実地指導の実施について 千葉市では市内にある全介護保険サービス事業所を対象として、介護保険制度の適正な運営を図る ため、一連のケアマネジメントプロセスや適切な介護報酬請求等の観点から実地指導を行っています。 また、平成24年4月から指定居宅サービス事業者等の指定に関する事務が千葉県から千葉市へ権限 移譲されたことに伴い、実地指導では指定基準の確認も行っています。 対象事業所は、本市による監査又は実地指導が行われていない事業所、及びこれまでの実地指導等 において必要と認められた事業所等を選定しました。 平成23年度は135事業所、平成24年度は161事業所で実施しました。 実地指導での指摘事項 《全サービス共通の助言、指導》 ・ やむを得ず署名が代筆の場合には、家族等に連絡し利用者氏名の下に代筆者として署名して もらい、続柄の記載も求めること。 ・ 管理者は、従業者の管理及び業務の実施状況の把握、その他の管理を一元的に行うこと。 ・ 従業者及び従業者であった者が、業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことの ないよう、必要な措置を講じること。 ・ 従業者に対し、雇用期間、職務内容等の勤務条件を明らかにした雇用契約書を作成すること が望ましい。 ・ 従業者の資質の向上のために、研修の機会を確保すること。 ・ 事業所の見やすい場所に、運営規程の概要その他の利用申込者のサービスの選択に資すると 認められる重要事項を掲示すること。 ・ サービス提供に関する記録を整備し、その完結の日から 2 年間保存すること。 《居宅介護支援事業所》 減算事例 ・ ケアプラン新規作成時のアセスメントに当たって、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその 家族に面接を行っていない。 ・ ケアプラン新規作成時、要介護更新認定時及び要介護状態区分変更時にサービス担当者会議 を開催していない。 ・ 1月に1回、利用者の居宅で面接を行っておらず、モニタリングの結果を記録していない。 返還事例 ・ 独居高齢者加算の算定要件を満たしていない。 ・ 退院・退所加算の算定要件を満たしていない。 ・ 初回加算の算定要件を満たしていない。 ・ 認知症加算の算定要件を満たしていない。 ・ 運営基準減算に該当する場合に、初回加算を算定している。 ・ 医療連携加算を算定しているが、情報提供した記録等がない。(平成24年3月まで) 助言、指導 ・ アセスメントは 23 項目についてチェックするだけでなく、その内容をまとめ、課題分析を行 うこと。 ・ 契約前にアセスメントやサービス担当者会議を開催する場合には、個人情報の同意を得る等 の策を講ずること。 ・ 利用者又は家族の要望で通常のケアマネジメントが行えない場合(利用者不在時に家族と面 談等)には、その理由や状況を明記しておくこと。 ・ 利用者がロングショートステイを利用している場合の1月に1回の面談は、ロングショート ステイ先の利用者の居室で面接し、その状況について記録すること。 ・ 訪問介護を位置付ける際に、身体介護と生活援助の援助内容を具体的に把握すること ・ 訪問介護計画、通所介護計画等のサービス計画書の交付を受け、サービス内容と依頼内容が 整合しているか確認を行うこと。 ・ 特定事業所加算を算定している場合には、毎月要件を満たしているか確認すること。 ・ 支援経過は、居宅で利用者と面接していることを分かりやすく記載すること。 《訪問介護》 減算事例 ・ 経過措置の届出がなく、2級ヘルパーのサービス提供責任者を配置しており、減算していな い。 ・ 指定訪問介護事業所と同一の建物に居住する利用者に対し指定訪問介護を行った場合に所定 単位数から減算していない。 返還事例 ・ 1人の訪問介護員が同一時間に 2 人の利用者にサービスを提供した記録がある。 ・ 単なる安否確認、見守り、嗜好品の買物は、介護保険の対象とならないにもかかわらず、身 体介護を算定している。 ・ 利用者の不在時に実施した生活援助を算定している。 ・ 院内介助の取り扱いについて算定要件を満たしていない。また、院内での診療時間及び待ち 時間を含めて身体介護を算定している。 ・ ケアプラン及び訪問介護計画に位置付けられていないサービスを提供している。 ・ 指定訪問介護を行った記録がないにもかかわらず、身体介護又は生活援助を算定している。 ・ 同居家族がいる、又は日中独居の場合の生活援助について、算定要件を満たしていない。 ・ 2 人の訪問介護員等により指定訪問介護を行った場合、その理由等が訪問介護計画に明記さ れておらず利用者又は家族の同意を得ていない。 ・ 指定訪問介護を 1 日に複数回行い、その間隔が概ね 2 時間未満であるが、それぞれの所要時 間を合算していない。 ・ 緊急時訪問介護加算において、要請のあった時間、要請内容等の記録がない。 ・ 初回加算の算定要件を満たしていない。 ・ 自立生活支援のための見守り的援助を身体介護として算定しているが、共に家事を行ってい る内容ではない。 ・ 特定事業所加算の要件を満たしていない。 ・ 有料老人ホームのサービスとして提供しているサービスを行って、身体介護又は生活援助を 算定している。 ・ サービス提供時間に見合ったサービスが提供されていない。 ・ 生活援助のサービスを提供し、身体介護で算定している。 助言、指導 ・ 利用者に対し適切な指定訪問介護を提供できるよう、月ごとの勤務表を作成し、訪問介護員 等については、日々の勤務時間、職務内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サー ビス提供責任者である旨等を明確にすること。 ・ 指定訪問介護事業所ごとに、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等によって指定訪問介護 を提供すること。 ・ サービス提供責任者は、訪問介護員等が記録したサービス提供記録の内容について確認し、 提供したサービスが計画通りに実施されているかを把握すること。 ・ 訪問介護計画は、提供内容、時間配分等を具体的に記載すること。 ・ 予防訪問介護は、生活援助ではなく、共に行うことで自立支援につながるよう計画の見直し 及びサービスの実施を行うこと。 ・ ケアプラン、サービス担当者会議の要点等の情報提供をケアマネに求めること。 ・ 訪問介護員、サービス提供責任者について、基準を満たす員数を確保すること。 ・ 事業所内に消毒剤等の感染予防に必要な設備を設置すること。 《通所介護》 減算事例 ・ 指定通所介護事業所と同一の建物から当該指定通所介護事業所に通う利用者に指定通所介護 を行った場合に、所定単位数から減算していない。 返還事例 ・ 入浴加算を算定しているが、入浴を実施した記録がない。 ・ 個別機能訓練加算を算定しているが、個別機能訓練を行った記録がない。 ・ 個別機能訓練加算の算定要件を満たしていない。 ・ 運動器機能向上加算の算定要件を満たしていない。 ・ 通所介護計画に位置付けがなく、効果的な機能訓練等のサービスに該当しない買物や複数回 の外出により、屋外でのサービスを提供している。 ・ サービス提供時間が6時間を満たさないにもかかわらず、6時間以上8時間未満の単位数を 算定している。 (平成 24 年 3 月まで) 助言、指導 ・ 指定通所介護事業所として月ごとの勤務表を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常 勤の別、専従の生活相談員、看護職員、介護職員及び機能訓練指導員の配置、管理者との兼 務関係等を明確にすること。 ・ 指定通所介護事業所ごとに、当該指定通所介護事業所の従業員によって指定通所介護を提供 すること。 ・ 指定通所介護の提供に供する設備である浴室を、併設する指定短期入所生活介護事業所の利 用者及び介護老人福祉施設の入所者も利用する場合には、スペースまたは時間を明確に区分 し、利用者及び従業員が混在しないよう十分に留意すること。 ・ サービス提供記録は利用者毎に、提供日、提供時間(開始時間・終了時間) 、具体的なサービ スの内容、利用者の心身の状況等について記録すること。 ・ 介護予防通所介護計画と運動器機能向上計画の内容は同じものではなく、介護予防通所介護 の機能訓練と運動器機能向上の内容と区分けすること。 ・ 運動器機能向上計画は、それぞれの運動の種類にかかる時間や頻度、期間等を利用者の個々 の目標に応じて記載すること。 ・ あんしんケアセンターに報告した書類は、控えを保管すること。 ・ 静養室はプライバシーに配慮し、十分に休息が取れる環境を確保すること。 ・ 非常災害に備えるため、関係機関への通報及び連携体制を整備し、定期的に従業員への周知 を図り、定期的に避難訓練等を実施すること。 ・ 利用定員を超えて、サービスの提供を行わないこと。 《通所リハビリテーション》 返還事例 ・ リハビリテーション実施計画作成にあたり、利用者の同意を得られていないにもかかわらず、 リハビリテーションマネジメント加算を算定している。 ・ リハビリテーションマネジメント加算を算定しない場合には、個別リハビリテーション実施 加算は算定できないにもかかわらず、個別リハビリテーション実施加算を算定している。 ・ 新規にリハビリテーションマネジメント加算を算定する際、医師又は医師の指示を受けた理 学療法士、作業療法士、言語聴覚士が利用者の居宅を訪問していない。 ・ 重度療養管理加算の算定にあたり、医学的管理の診療内容等の記録がない。 ・ 短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件を満たしていない。 助言、指導 ・ 指定通所リハビリテーションの従業者と他のサービスの従業者が混在しているため、指定通 所リハビリテーション事業所の従業者として月ごとの勤務表を作成し、従業者の日々の勤務 時間、常勤・非常勤の別、看護職員、介護職員及び機能訓練指導員の配置、管理者との兼務 関係等を明確にすること。 ・ 入所者または指定短期入所療養介護の利用者のリハビリテーションが指定通所リハビリテー ションと同室で行われる場合には、それぞれのリハビリテーションの実施場所を明確に区分 し、利用者及び従業員が混在しないよう十分に留意すること。 《福祉用具貸与》 返還事例 ・ 所定の手続きを取らずに、軽度者に対して給付対象でない福祉用具を貸与している。 助言、指導 ・ 福祉用具貸与にあたっては、日常生活範囲における移動の支援が必要な状況等をアセスメン トし、必要な用具についてケアマネと十分に協議すること。 ・ 軽度者の例外給付にあたって、申請時の書類や基本調査の写し等の情報提供をケアマネに求 めること。 《短期入所生活介護》 返還事例 ・ 療養食加算の算定にあたって、食事せんの発行および療養食の献立表が作成されていない。 助言、指導 ・ 指定短期入所生活介護の従業者と他のサービスの従業者が混在しているため、指定短期入所 生活介護ごとに、月ごとの勤務表を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、 看護職員、介護職員及び機能訓練指導員の配置、管理者との兼務関係等を明確にすること。 ・ 指定短期入所生活介護を提供した際には、提供日、提供した具体的なサービスの内容等を記 録すること。 ・ 医師及び看護職員は、常に利用者の健康の状況に注意するとともに、健康保持のための適切 な措置をとること。 《短期入所療養介護》 返還事例 ・ 個別リハビリテーションを行った記録がないにもかかわらず、個別リハビリテーション実施 加算を算定している。 ・ 重度療養管理加算の算定にあたり、医学的管理の診療内容等の記録がない。 助言、指導 ・ 指定短期入所療養介護の従業者と他のサービスの従業者が混在しているため、指定短期入所 療養介護ごとに、月ごとの勤務表を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、 看護職員、介護職員及び機能訓練指導員の配置、管理者との兼務関係等を明確にすること。 ・ 指定短期入所療養介護を提供した際には、提供日、提供した具体的なサービスの内容等を記 録すること。 ・ 医師及び看護職員は、常に利用者の健康の状況に注意するとともに、健康保持のための適切 な措置をとること。 《訪問看護》 返還事例 ・ 特別な管理を必要とする利用者として厚生労働大臣が定める状態に該当しない場合に特別管 理加算(Ⅱ)を算定している。 《訪問リハビリテーション》 返還事例 ・ 訪問介護連携加算を算定する日は、算定できる訪問リハビリテーション費は1回までとなっ ているにもかかわらず、2回算定している。 助言、指導 ・ 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が勤務表上、指定通所リハビリテーション事業所及 び医療機関の従業者として混在していたが、当該指定通所リハビリテーション事業所の従業 者により、サービスが提供されなければならないことから、理学療法士等についての勤務体 制を定めておくこと。 ・ リハビリテーション実施計画書に同意日、説明者名を記載すること。 ・ ケアプラン、サービス担当者会議の要点等の情報提供をケアマネに求めること。 ・ 訪問リハビリテーションは、計画的な医学的管理を行っている医師の指示に基づいたリハビ リテーションであること。 《訪問入浴》 助言、指導 ・ 同一法人内で不足職員を補充する場合であっても、各事業所ごとに従業員登録すること。 ・ ケアプラン、サービス担当者会議の要点の交付をケアマネに求めること。 ・ 利用者の心身の状況を十分に把握し、ケアマネと連携を図ること。 《特定施設入居者生活介護》 助言、指導 ・ 医療機関と連携を図る際に、利用者の健康状況について担当医に情報提供を行ったことが分 かるよう、具体的な内容を記録すること。 ・ 介護記録は、少なくとも1日1回は、利用者の様子を記録すること。 ・ 身体拘束についての同意書は予め書類を作成しておくのではなく、検討会にて必要と認めら れる利用者分だけを作成し、同意を得ること。 ・ 特定施設サービス計画は利用者や家族の意向を確認し、利用者の同意を得ること。 ・ 家族との連絡調整、看護職・介護職との連携等について、計画作成担当者がケアマネジメン ト業務として調整を行うこと。 ・ アセスメントは入居時に実施するだけでなく、更新時等にも実施し、利用者の状態の変化を 把握しておくこと。 参 考 運営基準減算について 「別に厚生労働大臣が定める基準に該当する場合には、運営基準減算として、所定単位数の 100 分 の 50 に相当する単位数を算定する。また、運営基準減算が 2 月以上継続している場合は、所定単 位数は算定しない。 」 (指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準より抜粋) 「別に厚生労働大臣が定める基準」 (老企第 36 号第 3 の 6) 次のいずれかに該当する場合に減算される。 ア 居宅サービス計画の新規作成及びその変更に当たっては、次の場合に減算されるものであるこ と。 (ア)当該事業所の介護支援専門員が、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接してい ない場合には、当該居宅サービス計画に係る月(以下「当該月」という。)から当該状態が解消 されるに至った月の前月まで減算する。 (イ)当該事業所の介護支援専門員が、サービス担当者会議の開催等を行っていない場合(やむを 得ない事情がある場合を除く。以下同じ。)には、当該月から当該状態が解消されるに至った月 の前月まで減算する。 (ウ)当該事業所の介護支援専門員が、居宅サービス計画の原案の内容について利用者又はその家 族に対して説明し、文書により利用者の同意を得た上で、居宅サービス計画を利用者及び担当者 に交付していない場合には、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。 イ 次に掲げる場合においては、当該事業所の介護支援専門員が、サービス担当者会議等を行って いない時には、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。 (ア)居宅サービス計画を新規に作成した場合 (イ)要介護認定を受けている利用者が要介護更新認定を受けた場合 (ウ)要介護認定を受けている利用者が要介護状態区分の変更の認定を受けた場合 ウ 居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(以下「モニタリング」とい う。 )に当たっては、次の場合に減算する。 (ア)当該事業所の介護支援専門員が一月に利用者の居宅を訪問し、利用者に面接していない場合 には、*1特段の事情がない限り、その月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算 する。 (イ)当該事業所の介護支援専門員がモニタリングの結果を記録していない状態が1月以上継続す る場合には、特段の事情がない限り、その月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減 算する。 *1特段の事情 利用者の事情により、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接する事ができない 場合を主として指すものであり、介護支援専門員に起因する事情は含まれない。