資料② 【コメント】(4 月 19 日ヒアリング) 圧力バウンダリの範囲の変更に関連し、圧力バウンダリの考え方、新たにバ ウンダリとなる部位の従来の維持管理方法、変更時の事業者検査の方法につい て資料を提示すること。変更時の事業者検査の方法では、バウンダリとしての 供用前検査の内容を踏まえて整理し提示すること。 【回 答】 今後、原子炉冷却材圧力バウンダリに追加される配管、弁については、クラ ス 1 機器供用期間中検査に組み込み、検査を行っていく。 なお、クラス 1 機器供用期間中検査に新たに組み込まれた部位については、 クラス 1 機器としての現在の健全性を確認しておくため、至近の定期検査時に 全数の検査を計画する。 以上 添付 1 適合性報告書(改正案)3.1.3.3「原子炉冷却材圧力バウンダリ」 該当する規則の条項 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準を定める規則 (仮称) 実用発電用原子炉及びその附属施設に関する技術基準を定める規則(仮称) 第 17 条 1 項 該当なし 該当する内規の条項 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準を定める規則 の解釈(仮称) 実用発電用原子炉及びその附属施設に関する技術基準を定める規則の解釈(仮 称) 実用発電用原子炉に係る発電用原子炉設置者の重大事故の発生及び拡大の防止 に必要な措置を実施するために必要な技術的能力に係る審査基準(仮称) 実用発電用原子炉及びその附属施設における発電用原子炉保安規定の審査内規 (その他) 第 17 条 1 項三,ロ 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 添付 1 (1/3) 3.1.3.3 原子炉冷却材圧力バウンダリ 3.原子炉施設における個別の系統 (3)原子炉冷却材圧力バウンダリ 【基本的要求事項】 1 原子炉冷却材圧力バウンダリは、通常運転時、運転時の異常な過渡変 化及び設計基準事故において、その健全性を確保できる設計であること。 2 原子炉冷却材系に接続する配管系は、原則として隔離弁を設けた設計 であること。 3 原子炉冷却材圧力バウンダリは、通常運転時、補修時、試験時、運転 時の異常な過渡変化及び設計基準事故において、脆性的挙動を示さず、 かつ、急速な伝播型破断を生じない設計であること。 4 原子炉冷却材圧力バウンダリから原子炉冷却材の漏えいがあった場 合、その漏えいを速やかに、かつ、確実に検出できる設計であること。 ※試験可能性は、共通事項で整理。 【要求事項の詳細】 A 原子炉冷却材圧力バウンダリは、次の範囲の機器及び配管をいう。 (a) 原子炉圧力容器及びその付属物(本体に直接付けられるもの、制御棒 駆動機構ハウジング等) (b) 原子炉冷却材系を構成する機器及び配管。ただし、加圧水型軽水炉に おいては 1 次冷却材ポンプ、蒸気発生器の水室・管板・管、加圧器、1 次冷却系配管、弁等をいい、また、沸騰水型軽水炉においては、主蒸気 管及び給水管のうち原子炉側からみて第2隔離弁を含むまでの範囲とす る。 (c) 接続配管 i) 通常時開、事故時閉となる弁を有するものは、原子炉側からみて、第 2隔離弁を含むまでの範囲とする。 ii) 通常時又は事故時に開となるおそれのある通常時閉、事故時閉とな る弁を有するものは、原子炉側からみて、第2隔離弁を含むまでの範 囲とする。 iii) 通常時閉、事故時開となる弁を有するもののうち、ⅱ)以外のもの は、原子炉側からみて、第1隔離弁を含むまでの範囲とする。 iv) 通常時閉、原子炉冷却材喪失時開となる弁を有する非常用炉心冷却 系等もⅰ)に準ずる。 v) 上記において「隔離弁」とは、自動隔離弁、逆止弁、通常時ロックさ 添付 1 (2/3) れた閉止弁及び遠隔操作閉止弁をいう。 