添付資料-Ⅱ スマホの動向・スマホの災害対策アプリ スマホの動向

添付資料-Ⅱ スマホの動向・スマホの災害対策アプリ
<以下の資料と共に構成されている>
表-1 スマホの出荷状況と携帯電話契約数
表-2 スマホ災害対策アプリ一覧
参考文献・サイトなど
スマホの動向
1.スマホの出荷状況:伸びは沈静化か
(表-1)
・JEITA の発表によれば、2013 年 11 月現在の移動電話(スマホ・フィーチャフォン・
PHSの合計)は累計 1 億 3,583 万台(内IP接続契約数は1億 789 万台)であった。
2012 年度のスマホの出荷台数 14,595 千台の内で移動電話全体に占めるスマホの割合
は 55.9%で、2013 年は 60%を超えた。
今後は伸びが鈍化するとの予測がある(参考文献―4)
・MM 総研:2014 年 3 月末の携帯電話契約数は 1 億 4,413 万件で前年度末の 1 億 3,605
万件から 808 万件増加し、総人口に対する普及率は 113.4%に達した。5 つの製品カテ
ゴリ別契約数の内訳は、
-フィーチャーフォン:6,468 万件(構成比 44.9%)
-スマホ:5,734 万件(同 39.8%)
-タブレット:427 万件(同 3.0%)
-データ通信カード:1,001 万件(同 6.9%)
-通信モジュール等:783 万件(同 5.4%)
に分類される(表-1:データ 1)
。
・2019 年 3 月末にはスマホ契約数が 1 億件を突破
MM総研では、2019 年 3 月末の端末契約数が 1 億 4,529 万件となり、うちスマホ契
約数は 1 億 300 万件でスマホ契約比率は 70.9%に達する見込み。また、2019 年 3 月
末におけるフィーチャーフォン契約数も 4,000 万件規模を維持し、通話・メールを 中
心とした利用用途、月額利用料金の安さ、使い慣れた操作性にメリットを感じるユー
ザーの支持が一定数保たれると予測する(表―1:データ 2)
。
・スマホの機器としての成熟度を高まっており、メーカ間の機能差価格差は目立たなく
なった。機器選択のポイントは、3大キャリアからの選択か、3大キャリア以外から
の選択か、更にはデザイン性、画面のサイズ、サクサク感、操作性、手書き入力の有
無などが選択肢となっている。
2.新キャリア・新料金プラン・新サービスにより競争環境は新たな局面へ
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2013 年度携帯電話契約数の純増数は 800 万件規模と依然として多かった。
(1)人口普及率が 100%を超えてもなお増加し続けている3要因(参考文献2)
① 大手キャリアの競争力指標として契約純増数およびナンバーポータビリティ制度
(MNP)による純増数を重視する“純増至上主義”
② 一部機能を限定することで低価格を実現している MVNO SIM カードの台頭
③ 携帯電話に限らず PHS や BWA(Broadband Wireless Access)を含めて 1 つの端末
で複数キャリアとの契約形態を取るダブルカウントやトリプルカウントの増加
(2)2014 年度以降の動向について――新しい競争環境へ
・上記の要因①による影響は沈静化に向かう可能性があるが、要因②③といった MVNO
サービスに起因する影響は更に顕著になることが想定される。結果として、契約数は
増加傾向が続くと分析した。
・2013 年度末は多額のキャッシュバック等による販売競争が既存ユーザ(特に長期利用
ユーザ)を無視したプロモーションであると問題視されたが、2014 年度以降は新しい
競争環境で鈍化しつつあるスマホシフトを活性化させると同時に、競争環境の健全化
と市場の発展に寄与することを期待したい。
*
ヤフーによる Y!mobile の誕生、
*
長期利用ユーザの優遇も考慮した新料金プラン
*
MVNO を含めた新勢力の参入
・電池の容量は向上しているが機能の向上に食われ実質的な電池の持ち時間は伸びてい
ない。普及の足かせの一因であると思われる。
(3)青少年のスマホ所有と利用内容(参考文献5:内閣府速報:平成26年2月 内閣府)
・スマホを所有する青少年が平成 24 年から 25 年にかけて急増している。
-高校生 83%
(56%)
-中学生 47%
(25%)
-小学生 14%
(8%)
<( )内は 24 年>
・青少年の携帯電話・スマホを通じたインターネット利用が常態化
-高校生 97%
(95%)