さらに、当該 特段の事情がある場合については、その具体的な内容を記録しておくことが必要である。 居宅介護支援 特定事業所加算の取扱いについて 厚生労働大臣が定める基準五十八 (1)趣旨 特定事業所加算制度は、中重度者や支援困難ケースへの積極的な対応を行うほか、専門性の 高い人材を確保し、質の高いケアマネジメントを実施している事業所を評価し、地域全体のケ アマネジメントの質の向上に資することを目的とするものである。 (2)基本的取扱方針 ・公正中立性を確保し、サービス提供主体からも実質的に独立した事業所であること ・常勤かつ専従の主任介護支援専門員及び介護支援専門員が配置され、どのような支援困難ケ ースでも適切に処理できる体制が整備されている、いわばモデル的な居宅介護支援事業所であ ることが必要となるものである。 本制度については、こうした基本的な取扱方針を十分に踏まえ、中重度者や支援困難ケース を中心とした質の高いケアマネジメントを行うという特定事業所の趣旨に合致した適切な運 用を図られるよう留意されたい。 (3)厚生労働大臣の定める基準の具体的運用方針 第二十五号告示第三十七号に規定する各要件の取扱については、次に定めるところによるこ と。 [1] (1)関係 常勤かつ専従の主任介護支援専門員については、当該指定居宅介護支援事業所の業 務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えな いものとする。 [2] (2)関係 常勤かつ専従の介護支援専門員三名とは別に、主任介護支援専門員を置く必要があ ること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支 援専門員及び介護支援専門員三名の合計四名を常勤かつ専従で配置する必要がある こと。 [3] (3)関係 「利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的 とした会議」は、次の要件を満たすものでなければならないこと。 ア 議題については、少なくとも次のような議事を含めること。 (1)現に抱える処遇困難ケースについての具体的な処遇方針 (2)過去に取り扱ったケースについての問題点及びその改善方策 (3)地域における事業者や活用できる社会資源の状況 (4)保健医療及び福祉に関する諸制度 (5)ケアマネジメントに関する技術 (6)利用者からの苦情があった場合は、その内容及び改善方針 (7)その他必要な事項 イ 議事については、記録を作成し、二年間保存しなければならないこと。 ウ 「定期的」とは、概ね週一回以上であること。 [4] (4)関係 二四時間連絡可能な体制とは、常時、担当者が携帯電話等により連絡を取ることが でき、必要に応じて相談に応じることが可能な体制をとる必要があることを言うもの であり、当該事業所の介護支援専門員が輪番制による対応等も可能であること。 [5] (5)関係 要介護三、要介護四又は要介護五の者の割合が五〇%以上であることについては、 毎月その割合を記録しておくこと。 なお、特定事業所加算を算定する事業所については、積極的に支援困難ケースに取 り組むべきこととされているものであり、こうした割合を満たすのみではなく、それ 以外のケースについても、常に積極的に支援困難ケースを受け入れるべきものである こと。 また、 (7)の要件のうち、「地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介さ れた場合」に該当するケースについては、例外的に(5)の五〇%要件の枠外として 取り扱うことが可能であること(すなわち、当該ケースについては、要介護三、要介 護四又は要介護五の者の割合の計算の対象外として取り扱うことが可能)。 [6] (6)関係 「計画的に研修を実施していること」については、当該事業所における介護支援専 門員の資質向上のための研修体系と当該研修実施のための勤務体制の確保を定める とともに、介護支援専門員について個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施 時期等について、毎年度少なくとも年度が始まる三月前までに次年度の計画を定めな ければならない。また、管理者は、研修目標の達成状況について、適宜、確認し、必 要に応じて改善措置を講じなければならないこと。 