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2015 東京大学 文科 数学 解答例
第1問
命題 A:::
偽となる.
173
25
+ 100 = 288 +
< 289 = 172
26
26
となるから,n
= 17 が反例である.
::::::
命題 B:::
真となる.
5n + 5m + 3l = 1
······°
1
より,3l = 1 − 5n − 5m であるから
10nm + 3ml + 3nl = 10nm + 3l(n + m)
= 10nm + (1 − 5n − 5m)(n + m)
= n + m − 5n2 − 5m2
= n(1 − 5n) + m(1 − 5m)
\ 0 または m =
\ 0 のとき,この式の値は負で,n = m = 0 のとき,°
となる.n =
1 を満たす整
数 l は存在しないので,°
1 を満たすすべての整数 n,m,l について
10nm + 3ml + 3nl < 0
が成り立つ.
第2問
\ 0) が 2 点 A,B を通る条件は
2 次関数 y = ax2 + bx + c (a =
a − b + c = 1,a + b + c = −1
であるから,b = −1,c = −a となる.よって,2 点 A,B を通る 2 次関数の方程式は
y = ax2 − x − a
······°
1
とおける.
a = 0 のときは°
1 は直線 AB を表す.
\ 0 のときは°
a=
1 は 2 点 A,B を通る放物線を表すので°
1 の頂点の x 座標
以上となるときの −1 5 x 5 1 における°
1 の通過する領域を求めればよい.
1
の絶対値が 1
2a
1
\ 0
= 1 かつ a =
2a
すなわち
−
1
1
5 a < 0,0 < a 5
2
2
······°
2
であるから,°
1 の右辺を a の関数とみて F (a) とおくと,F (a) のとり得る値の範囲は

−1 < x < 1 のとき

x = ±1 のとき
(
)
( )
1
1
5 F (a) < F (0),F (0) < F (a) 5 F −
,
2
2
F (a) = −x
F
となる.
以上より,求める P の範囲は
1 2
1
1
1
x − x − 5 y 5 − x2 − x +
2
2
2
2
となるので,右図の斜線部分(境界を含む)
のようになる.ただし,
f (x) =
である.
1 2
1
1
1
x −x− ,g(x) = − x2 −x+
2
2
2
2
よって,求める面積 S は
∫
1
S=
−1
∫
=−
=
となる.
{g(x) − f (x)} dx
1
−1
(x2 − 1)dx
1
4
3
{1 − (−1)} =
6
3
:
第3問
C1 ,C2 の中心を O1 ,O2 とおく.ま
た,C1 と x 軸,C2 と y 軸の接点をそれ
ぞれ P,Q とし,C1 と C2 の接点を R
とする.l の傾きを tan 2θ
(
0<θ<
π)
4
とおく.
OP = OR = OQ = 1,
∠O1 OP = θ,∠O2 OR =
π
−θ
4
より
r1 = O1 P = OP tan θ = tan θ
(π
) 1 − tan θ
r2 = O2 R = OR tan
−θ =
4
1 + tan θ
となる.ゆえに
1 − tan θ
1 + tan θ
18
= 8(1 + tan θ) +
− 17 = f (θ)
1 + tan θ
8r1 + 9r2 = 8 tan θ + 9 ·
とおける.1 + tan θ > 0 なので,相加平均と相乗平均の大小関係より
√
f (θ) = 2 8(1 + tan θ) ·
18
− 17 = 7
1 + tan θ
が成り立つ.ただし,等号成立は
8(1 + tan θ) =
tan θ =
18
1 + tan θ
1
2
のときである.
tan 2θ =
2 tan θ
4
=
2
3
1 − tan θ
4
x のとき最小値 7
をとる.
:
3
::::::::
より,l : y =
第4問
(1)
n 回コインを投げ,文字列を作るとき,文字列の左から n 番目の文字が B となる確率を
qn とおく.
n + 2 回コインを投げ,文字列を作るとき,文字列の左から n + 2 番目の文字が B となるの
は
(ア)
1 回目のコイン投げの結果が表で,つづく n 回のコイン投げで新たにつなげられる文
字列の左から n 番目の文字が B となるとき
(イ)
1 回目のコイン投げの結果が裏で,つづく n + 1 回のコイン投げで新たにつなげられ
る文字列の左から n + 1 番目の文字が B となるとき
であるから
qn+2 =
1
1
qn+1 + qn
2
2
(n = 1,2, · · · )
······°
1
となる.°
1は
1
1
qn+2 + qn+1 = qn+1 + qn
2
2
{
}
1
1
1 1 1
1
と変形できるので,数列 qn+1 + qn は,初項 q2 + q1 = + · = の定数列である
2
2
4 2 2
2
から
1
1
qn+1 + qn =
2
2
となり,これは
)
1
qn −
3
{
}
1
1
1 1
1
1
と変形できるので,数列 qn −
は,初項 q1 − = − = ,公比 − の等比数列であ
3
3
2 3
6
2
1
1
qn+1 − = −
3
2
(
るから
(
)n−1
1
−
2
(
)n−1
1 1
1
qn = +
−
3 6
2
qn −
1
1
=
3
6
となる.余事象の確率を考えることにより,求める確率 pn は
pn = 1 − qn
2 1
= +
3 3
(
)n
1
−
2
:::::::::::::
となる.
(2)
n 回コインを投げ,文字列を作るとき,文字列の左から n − 1 番目の文字が A で,かつ
n 番目の文字が B となる確率は,n 回コインを投げ,文字列を作るとき,文字列の左から n 番
目の文字が B となる確率から,n − 1 番目の文字が B で,かつ n 番目の文字が B となる確率
を引いたものなので,求める確率は
{
(
)n−1
(
)n−2 }
1 1 1
1
1
−
+
−
−
2
2 3 6
2
(
)n−1
1 1
1
= +
−
6 3
2
1
1 1
qn − · qn−1 = +
2
3 6
::::::::::::::::
となる.