-中学生 82% (75%)
-小学生 44% (41%)
・利用内容、利用時間
中高生では、SNSサイト等やチャット等のコミュニケーション、調べもの、ゲー
ム及び(音楽や動画等の)閲覧が増加、小学生はメールが多い。携帯電話・スマホ
でインターネットを利用している青少年のうち、約4割が2時間以上インターネッ
トを利用(平均時間は約 107 分)と長くなる傾向がある。
・携帯電話に比べ、スマホのフィルタリング等利用率は低い(50%~60%)。
・スマホシフトは進んできているが、高齢者への普及は操作の複雑さ、利用料金の高さ
2
などが要因で進んでいない。
3.スマホの災害対策アプリの動向(表―2)
今後の災害時には普及したスマホ+利用者が増えた SNS が大きな役割をなすだろう。ス
マホ対応の災害対策アプリも東日本大震災から 3 年が経過し様々なものが開発されてき
ている。
・東日本大震災の被災地では、携帯電話の基地局の多くが停電で利用できなくなってし
まったが、現在では携帯電話事業者各社の対策も進んでいる。NTT ドコモは、人口カ
バー比で全国の 65%に相当する約 1900 カ所の基地局で、24 時間以上稼働できるバッ
テリーを内蔵する工事を行った。ソフトバンクモバイルも約 2200 カ所の基地局で同様
の工事を進めている。停電しても、しばらくの間はパケット通信が利用できる可能性
は高い。
・東日本大震災の時には、公衆無線 LAN 事業者が、自社のネットワークを無料開放する
緊急措置を取った。停電でなければ、近くの駅や飲食店のアクセスポイントで無線 LAN
を利用できる可能性がある。
・災害対策アプリは(表-2)で示すように数多く出揃った。緊急時にのみ有効なアプ
リも多いが、平時から利用しているアプリに緊急時の対応がプラスされているものも
多い。
-震災を知らせる(緊急通報など)、震災発生時の対応(安否確認、情報共有、交通情報
など)、支援関連など幅広く用意されている
-平時に広く利用されているアプリ(Twitter や facebook などの SNS など)は平時の
利用の中に災害時対応の機能を同居させており、緊急時に利用しやすいものとなっ
ている。
-企業向けの有料アプリは、平時から利用する外出管理などと同じような使い勝手の
よいものが多い。
・スマホから利用できる災害対策マニュアル(参考文献9)には、災害時に役立つ Web
サイト(被害予測地図、防災計画立案などや安否確認用アプリ、スマホに入れておく
と便利なアプリなどの紹介があるが、平時からの準備の大切さを示している。
4.スマホとスマホの災害対策アプリに対する考察
・従来から継続して電池の持ちの短さが災害対策時の大きな懸念である。特に弱電波、
圏外時に電波探索を強くするために、一日も持たない現状は大きな課題である。
モバイル用電池長寿命化への研究注力が望まれる。また災害時、圏外時などの節電工
夫の仕組みも検討されてよいのではないか。
・高齢者への普及のための操作の容易性追求を期待する。 ・
・今後の災害時には普及したスマホと利用者が増えた SNS が大きな役割をなすと期待で
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きるが、以下の考慮が必要である。
-スマホ対応の災害対策アプリは充実してきており数も増加(表-2)しているが、
逆に数が多すぎて選択に迷ってしまう。自治体が主導し平時から推奨アプリを確認/
統一しておくことが望まれる。
-利用者の多い Twitter や facebook などは平時機能の中に災害時対応の機能を同居さ
せており、緊急時には慣れた操作で使える。今後の災害時には大きな役割を果たす
と思われる。
-災害時に立ち上げられてきたグーグル社の『パーソンファインダー』は、東日本大
震災時には警察庁、被災地の県、放送局、新聞社、キャリア各社と連携したが今後
の災害発生時にもサービス提供は行われると期待できる。安否確認アプリなどこれ
から作成されるアプリは、全て『パーソンファインダー』との連携機能を提供して
おくことが望まれる。
・スマホアプリと地域 FM/災害 FM との連携も望まれる
・低価格となれば、災害時には青少年がスマホを携帯することはさらに容易となるが、
学校では利用許可をしていないところも多い。災害対策の面からは、指針作りを急ぎ
携帯可能になることを期待する。
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