても構いませんが。「画面の上端が目の位置よりも少し低くなるように」というのは一見難
しそうですが、よくよく考えれば比較級の文です。「画面の上端<目の位置」と考えればよ
いのです。目の位置は eye level でもよいですし、単純に eye としても問題ないでしょう。
「目から画面までの間隔は 50cm 以上の拒離を保つ」というのも結局は「目と画面は 50cm
以上離れている」ということに過ぎません。
そして最後に意外と難しいのが「…しましょう」という文。お願いともとれなくもない
し…となかなか難しいところです。ここは少し深く読み取って「ちゃんとしておきましょ
う」と考えると make sure that が使えそうです。
And when you sit at the computer desk and have a keyboard in front of you, make
sure that the top of the display is a little lower than your eyes and they are more than
fifty centimeters away the display.
以上をまとめてみると次のような訳になります。
When you manipulate a computer, please use a comfortable chair that you can adjust
and supports you well. Next, adjust the height of your chair so that your whole feet
are on the floor and your knees run parallel to the floor. And when you sit at the
computer desk and have a keyboard in front of you, make sure that the top of the
display is a little lower than your eyes and they are more than fifty centimeters away
the display.
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