なお、年度の途中で加算取得の届出をする場合にあっては、当該届出を行うまでに 当該計画を策定すればよいこと。 [7] (7)関係 特定事業所加算算定事業所については、自ら積極的に支援困難ケースを受け入れる ものでなければならず、また、そのため、常に地域包括支援センターとの連携を図ら なければならないこと。 [8] (9)関係 特定事業所加算の趣旨を踏まえ、単に減算の適用になっていないのみならず、特定 事業所加算の趣旨を踏まえた、中立公正を確保し、実質的にサービス提供事業者から の独立性を確保した事業所である必要があること。 [9] (10)関係 取り扱う利用者数については、原則として事業所単位で平均して介護支援専門員一 名当たり四〇名未満であれば差し支えないこととするが、ただし、不当に特定の者に 偏るなど、適切なケアマネジメントに支障がでることがないよう配慮しなければなら ないこと。 [10] 特定事業所加算(II)について 常勤かつ専従の主任介護支援専門員等については、当該指定居宅介護支援事業所の 業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支え ないものとする。なお、主任介護支援専門員等の「等」については、平成二十一年度 中に主任介護支援専門員研修課程を受講し、かつ必ず修了する見込みがある者である こととする。 また、常勤かつ専従の介護支援専門員二名とは別に、主任介護支援専門員等を置く 必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主 任介護支援専門員等及び介護支援専門員二名の合計三名を常勤かつ専従で配置する 必要があること。 [11] その他 特定事業所加算取得事業所については、介護保険法に基づく情報公表を行うほか、 積極的に特定事業所加算取得事業所である旨を表示するなど利用者に対する情報提 供を行うこと。また、利用者に対し、特定事業所加算取得事業所である旨及びその内 が理解できるよう説明を行うこと。 (4)手続 本加算を取得した特定事業所については、毎月末までに、基準の遵守状況に関する 所定の記録を作成し、二年間保存するとともに、都道府県知事等から求めがあった場 合については、提出しなければならない。 訪問介護 特定事業所加算の取扱いについて 厚生労働大臣が定める基準三 老企第 36 号 第 2 の 2(17) 特定事業所加算の各算定要件については、次に定めるところによる。 [1] 体制要件 イ 計画的な研修の実施 二十五号告示第二号イ(1)の「訪問介護員等ごとに研修計画の作成」につい ては、当該事業所におけるサービス従事者の資質向上のための研修内容の全体像 と当該研修実施のための勤務体制の確保を定めるとともに、訪問介護員等につい て個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等を定めた計画を策定し なければならない。 ロ 会議の定期的開催 同号イ(2) (一)の「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての 留意事項の伝達又は当該指定訪問介護事業所における訪問介護員等の技術指導を 目的とした会議」とは、サービス提供責任者が主宰し、登録ヘルパーも含めて、 当該事業所においてサービス提供に当たる訪問介護員等のすべてが参加するもの でなければならない。なお、実施に当たっては、全員が一堂に会して開催する必 要はなく、サービス提供責任者ごとにいくつかのグループ別に分かれて開催する ことで差し支えない。会議の開催状況については、その概要を記録しなければな らない。なお、 「定期的」とは、概ね一月に一回以上開催されている必要がある。 ハ 文書等による指示及びサービス提供後の報告 同号イ(2) (二)の「当該利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留 意事項」とは、少なくとも、次に掲げる事項について、その変化の動向を含め、 記載しなければならない。 ・利用者のADLや意欲 ・利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望 ・家族を含む環境 ・前回のサービス提供時の状況 ・その他サービス提供に当たって必要な事項 同号イ(2) (二)の「文書等の確実な方法」とは、直接面接しながら文書を手 交する方法のほか、FAX、メール等によることも可能である。 