経営経済動向調査結果(要約) 宇城久区域商工会議所・商工会広域連携協議会 宇城久地域ビジネスサポートセンター(宇治商工会議所・城陽商工会議所・久御山町商工会) 宇城久区域商工会議所・商工会広域連携協議会では、景気動向を把握するために、宇治・城陽・ 久御山区域内に有する企業を対象にアンケート調査を行った。 今回は、平成26年1月~6月、平成27年7月~12月期実績と、平成27年1月~7月期予 測についての調査を本年1月に実施。384社から回答(回答率38.4%)を得た。 業界の景気 この調査は、各企業に関する業界の景況感を調査したもので、平成26年上期実績では「上昇」 とした企業が21.2%、 「下降」 と回答した企業が31.0%、 BSI値は▲4.9であったものが、 平成26年下期では「上昇」と回答した企業が19.8%、 「下降」とした企業が37.6%となり、 BSI値は▲8.9と一時的に上向いていた景気が再び下降しつつあることを表す結果となった。 ま た平成27年上期予測については、 BSI値は▲10.1と緩やかながらマイナス値の増加を示して おり、先行きについては慎重な見方をしている企業が多いという結果となった。 業種別にみると、平成26年上期では、建設業のBSI値のみプラスを示していたが、平成26 年下期では、全ての業種のBSI値がマイナスを示している。 規模別にみると、A規模企業(従業員数20人以上)であっても平成26年下期のBSI値はマ イナスとなっており、各期を通してマイナスのBSI値を示しているB規模企業(従業員数19人 以下)ともども景気の停滞感は広がっていると思われる。 業界の景気 項 目 業 種 全 業 種 実 平成 26 年1月~6月 上 下 B S 昇 降 I 績 平成 26 年7月~12月 上 下 B S 昇 降 I 予 測 平成 27 年1月~6月 上 下 B S 昇 降 I 21.2 31.0 ▲4.9 19.8 37.6 ▲8.9 17.0 37.3 ▲10.1 製 造 業 24.5 29.0 ▲2.3 29.6 31.2 ▲0.8 22.4 32.3 ▲4.9 卸・小売業 10.9 43.8 ▲16.4 4.6 56.9 ▲26.2 9.7 53.2 ▲21.8 飲 食 業 8.7 30.4 ▲10.9 8.7 30.4 ▲10.9 4.3 26.1 ▲10.9 運輸・通信業 8.3 25.0 ▲8.3 16.7 41.7 ▲12.5 9.1 36.4 ▲13.6 建 設 業 41.2 14.7 13.2 14.7 35.3 ▲10.3 21.2 42.4 ▲10.6 サービス業 15.6 35.6 ▲10.0 8.9 42.2 ▲16.7 9.1 38.6 ▲14.8 A規模企業 23.2 20.8 1.2 29.6 30.4 ▲0.4 20.5 27.9 ▲3.7 B規模企業 20.2 36.0 ▲7.9 15.0 41.1 ▲13.0 15.2 42.0 ▲13.4 (注)BSI値とは、企業経営者の景気全般の見通しについて、強気、弱気の度合を示すもので、 プラスならば「強気」 「楽観」 、マイナス(▲)ならば「弱気」 「悲観」を意味する。算出方法 は、上昇回答から下降回答を差し引きし、2分の1を乗じて計算する。 またA規模企業は従業員20人以上の企業で、B規模企業は19人以下の企業。 -1- 自社の操業度 この調査は、各企業における操業度合を各期の直前期と比較したもので、平成26年上期、平成 26年下期の全業種平均をみるとBSI値▲0.7、▲0.8となり、両期ともマイナスの値を示し ている。平成27年上期予測では、BSI値は▲3.7と現状よりも落ち込むと予測している。 実績の2期間を比較すると、全業種のBSI値では▲0.1ポイントの悪化となっているが、業種 別でみるとその波は大きく、製造業、飲食業、運輸・通信業ではBSI値はプラス方向に増加してい る一方、マイナス方向には、卸・小売業、サービス業の悪化に加え、他業種を牽引していた建設業 のマイナス転落が大きく響いた結果となっている。しかも平成27年上期予測では、下期実績で好 転していた飲食業のBSI値もマイナスとなっており、予測の先行きは明るくない。 自社の 操業度 項 目 業 種 全 業 種 実 平成 26 年1月~6月 上 下 B S 昇 降 I 績 平成 26 年7月~12月 上 下 B S 昇 降 I 予 測 平成 27 年1月~6月 上 下 B S 昇 降 I 22.3 29.8 ▲3.7 26.9 28.2 ▲0.7 25.9 27.5 ▲0.8 製 造 業 29.9 26.4 1.8 34.9 22.1 6.4 26.0 24.5 0.8 卸・小売業 11.5 37.7 ▲13.1 6.6 39.3 ▲16.4 13.3 43.3 ▲15.0 飲 食 業 25.0 25.0 0.0 33.3 29.2 2.1 16.7 29.2 ▲6.3 運輸・通信業 25.0 25.0 0.0 25.0 16.7 4.2 36.4 18.2 9.1 建 設 業 44.1 14.7 14.7 17.1 25.7 ▲4.3 27.3 33.3 ▲3.0 サービス業 22.7 36.4 ▲6.8 15.9 38.6 ▲11.4 14.0 34.9 ▲10.5 A規模企業 35.0 17.1 8.9 37.4 20.3 8.5 28.1 19.8 4.1 B規模企業 22.9 33.7 ▲5.4 20.2 31.0 ▲5.4 19.4 34.7 ▲7.6 生産・売上高 この調査は、製造業、建設業における生産高、それ以外の業種における売上高を対直前期と比較 したものである。平成26年下期の全業種平均をみると、対直前期に比べ「減少」と回答した企業 が2ポイント増えたため、BSI値はわずかに悪化し▲2.4となっている。しかも平成27年上期 予測では、 「増加」とする企業が減少するためBSI値は▲5.1に落ち込むと予測している。 製・商品販売価格 平成26年下期実績の製品又は商品の販売価格を全業種平均で見ると、 「上昇」 と答えた企業は上 期実績と変わりないが、 「下降」と答えた企業が増加したため、BSI値は▲2.9とわずかに悪化 している。しかし平成27年上期予測では「上昇」と「下降」の差がほとんどなくなり、BSI値 は▲0.4とマイナスではあるが改善されている。 当面の経営上の問題点 この調査は、企業における経営上の問題点(複数回答)について調査したものであり、全企業平 均で最も多いのは、 「売上・受注不振」の42.3%であり、ついで「原材料価格高」の38.1%、 「求人難」の27.9%、 「商品価格・受注単価安」の26.4%の順になっている。 業種別に最も多かった経営上の問題点を見ても、 「売上・受注不振」が卸・小売業(53.8%)と サービス業(43.5%)で、 「原材料価格高」が製造業(44.8%)と飲食業(58.3%)で、 「求人難」 が運輸・通信業(50.0%)と建設業(42.9%)で最も多く挙げられている。 -2-
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