B 「健全性を確保できる設計」とは、原子炉停止系、原子炉冷却系、計測 制御系、安全保護系、安全弁等の機能によって、原子炉冷却材圧力バウ ンダリの急冷・急熱及び異常な圧力上昇を抑制し、原子炉冷却材圧力バ ウンダリ自体は、その遭遇する温度変化及び圧力に対して十分耐え、異 常な原子炉冷却材の漏えい又は破損の発生する可能性が極めて小さくな るよう考慮された設計をいう。 C 「原則として隔離弁を設けた設計」とは、原子炉冷却材系に接続され、 その一部が原子炉冷却材圧力バウンダリを形成する配管系に関しては、 原子炉冷却材圧力バウンダリとならない部分からの異常な漏えいが生じ た場合において、原子炉冷却材の喪失を停止させるため、配管系の通常 運転時の状態及び使用目的を考慮し、適切な隔離弁を設けた設計をいう。 また、ここでいう「原則として」とは、原子炉の安全上重要な計測又は サンプリング等を行う配管であって、その配管を通じての漏えいが十分 許容される程度に少ないもの、加圧防護の機能を持つ安全弁を設置する ためのものについては、隔離弁を設けないことをいう。 D 具体的な評価は「発電用軽水型原子炉施設の反応度投入事象に関する評 価指針」(昭和 59 年1月 19 日原子力安全委員会決定、平成2年8月 30 日一部改訂)等による。 【適合性確認結果】 本項目については、従来の「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審 査指針」の要求事項に対し、原子炉冷却材圧力バウンダリの範囲が変更とな っている。具体的には、接続配管のうち、通常時または事故時に開となるお それのある通常時閉、事故時閉となる弁を有するものに対し、原子炉側から みて第 1 隔離弁までの範囲から、第 2 隔離弁を含むまでの範囲に拡大されて いる(【要求事項の詳細】A 項(c)ii))。 接続配管の内、通常時または事故時に開となるおそれのある通常時閉、事 故時閉となる弁を有するものとしては、余熱除去系統入口ラインがある(図 1 参照)。本ラインについては、原子炉の起動・停止時において、原子炉冷 却材圧力バウンダリの圧力・温度が余熱除去ポンプを使用できる程度に低い 期間に第 1 隔離弁および第 2 隔離弁を開放することから、第 1 隔離弁から第 2 隔離弁を含むまでの範囲が原子炉冷却材圧力バウンダリとして拡大される ことになる。当該範囲については、以下のとおり従来の原子炉冷却材圧力バ ウンダリと同等の耐圧強度・材料であることから、第 2 隔離弁までを原子炉 添付 1 (3/3) 冷却材圧力バウンダリとしても新規制基準の要求内容は満足していると考 えられる。 旧RCPB 新RCPB 原子炉 冷却材管 旧クラス2 クラス1 新クラス1 図1.原子炉冷却材圧力バウンダリ(RCPB)拡大概念図 (余熱除去系統入口ラインについて) 大飯発電所 3,4 号機の余熱除去系統入口ラインについては、第 1 隔離 弁から第 2 隔離弁を含むまでの配管・弁は、以下のとおり、原子炉冷却 材圧力バウンダリ内の系統の仕様(最高使用圧力、最高使用温度)と同 じ仕様としており、かつ、保安規定に基づく漏えい監視等で健全性を確 認している。 なお、第 1 隔離弁については、原子炉冷却材圧力が高い場合には開放 しないようインターロックを設けている。 表1 最高 使用圧力 最高 使用温度 材料 (呼び厚さ) 余熱除去系統入口ラインの配管・弁の仕様 第 1 隔離弁上流の 配管 第 1 隔離弁 第 1 隔離弁から 第 2 隔離弁間の配管 第 2 隔離弁 17.16MPa 同左 同左 同左 343℃ 同左 同左 同左 SUS316TP(Sch160) SCS14A SUS316TP(Sch160) SUSF316(Sch160) SCS14A SUSF316 今後、原子炉冷却材圧力バウンダリに変更される配管・弁については、クラス 1 機 器供用期間中検査に組み込み、検査を行っていく。 なお、クラス 1 機器供用期間中検査に新たに組み込まれた部位については、クラス 1 機器としての現在の健全性を確認しておくため、至近の定期検査時に全数の検査を 計画する。
© Copyright 2024 ExpyDoc