また、同号イ(2) (二)の訪問介護員等から適宜受けるサービス提供終了後の 報告内容について、サービス提供責任者は、文書にて記録を保存しなければなら ない。 ニ 定期健康診断の実施 同号イ(3)の健康診断等については、労働安全衛生法により定期に実施する ことが義務付けられた「常時使用する労働者」に該当しない訪問介護員等も含め て、少なくとも一年以内ごとに一回、事業主の費用負担により実施しなければな らない。新たに加算を算定しようとする場合にあっては、少なくとも一年以内に 当該健康診断等が実施されることが計画されていることをもって足りるものとす る。 ホ 緊急時における対応方法の明示 同号イ(4)の「明示」については、当該事業所における緊急時等の対応方針、 緊急時の連絡先及び対応可能時間等を記載した文書を利用者に交付し、説明を行 うものとする。なお、交付すべき文書については、重要事項説明書等に当該内容 を明記することをもって足りるものとする。 [2] 人材要件 イ 訪問介護員等要件 第二号イ(5)の介護福祉士、介護職員基礎研修課程修了者及び一級課程修了 者の割合については、前年度(三月を除く。 )又は届出日の属する月の前三月の一 月当たりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出す るものとする。 なお、介護福祉士又は介護職員基礎研修課程修了者若しくは一級課程修了者と は、各月の前月の末日時点で資格を取得している又は研修の課程を修了している 者とすること。 ロ サービス提供責任者要件 同号イ(6)の「実務経験」は、サービス提供責任者としての従事期間ではな く、在宅や施設を問わず介護に関する業務に従事した期間をいうものであり、資 格取得又は研修修了前の従事期間も含めるものとする。 なお、同号イ(6)ただし書については、指定居宅サービス基準第五条第二項 の規定により常勤のサービス提供責任者を二人配置することとされている事業所 については、同項ただし書により常勤のサービス提供責任者を一人配置し、非常 勤のサービス提供責任者を常勤換算方法で必要とされる員数配置することで基準 を満たすことになるが、本要件を満たすためには、常勤のサービス提供責任者を 二人以上配置しなければならないとしているものである。 [3] 重度要介護者等対応要件 第二号イ(7)の要介護四及び要介護五である者並びに日常生活に支障をきた すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症 である者の割合については、前年度(三月を除く。 )又は届出日の属する月の前三 月の一月当たりの実績の平均について、利用実人員を用いて算定するものとする。 なお、 「日常生活に支障をきたすおそれのある症状若しくは行動が認められること から介護を必要とする認知症である者」とは、日常生活自立度のランク III、IV 又 はMに該当する利用者を指すものとする。 [4] 割合の計算方法 [2]イの職員の割合及び[3]の利用実人員の割合の計算は、次の取扱いによるものとする。 イ 前年度の実績が六月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事 業所を含む。 )については、前年度の実績による加算の届出はできないものとする。 ロ 前三月の実績により届出を行った事業所については、届出を行った月以降にお いても、直近三月間の職員又は利用者の割合につき、毎月継続的に所定の割合を 維持しなければならない。 また、その割合については、毎月ごとに記録するものとし、所定の割合を下回った 場合については、直ちに届出を提出しなければならない。 介護予防ケアプランの期間について 要支援1,2の介護予防ケアプラン期間は原則 6 か月以内とし、状態が安定し悪化の可能性が低 い場合、期間を最長 1 年とすることも可能とします。 延長する場合は、下記をめやすにあんしんケアセンターと合意したケースとします。 ○期間を1年とする条件(めやす)は ・認定の有効期間が1年 ・本人の身体状況に大きな変化がない ・利用しているサービスが大きく変わらない ・本人を取り巻く環境や家族の状況に変化がない
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