資料1-2 千葉市行政改革推進指針(素案) 平成○年○月 千葉市 1 1.策定の目的と位置づけ ◆目的 効率的で質の高い行政経営の実現 ◆位置付け 有限の行政資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を最適配分、有効活用する ための「行政経営全体の基本的な指針」であり、庁内の行政改革の進め方 に関する基本的な考え方を示したもの <他の計画との関係(イメージ図)> 財政 健全化 プラン 実施計画 個別部門 計画等 行政改革推進指針 新基本計画 実施計画は、新基本計画に示すまち づくりの方向に進んでいくために、 「新たに開始する事業」「拡充する事 業」を位置付ける計画。 行政改革推進指針は、市役所の経営 にあたり行政資源を最適配分するため の考え方を示すもので、実施計画を含 む全ての計画や事務事業の基底を成す もの。 (中長期的な市政の運営方針) 2 2.これまでの行政改革の取り組み ◆根拠法令(地方自治法第2条) 14 地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の 経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。 15 地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求 めてその規模の適正化を図らなければならない。 ◆これまでの取り組み 新行政改革大綱(平成7年策定、平成10・13・17年改訂) 行政改革推進プラン (平成22~26年度) 行政改革推進計画 (平成8~10年度) 行政改革推進計画 (平成11~13年度) 新行政改革推進計画 (平成14~16年度) 新行政改革推進計画 (平成17~21年度) 行 政 改 革 推 進 指 針 ◆取り組み成果例 ヒト:定員の適正化(職員数を15年間で764人減 H11年8,024人→H26年7,260人) モノ:昭和の森ユースホステルの廃止(経費を削減 H25年度 40,460千円→H26年度 0円) カネ:市債残高の圧縮(建設事業債等残高を3年間で680億円減 H21年 9,310億円→H24年 8,631億円) 情報:戸籍事務の電子化(H26年1月~)、ホームページのリニューアル(H24年1月~) 3 3.本市を取り巻く状況(外部環境) まちづくりの重要な課題(千葉市新基本計画より) ◆人口減少社会への対応 平成32年の97万人をピークに減少する見通し ◆少子超高齢社会への対応 高齢化率が平成32年には28.4%に達する見通し(17年は17.5%) ◆環境問題への対応 地球温暖化をはじめとする地球環境問題が深刻化 ◆グローバル社会への対応 ICT技術の発達により経済や文化などの様々な分野でグローバル化が進展 ◆自立・分権型都市経営 中央集権型の社会構造から地方分権型社会へ 環境の変化を的確にとらえた対応が不可欠であり、行政資源(ヒト、 モノ、カネ、情報)の最適配分、有効活用が必要 4 4.本市の状況(内部環境) ◆本市の財政の状況(財政健全化プランより) → 大きな伸びを見込めない市税収入 → 増加し続ける扶助費 → 政令市ワーストの財政健全化比率 実質公債費比率19.5%(政令市平均10.8%)、将来負担比率 261.1%(政令市平均125.9%) ◆財政健全化に向けた歳出削減対策 → 予算編成におけるシーリング(見積制限)など事務事業の見直し → 定員適正化計画に基づく、更なる定員の削減 これまで以上、予算や人員の見直しが進む中、前例踏襲のやり方では、 事業を継続することはできない 業務や事業の見直し(改革)に積極的に取り組む必要がある。 5 5.4つの柱①:ヒト 市政変革の原動力となる人が育ち、人が活きる組織を目指します。 基本的 な考え 方 経営資源の中でも、「ヒト」=「人材」は、とりわけ重要な資源であり、モノ、 カネ、情報という資源をいかに獲得し、いかに活用し、どれだけの成果に結びつ けるかは、一人ひとりの「人材」の手腕にかかっています。 