(別紙) 実施計画書(仕様書) 1.件名 平成27年度地球温暖化問題等対策調査(地球温暖化問題を巡る国際動向調査(気 候変動枠組条約(UNFCCC))) 2.事業目的 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)及び京都議定書に基づき、気候変動問題へ の対応が国際的に実施されている中、2011年11月末に南アフリカのダーバンで 開催された気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)では、2020年に 発効する全ての国が参加する新たな枠組みを2015年までに合意するための議論 の場として、強化された行動のためのダーバンプラットフォーム作業部会(ADP) が設立された。 2015年は新たな国際枠組みに合意することが予定されており、気候変動交渉に とって大きな節目となる年である。今年12月に実施されるCOP21に向けて、我 が国が主張してきた全ての国が参加する公平かつ実効的な将来枠組みを確実に構築 する意義ある合意を目指し、戦略的に交渉に臨んでいく必要がある。そのためには、 日々刻々変化する交渉状況や世界各国の情勢等を常時把握・分析し、我が国の交渉戦 略に反映させていかなければならない。 特に、気候変動交渉、中でも将来枠組みの交渉を進める上で、最大のキープレーヤ ーである米国の考え方や、意志決定される過程を構造的かつ定期的に把握しておくこ とが重要である。 また、同時に、長年交渉に従事している各国の交渉官と渡り合うため、気候変動問 題に対する深い知見、長きにわたる交渉経緯に対する十分な理解、実際に現場で交渉 をこなしてきた経験等の高い専門性を兼ね備える人材を、可能な限り長期的に確保し ておくことも必要である。 以上を踏まえ、本調査では、UNFCCC関連会合に出席し、実際に交渉にあたる 専門家を確保することによって、気候変動問題に関する高度な専門家として育成する とともに、高い専門性に基づく有益な助言を政府交渉団に還元することを目的とする 。併せて、交渉状況や世界情勢等の調査・分析を行うとともに、特に米国国内動向を 構造的に分析したレポートの定期的な作成を外注する等、米国国内動向を深く分析で きる仕組みを構築することにより、気候変動問題への対策に関する我が国の取組に貢 献することを目的とする。 3.事業内容 (1)UNFCCC関連会合への参加 (別紙) UNFCCC関連会合へ参加し、政府代表団の一員として交渉にあたるとともに、 日本政府代表団に対し有益な助言を与える。平成27年度に予定されている関連会 合は以下のとおり。 ・第42回補助機関会合(SB)・ダーバンプラットフォーム作業部会(ADP) 2015年6月1日~2014年6月11日 ドイツ(ボン) ・ダーバンプラットフォーム作業部会(ADP)(開催未定) 2014年秋頃 期間は一週間程度を想定。場所はドイツ(ボン)を想定。 ・第21回気候変動枠組条約締約国会合(COP21)関連会合 2015年11月30日~2015年12月11日 フランス(パリ) ※例年の開催状況に鑑み、12月13日までの会期延長の可能性を考慮すること。 ・気候変動に関する追加会合 時期未定、期間は一週間程度を想定。場所はドイツ(ボン)を想定。 UNFCCC関連会合への出席に当たっては、以下の要領での出席、文書の作成、 報告を行う。気候変動交渉に特有の専門用語や各国事情の理解だけでなく、経験に 基づく気候変動交渉に係る高い専門性、国際会議に対応できるだけの英語のコミュ ニケーション能力を備えた者が業務にあたること。 a) 事前の会合資料の分析・対処方針に関する助言 会合への参加前に、経済産業省産業技術環境局環境政策課地球環境対策室( 以下「地球環境対策室」という。)と相談の上、担当分野を決定する。担当分 野については会合前にUNFCCCのホームページに公開される関連資料等の 分析を行い、政府としての対処方針協議に対応し、地球環境対策室に対して助 言を行う。 b) 会合への出席 会合では、地球環境対策室の指示に従い、基本的には政府代表団と同じ日程・ スケジュールで行動することとする。担当分野の会合においては、各省庁から の参加者と連携・協議し、日本政府代表団として適宜発言する。交渉状況を判 断し、必要な場合には至急地球環境対策室へ連絡することとする。また、高度 な専門性を活用し、会合中に政府代表団に対し適宜助言を与える。 c) 日々の報告資料の作成 地球環境対策室の指示に従い、会合期間中に毎日A4サイズ、ワード1ページ 程度で、担当分野の交渉動向について報告資料を作成する。報告のタイミング は、現地時間翌日朝実施される日本政府代表団ミーティング前を目安とし、関 係者に共有する。 ※ 上記日程、開催場所については現時点での想定であり、変更の可能性がある。 地球環境対策室と相談の上、柔軟に対処すること。 ※ 地球環境対策室と調整し、航空機、ホテルの予約、必要に応じてビザの取得等派遣 にかかる所要の手続きを講じること。 (別紙) (2)交渉状況や世界情勢等の調査・分析 (ア)ADPを中心とする気候変動交渉状況等の調査・分析 ADPでは、COP21での新枠組み合意に向けて、交渉文書に関する具体的な議論 が行われることが見込まれており、交渉の流れを見極めつつ、全ての国が参加する公 平で実効的な枠組みが構築されるべく、我が国としても戦略的に意見を発信していく 必要がある。そこで本調査では、実際に会合へ出席した経験を踏まえ、将来枠組みを めぐる交渉を俯瞰しつつ、各国の政治情勢や国内政策、他国との関係性、各国が考え る将来枠組みの在り方、その交渉戦略等を調査し、我が国との協働の可能性も含め分 析する。これら調査分析を通して、我が国として求めていくべき将来枠組みの構造や 、それを実現するための戦略について、具体的に検討し、地球環境対策室に提案する 。 (イ)米国における気候変動関連分野の調査 将来枠組み構築に向けた気候変動交渉における、米国の対応方針の検討状況やそ れに影響を及ぼす要因、関連動向等を構造的に把握するため、米国における気候 変動関連分野に関する政策・取組、関連統計、キープレーヤーの言動(特に議会 や政府との関係)等のうち、主要なものを調査する。 以上の調査を、必要な能力を備えた米国内のコンサルタントあるいは法律事務所 等に外注することにより実施する。その際、成果は地球環境対策室に帰属するも のとする。産業界や学界、非政府組織だけでなく、政府や議会(民主党、共和党 の両方)との関係も強いコンサルタントあるいは法律事務所等とすることに留意 する。 調査結果は、2015年4月(または委託契約締結日から3週間以内)から1ヶ 月程度に一度(計9回程度)、定期的にレポートを作成し、地球環境対策室に納 入することとする。(分量は、1回当たりA4で10頁程度とする。英文可。) なお、本レポートを調査報告書に加えるかどうかは、内容に応じて、追って地球 環境対策室と相談することとする。 加えて、本レポートの内容を踏まえ、本調査の趣旨に沿う形で、米国動向を深く 分析する報告書(要約付き)を作成する。この作成のため、外注先との打ち合わ せ及び関連動向調査のため米国に出張する(1回程度、1回当たり3泊程度、出 張者は一名を想定)。 調査項目については、例えば以下を含めることとし、その詳細については地球環 境対策室と相談の上、外注先と契約を結ぶこととする。 a) 気候変動交渉における対応方針に関する調査 (別紙) b) ① 主要な政策決定者及びステークホルダーの関連する見解や発言内容 ② 米国政府内の対応方針に係る検討状況の詳細情報 ③ 米国政府の対応方針に影響を及ぼす法的課題 気候変動交渉における対応方針に影響を与え得る米国関連政策の動向調査 ① 大気浄化法(Clean Air Act)及び同法に基づくクリーン・パワー・プ ラン(Clean Power Plan)に関連する動向(発電所に係る排出基準や 自動車燃費規制等) ② その他の、関係機関(DOE、EPA、州政府、議会等)が実施する関連政 策に関する動向 ③ 米国議会動向およびそれが国内及び国際的な気候変動政策に及ぼす影 響 ④ 米国と他の主要排出国、特に中国やインドとの調整の動向 ⑤ エネルギー及び温室効果ガス排出に関する政府の将来見通しや経済モ デルに関する情報(EIA の Annual Energy Outlook 等) 毎月のレポートでは、例えば以下の様な時宜にかなった事案を取り上げることと する。 4月:米国の約束草案提出 6月:クリーン・パワー・プランの排出ガイドライン発布 11月:COP21に向けた対応方針の検討状況 1月:COP21の結果を踏まえた米国内の反応 また、米国内のコンサルタントあるいは法律事務所等としては、例えば以下とす る。 ・ Climate Advisers ・ Van Ness Feldman, LLC ・ Bracewell & Giuliani 4.報告書の作成 上記の内容を踏まえ、地球環境対策室の指示に従い報告書を作成する。 5.事業期間 委託契約締結日から、平成28年3月31日まで。 6.成果物 ・調査報告書電子媒体(CD-R) 1式 (別紙) 調査報告書、委託調査報告書公表用書誌情報(様式1※1)、二次利用未承諾リス ト(様式2※2)を納入すること。 調査報告書は、PDF形式以外にも、機械判読可能な形式※3のファイルも納入す ること。 なお、様式1及び様式2は Excel 形式とする。 ・調査報告書電子媒体(CD-R) 2式(公表用) 調査報告書及び様式2(該当がある場合のみ)を一つのPDFファイル(透明テ キスト付)に統合したものを納入すること。 セキュリティ等の観点から、経済産業省と協議の上、非公開とするべき部分につ いては、マスキングを実施するなどの適切な処置を講ずること。 調査報告書は、オープンデータ(二次利用可能な状態)として公開されることを 前提とし、経済産業省以外の第三者の知的財産権が関与する内容を報告書に盛り 込む場合は、①事前に当該権利保有者の了承を得、②報告書内に出典を明記し、 ③当該権利保有者に二次利用の了承を得ること。二次利用の了承を得ることが困 難な場合等は、下記の様式2に当該箇所を記述し、提出すること。 ※調査報告書電子媒体の具体的な作成方法の確認及び様式1・様式2のダウンロード は、下記URLから行うこと。 http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html ※1 委託調査報告書公表用書誌情報(様式1) 本事業の報告書のオープンデータとしての公表に際し、データとしての検索性を 高めるため、当該データの属性情報に関するデータを作成すること。 ※2 二次利用未承諾リスト(様式2) 二次利用の了承を得ることが困難な場合又は了承を得ることが報告書の内容に大 きな悪影響を与える場合は、報告書の当該箇所に出典等を明示し、知的財産権の所 在を明らかにした上で、当該データを様式2に記載すること(知的財産権の所在が 不明なものも含む)。 ※3 機械判読可能な形式 コンピュータプログラムがデータ構造を識別し、データを処理(加工、編集等)で きること。例えばHTML,txt,csv,xhtml,epub,gml,kml,png等のほか、 Word,Excel,Powerpoint等のデータが該当する(スキャンデータのようなものは該当し ない)。 7.成果物の納入場所 経済産業省産業技術環境局地球環境対策室
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