製造業 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 重油ボイラーLNG転換と天然ガスコージェネレーション導入で システムの総合効率を約90%まで改善 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 塩野義製薬株式会社(金ケ崎工場) 平成25年度エネルギー使用合理化事業者支援事業(平成24~26年度 継続事業) ◎総事業額:14億8,050万円 ◎補助金額:約4億6,614万円 取組の概要 ●取組の背景と目的 医薬品の製造は、クリーンルームの環境清浄度を維持するための空調設備を終夜稼動させるため電力を大量に消費する。 また当該工場の特徴として原薬(医薬品の主成分)の製造過程において使用した有機溶媒をリサイクル使用するための熱エ ネルギーとして大量の蒸気や温水を使用することから、省エネとCO2の削減のための設備の変更について以前から検討して いたが、それに加えて東日本大震災後の電力不足が起きた。 そこでA重油からLNGへのボイラー燃料転換を行うと共に、天然ガス焚きガスタービンコージェネを導入し、購買電力を 削減すると共に災害時などの長期停電発生時の自立送電を可能にすることと、LNGガスタービンから高効率で蒸気を取り出 すシステムを採用することより大幅な省エネとCO2削減を図ることを目的とした。 ●導入設備の概要 ◎LNG貯蔵設備 100kℓタンク 4基(最大使用量の約3日分) ◎ガスタービンコージェネレーション設備 発電量:1,800kW 2基 蒸気発生量:5t/h 2基 ◎天然ガス焚き貫流ボイラー ▲LNG貯蔵タンク 蒸発量2.5t/h 15台 ▲ガスタービンコージェネレーション設備 運用状況と省エネルギーの効果 ガスコージェネ設備単体のエネルギー効率は約85%であるが、夏季はLNG気化 エネルギー使用量 (原油換算kℓ/年) 冷熱利用によるガスタービン給気冷却で発電出力向上を図り、冬季は排ガス熱を回 収してLNGを気化させる熱源とすることで、システムの総合効率を約90%まで改 導入前 19,531 善し、世界でもトップクラスのエネルギー効率を達成した。 導入後 17,530 追従用にLNG焚き小型貫流ボイラーを多缶設置して、必要量に応じて制御運転する 削減率 10.2% 〈計画値〉 また工場内の蒸気負荷へは、コージェネ排熱ボイラーの蒸気を優先使用し、負荷 ことで、効率を高めている。 その他、エネルギー使用の『見える化』に工場全体で取組んでおり、各所にディ スプレイモニターを設置し、従業員各自のPCでデマンド状況がリアルタイムでわ かるようにして、省エネ意識の醸成を図っている。 ◎投資回収年数:12.2年 事業者概要 塩野義製薬株式会社(金ケ崎工場) ■住所:岩手県胆沢郡金ケ崎町西根森山7番地 ■電話:0197-44-5121 ■資本金:212.8億円 ■従業員数:519名(金ヶ崎工場) ■URL:http://www.shionogi.co.jp/ ■事業内容:医療用医薬品の製造 (主要製品:抗生剤、癌疼痛薬) 「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本 方針のもと、患者さまやそのご家族の方々のQOL(Quality of Life:生活の 質)を向上していただくために、皆さまにとってより一層満足度の高い医薬 品をお届けすることをミッションとして、医療用医薬品を中心とした研究・ 開発・製造・販売活動に日々注力しています。 6
© Copyright 2024 ExpyDoc