そこで、「1 市民との信頼関係・協力関係を築く人材」「2 リスクを恐れ ず、改革・改善に取り組む人材」「3 組織目標の達成に貢献する人材」の育成 を目指します。 主な取 り組み ・人材育成 職員研修を実施し、上記3つを兼ね備えた人材を育成します。また、目標によ るマネジメント、人材評価、適切な処遇を行い、職員の仕事に対するモチベー ションを高めます。 ・定員適正化 新たな行政サービスの需要に的確に対応するとともに、事務事業の見直し及び 民間機能の活用等により、定員の見直しを行い、組織及び運営の合理化に努めま す。 ・女性職員の管理監督職への登用 市民の多様なニーズに的確に応えていくためには、様々な施策の立案や運用に 女性の視点や感性を活かしていくことが不可欠であるため、女性職員を計画的に 管理監督職へ登用します。 手法例 研修、企業や大学等との連携、市民参加協働 等 6 6.4つの柱②:モノ 資産の効率的な利用、総量の縮減、施設の長寿命化に取り組みます。 基本的 な考え 方 市は現在多数の資産を保有していますが、統廃合する学校など余剰施設が発生 しています。また、現在の厳しい財政状況を克服し、自立した都市経営を推進す るため、本市の資産を貴重な経営資源と捉え、一層の有効活用を図るとともに、 施設の保全の最適化を図ることが求められています。 総合的な資産経営の仕組みを確立するうえで、次の3点に取り組みます。 1 資産の効率的な利用を進める。 2 資産総量の縮減を進める。 3 計画的な保全による施設の長寿命化を進める。 主な取 り組み ・施設利用の効率性向上 事業の見直しや類似する機能を有する施設の統合など、ソフト・ハード両面か ら、施設としての効率性の向上を図ります。 ・施設の再配置 集約型都市構造への転換を見据え、施設総量の縮減と市民サービスの維持・向 上の両立を図るため、施設の再配置を行います。 ・施設総量の縮減 総人口の減少や厳しい財政見通しなどのもと、今後30年間を見据えた長期的 な取り組みにより、公共施設の総量(総延床面積)を縮減します。 手法例 複合化、類似機能の統合、指定管理者制度、PFI 等 7 7.4つの柱③:カネ 将来にわたり自立し、持続可能な都市となることを目指します。 基本的 な考え 方 市税収入は大きな伸びを見込めない中で、義務的経費である扶助費は増加の一 途をたどるなど、今後も厳しい財政状況が続きます。 そこで、市税等の歳入確保や事務事業の見直しによる歳出削減、市債残高の削 減や健全化判断比率の改善など財政健全化に向けて取り組んでいきます。 主な取 り組み ・将来に向けた財政健全化への取組み 適正規模の市債発行と市債残高の削減、債務負担行為設定の抑制、基金からの 借入金の返済、健全化判断比率の改善、財務書類の有効活用などを行います。 ・歳入確保対策 市税等の歳入確保、公共料金の見直し、その他の自主財源の確保などを行いま す。 ・歳出削減対策 事務事業の見直し、人件費の抑制、公営企業等の経営健全化、民間機能の活用 などを行います。事務事業の見直しに当たっては、予算編成におけるシーリング (見積制限)を設定するほか、事務事業評価を効果・効率的に行い、活用します。 ・課題抑制型事業 市民の関心が高い社会的課題に積極的に取り組むことにより、歳出削減・歳入 増加とビジネス機会創出の両方が期待される課題抑制型事業を推進します。 手法例 公共施設へのネーミングライツ、事務事業評価(補助金の見直し) 等 8 8.4つの柱④:情報 ICTを活用した業務の効率化と市民サービスの向上に取り組みます。 基本的 な考え 方 市民の皆さんへのサービスレベルを維持・向上させるなど、持続可能な都市経 営を行うためには、ICTを活用した行政情報化や業務の見直しが不可欠です。 市民の皆さんが、手続きの都度窓口に訪れたり、同じ説明を繰り返す手間を省 き、「行政手続に要する時間を市民の皆さんへお返しする」という発想から、ICT を活用して、ワンストップサービスやプッシュ型サービスなど、民間では当たり 前のサービスを当たり前に提供することを目指します。 