誤り訂正機能付き高速シリアル伝送技術の開発 メディアシステム事業所 大場 稔 要 旨 デジタルテレビ放送をきっかけに,映像関連装置 しつつある。 は,大画面化,高精細化が進み,これに伴って表示 2011年度に三菱電機エンジニアリングが開発した コントローラが扱うデータ量が増大し,データ伝送 高速シリアル伝送ボードに搭載のアルテラ社製FPGA の高速化及び大容量化が進んでいる。従来,映像デ では,ザインエレクトロニクス㈱が提唱するV−by− ータの伝送は,パラレルバスによる伝送方式やシリ One HS(注1)のプロトコルを利用した高速シリア アルとパラレルを併用したLVDS伝送方式が採用され ル伝送を実現している。V−by−One HSは,画像用途の ていた。しかし,伝送容量の拡大に伴い,ケーブル データの連続・大量伝送に適した伝送方式であるが, 本数の増加,データ/クロック間のスキュー管理, データのビットエラーが発生しても,画像ではその 電磁波の不要輻射(ふくしゃ)対策の面で,原理的 エラーの有無は見分けがつかないため,エラー修正 にこれ以上の高速化が困難な状況にある。この大量 までは考慮されていなかった。しかし,今後画像用 データの高速伝送化に対する解決策として伝送デー 途を拡大していくためには,エラーを伝達しない仕 タに伝送クロックを埋め込んだシリアル伝送へ移行 組みが必要であり,誤り訂正機能の開発を行った。 送信ボードのブロック図 電子式指示計器 受信ボードのブロック図 (注1) V−by−One HSは,ザインエレクトロニクス㈱の登録商標である。 MEEエンジニア59 MEEエンジニア59号 エンジニア59号
© Copyright 2024 ExpyDoc