主な取 り組み ・新たな仕組みの導入 情報の縦割りを解消し、市民の顧客IDとしての可能性を示してくれたマイナン バー(社会保障・税番号制度)や本市固有の個人番号の活用により、市民の皆さ ん一人ひとりに向き合う市民サービスを実現します。 ・情報システム基盤の整備 市民の皆さんの情報を取り扱う市の情報システムについて、コストの縮減とと もに、異なるシステム間での情報連携を円滑に行えるよう、クラウド・コン ピューティングや仮想化技術などの新しいICT技術を活用した刷新を行います。 ・業務プロセス改革 ICTを最大限に活用し、全体最適の視点から個々の業務を抜本的に見直す業務プ ロセス改革を進め、その結果生み出された財源や人員を新たな市民サービスに再 配分していきます。 手法例 ビッグデータ・オープンデータの活用推進、アウトソーシング 等 9 9.推進体制 ・全職員は、事業の必要性・有効性・効率性の視点から不断に見直し ・局・区主体のマネジメントを推進 ・組織横断的な課題には、行財政改革推進チームで対応 ・行政改革推進委員会(附属機関)で有識者の知見を活用 <行政改革の3層構造> 構造改革 スタッフ部門 業務改革 局・区(部) 業務改善 各所管課 行政機構の整理合理化など、 行政運営の仕組み・手法の見直し 事務事業の必要性(存廃)を含めた 抜本見直し 身の回りの整理整頓、事務事業の 実施方法の修正・調整など 10 10.局・区マネジメントの推進 ・事業所管課単位では見直し余地が少なくなってきているため、今後は局・区主体の マネジメントを強化し、新たな視点・仕組みで行政改革を推進 ・局・区の行政資源を最適配分、有効活用するために、局・区経営方針を策定・公表 ・主要な取り組みを局・区経営方針に位置づけ、半期毎に取り組み状況を管理 【局・区に対する支援】 ・業務改革推進課職員に局担当制を導入し、局主管課と連携を強化 ・局・区主体で見直しが困難なものは、行財政改革推進チームで改革案を検討 <局・区マネジメントの推進イメージ> 【これまで】 全ての事務事業を対象に 事業所管課で見直しを検 討 ●●局の事業構成 A事業 ●●億円 B事業 ●●億円 見直し可能なものを「行 政改革推進プラン」等に 位置づけ見直し <結果> 取り組みやすい小規模な 見直しにとどまりがち C事業 ●●億円 D事業 E事業 ●億円 ●億円 その他 ● ●億円 【今後】 主要な事業に絞り、 局・区主体で見直しを 検討 見直しを検討する事業 を「局・区経営方針」 に位置づけ見直し <想定効果> 大規模な見直しを実現 事業所管課 主体で見直 しを検討 局・区経営方針 掲載項目 ①基本目標(局・区の使命) ②主要事務事業名 ③事業に必要な経営資源 ④経営課題 ⑤課題解決に向けた取り組 みの方向性 ⑥本年度の取り組み など 11 参考様式 平成●年度 ●●局(区) 経営方針 (年度当初)平成●年●月●日作成 (上期評価)平成●年●月●日更新 (下期評価)平成●年●月●日更新 基本目標(局の使命) 局経営の基本的な考え方 行政資源 ●●●の推進と○○○○の実現に向けて、△△△△に取り組みます。 人口減少を見据えた対応として、聖域をつくることなくすべて業務のやり方の見直しを検討します。現場主義に基づく行動を重視し、職員が見直しにどんどんチャレンジできる職場づくりを目指 します。 職員数 正規職員 ●●●人、非常勤職員 ●●人 (ヒト) 主要施設 ●●●、●●●、●●●、●●● (モノ) 予算額 歳入:●●●億円、歳出:●●●億円 (カネ) 主要な取り組み No 事務事業名※ 概要 事業に必要な行政資源 経営課題 (ヒト・モノ・カネの最適配分) 課題解決に向けた 取り組みの方向性 区分 ヒ 職員●●人 ト (正規●●人、非常勤●人) 1 ●●●運営事業 モ 市民の●●●の向上 ノ ●●●センター ○施設 を図るため、●●施 設を設置、運営す 予算額 ●●●億円 る。 主な内訳 カ 運営費 ●億円 ネ 委託費 ●億円 ●●費 ●億円 ●●費 ●億円 2 ●●●推進事業 モ ― ●●●のまちづくり ノ を推進するため、● ●の推進を図る。 予算額 ●●●億円 主な内訳 カ 助成費 ●●●億円 ネ 管理費 ●●億円 ●●費 ●●億円 計 画 施設が老朽化し、利 用者数も減少傾向に あることから、●● 施設のあり方を検討 する必要がある。 ●●施設の統廃合を 行うとともに、施設 のリニュアルを図 る。 助成額が増加傾向に ある一方で、助成額 増加に見合う効果が 期待できないため、 助成体系を見直す必 要がある。 より効果が見込める 分野へ増額する一 方、効果が見もめな い分野は廃止を含め た見直しを図り、助 成総額を●億円以内 に助成体系を見直 す。 なお、市民への影響 を考慮し、段階的な 見直しを検討する。 ヒ 職員●人 ト (正規●●人) 3 上期 備考 下期 ニーズ調査 あり方策定 ●●の見直し検討 関係者へとの調整 補助要綱の改正(●● の見直し) △△の見直し検討 他市事例調査 事業者ヒアリング ●●施設のニーズ調 査を行い、あり方を 策定する。 実 績 ●●に係る助成を見 直し、○億円の削減 を図るとともに、△ △の見直しを検討す る。 計 画 実 績 ヒ 職員●●人 ト (正規●●人、非常勤●人) モ ●●●センター ○施設 市民の●●●の向上 ノ ●●●管理運営事 を図るため、●●を 業 管理運営する。 予算額 ●●●億円 実施スケジュール 今年度の取り組み 計 画 運営に係る費用、人 民間機能を活用した 員を削減し、より効 効率的な運営方式の 率的な運営を行う必 導入を検討する。 要がある。 主な内訳 カ 運営費 ●億円 ネ ●●費 ●億円 ●●費 ●億円 指定管理制度の導入 の可能性を検討す る。 実 績 ※事業費が年間10億円以上となる案件や、150人以上の職員が従事する案件など事務事業の単位は大きな分類で作成 12 11.業務改革の進め方① 改革の視点①:事業の廃止検討 STEP1 ※1 「事業の必要性」と「局の目標達成への貢献度」 の軸で各事業を相対的に比較 事業優先順位付け(例) 局(部)内の事務事業の洗い出しと優先 順位付け※1 高 ▲G事業 ▲F事業 ▲B事業 STEP2 貢 献 度 ▲C事業 ▲E事業 ▲A事業 見直し検討対象 ▲D事業 関係者との調整 低 STEP3 廃止を検討する事務事業を局運営方針に 記載し、公表※2 STEP4 低 事業の必要性 高 必要に応じて、事務事業評 価シート(必要性点検シー ト)を活用 見直し検討 STEP5 廃止(見直し) ※2 利害関係者からの大きな反対が想定される場合に は公表する前に庁内で意思決定を図る 13 12.業務改革の進め方② 改革の視点②:業務のやり方を見直す。 STEP1 業務の作業項目を洗い出し ※1 必要に応じて、事務事業評価シート(民間委託の 妥当性点検シート)を活用 STEP2 作業項目のうち、市が直接やらなければ ならない項目を絞り込み※1 STEP3 市がやらなくてもよい項目について民間 活用等を検討※2 STEP4 庁内意思決定と予算化 STEP5 事業者の募集等 ※2 民間機能等の活用例 ・PFI ・指定管理 ・業務委託 ・市民参加協働 ・企業や大学との連携 14 13.行財政改革推進チーム ・全庁横断的なより大規模な改革に取り組むために、行財政改革推進チームを設置 ・チームのメンバーは、様々な経験・知識を有する人材を組織横断的に選任 ・庁内コンサルタント的な立場で調査・検証を行い、改革案を提案 <改革の視点> 1 <行政改革推進チーム> 調達改革(一元化) 全庁的な視点により、システムの一元化や発注単位の 見直しなどを行い、業務の効率化及びスケールメリット によるコスト縮減を図る。 2 課題抑制に向けた資源の最適化・業務の転換 現在生じている課題について、蓄積データを分析・検 証し、事前に抑制する仕組みを構築することにより、歳 出削減(又は歳入確保)とビジネス機会の創出を図る。 3 業務の整理統合・集約化 類似事業・業務、実施主体等の集約化により、資産の 有効活用や施設維持管理費の削減を図る。 4 アウトソーシングの活用 事業の実施主体を再検証し、民間委託や人材派遣など アウトソーシングを積極的に活用することにより、市民 サービスの向上と業務の効率化を図る。 15
© Copyright 2025 ExpyDoc